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furerudake ja tarinai
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
ノンケの色男に挑む猛者(ゲイ)の話は数多くありますが、
その猛者のなかでも、こちらの受さんはハイレベルじゃないでしょうか。
前向きで可愛くてあっけらかんとした受さんのキャラが、かなり好ましくて、朗らかな気分で読了、元気になれるラブコメでした。しかも、べリ子先生のイラストが最高にいいっ!!
告白して、”興味がない”って一番恋愛に発展しなそうなリアクション…。そこを、”拒絶じゃないし~”と前向きに捉えて、同性という利点を(?)活かして、グイグイ接近して、エロなしの添い寝(ヤローの雑魚寝ともいう)を許すほど相手の懐に入り込み、すけべなことしたいのに、理性を強くもって、粘り強く可憐に、相手の気持ちをじわじわじわじわ…浸食していく無自覚な知能犯。。”好き好き”はわりと刷り込みがきくもんだなと、うっかり感心しました。
とはいえ、この何事にも無関心で粗塩対応な攻さまも、受さんのことは憎からず思っていたんだな~という雰囲気は至るところで、さりげなく感じられます。だって、羽毛布団抱える受さんを見て、”ソフトクリームみたい”ってほわっとした気分になるって、そこには愛しい気持ちしか感じられないやんか!ってキュンしました。
週末ごとにお泊りする(って、もはや付き合ってない?な気分でしたが)ほのぼの交流は頻繁なのに、一向に進展しないふたりを見かねた受さんの友人によるファインプレー、いきなり”お道具おせっせ”…ってハードル高っ!と笑ってしまったのですが、やはり高いハードルは越えたらいいことあるんですね!これが功を奏し(?)、攻さま覚醒→見事に大勝利をおさめる執着ゲイの片思いは、読んでいて痛快でした。
書き下ろし、お付き合いがはじまったらなんと!→”きみにしか興味がない”ですよ!攻さまの溺愛が加速していて、なんだかもう幸せが洪水しちゃってるし。うかれる受さんの気持ちが伝染して幸せになりました。ごちそうさまです!
恋が生まれるとこから愛になるまで、切なさも苦しさも愛しさも全部書かれてます!
晴琉が久瀬のことが好きすぎて、コミュ力高すぎてすごいです。好き好き攻撃が可愛くて、決して押し付けず久瀬の懐に入り込んで。もし自分の女友達だったら「可愛いくせしてあの子わりとやるもんだね」と嫉妬するくらい全力で、今すぐどうこうなれなくても、そばにいられるだけで幸せ、どんな久瀬もかっこいい!20年後に久瀬くんが一人ぼっちになったら口説くみたいな壮大な計画で。
恋愛にも他人にも何事にも興味がない久瀬がいつのまにか晴琉の愛情に包まれていたことを自覚し、遅れてきた思春期にワタワタして晴琉を怒らせたり、晴琉のことで頭がいっぱいになって暴走したり。
でもあの久瀬をこんなに必死にさせて晴琉すごいね!良かったね!!
きみにしか興味がない
久瀬が初めての恋に溺れて幸せで晴琉が足りなくて。
初めての嫉妬やケンカも。
そこからの久瀬が男前でした。
ずっとそばにいられたらすぐ仲直りできたり話せるしイチャイチャも抱き合ったりもできるし、帰る晴琉をポツンと見送らなくていい。からの同棲したい→家族に話さねばと。
もうお互い好きすぎて愛しちゃっててたまりませんね。
二人ともちゃんとしてて、お互いのことを想って。
もう久瀬は晴琉なしではいられなくなってるから晴琉の気遣いも不要で。
久瀬をここまで変えた晴琉すごい!
いつもニコニコして全てを受け入れてくれて、居心地よく気を付け引き際もわきまえて。こんな可愛い晴琉を好きにならずにいられないよ。
高木くんもグッジョブでした。
可愛い片想いアタックから両想い甘々までたーっぷり読ませてもらいました。
再読です。
毎回作家買いをするほど、川琴先生の書かれるお話がとても好きで。
基本は甘く楽しい雰囲気だというのに、お仕事もスタンダードなものから珍しいものまで登場しますし、いったい先生の引き出しはいくつあるの…?というくらいバリエーションに富んだ作品が多くて、どの作品も読んでいてきゅんと癒されるというか。
中でも、こちらの「ふれるだけじゃたりない」は噛めば噛むほど良い味がすると言いますか…うーん、どうしようもなく好きなんだなあ。
このお題からこの展開に持っていくのかと、驚きと萌えでいっぱいになるんです。
「きみに興味がない」って、ある意味「嫌い」と言われるよりもきつい言葉なのではないでしょうか。
「どうでも良い」と同等の意味にも取れると思うんですよね。
好意をストレートに伝えたところ、そんな言葉を意中の同僚・久瀬から告げられてしまった晴琉。
しかし彼は「つまり嫌いではないということ=これから好きに変わるかもしれない」と、超がつくほど前向きな思考で押せ押せな好きアピールをしていく。
本当にすごいガッツとアピール。何がすごいって、久瀬が本当に嫌がりそうなラインは絶対に超えずに、なおかつするっと懐に入り込んでしまう晴琉のたくましさ。
相手も相手ですし、よほどの想いと根気強さが無ければ出来ませんよね。
そんな晴琉に、いつしか難攻不落のはずだった久瀬も心乱されていくんだな。
これは、あまり人に興味がない久瀬が相手じゃなかったら確実に引かれていると思う。
お相手となる久瀬という人は、晴琉だけにではなく誰にも興味がないんです。全員が無味無臭。
なんというのかなあ。
ごく普通に口にするお米って、どれも白いじゃないですか。
いつも通り何気なく食べていたら、するっと口に入って来た玄米っぽい歯ごたえのやつが居て、よく分からないけど美味いなと毎日食べていたら、ある日を境に突然その食感がなくなって、あれっ?美味いあいつはいったい…?と、気になって仕方がないみたいな。
いやね、お米に例えるのもどうかと思ったんですけど。
ここまで綺麗な、押してダメなら引いてみろってあんまりないですよね。
晴琉が、お節介な友人の言葉通りに引いてみた結果、ようやく自然と側に居た晴琉という存在を認識した久瀬。
彼が居なかったらこの2人はくっついてはいないはず。
膠着状態の2人に、雑誌掲載時のお題だった「お道具」をこう使うとは!と、川琴先生の発想力がすごい。
両視点で語られるので、この辺りから晴琉の長期スパンの一途な片想いが徐々に切ないものになっていくのも、久瀬の頭の中が晴琉だらけになって、どんどん脳内が初恋で混乱していく様子も映像で浮かぶかのようで。
もう、ここからの世界が一変するかのような立場の大逆転劇が本当に面白い。
誰に対しても塩を通り越して粗塩対応の、低温が定温とまで言われていた久瀬。
そんな彼が、晴琉との関わりによって、人間1年目もとい、"人間はじめました"状態から、徐々に成長しようとしていくのがなんとも愉快で。
いわゆる攻めざまぁという展開なのですけれど、言葉足らずさゆえに、いつも答えはYESだった晴琉の逆鱗に触れてしまって以来、自分の至らなさ・言葉の足りなさを猛省していく。
離れてようやく晴琉の愛情の深さと優しさに胡座をかいていたことに気付いて、これは恋なのではと目覚めてからの久瀬が、序盤のあなたは一体誰なの?というくらいの溺愛攻めに変化します。
受けへの気持ちにじたばたともがく攻め…と、最高に気持ちの良い展開でした。
後半はすっごく甘い。そして久瀬が可愛い。
こんなの大好きに決まってるじゃないか…!
前半は、よく懐く犬のような晴琉が久瀬の周りをくるくるキャンキャン鳴きながらまわっているような印象があったんです。
後半は、恋愛に関しても人に対しても赤ちゃんレベルな不器用朴念仁犬・久瀬のリードを、小型犬の晴琉が咥えて引っ張って一緒に走っているような感覚に。
言葉がわからない赤ちゃんに優しく、こうだよ〜なんて教えてあげているように見える…
素直になった久瀬にバブみというものを感じてしまった。
受けが攻めに何かを教える図って良くないですか?
しかし、晴琉は本当に懐が深くて優しくて男前だなあ。
晴琉のことが好きすぎて、脳内が「可愛い」でいっぱいになる久瀬もおかしくって。
嫉妬をしたり、余裕がなくなったり、確実に晴琉が撒いた愛情の種がにょきにょきと久瀬の心の中で成長していっている様子が伺えます。
2人ともが「ふれるだけじゃたりなくて、きみにしか興味がない」になっていっているようで、好きだ幸せだと言い合う姿があまりにも可愛すぎますね。
過去に付き合っていた彼女達と全く同じ言葉を晴琉に言っていることに気付いて笑う久瀬がたまらないな。
ベッドシーンもやり取りがすっごく甘くて、こんなに好きがあふれているだなんて…どちら視点のものも萌えるしかなかった。
ピロートークも微笑ましくて、ずっといちゃいちゃしていてほしい気持ちでいっぱい。
これからもたくさん話して、寄り添う努力を欠かさずに、地球が終わる日まで隣で一緒に過ごしていける2人だと思います。
人を好きな気持ちって良いなと感じる、とても楽しくて良い読後感の可愛らしいお話でした。
ノンケ×ゲイでいわゆる攻めザマァ展開です。グイグイ押しまくったあげくに引いてみなっていう受けの作戦勝ち。受けというより受けの友人の。その後の展開でもこの友人のアドバイスがなければ2人はくっつかなかったので、彼のキューピッド体質が凄すぎる。
健気な受けは最初から攻めの本質的な優しさを見抜いて惚れまくってたわけだけど、序盤の攻めの性格は酷くて「人としてどうよ?」ってレベル。心の原石を磨いてくれた受けには感謝すべき。両思いになってからはこれでもか!ってくらいの甘々展開です。もしも明日地球が滅ぶ時…のエピソードが好きでした。
特筆すべきは挿し絵のエロさ。漫画より修整甘いんじゃないかしら。最近は小説挿し絵メインでやってる絵師さんが多い中、珍しく人気漫画家さんによる挿し絵。ベリ子さんのファンの方は必見ですよ。そういうとこからでも小説人口増えてほしいなあ。これ以上素敵な小説レーベルになくなってほしくない。ディアプラスは大丈夫と思いますが。
漫画も小説も両方心から愛する者の気持ちです。
「受けに全く興味のない攻め×とにかく一途で打たれ強い受け」という組み合わせなんで、前半は攻めが超そっけないです。
というのも「受けに興味がない」のではなく、「人間に」興味がないんですね、攻めは。
だから女の子から告白されて一応付き合うも、彼女の顔すら覚えていないので違う女子を彼女だと思い込んで話し続けていて、それが彼女にバレて振られる……なんて事を繰り返している男。
見てくれはいいけれど「低温の粗塩対応で難攻不落につきあくまで鑑賞用」と言われてる始末。
そんな攻めに「きみに興味がない」とバッサリ斬られたにも関わらず、完全に拒絶はされない事を良い事に、週末に攻めの家に押しかけては一緒に過ごし、何なら一緒のベッドで寝ちゃう受け。
だけど一年ちょっと経っても二人の関係に一切変化がなく、それを見ていられなくなった友人のお節介により、まさかの「お道具エッチ」をする羽目に……
この作品は「お道具エッチ」というお題のアンロソが初出だったと知り、川琴先生、凄いなぁってまず思いました。
こんな効果的なお道具エッチないよー!!
エッチがきっかけとはいえ、ガッツーーーン!!!と攻めの脳天を直撃し、それからどんどん変化していく攻め。
そして、ちょっとした攻めザマァもGOOD!
どんな気持ちで受けが「お道具エッチ」に臨んだかを知り、ちゃんと攻め自身が改悛するんですね。
今まで自分の心を占めていた映画は金を払えば確実に手に入るけど、人の心はそうじゃない。
簡単には貰えないものなのに、「街で配られるチラシ」のように受け取ってきた自分……というのを振り返る箇所。
歴代彼女や受けからの好意を「街で配られるチラシ」と表現したところが秀逸だなぁと。
そして後半の【きみにしか興味がない】は、恋人同士になった彼らについて書かれているんだけど、生まれて初めて恋に落ちた攻めが激変してます。
前半の「恋愛って何?そんなの面倒&時間の無駄だし、俺には映画があればそれでいい」状態とは完全に別人なので読んでてニヤニヤしちゃう。
二人ともお互い相手のことしか眼中にない状態がめちゃくちゃ微笑ましくてかわいい。
とにかくやり取りが、甘々でかわいいの。
こいつら二人まとめてかわいいよーってなやり取りに萌えます。
そして攻めが、受けの過去や告白してくる女子相手にいらぬ嫉妬したり、喧嘩しちゃったり……と人並みの感情を抱いてモヤってる様に、遅れてきた思春期じゃないけど、よしよし順調に成長しとるな!と。
後半に萌えが詰まってて、評価も急上昇でした。
読むまでは晴流が久瀬に一目惚れして、片思いの期間が長いのかと思っていました。
ところが晴流の友達ゲイの同僚がお道具エッチしてくれたら、晴流が諦めると嘘をついたのを間に受けて致してから意識してしまいます。
他人に無関心な久瀬からしたら、晴流は最初から特別だったんですよね。本人が気づいていないだけで。
晴流に避けられ出してから気持ちに気づいて必死になります。
両思いになってからの方がかなり長いです。
むしろ久瀬の方がデロデロに惚れてしまってます。
読んでて幸せな気持ちになります。
こう言うお話大好きなので文句なしの神でした。
他人に興味がない攻めと超ポジティブな受け
「好きの反対は嫌いではなく無関心」とはよくいいますが、最も難しい相手を想い続ける受けのがんばりそれが実る話とその後の攻めの豹変ぶりが楽しめる話でした。本人が全く興味がなかったとはいえ、どうみても受けはストーカーでした。
<あらすじ>
成末晴琉(受け)は社内で「触るな危険。低温火傷注意、難攻不落につき観賞用」とまでいわれる何人にも興味を持たない男・久瀬龍之介(攻め)に恋しています。
告白しないと始まらないと思っている晴琉は、相手が嫌がらないのをいいことに積極的に話しかけ遊びや食事に誘い、家まで押しかけ親しくなろうと一生懸命になります。が、自分が恋愛対象としてみられていないと思い知った晴琉は久瀬に告白するのです。答えは一言「興味がない」。
それでも、嫌われているわけじゃないならと超ポジティブに解釈し、態度を改めることなく、会社では昼食に誘いお泊りに行きと相変わらず久瀬にべったりしてかれこれ1年2か月。
無毛な恋をしている晴琉を心配するゲイ友・高木有朔のアドバイスにより押すのをやめて引いてみようとばかりに会うのを控えてみた結果、結局ちょっと気になった久瀬に声を掛けられたことで前より好きになってしまい諦め方がわからないと落ち込んでしまいます。
それを見た高木は久瀬に「「お道具エッチ」をしてくれたら諦める」と晴琉が言っ
ていると嘘を行ってしまいます。それは、誠実でない返答をしてくるだろうと見越しての、晴琉を幻滅させるための嘘だったのですが、なぜか久瀬はそれを受け入れると言ってきたから大変。
うろたえる高木に一度でも久瀬に触れるならと晴琉はその嘘にのることにするのです。
両視点で読めるので晴琉の超ポジティブな考えがも、久瀬の全く関心のない様子も読めます。
特に久瀬視点では全く興味をもっていなくて、いつも勝手に傍にいるけど自分の邪魔をするわけでもない晴琉を無意識に受け入れていっている様子がわかります。
きっとこの時点で特別になってきているんですが本人だけがわかってなかった。
傍にいるのは嫌じゃないけど何とも思っていない久瀬が晴琉に高額なクリスマスプレゼントをもらったことで改めて晴琉の気持ちの重さを再認識し、意識するようになるのです。
高木からの「お道具エッチ」についても、びっくりはしますがいままで側にいても性的な事は一切感じさせなかった晴琉の心遣いに気づき、せめて最後くらいはと承知するのですが、それが久瀬にとっての年貢の納め時となったしまいます。
高木が「9回2アウト2ストライク」と評しますが、本当に最後の最後のお別れエッチで久瀬の考えが180度変わってしまうのが笑えます。
晴琉のエロい姿が忘れられず・・・日常生活もままならなくなる久瀬。
最後にするという宣言通り晴琉は距離を持って普通の同僚として接してくれるのですが、反対に久瀬は前回のエッチが忘れられなくて・・・
さんざん晴琉の好意の上に胡坐をかいていた久瀬が慌てふためく様子が楽しいし、告白の仕方すら知らず、告白したつもりがただエッチがしたいかのような発言をしていたり今まで自分に興味を持ってくれた人に対してしていた行為の仕返しを受けている感じが笑えると共に、高木から聞かされる晴琉の様子に晴琉の健気な様子を思い浮かべて切なくて泣きそうになりました。
後半はずっと変わらず久瀬が大好きな晴琉と、晴琉が好きになればなるほど自分の今までの行動を鑑みて今は晴琉は自分を好きだと言ってくれるけどいつか愛想をつかされるかもしれないとあせり、今まで通りでかわらない晴琉にもっと会いたいと思ったり後輩女子に嫉妬していることを言うのは重いかもとぐるぐるしている今までの悪行にしっぺ返しされる久瀬が楽しかったです。
最後に久瀬家族が晴琉に会いに来るというところで終わりましたが、久瀬の母親
と妹と晴琉の初邂逅が見たかったです。
晴琉はきっと女性と友人になるのは得意そうなので母親や妹とも仲良くやってい
けるんじゃないかと思います。
ノンケを落とす時、攻めでも受けでも色っぽく迫って身体から入る話が多い中、今作は攻めが全く他人に興味がないというのもありますが、「お道具エッチ」の
話が出るまで一切性的なことを意識させなかったのは新鮮だったし、良かったです。身体から入って意識して絆されるという展開はちょっと食傷気味だったし、そんなに簡単に絆されるなよと醒めてしまうことが多いので。
友人のアドバイスにより引いてみたのも、久瀬の反応を見るというよりは自分が久瀬と接触しなくて大丈夫だろうかという諦めるために試したみたというのが久瀬には何も期待していないというのがわかりやすくて面白かった。
それほどの久瀬が豹変するギャップが楽しかったです。
とてもとてもポップな表紙にやられてしまって購入。
でも、この表紙から読む前の受けさんイメージは『恋する乙女』だったんですけれど、読んてみると晴流はもっと潔い感じで好感度UPです。
あたしは晴流くん、とっても男前に感じたんだけどな。
だって、素っ気ない態度を取られても拒絶されない限りはずっと久瀬の側にいて、20年後に「もうずっと一緒にいるしかないでしょ?」と追い詰める長期計画なんて、実に前向きでたくましいと思うの。
だけど自分勝手じゃないんですよ。
久瀬の趣味嗜好を充分理解して、映画オタクである彼がそれに没頭している時は決して邪魔しないし。
そして、何と言っても自分なりの『久瀬の良さ』を知っていて、それが彼の『塩対応』を凌ぐほど素晴らしいものだって解っているのがね、とっても素敵だなと思ったんです。
対する久瀬なんですが。
確かに過去の女性に対する態度は酷いとは思うんですけれども。でも、大なり小なり、こういう所がある男って結構多いんじゃなかろうか?
ちなみに、お話の冒頭で久瀬に届く『映画シリーズ6本とボーナスディスク3枚がついたブルーレイのフルコンプ』ってSWシリーズだよね?
で、晴流がクリスマスプレゼントで久瀬にあげたフィギュアってマーベル系の奴だよね?
この手に夢中になってる男子の中には『久瀬みたいな人いるいる』感が満載なんですけれども(笑)。
久瀬の場合は『映画』なんだけれど、それがPCだったり、車やバイクだったり、アウトドア関係の何かだったり……それに没頭している時に邪魔すると一気に機嫌が悪くなるのよ、彼らは。
いませんか?こういう男子、皆さんの周りに。
ごめん、あたし、割とこういう人嫌いじゃないんですわ。
むしろ、べたっと優しい人より好き。
ただですね、久瀬みたいな人って、酷い言い方だけれども『視野狭窄』なんだと思うのね。
周りが見えていないから、割と幸せを逃す傾向が強い(笑)。
久瀬は晴流の大らかで、でも一途な愛情に気づいた(『押してダメなら引いてみな』作戦、ナイス)。
そこから、晴流の愛情を失いたくないとジタバタする久瀬は可愛らしいですよ。
もう、ニヤニヤが止まらなかった。
そもそもの始まりが『お道具エッチ』ですから、その手のシーンは多いです。
でも、爽やかなんですよ。
2人とも勝手じゃないからだと思うんです。
どうすれば2人で良くなれるかを、その最中に伝え合っているのがすごく好みでした。お互いを大切にしているのがよく解ったし、何と言っても色っぽかった!(科白が脳内再生されちゃったんですもの)
最近、自分が枯れてきた所為か、濡れ場が多いと笑っちゃう(失礼)か、白けちゃうことが多いのですが、このお話は濡れ場で萌えました。
設定はすごく好みで、最初の方は面白かったんですけど、攻めが気持ちを自覚してからくっつくまでの過程がちょっと雑だった気が…
半分以降は甘々でした。甘々ラブラブターンよりもくっつくまでの過程が好きなので、そこはもうちょっと丁寧に書いてほしかったです。キャラも設定も良かっただけにちょっと残念!
甘い。というか汁ダクというか。半分ぐらい色っぽいシーンだったのではと錯覚するぐらい絡みシーンが汁ってました(私比)。普段、表紙が滴ってる感じの本は買わないので、久しぶりに色っぽさ多めのお話読んで、楽しかったです。きゅううと切ない部分もあったので、それでお話が引き締まったように感じたのかも。「雑誌掲載分130Pほど+本編続き118Pほど+あとがき」でした。晴琉の前向き姿勢が好きだったので萌2よりの萌にしました。前半にある粗塩対応が平気な方、お道具が大丈夫な方限定でおススメしたいです。
会社(新橋)の本社部門に配属変更となった晴琉が、エレベーター内で偶然出会った久瀬に好感を持ったのが1年前。そこからひと月たたずに休日の久瀬宅訪問&ごねて宿泊get。認識してもらおう!と告白したものの彼からの回答が「きみに興味ない」w すげー。でも晴琉がひたすら前向きなのが凄くて諦めなんてしなくて。本部オフィス女子の間で「低温火傷注意、鑑賞用」とタグ付けされている久瀬なので、「拒絶されてる訳じゃない」と継続アピール中していたのですが、久瀬絶ちをしてみたら、ある日社食で前に座ったのは久瀬で・・と続きます。
攻め受け以外の登場人物は
高木くん(同僚、晴琉がカミングアウトしたことによって知り合ったゲイ仲間、いい子や)、後半で晴琉に絡んでくる女子1名ぐらいかな。
**以下より内容に触れる感想
粗塩対応の久瀬、なんでこんな人に興味ない人間になったんだしょうね?好き♡なんて感覚、ほっておいても降ってくるものだと思うのだけどな。つきあってから「名前なんだったっけ」なんて聞かれたら、あたしゃ殴るよ(笑)
やっぱり恋愛初心者の頃のあれやこれやがダメだったのと、もって生まれた性格なのかな。だとしたら、ちゃんと人の気持ちも自分の気持ちも少しは分かるようになったので、晴琉にもっとちゃんと感謝してよね!と思った次第です。
途中、超粘着質に変貌を遂げた後、一度目覚めたら大変男前だったので、素晴らしい!と思った攻めさん。これは攻めに対する怒りが勝つか、耐えて最後まで読んで「おお」と思うかで評価がすごく分かれる気がしたお話でした。
SSの感想の方にも書きましたが、めっちゃ頑張ってくれた高木くんのスピンオフが読みたいです!先生よろしくお願いいたします。