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majiriau bokura
◆みっちゃんと吉矢
これよりもっと短い短編が何本も並ぶオムニバス作品ならこういう結末も何度か読んだことがありますが、1冊の約半分を占める作品では珍しいですね。まさに、叶わない初恋。回想として描かれるわけでもなく、それ自体がメインに描かれている。こういう作品がもっと増えてもいい気がします。みっちゃんの台詞がどれも本当にリアルで。吉矢の告白に対し、気持ち悪いとも言わないし、なんなら言い逃げした彼の学校まで追いかけてきたりする。でも、受け入れてくれるわけじゃない。彼には好きな異性がいる。吉矢とはこれからも良い友人関係でいたい。だからこそ、吉矢は辛い。ただし、描き下ろしには救いもあります。短いページ数の中に人生の酸いも甘いも詰まった作品でした。
◆マコトとユウ
吉矢の友人、ユウの話。劇作家と俳優という関係性ならではの葛藤が描かれていて、こちらも読み応えがありました。最初はダイヤの原石を見つけたのがただ嬉しかった。けれど、ユウが売れっ子になるにつれ、自分は踏み台だったのかという考えに取り憑かれるマコト。演技が上手いとこんな風に疑われてしまうのかと切なかったですね。最後はマコトが自分の気持ちに正直になってくれて良かったです。
初恋は実らない…改めてそう思う作品でした。
主に4人の登場人物がおり、その4人が少しずつ皆関わっていて物語を紡ぎます。
表紙の2人は吉矢とみっちゃんで、幼馴染の再会ものですが結論から言うと思いが通じ合うことはありません。
みっちゃんには好きな女の子がおり、吉矢は失恋するのですが、それがすごく切なくて…。
告白の仕方も後に会いにくるみっちゃんとのやりとりも、全て切なくて泣けてきます。
番外編では女の子と手を繋ぐみっちゃんを見つける吉矢に、俺がいるでしょ!と手を繋ぐメガネ男子が…。
吉矢も幸せそうで良かったと思う一方、やっぱりみっちゃとは結ばれなかったか…という切なさもありました。
もう1つのストーリーは、劇作家のマコトと新人俳優・ユウのお話です。
こちらも一筋縄ではいかなくて読み応えありました。
途中までハラハラしましたが、ラストはハッピーエンドでほっと胸を撫で下ろしました。
どちらのお話も素晴らしかったと思います!
二カプ登場します。どちらも世界&登場人物が繋がっています。
第1話&第2話は同級生の再会もの。
初恋の相手みっちゃんに8年ぶりにあった吉矢のお話。
偶然の再会に奇跡…?と何とか接点を持とうと頑張る吉矢。そばで見るみっちゃんは惚れ惚れするほど格好良くて、だけどみっちゃんには憧れている女の先輩がいて…。先輩に恋するみっちゃんの姿を見たくない、先輩とのやりとりも見たくない、でも好きでいるのをやめられないといった綺麗事だけではない苦しい気持ちが描かれていました。
ユウという吉矢と同類の友達がちょこちょこ登場します。年上ということもありアドバイスしたり見守ったりしてくれる存在で、苦しむ吉矢の姿を見て「自分が主人公なんだから一番納得いくストーリー展開を選べよ」とユウに言われて吉矢が選んだ結論が泣けました。こう来たかぁ…と。そしてその後のみっちゃんの返事にもグッと泣きツボを刺激されました。
BLのセオリーから外れるかもしれないけど、初恋らしい切なさ溢れたほろ苦いお話で私はとっても好きです。
番外編として数年後の幸せそうな吉矢の姿が見れたので読後感も良かったです。なんだかお似合いの可愛らしい二人だったのでこの二人のお話も読んでみたいなぁ。
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第3話×第4話は、前半に出てきた吉矢の友達・ユウが主人公です。ユウは新人俳優で劇作家のマコトとお付き合い中。
劇作家ということもありいろんな俳優を見慣れてきたマコトですら思わず息を飲むほどの美貌の持ち主のユウ。やがてどんどん成長し、舞台でも存在感を増し、売れつつあってマコトとしても喜ばしいことなのに、マコトはある疑念を拭い去ることができない。
俺と出会ったあの時からすべてが演技で、俺はただの踏み台なのでは?と。
疑惑に囚われた末に、ユウを突き放すマコトに対して「愛してる」と涙ながらにユウは訴えるのだけど、「役者はどうとでも言えるからなぁ」と言葉を投げつけ…。
ヘタレ中年男の覚悟が決まるまで…といったお話でした。
初コミックとは思えない出来で、これからが楽しみだなぁと思う作家さんでした。
切ない初恋の物語でした。
転校して再会できて、運命かと思ったけどやっぱり運命なんかじゃなくて。
相手は女の子が好きで、綺麗な女の先輩に照れる姿を見て複雑な気持ちになったり、真っ黒な気持ちがわいてきたり…。
でも相手を8年も好きだった、その気持ちは大切にしたくて、大切にしたかったのに…!って悲しくなったり。
切ないけれど、変に汚れてなくて可愛らしくて、私はとっても好きでした。
ユウの話も、大人なんだけど気持ちは汚れてなくてとってもよかったです!
ハッピーエンドで、ほのぼのでした。
カズ先生の次回作もたのしみです♪