天国行き 通過列車

tenngokuiki tsuukaressya

天国行き 通過列車
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神4
  • 萌×29
  • 萌10
  • 中立9
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
6
得点
95
評価数
33
平均
3.2 / 5
神率
12.1%
著者
せがわ奈央 

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
リブレ
レーベル
ビーボーイコミックスDX
発売日
価格
¥628(税抜)  
ISBN
9784799736869

あらすじ

電車に乗ろうとすると強い不安発作を引き起こす…
パニック障害の香坂玲は、だから電車に乗れない。
そんな弱点を押し隠し、優等生を装って生きてきたのだが、
パニックに襲われた現場を、新院生の熊谷に見られてしまう。
「すぐ楽になります」と助けてくれた熊谷の手の熱さがいつまでも胸に残るのだが…。
普段の熊谷は生意気で毒舌。プログラミングのセンスも互角で、イラつかされるばかり。
その上唐突に「あんたが欲しい」と告げてきて…。

表題作天国行き 通過列車

熊谷 望 大学院生
香坂 玲 大学院生,電車に乗ろうとすると不安発作を

その他の収録作品

  • 晴れた日に
  • あとがき

レビュー投稿数6

あれ?絵が変わっちゃった!

せがわさんの絵が好きで、した。
こちらの作品、ずっと気になっていて、やっと購入できたのですが…。

絵が…、リニューアルされてました。
全然違う作家さんの作品を読んでいるみたい。目の描き方が…、黒目が…。鼻が…。

気を取り直して。
心酔していた教授に掌を返されて、パニック障害になってしまった香坂。
電車の乗れず発作を起こしているときに助けてくれた熊谷との出会いで、少しずつ香坂が変わっていくストーリーです。

香坂の面倒臭さにどこまでついていけるかがポイントです。
わたしは何度も挫けてしまいました…。この子…、自分のことばっかりで、自分だけがつらいと思ってます。こんなケンケンした子のことは放っておくのが吉なのですが、熊谷は香坂に助けられた過去が大事で、ぶっきらぼうだけど見捨てないんだなあ。

パニック障害を自力で治そうとしているところを見ても、香坂ってずっと優等生で曲がることなく生きてきたんだろうなあ。弱味をひとに見せたくないから、表面は温厚に保って、ひとに言えないどろどろしたものだけが自分の中に残って。
逆に熊谷は人当たりの面では不器用だけど、つらい過去を乗り越えてきたからこそ、内面が強い。自分が「これ」と決めたことは絶対に手放さないし、諦めない。
そんな子なので嘘がないんだけど、香坂にはそれが伝わらなかったり。正反対の人間ですからね。「言葉と腹の中は別」という人間に痛い目に遭ってるし。

一言で言ってしまえば、こころの救済です。
ストーリー的にも作画的にも「うーん…」になってしまったわたしですが、気に入ったシーンや台詞はいくつかあって、中でもこちら。

「苦しいことは必ず過ぎていきます」

当たり前だし、分かり切っていることなんだけど、苦しみのど真ん中にいるときって「ここから二度と抜け出せなかったら…」って先を見失いがちになってしまいますよね。そんなときにこの言葉を改めて言ってくれるひとがいたら、見えていなかった出口がうっすらと見え始めるんじゃないかなと思った、熊谷の台詞です。
これはかなりグッと来ました。

せがわさん、作画、前に戻す予定はないのかな。

0

そのままの君が好き

まず、何といっても表紙がいい!
ずっと気になっていた作品だったのですが、
ようやく読む事ができました。
そして、とても中身の詰まった素敵なお話だと思いました。


電車に乗るとパニック障害を起こしてしまう香坂は、
後輩の院生・熊谷にその秘密を知られてしまいます。
何度も熊谷に助けられた挙句「あんたが欲しい」と言われ……

香坂がパニック障害になったのは
信頼していた教授に裏切られたからだと思うのですが、
ハッキリ言及されてはいません。

なぜ電車だけ?というのはもっと分かりませんでしたが、ここは個人のメンタルによるものなのかな……
と納得するしかないかな^^;

少し不透明な設定を差し引いても、
主人公2人が思い合うに至るまでの過程がとても好きでした。 

クールで裏表のない熊谷は、
クラスの中に居場所がなくなじめないでいました。
大学に入ってからもそれは変わらず、
そんな状況を救ってくれた香坂に憧れを抱いていたのです。
自分を石ころに例える熊谷が切ないけどリアルに感じました。

人って自分がしたことよりされたことの方が覚えていますよね。
香坂には気まぐれだったとしても 
「ここにいていいんだ」と言われたことは、
熊谷には一生ものの喜びだったんだと思います。

完璧主義で誰にも頼れなかった香坂。
その香坂が熊谷に救われ惹かれていく様子は自然であり、
想いが通じ合う場面はとてもキュンとしました^^
欠点も含めて好きだと言ってくれた熊谷は、
とてもいい男ですよね!

1人だけ嫌な奴が登場するのですが、
それが香坂を裏切った教授の菅原です。
そいつのせいですれ違ってしまったところもありましたが、
〝雨降って地固まる〟で逆に2人の絆は強くなったと思います。

〝おまえが待ってる ただそれだけで 
           きっとどこへでも行けるんだ〟

こんなふうに思えたラストがとても素敵で胸が熱くなりました。  
とても優しさのあふれる作品だったと思います。

1

テーマは若干重め、読後感良しです❤️

パニック障害と、不登校といったバックグラウンドを持った受けの香坂と攻めの熊谷が登場します。
ですから、苦手な方は注意してください。

大学の研究室で出会った2人。香坂は院生、熊谷は新しく研究室に入ったばかりのNewFaceです。

なかなか熊谷は強引で、表情もわかりにくいし、やたら出来る❗️香坂にとっても、研究室においても異色な感じです。
対する香坂 は、穏やか、出来るいい先輩。

香坂が所属していた研究室の教授に失恋した上に、教授が弁明する時にゲイに対するセクハラ、モラハラ。
このつらい経験で電車に乗ろうとすると、パニック障害が起きるようになりました…

研究室を変わって克服したくても出来ない。焦燥感が、じっくりと描かれています。
熊谷は、中高と不登校、別室登校を経て大検、進学という経験があるのです。

この2人は以前に出会っていて、熊谷が香坂を好きになるきっかけが有ったのですよ。

香坂は、失恋とパニック障害を半ば強引な熊谷の関わり方によって回復していけるのです。
依存的ではない2人の、どんどん心の距離が近づくのが説得力を持って迫ります。

カラダは心よりも、早く繋がってましたけどね。最初は熊谷の心理が読めず、荒々しい感じのセックスです。

ただ、ちゃんと2人のバックグラウンドを互いが理解して、特にパニック障害の原因となった前研究室の教授から香坂を守った熊谷は、相当格好良いです❗️

恋人になった2人のセックスは、愛情あるいーいものに変化しているのを楽しめます❤️

読みごたえが有って、読後感が良い作品でした❗️

0

ここにいていいんだ

パニック障害とは、
ある日突然、めまい、心悸亢進、呼吸困難といった自律神経の嵐のような
症状とともに、激しい不安が発作的に起こる病気である。
パニック障害のパニック発作は、誘因なく突然始まるのが特徴で、
場所や時など発作が起こる規則性や、因果性は解明されていない。
ただ、なかには、ある一定の場所でしかパニック発作を起こさない人も
稀にいる。

原因は、遺伝的なものや性格などの体質や、強いストレスなどの環境もあるといわれている。


電車に乗ろうとするとパニック障害を起こす、大学院博士課程の香坂。
心酔していた教授に、裏切られた時から、電車に乗れなくなった。

それでも、乗りたくて、どこかへ行きたくて、彼は一人電車に乗ろうと
リハビリをしていた。
「大丈夫?」発作を起こした彼に声を掛けてきた青年は、
同じ研究室に配属してきた後輩の熊谷だった。

この世界に自分のいる場所はないのかもしれない
パニック障害を起こした香坂が思っていたことは
熊谷が昔、人とコミュニケーションをうまく取れず、思っていたことだった。

「君はここにいていいんだ」
彼が初めて聞いた言葉は、彼の支えとなり
『いつか、必ずあの人と肩を並べて歩いて見せる』と背中を押した。

何気ない誰かの言動が、糧になるときがある。
その言動に、憧れて前を向いて生きていくことで
それが後々、自分のためになり、その誰かのためにもなる。


乗りたい、なぜ乗れないんだと思う衝動が、真面目さが
パニック障害には仇となっていたのだろうと思います。
きっかけもさることながら、結構神経質なんだろうなぁ香坂さん。。。

この作品を読んで、人間の行いってめぐるものなんだなぁって
つくづく実感させられました。
きっと香坂さんにとっては、何気ない言動だったんだろうけど
救われる人もいて、その人がまた、同じ思いでいる人を救うことができる。
まぁ、逆に、教授のようにその場凌ぎの、何気ない言動で、人を傷つけることも
あるんですが。
ちょっと、教授の言動の理解はわかりかねます。

熊谷の同期が、熊谷の昔話を聞いて、思わず笑っちゃったっていう
あのくだりが結構好きです。
あまり、熊谷が好きではなかったけれど、そこで一気に好きになりました。

「ここにいないのかもしれない」と悩んでいた二人が
お互いに、相手がいるからという気持ちで、時は違えど前を向いていく姿が
凄くよかった。”嫌い”な自分があるからこそ、その”嫌い”な自分を認めてくれる
誰かがいるだけで強くなれるんだなと。
”不安”があるからこそ、”相手を想う”気持ちも”勇気”に変わるんだなぁと
思いました。

香坂の同期の高井や、熊谷の同期たちが、これからの二人を
微笑ましく見守っていくのだろうと思うと、二人がお互いだけではなく
ちゃんと誰かに必要とされて”そこにいる”のだと描かれているのも
良かった。
二人だけじゃない空間や時間が、ちゃんと流れてて、優しくて温かい作品でした。

2

よく分からなかった。

この作家さんの作品は初めて読みました。
表紙で惹かれ、試し読みをしてみて、
面白そうだなと思い購入しましたが、
私個人的にはお話全体が
よく分からなかったです……

受の子の過去とパニック障害の関係性が
一番わからないです…
自分の理解力が足りなさすぎるのかもしれないですが…
また、話の流れが早くてちょっと、って感じでした。

1

ストーリーは面白いのですが・・・

まずはあらすじを。あまりネタバレにならない程度に抑えておきますが、ネタバレが困る方は飛ばしてください。
【あらすじ】
ある事情から大学を追われた香坂は、別の大学院で優秀な学生としてそつない生活を送っている。が、彼には電車に乗れないというパニック障害があり、それをひた隠しにしている。
香坂の大学院に新入生が入ってくる季節を迎えた。熊谷という非常に優秀だがとっつきにくい男がやってくるが、香坂がひた隠しにしてきたパニック障害を知られてしまい、それを黙ってもらう代わりに「体が欲しい」と迫られる。熊谷という男の真意がわからないまま少しずつ心を開いていく香坂だが、実は熊谷には香坂に隠している過去があって・・・。

というストーリーです。
試し読みで一話を読んで、なんとなくミステリアスな雰囲気がいいな!と思ったので購入したのですが。

最後まで読んでみると上で書いたあらすじ通りなんですが、あちこちでクエスチョンマークが残ってしまいました。
ストーリーそのものは面白いと思います。私の読解力不足なのかも知れませんが、キャラクターの持ち味や性格がいまひとつピンと来ないままストーリーが進行していくので、物語の中に気持ちよく入っていけませんでした。

例えば香坂のパニック障害。物語の核になっている割には扱いがざっとしている印象を受けました。パニック障害になる要因も、なんとなくもやっとしている感じです。心酔していた男に裏切られたから・・・ということなんでしょうけど、それと電車に乗れないことの因果関係がよくわかりませんでした。
香坂と熊谷の関係性も最初の頃と中盤、そしてラストにかけていまひとつ気持ちよく響きませんでした。前半ミステリアスな雰囲気で描かれたふたりの秘密は、読み進めていくうちに謎が解けるようになっているのですが、それがわかったとしても最初の頃の熊谷の言動や、体が欲しいといった要求がどうにもしっくりきません。体の関係を結ぶことにも違和感を感じました。

中盤あたりを読んでいた時は「この作品はもしかして何かの続巻なのだろうか?」と思わず確認してしまったほどです。いろいろと唐突で、私にはわかりにくかったです。

試し読みした1話の印象と、読み終えた印象がかなり違っていました。
もう少しドロッとした重たい系の話だと思っていたのですが、どちらかというとハートウォーミング的な優しい物語だったと思います。

1

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