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midara na haru wo uru
初読みの作家さまですが、ちるちるさんの作家インタビューを拝見して購入。
ネタバレ含んでいます。ご注意を。
高校生の比予森は、「雛」という名で、お金さえ出せば何でもやらせてくれる男娼として生活の糧を得ている。そのことが学校内でも噂になり、友達からも敬遠されている。彼自身他人となれ合うつもりがなく常に孤独で過ごす比予森ですが、そんな彼になにくれとなくちょっかいを出してくるのが同級生の硲。
臆面もなく「友達になりたい」と告げてくる硲に、少しずつ心を開いていく比予森ですが…。
というお話。
比予森くんが身体を売っている理由や、彼の過酷な幼少時代等々、読み進めていくうちに少しずつ透けてみえてくる。
健気な薄幸受けと、そんな受けくんのために奮闘する攻めくんが個人的にめっちゃツボなので、テンション高く読み進めましたが。
うん。
ごめんなさい。
もう一歩欲しい感が半端ない。
比予森くんがなぜ身体を売っているのか、その理由や、彼をお金儲けのためとしてしか扱っていない外道な大人の存在とか。
よくある設定で既視感ありあり。
よくある設定だからこそ、もう一声欲しかった。
そして攻めの硲くんも。
初めは体中傷だらけで、いつもボッチでいる比予森くんを放っておけなかった、という彼の気持ちは理解できる。けれど、その気持ちが恋愛感情に変わるまでの過程がBLでは重要なファクターだと思うんだよな…。
そこの過程が描きこまれていないがゆえに、比予森くんを助けに行くときの盛り上がりに欠ける。あそこまでして比予森くんを助けに行こうとした彼の気持ちに寄り添えないから。
今まで人に愛されることもなく孤独に生きてきた比予森くんが、硲くんという存在を得て自分を取り戻そうとする。
途中までは切なさも噛み合い萌えつつ読みましたが、途中からの失速感が半端なかった。
あと、これは個人的な好みの問題ではありますが。
絵柄が、なんとも昭和の香りがする、というのか…。
特に攻めくんのビジュアルが昭和の少女漫画のようで、ちょっと萎えてしまった…。
ごめんなさい。こういう絵柄がお好きな方がいらっしゃるのは重々承知しています。完全に好みの問題です。はい。
身体を売っていた時と、男娼を辞めたときの比予森くんのビジュアルがまったく異なっていて、一瞬誰かわからなかった…。彼の内面を著しているのだと思うのですが。
比予森くんが「雛」として身体を売っているときの描写が結構えぐいので、また子どもの時から客を取らされていたとわかる描写があるので、自分の意思に反して抱かれている受けくん、が地雷の方はちょっと注意が必要かもしれません。
比予森くん売り専なので客とのセックスの描写はたびたび出てきますが、硲くんとの濡れ場は最後までナシ。それが、個人的にはとっても良かったです。
萌えなかったわけではないのですが、もう一声欲しかった、というのが正直な感想です。