コンビニで拾った恋の顚末

convenience store de hirotta koi no tenmatsu

コンビニで拾った恋の顚末
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神4
  • 萌×212
  • 萌4
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
6
得点
80
評価数
20
平均
4 / 5
神率
20%
著者
秀香穂里 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
新藤まゆり 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
シリーズ
他人同士
発売日
価格
¥600(税抜)  
ISBN
9784199009167

あらすじ

完璧な笑顔と接客で、超一流ホテルを指揮する総支配人──。若くして頂点にたつ帯は、生活感の微塵もないウィークリーマンション暮らし。仕事帰りに寄るのはコンビニくらいだ。そんなある夜、店員の向井から声を掛けられる。帯の柔らかな威圧感にも臆しない男は、小説家志望で人間観察が趣味らしい。明るくて純朴で好みとは真逆だ──理性は警告するのに、帯は乾いていた欲情を煽られて?

表題作コンビニで拾った恋の顚末

向井荘介、小説家志望のコンビニのバイト店員29
帯拓誠、銀座の外資系ホテルの完璧な総支配人39

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数6

受様の心の殻を砕いた人は

今回は一流ホテルの総支配人と
小説家を目指すコンビニ店員のお話です。

受様がホテル内での攻防を制し
初めての本気の恋を手に入れるまで。

受様は東京銀座の一等地にある
外資系ホテル「コドリア」の総支配人です。

コドリアはロンドンに本社があり、
昨年銀座にオープンするにあたり
受様は弱冠39歳の若さで他のホテルから
ヘッドハンティングされた逸材です。

銀座コドリアの重役たちは
皆攻様よりで年上で高学歴な上に
有名ホテルで働いた実績を持つため
受様は浮いた存在となっていますが

受様はスタッフへも細やかに気を配り
ホテルを訪れる様々な人々へ
常に最高級のサービスを提供したい
という信念で激務をこなしています。

受様はホテル内で過ごすことが多く
いっそそのまま住み込みたいところですが
日本橋の高級ウィークリーマンションを
住居としています。

忙しい受様は仕事ならともかく
食べる事にさほど興味のないので
マンション近くのコンビニを
よく利用していて

イートンスペースで
1人カフェオレを飲む時間は
けっこうお気に入りです。

今夜もがらんとした店内で
カフェオレを買おうとしますが
サーバーのミルクが切れていたようで
男性店員が手際よく対応してくれます。

この店員こそ今回の攻様になります♪

攻様はしっかりした男らしい横顔で
間違いなくいい男の部類ですが
受様は自分好みではないなと思います。

ゲイである受様の好みは
凛としていてどこか神経質そうで
眼鏡かけている男なのです。

しかし受様は
客としてコンビニに通ううちに
店員の攻様と親しくなっていき
純朴な攻様を落としてみたい
と思うようになっていきます。

受様は休日にあえて軽装で
ライバルホテルの偵察をしていますが
新宿のシティホテルのブッフェで
偶然攻様と遭遇し
思いがけなく楽しい時を過ごします。

いい雰囲気のまま攻様を
自宅にお持ち帰りにした受様ですが
なんとセックスどころかキスしただけで
逃げられてしまうのですよ(笑)

攻様を意気地なしとののしり
代わりなんていくらでもいる
と思う受様でしが…

秀先生の既刊シリーズ『他人同士』の
スピンオフで本編の受様の元カレが
本作の受様になります。

本編の受様は本作の受様に
こっぴどく振られたことが原因で
かなりのダメージを受ける上に

2人が再会した際には
相手にちょっかいを出して
引っ掻き回すという
本編の登場キャラの中でも
かなりのダークキャラだったので

そんな彼の相手って
どんな人なのか想像もつかず
ワクワクして発売を待っていました♪

本編シリーズでの受様は
恋愛は遊びか自分の価値を高める
手段として利用していて

超仕事ができて頭のキレる分
面倒な男として場を引っ掻き回す
というようなキャラでした。

本作は受様視点で進むため
本編シリーズでは語られなかった
受様の過去や仕事に対する考え方や
その時々の思いが語られていて

受様の言動の源が
受様の抱えてきた孤独故であり
何よりも上を目指す上昇志向にも
納得がいきました。

受様はホテル内で反対派の重役に
その地位を狙われていますが
受様は攻様との出会いによって
今までとは違う強さを身につけます。

受様が攻様をただ1人の大切な人だ
と認めるラストまで
受様の際どい言動にハラハラしつつ
楽しく読ませて頂きました。

過去は変えられないけれど
通ってきた過去があるからこそ
今の自分がいます。

上を目指すことで変化し続け
自分を変え続けてきた受様ですが

そんな過去も含めて
受様をあるがままに受け入れ
阿る事のない攻様だからこそ
受様を惹きつけたのかなと思います。

本編シリーズの受様カプが
幸せな日々を過ごしているように

こちらの2人も
今後は幸せな毎日を過ごせると
良いなと思います。

同時期に出た「小説キャラ」に
本作と本編カプのコラボ番外編が
収録されていますよ♡

今回は本作同性格のイイ受様のお話で
春原いずみさん『きみは不埒なエゴイスト』は
いかがでしょうか?
こちらの攻様は振り回され続けますが
それもまた楽しいです(笑)

7

彼の強さも弱さも。

若干39歳にして超一流ホテルの総支配人であり
隙をみせないほどの美貌の持ち主、帯(たい)は
細やかな気配り目配りで仕事に誇りを持ちながらも
時間に余裕がある夜は見知らぬ男に抱かれる男。
住まい近くのコンビニの見慣れぬ若い店員は
特に帯の好みというわけではないけれど
疲れた帯にさり気ない優しさをくれます。
これまで帯におちなかった男はいない為、
彼を誘ってみたくなりますが…。

完璧そうな振る舞いと容姿で己を固めている帯が
心は虚しさを感じていつつも
自信を奮い立たせようと足掻く姿が苦しかったです。
受けの不幸設定って悲しくなるので得意ではありませんが
あの過去があるからこそ今の帯がいるというのがとても伝わり、
手段を選んで来なかった彼の選択は間違ってはいない気がしました。

そんな帯に安らぎを与えてくれたのは10歳年下のコンビニ店員・向井。
帯には相応しくなさそうでいて
なかなか聡明で素直で誠実な男です!!
ただひたすらワンコ系というのでもない彼のバランスが
とても好ましかった……!!!
後半の包容力といったらもう文句の付けどころがないですし
帯がこれからは向井に甘やかされて生きていけることに安堵しました。
綺麗とは言えない過去も弱さもまるごと愛してくれて
ベッドでも丁寧に抱いてくれるなんて理想的ですね!

『他人同士』の主人公・諒一が帯の元カレのようですが
誠に申し訳ございません、私の記憶には残っていませんでした…;;
これはまた読み返すしかありません!!
未読の方は、今作だけでもお楽しみいただけるかと思いますが
やっぱり帯の過去の恋愛が気になるでしょう☆

いやぁ、もう年下攻めはやっぱり最高です!!

5

よく頑張ったねと言いたい

他人同士未読です。あのオビが とどこかのトピで他のお姐様がお書きになっておられるのを見て、読んでみよう~と思い購入。オビに対する先入観があんまり無い状態での評価で、彼は色んな事をしてきたようですが、幸せになっていく頑張り屋さんによく頑張ったねと言いたくて萌2です。本編230P弱+先生のあとがきです。地雷は、オビが色々やってきた というところでしょうか。

本編は帯(本名はタイ)が朝5時、総支配人を務めるホテルの1室で目覚めるところから。身だしなみを整え、ダイニングルームをチェックし、朝早くにチェックアウトする顧客の手伝いをし、コンシェルジュで様子を聞き・・と朝っぱらからキリっと働く姿が格好いい♡この時点で「何やってようが良し♡」と私はノックアウトです。その帯が休日前には戻る家は高級ウィークリーマンション。料理なんかする訳もなく、コンビニにお世話になりっぱなしなのですが、そこで会話するようになったのがレジにいた向井で・・と二人は出会います。

他の登場人物は、他人同士の暁と涼一が少し、涼一の会社の部長さん、秘書の吉村、ホテルの重役といったところかな。

********以下はより内容に触れる感想

他人同士で色々やらかしていた帯のようですが、それは読んでないので、本編で感じたのは帯の寂しさだけ。高卒で頑張ってホテルの総支配人になり、夢はいつか自分のホテルを作ること。なんでホテルが好きなのかと言うと、頑張る人のシェルターになるからというせつない理由。ホテルの重役どもは四大卒ばっかりで、どちらかというと敵に近い。そんな中、よく頑張ってるねと思うのです。そして出会った包容力たっぷりっぽい向井。向井側の心情をSSでいいので読みたかったなと少し残念なんですが、頑張り屋さんが自分のシェルターを手に入れてほわんと温まっていく様子が、私は嬉しかったです。

鬼畜となっているかもしれない他人同士も読んでみようー。

3

あーちゃん2016

ふばば様
こんにちは、コメント有難うございます。そうなんですね、鬼畜とまでいってないのであれば、なおさら読んでみよう~ というものの3冊もあるんですよね(encoreまであるし)。とにもかくにも3冊読んでから考えてみます。6月も読みたい新刊ラッシュだし・・・のんびりがんばりますw 多分本編読むと、こっちをもう一回読みたくなるだろうな~

ふばば

こんにちは!
ぜひ「他人同士」も読んでみてください!3巻あるけど…
帯は別に鬼畜じゃないですよ。大丈夫。ただ冷たくて乾いた内面の男なんです。本作の帯の救済を先に読んだなら、多分「他人同士」の帯は寂しくてかわいそうな男に見えるかもしれません。

他人同士スピンオフ

他人同士読んだ時から、とっても気になっていた帯さんこと通称オビさんのお話。
諒一の初恋相手で手ひどい振り方をして、その容赦無さになんだかとても気になって気になってどうしようもなかった人物。
彼の過去が新しく出会ったコンビニ店員で小説家志望の向井との関わりの中で徐々に明らかになっていきます。
何かあるだろうとは思っていたけれど、帯さんのどこかぽっかり空いている場所。
その理由がわかりました。

諒一も出てきます。
年下の向井の包容力や素直で真っ直ぐなところが帯さんの心を溶かしていきます。
オビさんが本当はずっと求めていた場所、シェルターが見つかって良かった。

ぜひ他人同士未読の方は読んで、この作品の「オビ」という男を味わって欲しいです。

2

深夜のコンビニにこんな素敵な店員いないよ。笑

あのオビさんが、ついに最後の恋にたどり着きました。相手は無冠の歳下の男。でも、出会った時から向井に対しては関心を持ってましたね。オビさんが自分の過去も含めて唯一さらけ出した相手です。オビさんがどんな幼少期を過ごして、どうやって今の地位に上り詰めたかがこの本をで分かりました。他人を利用して捨てて来たかに見えて、手酷く振った諒一だけが泣いてくれたからずっとオビさんの気持ちの中に残ってて、そんなオビさんの寂しい隙間にするっと入り込み温めたのが向井です。良い人に会えて良かった。それになんだかんだ言っても、オビさんは部下からしたら頼れる上司、努力の人です。向井も無事に小説家デビューしたし、約束の新しい部屋での同居してからの話も読みたいです。雑誌でブライダルフェアの模擬挙式の話がありましたが、あの続きも気になります。そして副支配人一派をどう退けて行くかを読みたいです。秀先生続編お願いします。

2

オビも人の子

アノ「『他人同士』のオビ」の物語、待っていました…
「他人同士」を読んでいない人でも楽しめます、と言いたいところですが、これは「他人同士」を既に読んでいた人と「他人同士」を読まずに本作から読んだ人では随分と受ける印象は違うと思います。
私は「他人同士」ありきの本作、という視点でしか読み得ないので、そこをお含みおき下さい。

一読しての印象。この恋は、(「他人同士」の)暁と諒一の恋と似ている…
オビの恋人となる向井は、諒一にとっての暁と同じく年下で、おおらかで、優しくて。大型ワンコです。
のし上がるための道具として自分の肉体を使ってきたオビを決して否定せず、寄り添って甘やかしてくれる…そんな男。
他人を信じず上昇思考だけの冷たい男、愛を知らない男、尖って乾いて凍りついた男、帯拓誠(たい たくみ)が、向井の柔らかな熱で初めてのまともな恋愛に溶けていくさま。
あとがきにて秀先生ご自身が、憎たらしいオビの変化が伝われば…と書かれています。
先生、それは大成功です。
しかし!
あのオビの冷酷さ容赦なさはともかく、それと同時に感じられていた詩的なメランコリー、そんなものまで消え去ってしまったようで。
「他人同士2」で見せた諒一との関係。それは確かに甘い時間もあったはずで、だからこそ何の未練も残さず諒一を切り捨てたオビの姿に読者として震撼したのですが、諒一との時間の中で読書家で努力家という偽らない姿も垣間見せていたオビ。エミリー・ディキンスンを諳んじるオビには神秘性のようなものがあった。
そして「他人同士3」で諒一と暁に酷い罠を仕掛けるオビですが、悪い方にとはいえ自己を高く律していたオビがそんな下等な事をしでかすようになる変化、それが暁という居場所を得た諒一に対する嫉妬だけだったかのような流し方が物足りない。
あの、BL界屈指のヒール、氷の女王・オビが、随分簡単に落ちちゃったのも物足りない。
やっぱりオビもトシなのね…
寂しくなっちゃったのね…
そんな気分になってしまった。
要は、あのイヤな奴・オビがこんな普通の幸せ掴むのはやーよ、という私の心の狭さなんだよね…

3

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