全訳 男色大鑑-武士編-

nanshoku ookagami bushihen

全訳 男色大鑑-武士編-
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神1
  • 萌×20
  • 萌0
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
1
得点
5
評価数
1
平均
5 / 5
神率
100%
媒体
漫画(コミック)
出版社
文学通信
レーベル
シリーズ
男色大鑑
発売日
価格
¥1,800(税抜)  
ISBN
9784909658036

あらすじ

殺されたい、愛するお前に...。おお、これが究極の純愛というヤツなのか。
井原西鶴が1687年に描き出した、詩情あふれる華麗・勇武な男色物語が、遂に現代に甦る。
若衆と念者の「死をも辞さない強い絆」は、常に焦点ととして描かれる三角関係の緊張感とともに、長い間、誠の愛を渇望して止まぬ人々の心を密かに潤し続けてきた。
世界の奇書として名高い『男色大鑑』。全集でしか読めなかった作品群が、わかりやすい現代語と豪華漫画家陣[あんどうれい、大竹直子、九州男児、こふで、紗久楽さわ]の挿絵によって鮮やかに息を吹き返す。
天才、井原西鶴による300年前のストーリーが今ここに復活。魅惑の古典世界への道しるべが、ここに登場。古典文学は、ここから学ぶと絶対楽しい!

本書は『男色大鑑』八巻中、前半の武家社会の衆道に取材した作品四巻までを収録(後半の四巻は2019年6月に刊行予定)。
現代語訳は、若手中心の気鋭の研究者、佐藤智子、杉本紀子、染谷智幸、畑中千晶、濱口順一、浜田泰彦、早川由美、松村美奈。

●本文より
「今の思いはどうだ。これでも白状せぬか!」
と仰せられた。小輪は右手を差し出して、
「この手で兄分をさすりましたゆえに、さぞかしお憎しみは深いことでしょう」
と言うと、殿は飛びかかってその手も斬り落としておしまいになった。
〈巻2の2 傘持つても濡るる身〉より

「御貴殿を深くお慕いしております証拠には......」
と同時に肩を脱ぐと、
団之介の左腕には「嶋村」、内記の左腕には「藤内」と名字と名前をそれぞれ刺青して、
「御貴殿に逢わないうちからこの通りです」と見せた。
〈巻2の5 雪中の時鳥〉より

レビュー投稿数1

命大事に

厳密に言えば江戸時代の文学作品であり、BLではないんだけど、男性の書いた男色オンリー小説(どちらかと言えばショートショートって感じ)なので限りなくBLっぽい。ていうかこんなのが300年前に書かれてたなんてやはり日本にはBLが好まれる土壌が出来ているんだなあ。

しかも創作物だけど衆道、小姓、稚児などの風習は実際にあったわけだからまるっきりのファンタジーフィクションという訳でもない…不思議の国日本。原文をそのまま読むのは大変なので、わかりやすい解説付き、美しいイラスト付きでこの企画自体が神です。お勉強感覚でBLを楽しめる。

しかし個々の内容は現代人には理解しがたいものが多く、殿が愛した小姓の腕や首を切り落とす残酷物語もあります。若衆の盛りは12歳から20歳位までで16歳位が一番美しく食べ頃だそうです。でもその時期って20センチくらい急に身長伸びる人もいるのに大丈夫かな?なんて思います。総じて皆13.4歳で恋愛が困難になった位で簡単に人の命や自分の命を粗末にしすぎ。創作物だから過激な心中物が好まれただけだと信じたい。皆もっと命大事にしないと。

現代のBLにもありそうなお話は2つばかりありました。一つは若い頃駆け落ちして50年位同棲してるカップル話。いいよね!じじいBL。もう一つはカップルの受けの方に横恋慕してたはずの男がなぜか攻めの方と深い仲になり、受けの方は「はあ?なんでやねん!2人共俺を好きやったんちゃうんかい!」って話。爆笑ですよね。こんなBLはぜひ現代物でも読んでみたいです。

少々お高めでしたが自分へのクリスマスプレゼントに買ってしまいました。数年前に出されたコミック版の3巻もすごく良かったので両方揃えると萌え倍増です。江戸時代BL面白い。大竹直子先生所蔵の若衆人形の写真も必見です。何で持ってるんだ(笑)でも誰よりも正しい持ち主って感じがします。

2

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