影あるところに

kagearu tokoro ni

影あるところに
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神46
  • 萌×213
  • 萌10
  • 中立2
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
22
得点
314
評価数
72
平均
4.4 / 5
神率
63.9%
著者
西田ヒガシ 

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
新書館
レーベル
Dear+コミックス
発売日
電子発売日
価格
¥552(税抜)  
ISBN
9784403661051

あらすじ

外科医・中道の医局にやってきた調子のいい後輩・堤は、脳梗塞で倒れた院長の息子。その院長と付き合っていた中道は、居心地が悪い。そんな折、院長は他界する。父親を奪った相手として憎みながらも、中道を心配する堤は、彼に以前の笑顔を取り戻してほしくて……。描き下ろしも収録した、西田印、大人のビター・スイート・ラブ!!

表題作影あるところに

堤,前院長の息子で研修医
中道,前院長の愛人でベテラン小児科医

その他の収録作品

  • 風呂あるところに
  • あとがき

レビュー投稿数22

泣けて泣けて。

これは本当に最高の傑作だと思う。
もう泣けて泣けてしょうがないよ。

主人公は中年医師の中町。実は老院長・堤と関係していた。
今、堤院長は倒れて死の淵にいる。
男で。
愛人で。
二重の意味で影にいなければならなかった中町の心を思うと…
昏睡の最愛のひとの傍らで「今すぐ…ここを誰か爆破してくれ……!」とすがる姿。
初めは嫌悪感を抱いていた堤の一人息子は、中町の心からの思慕/愛を見て中町から目が離せなくなっていくわけだけど。
堤院長の死後、いっときすさんでしまう中町。
ひとりの中町に寄り添うようになる堤。
病院の中庭でぼんやりする中道に病棟の子供達と作った紙の花を降らせる堤。
やっと泣く事のできた中道に父親の代わりに、と謝る堤。
立ち直ったわけじゃ無いけど時は過ぎていく。
誘いを受けて過疎地の病院に赴任する中道は笑っている。その笑顔の晴れやかなこと!泣いて引き留めようとする堤の可愛らしさ!
この機微というか…たまらんよね。
ラストのドラマチックはできすぎな気もしますが、愛の力なのかな…なんて。

「風呂あるところに」は西田先生ならでは!のおかしみ満載。
堤は中町の光。ただ…父親と息子か〜とは思っちゃうけど。ネ。

0

エロは無いのに

昏睡状態の老医師←ベテラン医師←老医師の息子
最初は息子は当然ベテラン医師が大嫌いだし許すまじなんだけど、そこから少しずつ気持ちが変わって行く様やベテラン医師もその影響を受けて気持ちが変容していくその移り変わりの描き方が素晴らしいのです‼️
老医師は死を待つ昏睡状態なので、登場するだけですけど、父の手帳から息子が二人の関係に気が付き憎悪するところから始まりますが、そんな対象を自分が好きになっってしまう流れも仕方ないなと思えます。
個人的には駅での別れシーンが大好きです。

2

カブトガニ

西田ヒガシ先生の西田ヒガシ先生らしさが詰まっています。先生の作品はどれもこれも本当に面白い。

どの作品も、この作品も、恋愛の成就が必ずしも作品の解決ではなく、もっと根本の問題が浄化されていくことで完結しているような気がします。
この作品だってセクシーなシーンは全くないですからね。それでも働く男のセクシーさは感じるし、BLではあまり見られないほどの生々しさも感じる。

不条理ギャグみたいなテンポを見せたと思いきや、泣かせてくるのが先生。テレビをつけたままぼんやりとする中道、堤が紙の花をふらすシーン、心に残る描写が沢山あります。

影あるところに光はある。

4

その気持ちはわかる

私がびびったのは皆様のレビュー内容です。「あの世に持っていきたい」だの「お墓に持っていきたい」「棺に入れてほしい」「BL作品で一番好き」などなど。愛され方が半端ない作品だと思いました。

読んで納得です。これは名作。宝物にしたくなる。BLの枠を超えて普通の作品として素晴らしいと思う。タイトルの付け方、ラストの終わり方まで完璧です。中盤で攻めが受けを元気づけるシーンは受けと一緒に号泣。受けが暗い人なので攻めのあの明るさは本当に救いだと思う。タイトルの通りにね。ラストシーンの前に起こる不思議な出来事。ああいう演出も好きです。虫の知らせみたいなものは本当にあるかもと思ってるので。

西田さんのすごさはあんなにシリアスだった本編とおまけ漫画「風呂ある所に」との落差。新天地の院長さんが「ごめんな邪魔して」を2回言う所…最高かよ。2人の仲はすっかりお見通しみたいです。おまけのおまけも毎回シュールですごいよね。

この素晴らしい作品に唯一ケチをつけるとしたらやはり前院長の奥さんの立場かな。受けの中道は不幸で暗くて可哀想な人だけど、奥さんの立場からだと夫も息子も惑わせた魔性の男ですから。西田作品は女性もかっこいい人が多いし、息子の性格があんなに良いから奥さんも悪い人じゃなかったら気の毒。遺産で幸せになれることを祈ります。

4

彼が愛した父子は共に最高の男だった

 こういう題材好きだなぁと改めて思いました。小児科医の中道は妻子持ちの院長と不倫関係にあるんですが、その院長が病床に臥せっている時に、息子の堤が研修医として中道の下につくところから始まります。父親の不倫相手でしかも男である中道に、堤は最初当然嫌悪感を抱きます。でも、父親がとうとう亡くなってしまった際、最期の瞬間や葬式の立会いにはあくまで妻子を優先し、自分のことは後回しにして1人で孤独を抱え込む中道のことが段々気になるようになっていきます。

 院長とは不倫な上にゲイ同士、さらには職場恋愛ですから、今まで一度も堂々と恋人らしい付き合いができなかった中道。それでも院長を想って涙する彼の一途さや健気さに、堤が惹かれていく過程がとても丁寧に描かれていたと思います。父親を越えて中道に振り向いてもらうために、とにかく直向きに行動する堤が素直でかっこよかったですね。すぐに関係性を公表するのは無理かもしれない、でも、父親と違って1人で寂しい想いは絶対させないという堤の強い意志が感じられました。傷心中だった中道も、院長との関係にしっかりけじめをつけて、新たな楽しい恋に気持ちが向いてくれたようで安心しました。

3

見た目ほどダークでなく、ちょうどいいくらい。

表紙からはダークな感じが強めですが、あらすじの方が内容を捉えてる気がします。普段の日常のやりとりは明るい方なので、ダークではなくグレーくらい。
自分にはちょうどいいビター加減。
ちるちるの特集でこの作品を知りました。

数ページ開いてみた時、ハズレかな〜汗 とやや古い絵柄から思ったのですが、ストーリーに惹きつけられ、そのまま読み続けました。
1話を読み終わる段階になると、ハズレではないと思いましたが、まだこの作品が良いか悪いかわからず、この後の展開で評価はまた分かれるなーという感じでした。

その後読み進めていくにつれ、人物の表情に乏しいと思っていた絵も味が出てきて、絵全体に関しては細かな心理も上手に表現していていいなーと。
顔の表情は大まかにとどめ、顔のうつむき加減などのしぐさ、コマ割り、モノローグの使い方、トーンの明暗etc...といったようなテクニックを上手く用いて丁寧に心理表現をしています。

死が1つのテーマになっていて、丁寧に描かれていきます。
中道先生が院長とは不倫の関係だったため、おおっぴらに悲しむことができない…、けどやっぱり悲しい。そんな中道の気持ちを院長の子の堤が吐き出させる、3話のラストにウルっとなりました。
4話のラストも泣けます。てか泣かせにきてます。ラストのコマでしんどさが頂点に達します。
最終話や描き下ろし、もちろん最高でした。

後半から大きく物語が動いていくタイプです。
詳しくははばかられますが、3話からラストがそれぞれ劇的になってくので、ドラマにしたら面白いだろうなあと思います。
話全般に臨場感がありますし。


また中道先生について、堤が言ってたように見た目はパッとしない感じにみえますが、後半から色気が増します。カッコいいやんけ…!


あと補足で、登場人物の名前で後半少し…ん?となったので、説明を。
中道先生が「堤」、「堤君」と呼ぶときは院長の息子の堤ひでお(漢字だと英男?)を指し、「堤先生」と呼ぶときは院長を指します。

エロに関して、多少ありますが、がっつりではないので、エロが見たい方にはあんまりオススメできないかもです。







2

読み応え◎

この作家さんは好みが分かれると思います。
失礼ながら、絵もすごくいいって訳でもないと思うし...(好みにもよるかと思いますが)
話もしっかりしていて、重たいことが多いし。
ハードルはちょっと高いかもしれないけど、読んでみると、
その分読み応えがあって後じわ...と言うか、深くて、
これ、単なるBL枠じゃもったいないんじゃない?!って、感銘さえ受けるのですが...。
でも、好みはそれぞれなので、誰にでもオススメできる感じではないのですが
迷ってるなら(ハードル越えられそうなら)、ぜひ読んでみてほしい作家さんです!


外科医の中道の病院に、不倫相手(医院長♂)の息子・堤が研修医としてやってくる。
最初はゲイで、父親の不倫相手の中道に嫌悪感を抱いている堤が段々と気を許すようになり...
ってちょっと昼ドラみたいな設定(笑)そして展開もなかなかにドラマチック。
かなりシリアスな話なのに、西田さんらしい笑いもちょこちょこあるので、重くなり過ぎてない。
未来のある終わり方も救いがある。

1冊まるっとこのお話なので、中道の心情なんかは、短編では出せないだろう
丁寧さで描かれてると思う。
中道に感情移入しちゃってかなり切なかったんだけど、能天気な堤に救われる...。
正しく彼は光なんだなぁと思いました。
お幸せに~!(笑)

3

全部持っていった

短編や中篇が多い作者様なのですが、これは1冊丸ごと表題作です。
全5話に後日談「風呂のあるところに」が収録されています。

院長が脳梗塞で倒れたことから、院長の息子・堤(攻め)が研修医で働くことになります。堤は同じ病院に勤める内科医の中道(受け)が不倫していることを知っていて…。

1・2話は中道の目線で、院長が死ぬまでの二人の話。
3話は堤の目線で、落ち込む中道を慰めようとする話。
4話は中道の目線で、病院を去るまでの話。
5話は堤の目線で、中道を追いかけてくる話です。

お互い惹かれていて、そのことを分かっているのに、どうにもうまくいかない。いくことができない。そんな大人であるがゆえの葛藤がよく表されていると思いました。カップの話とか、切なかったです。

ラストまで読んで、いいところ全部オヤジが持っていった、そんな感想でした。不倫した、中道に我慢させていたというのに、堤は嫌うわけでもなく、中道には死後も愛されていて…ズルい。

不倫が好きでない方、受けが他の男を好きだという設定が苦手な方にはご注意です。あと、中道は堤とはエッチしていないので、物足りないと感じるかもしれません。医師×研修医、年下攻め、健気な受けがお好きな方にお勧めです。

4

愛する人を失う哀しみに涙

泣けるBLとしてオススメされていたので電子版で読みました。
泣けました。。
萌×2評価ですが、正直萌えと表現して良いのかは分かりません。
愛する人を失う哀しみに胸を打たれました。
多くは語られないのですが、先生の表情が物語る哀しさが切なくて切なくて。。
息子さんも自分のお父さんの愛人と思うとカナリ複雑な心境だと思いますが、徐々に先生に惹かれていく様子が描かれていて良かったです。
どうか先生が幸せになりますようにと願うばかりです。
絵柄は古めかしいですが、読んでいくと気にならなくなってきます。

3

スッキリした絵柄とわかりやすいストーリーでとても読みやすい

初西田東です。

ちるちるレビューの二極化具合と
「見つめていたい」の濃ゆいオッサン表紙にあてられて、
西田東作品に挑戦するのを今まで躊躇していたのです。

50代以降のくたびれたオヤジたちによるリアルゲイ的ドロドロ不倫葛藤で
重々しく考えさせられるストーリーと
暗くて読みにくい絵柄なのかな、と思い込み
これは相当の覚悟がないと読めないぞと。

読んでビックリ。
まったくそんなことはありませんでした。
シンプルスッキリな絵柄と、わかりやすい内容でとっても読みやすいです!
最速読了かというくらいツルっといけました。
表紙のイメージってこわい・・・。


ストーリーは割りとよくある感じでしたが、
心理描写が一品なのですね。
なんてことない日常の積み重ねでの心の動きをじっくり丁寧に描いていき、
ある時突然ふっと人物の気持ちが変わる瞬間が訪れる。
そのキメ具合たるや圧巻。
BL通の方がこぞってイチオシされるのはここかと納得しました。

あっという間に読み終えてしまい、
まだまだこの二人の物語を読んでいたいと思いました。

これから西田東作品、読み漁りたいと思います。

8

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