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mitsumeteitai
3作品収録
「見つめていたい」
「許して欲しくない」
「もう苦しめたくない」
「プラトニック」
これは凄いんですよ。
表紙のオジサンと若いフリーターが付き合ってる。当然不倫だ。
で、ちっとも甘い雰囲気がない。
フリーターのカズキは、憎まれ口ばかり。
山口課長は冷たい。
だけど実は…
…ていう実に身につまされるというか、心うらはらというか。
課長はアメリカ転勤が決まっちゃって「来るか」なんて聞いちゃうし、カズキは友達の前では泣いてるし。
結局カズキは勝手にアメリカに行ってそこで課長を待つんです。
初めて読んだ時はなんか尻切れに思えたけど、今読み返してみるとこの余韻が沁みてしょうがない。不倫だけどね。
傑作。
「オレがいるから」(前後編)
ラグビー部のクラスメートが先輩にレイプされている所を助けたチャラ男。
元々ウマが合わない奴だったけど、その後気になって仕方ない。
また先輩に襲われないように見てやらねーと…みたいになって。
テーマはシリアス寄りだと思うけど、いつものヒガシ節も効いてます。てのはね、このチャラ男は自分が恋の相手だって全然わかってない鈍感野郎なの。そんなおバカな部分ね。
「夢の果て」
男娼のジョンは売れっ子だったのに、マネージャーのクリスが好きになって仕事が出来なくなっていく。
クリスがエージェントを辞めて、益々自暴自棄なジョンだったが…
美男が恋してボロボロになって、でも報われてよかったね、というお話なんだけど、西田ヒガシ先生にかかればこうなる!という素晴らしさ。
この設定が令和になると「◯ャングリラの鳥」になる。
表題作シリーズは不倫のしょーもない話なんだけど神。
総合「萌x2」で。
西田先生のコミックスは全踏破してるはずです。
久々に「見つめていたい」、読み返しています。
他の方のレビューを読んでいますが、そんなにこの先生は下手なんでしょうか。
丁寧に描き込まないだけでまあシンプルなんだと思います。
先生の作品の中でこの「見つめていたい」は多分私の中でベスト3に入るくらい好きかな。
なんだって妻帯者もの、以前結婚していたヒトもの、が大好物でして。
この作品は堅物の中年サラリーマンとイマドキふうの若いあんちゃんのラブストーリー。
ただ最初はもうとてもじゃないけどラブストーリーという言葉が似合わないよな即物的な残念な話にしか見えません。
なのに徐々に2人の間には確かにロマンティックというべきムードが漂い始めます。
「プラトニック」と名づけられた最後の章では胸熱、、、
いわゆる「不倫」が他のものへと昇華されたかのような瞬間がたまらなく愛おしいです。
今回はタイトルコミックのみについて述べましたが、他の作品も先生にしか描けない独特な空気があってやっぱり好きです。
またこんなお話を描いて頂きたいな。
◆見つめていたい(表題作)
妻子持ちでお堅いビジュアルの山口と、チャラい見た目のカズキ。山口がカズキに押され気味なのかと思いきや、意外にもカズキを打ったり怒鳴りつけたりする一面もあり。出会って間もない頃にトイレで激昂してカズキをひん剥くなんてことも。世間や妻子に縛られた男のように見えるけれど、自分の感情任せに行動する面もあるんですね。あんまり褒められた言動ではないかもしれませんが、私はそこが山口の1つの魅力だなぁと思いました。それを見せられるのはカズキだけ。カズキの寛大さに助けられている部分も大いにありますが、山口が一途なことだけは確かにカズキに伝わっていると感じられました。
◆オレがいるから
ギャグっぽいノリも多い学生もの。純情なんだかずれているんだか分からない、隙だらけの見た目は硬派な狩野が面白かったです。八木は鈍感な彼にこれから苦労しそうですね。でも、結局優しいから何度でも受け入れてくれるんだろうと思います。
この表紙すごいですよね。毎朝通勤電車に乗ってそうな普通のおじさん。青年誌モーニングの漫画みたいですが、これがBLの王子様的存在である攻めのワンショットなんですよ?
しかし中身を読むとちゃんと泣ける切ないBLになっている。表紙のおじさんも不倫ではあるんですが、職場での立場とか子供の養育とか年相応に色々悩みながらも自分を愛してくれる若い青年との真剣な恋に夢中なのです。
BLとはいえリアルなんです。受けのカズキが女の子だったら割とありそうな話ですが、男性だからこそさらに周りに気をつかうなど二重に障害が多い、でも好きでいることは止められない!って所が萌えます。過去のエピソードをはさみながら現在も進行していくって手法も効果的で初期の頃から西田さんはただ者じゃない感じがします。絵も最近の西田さんの作品みたいに洗練されたイケメンではないけど味があって十分かっこいい、可愛い男達です。
2作目は珍しく西田さんの描く男子高校生。受けはラグビー部なので攻めよりもガタイがいいです。性格はヘタレで可愛いですが。受けが部活の先輩にレイプされている所を攻めが目撃、助け出して恋が始まるという衝撃の展開です。西田さんの描くDKものだと、他作品でも体育会系でガッシリしてる方が受けに回ることが多いみたいです。なんか本物感がある。
3作目は短編。アメリカで男娼をしてる人が主人公。西田さん描く西洋人も格好いいんだよなあ。男娼が好きな人の前で抱かれることになってしまって…という展開。気の強い美形が泣きながらキッと睨みつける顔が可愛くて萌える。
どのお話もクオリティが高い初期の傑作集だと思います。
表題作ははっきり言ってBLというよりゲイ漫画です。
よくあるリアルゲイではないですか。
不倫で男と遊ぶ夫。妻とは別居中。子供が大きくなったら離婚する予定。
だがしかし、ゲイ漫画を平気で読んでしまう私には昔から西田東さんのゲイゲイしい所が好きだったりします。
山川純一さんのような作品が平気で読めるなら内容はとりあえず置いといて、多分読めると思います。
表題作『みつめていたい』は中途半端に終わっているので何となく物足りなかったのがマイナスです。内容も不倫なのでリアルに考えると引く面もあります。なので萌え萌えしたかって言われるとちょっと違うかなと。まぁ不倫と言っても奥さんとは別居中なのでそこまでアレでもないですが。
受けさんのチャラいけど正直者なところや、攻めさんに着いていく所とか、なんか可愛いなと思いました。
なぜだろうか。西田さんのようなゲイゲイしい漫画にも色気を感じる。
同時収録作品の『オレがいるから』は表題作とはうって変わって高校生×高校生のお話です。
しかしふとした瞬間高校生っていうより社会人リーマンに見えるのは気のせいか(笑)
こちらも受けさんがラグビー部で、しかもラグビー部の先輩に襲われるというガチ感w満載のお話です。
西田さんの絵が可愛い系ではなくヘタウマ、激画系だから余計ガチゲイな雰囲気が出るのかもしれませんね。
そして攻めさんの「キスからすべてが始まるんだ」ってセリフ、ABCのAとか昭和な雰囲気のセリフでした。だがそこがいい。
援交から始まったリーマンとチャラいフリーターの話。
西田東さんのなかでも、かなりすきな話です。
西田さんの作品は、ヒューマンドラマっぽい話が多い中
これはラブわりとい話な気がします。
オヤジ、結構やるじゃんみたいな(笑)
若者が浮気しちゃって、けんかになるところで、若者は自分からポイされようと
思ったっていうのが、お互いの本気度がわかって、好きなシーンでした。
他短編2つ。高校生の話と、男娼とエージェントのマネージャーの話。
後半がメンズなので、やはり西田さんらしく?好きでした。
外人なのもいい。西田さん、外人好きなのかかな・・・?
私はキラキラしすぎてない、西田さんの描く外人が好きです。
西田東氏の作品の中でベスト3に入る(私的に)作品です。
私のツボが
「お互い思いは同じなのに伝わっていないもどかしさ」
なもので、これはまさにE~ツボを刺激してくれました。
・・・・・・・・でも。
前のレビュアーさんがおっしゃるように
良く考えると気持ち悪い関係ですね。
男女関係だったら フツーに嫌悪です。
(今までうっかり気づきませんでした)
あ~~なるほどね、どうしてこんなに評価高いかわかったよ…。
これ、厳密に言えばBLじゃなくて不倫のゲイ物語だと思うんですわ…絵のヘタクソさに救われました。ウン。これで絵まで生々しかったらヤバかった。
なーんていうかねー、90年代に文学界の話題をかっさらった比留間久夫の小説みたいなところあるんですよ。
ちっとも美しくない。
むしろ、いろいろな意味で汚い。
まぁ、BLってぇと、金持ちのおぼっちゃまだの、アラブの王子さまだの、スマートな青年実業家だのがドサドサ出てきて、周囲の目をものともせずかわゆい受けをかっさらって「好きだ好きだ」と囁きまくる世界が王道なわけですが、これはそういうのとは真逆の世界です。
だからこそ、生々しいんですが、自分的には「うゎ、こんなリアルな世界に引き戻すなー!」とキツくなってまいりました。切ないというには、あまりに痛すぎる。
BLで現実逃避したいオイラには鉄板で不向き。
感情移入しそうになるんだけど、感情移入したくない世界だと思った。
最初からわかっていつつも相手は妻子持ち。しかも同性、しかもおっちゃん。しかもが二つも付いちゃうよ。
表紙絵の山口課長は、堅物傲慢オヤジなんだけど、読み進むうちにどんどん魅力的にいとおしくなっていく不思議さよ。
相手のフリーターのカズキは、チャラ男としか思えない風貌なのに、実は健気でこれまたとても可愛らしい。
言葉が足りずすれ違い、時に感情を爆発させたりと、不器用ながらも一生懸命なところがやけに滑稽だったりと、そんな登場人物たちがリアルで、こういうの大好きです。
他の2本も同じく。
真ん中の『オレがいるから』は表題作より好きかも。
ラグビー部員の同級生に恋したアホアホ高校生の話は、まだ子供が抜けきっていない感じのアホさ加減がとてもうまく表現されています。果てしなく鈍感なんだけど、自分が狩野君のことを好きになってることにも、最後まで気づいてないんじゃ?っていう終わり方で、すごくほっこりさせられました。
評価が高いものの、ど~しても絵が苦手で手を出さなかったのですが、
古本屋のセールでフラフラと買っていました。
いやぁ~西田さん、すごいなぁ~
マンガで泣かされたの久しぶり!
しかも、こんな数十年前の少年誌にあるようなイラストでですよ!?
萌もキュンも到底感じられないような雑で男くさい絵なのに、
それをカバーしてあり余るぐらいのストーリーに参りました!
読み始めて西田ワールドに入ったら、絵なんて気にならないんですよね~
基本的にホレボレするような男前イラストで買うことが多いマンガですが
その常識をくつがえす大事件です!!
BLと言えば夢の世界だから、美麗なイラスト見せてなんぼものんじゃ!
って感じがするのに、西田さんを起用した編集者さんのチャレンジにも
拍手を送りたい気分ですww
私もちるちるで高評価見てなかったら一生手を出すことなかったと思う。
実際一度も手に取ったことすらなかったし...
この本には『見つめていたい』のシリーズが計4作と
中短編2作が収録されています。
『見つめていたい』ももちろん良かったのですが、
最後の短編『夢の果て』で涙がぶわっと溢れ出ましたよ~!!
売春夫のジョンとそのマネージャーのクリス。
ジョンが「抱けよ」と誘ってもクリスは手を出してこない。
でも、ジョンの必死な思いを感じ取り、逃げるクリス。
残されたジョンが「俺だって夢みたっていいだろ?」と語る切ないとこも
ラストの再会の感動シーンも思い出しただけで涙出る...
どう見たってオッサンな2人がカッコよく見えて、
おまけにこんなキュンキュンさせてくれるんだから、
マンガってホント絵だけじゃないのね~と今さら実感しましたよww
『見つめていたい』シリーズ
結婚しているが別居中のサラリーマン:山口課長×フリーターのカズキ。
お互い相手のことが大切で気を遣い過ぎ、いつの間にかすれ違っている。
その都度、気落ちを確かめ合うのにまたすれ違う...
本当は好きで仕方ないのに強がるイイ年した課長もかわいいし、
ついに爆発して泣きながら感情ぶちまけるカズキもかわいいし、
なんだ結局ラブラブな2人じゃん♪って思うんですが、
課長にはどうしても捨てれないもの、娘がいるんですよね...
最終話の『プラトニック』は、ストーリー構成が素晴らしいんです。
シアトルに転勤になった課長と、彼を追いかけてきたカズキが
2人の出会いを振り返りつつ話が進み、
現在と過去が次々場面転換していきます。
過去を振り返るきっかけがそれぞれ用意されていて、
思い出にふける2人の顔もまた切なくて...
でも、ラストはキレイな終わり方でホッとしました。
全部うまくいってハッピー♪的な終わり方じゃなくて、
けじめをつけた大人の男のカッコ良さってのを感じました。
『オレがいるから』
高校生に見えないけど学園モノです(笑)
おもいっきり攻顔のくせに乙女ちっくで、人が良くて、涙モロイ狩野。
そんな彼に恋してしまった八木。
私も八木と一緒で「可愛い」中枢マヒしてきたよ...
不細工受特集に出てきそうな狩野(ヒドイ...)を
可愛いと思わせる西田さん、やっぱりスゲェ!