E.G.G

脆い卵を割るように

電子単話。

不倫ものであり、片想いものでもある。
行広は幼馴染のゴウに10年来の片想い、だけど当のゴウは既婚男性と不倫2年目。
ゴウはデートがキャンセルになると甘い甘いケーキをホールで食べる…
好きだから、ゴウが他の男(しかも不倫で)と付き合うのが衝撃で。
ケーキばかり食べるのをやめさせたくて。
そんな時でも男から「また今度」という電話がかかってくる…
ゴウは行広に弱音を吐くけれど、行広はゴウに自分の気持ちを伝えられない。
そんなある日、ゴウはとても上機嫌で「久しぶりに2人で出かけるから楽しみ」とはしゃいでいて。

ゴウの心は残酷に引き裂かれます。
男の妻が妊娠、ゴウは手切れ金を押し付けられ。
ホールケーキを4つも買って、喉の奥に押し込むしかない。

もう幼馴染じゃいられなくなっても。
ゴウを助けたい想いが溢れる。


実は私はこの作品、ホラーだと思って購入したんですよ。苦しさを過食に転化するグロテスクさを勝手に期待してました。
でもそういう話じゃありません。
行広の苦しい一途さが良かった。
一方、ゴウは翌朝ケロッとしてて、あれれ？
憑き物が落ちた、という解釈でいいのかな。これから少しずつ行広との関係性を育んでいけますように。