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utsukushii doubutsuen
ちゃんとした大人ってなんでしょう
ちゃんとした大人なんているのでしょうか
笑平先生の強烈なインパクトを携えて放たれるど直球で強いメッセージに胸を打たれます。
辛い時に度々読み返したくなる作品です。
主人公はラブホテルZOOでバイトしているフリーター青年。
半年前からバイト先に度々現れる、"いかにも仕事出来そう”な、一見爽やかなサラリーマンがどうやら借りた部屋で極太ディルド女装オナニー配信をしている事を知り、それ以来彼が気になっている。・・と、いきなり濃厚な設定から始まるストーリー。
内容も登場人物も個性溢れていて笑えるのに、最後は思わず涙してしまいます。
生々しく、見ようによっては若干エグみまでも感じる、獣らしさ溢れるエロの描き方がテーマにも合っていて圧巻です。
後半(15P目)のリーマンの表情とモノローグが本当に素晴らしい…。
「ちゃんと出来ない」からと自ら命を絶つ選択をする大人、
「ちゃんとする」為に必死に頑張りながらどこかでバランスを保っている大人、
「ちゃんとしている」と見せかけて上手く渡り歩いている大人、
そんな大人達を傍観する「ちゃんとしろ」と親に言わ続けている青年…
動物的本能をさらけ出す為にあるこの動物園と言う名のラブホテルには、そんな人たちが集まっていました。
今後を想像させてくれる楽しみのある終わり方も素敵です。
21Pでこの世の真理みたいなものが垣間見れ、要点を分かりやすく、力強く表現されている。
こう言う作品、大好きです。
頑張っている人に、是非読んでほしいです。
(ここで言うのも何ですが、笑平先生のこれまで発表された短編集はどれもパワフルで大変素晴らしいので、いつか1冊にまとまる事を待ち望んでおります!)