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retsujou no hako
旧家の跡取りである朔は、家に開かずの間がある事に気付く。そこで拾った古い指輪の箱。
それは過去に遂げられなかった恋に殉じた女の情念。という、何ともおどろおどろしい幕開け。
朔は箱の呪いで、発情状態になってしまう。
子供の頃から朔の世話係として側に居る夏目はその熱を治める為と、朔に触れるが。朔は子供の頃から夏目に密かな想いを抱いていて。夏目もまた主人である朔への想いを抑え込んでいる。
という、これまた何とも焦れったい。箱の呪いは、二人の秘めた恋を引きずり出す事だったのか。
劣情から表面化して行く熱い想い。熱に浮かされた様な朔は煽情的な色っぽさで、触れはするものの、よく我慢出来るものだと夏目のその頑固さに呆れてしまいます。
夏目にとっては、主人である小鳥遊家の現当主に恩義があり、その御子息に手を出す事は許されないという禁断感はあるものの。なかなか自分の気持ちを吐露してくれないので、朔が可哀想で、可哀想で。
また、箱の呪いというのが、昔々、小鳥遊家の主人と結ばれなかった女の怨念というのだが、身分違いの恋だったとかで、女はヤリ部屋でしか逢い引きしていない。ただただ不憫なのだ。小鳥遊家の子息が朔で、夏目は使用人なので。これは巡り巡って逆の立場でかけられた呪いなのか、はたまた夏目の秘めたる情念が朔を苦しめるのかも?などと深読みしてしまいました。
もちろん予想通り、二人の恋が呪いを解くという予定調和的な結末です。も少しひねって欲しかったかも。
きっと夏目も朔にメロメロな筈なんだけど、ちょっと足りてない気もします。もっと愛して。呪うよ!って、思っちゃった。
そして、呪いの発端はどうにも気になるのでもっと明らかにして欲しかった。昔の当主は嫌なヤツな気がしてならんのよ。
ところで、私は赤い表紙の合本版で読んだんだけど、ちるちるでは掲載不可な様です。何でかな。