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凪良ゆう先生初期のお話なのだそう。
新人だからこそのストレートど真ん中と後書きにありましたが、私の萌えきゅんにもどストレートでした(*´ω`*)
天の桃林に生った桃の精のモモ。
四神の1人である白虎が起こした風で天から落ちてしまい、桃農家の亨の世話する桃畑へ。
天の桃なので、まさに純粋無垢なモモが、とても一生懸命で健気で可愛い。
とてもとても良い桃ですよ。
少しづつ心を通わせていく2人だけど、とうとう白虎に見つかってしまい、モモは天へ帰されてしまう。
苦しくて切ない。
再会できて本当によかった。
そこに至るまでの亨の愚直な一生懸命さや、モモの健気さとか、胸にくる~(つω`*)
次は、モモと同じ木に生った弟分のコモモのお話。
モモが泣きっぱなしで枯れちゃいそうなコモモのお世話を手ずからしていた白虎。
全くもって素直じゃない、面倒臭い神様ですわ。
コモモのこと、誰よりも何よりも愛おしいって思ってるくせにさぁ。
だもんで、コモモが消えそうになったのは、白虎のせいだと、誰よりも白虎自身が思っていて。
素晴らしく好みの攻めざまぁ(⌒⌒)
コモモの健気さには泣きそう。
こちらもそれはそれは良い桃でした(つω`*)
とても甘くて切なくて優しいファンタジーで、ふんわりします。
あとがきによると、デビュー前の作品の改稿が「亨とモモ」の話。
書下ろしが「白虎様とコモモ」の話。
出だしは、こんなスタイルから始まったんだなーと、弱者や不器用な人に向ける視点=芯は変わらないけれど、くるんでいた小説の肉付けの違いに少し驚きました。
桃園の主、亨は言い訳や鳥繕いが苦手な正直すぎる不器用。実はとても繊細で傷つきやすい人。昔の恋人の元へ逃げた妻へ自分の不器用な態度を詫びたくて罪の意識をずっと持っていた。
突然桃から変身したモモは、スモモ・コモモの兄弟がいる、枯れそうな細い天の桃の木に実った三つの桃の実の精。
短編の「うすくれないのお伽話」の改稿。
モモは、天界から風に飛ばされて地上に落ちて、人間の亨と恋をした。
天界に連れ戻されて生き別れとなった後、亨はずっと独りを貫く。
桃畑を相続させた幼い勇に、美味しい桃の育て方のヒントとして「とおるとモモの物語」を伝え終わると、寿命が尽きる。
亨の魂を白虎神が迎えに来て、天界で亨はモモと再会。涙 涙 涙の純愛。
モモの兄弟、コモモは白虎神に仕えていた。気に入られて白虎神の妃となり、懐妊する。
コモモは、良い後継者の出産を期待されるが、期待が重荷になって一人でモモ畑まで散歩に出る。コモモの気持ちを聞いて、白虎神がまた惚れ直す、というお話。
続きの予定があるらしいので、探して読んでみたい。
神話がベースの桃の精の恋愛物語、著者の真面目に努力する目立たない路傍の光る石をじっと見つめる愛は、昔から変わらないんですね。
天から落ちてきた桃と、桃農園を営む亨のお話。
周りの勧めで一度結婚したが、嫁に逃げられ、両親も他界。
独り身の亨がある日、桃を拾った。
持ち帰ると、桃はなく一人の全裸の少年が。
モモと名付けられ、一緒に暮らすようになり(保護?)モモと亨は、ゆっくり好きあっていくが。。。
モモが可愛くて、可愛くて!健気で泣けてくる!
お別れの場面は泣けました!
最初に、年老いた亨が出てくるので、別れがあることは気づいていましたが、その先がホントに良かった!
私的には、亨とモモで十分幸せな気分だったので、白虎とコモモの話は、なくても良かったかなぁと。面白かったのですが、後半に結婚、妃、懐妊など、BLでなくてもいい感じの流れになってきたので、冷めてしまいました。なので、萌×2評価にとどまりました。
桃が、女の子なら児童書などで出ていても、違和感ないかもと言う感じの、ファンタジーなお話でした。
夏の終わりごろ、凪良さんが「うちの桃たちもよろしくです」とツイートされていて、読んでみたくなりました。
モモ(受)は天上の木に生る桃でしたが、ある日、白虎様の不注意で地上に落ちてしまい、桃農家の亨(攻)に拾われ、桃畑の手伝いをするようになります。妻が出ていってから頑なに閉じていた亨の心が、純真なモモと過ごすうち柔らかくほぐれていく描写に、温かい気持ちになります。
亨は、同性のモモに初めての恋をしたことで、元恋人へ走った妻の心のうちを理解していきます。世間的に許されない、亨の恋、妻の恋。ふたつが胸に迫ってきて、とても切ないです。
妻が去った理由が、慣れない農作業が嫌だったとか、亨の至らなさとかではなく、ただ恋しい男の元へ行きたかったからだと分かったとき、亨の心は解放されたのでしょう。不器用な亨のモモへの愛の告白が、素朴で真っすぐで、尊いと思いました。
二人が初めて体を重ねる場面は短く、直接的な描写はほとんどありませんが、二人の想いが甘い桃の香りに重ねられ、とても優しい印象を残します。
結ばれた途端の二人の別れは、たまらなく切ないですが、最後のあっと驚く展開は、『奇譚』というタイトルにふさわしい意外性に満ちています。一途な二人の想いが白虎様の心を動かし、再び結ばれる姿は、幸せな甘い味わいで、まるで桃の果実のよう。晩生の桃を食べながら、そう思いました。
同時収録の「お伽噺のあとで」、「虎と桃」、「虎の子 桃の子 コモモの子」は、モモの弟分・コモモと白虎様の恋のお話。またもや白虎様の不注意で、亨の畑を受け継いだ勇の元にコモモが落ちてしまい、白虎様とコモモはすれ違ってしまいます。
白虎様が、表題作のときよりも人間臭く(?)、偉そうな態度にコモモへの想いが見え隠れして、フフッと笑ってしまいました。大声でわんわん泣いたり無茶をするコモモは、表情豊かで可愛いです。あわやコモモが絶命しそうになる波乱を越えて二人が結ばれるまで、ハラハラしながら楽しく読みました。
それにしても、桃の栽培は手がかかるものなのですね。農家さん、たくさんの愛情をこめて世話していらっしゃるのでしょうね。来年はもっと桃を食べたくなりました。そして、この作品をまた読み返そうと思います。一途な恋の健気さ、尊さに、幸せな気持ちになりました。
人の子・亨と天の桃モモ、四神・白虎様と天の桃コモモ のおとぎ話。
ファンタジーです。
涙腺緩い私は、相変わらず号泣です( ;∀;)
こういうおとぎ話系もファンタジーも大好きです!
とにかく可愛い!
愛するという事の尊さ、愛しさを教えて貰いました。
亨とモモのお話は本当に素敵な恋物語でした。
どのシーンもやり取りも本当に可愛くて。
そして、白虎様の人間臭さ。
モモもコモモもスモモも、この桃の木に生る桃の素直さは格別です。
スモモの物語も読んでみたいです。
性質の良い桃達、本当に愛おしいです。
これは時々読み返したくなる上質なおとぎ話だと感じました。
そして、表紙絵!
最初見た時は不思議だったのですが、
読了後だとティーカップのこのイラスト見るだけでうるっときてしまいます。
早く桃の季節にならないかなぁ~。
天水桃、食べたいっ!
snowblack さま、こんにちは!
コメントありがとうございます!
ピュアで可愛い素敵な物語、また大好きな作品がひとつ増えました!
小冊子応募があったので購入したのは確か桃の頃でしたが・・・積み本多数です(;・∀・)
桃の季節迄まだ我慢ですが・・・また桃の季節に再読したいなと思います♪
marilynさま、こんにちは。
『天水桃綺譚』素敵でしたよね〜
こういうピュアなおとぎ話は、一つ間違うとわざとらしかったりあざとかったりもするのですが(と個人的には思うのですが)これは気持ち良く泣かせて貰いました。
私も涙が止まらず、そして桃が食べたくてたまらず(丁度桃の出始めの季節に読みました)でした。
電子書籍版を購入。
挿し絵あり、あとがきあり。
表題作の「天水桃綺譚」、その後の二人と次のお話のつなぎSSの「お伽噺のあとで」、そして本作のメイン「虎と桃」、その後の二人のSS「虎の仔 桃の子 コモモの子」が収録されています。
凪良ゆう先生の新作ということで、内容も確認せずに購入しました。
わくわくしながら読み始めたのですが、
あれ?読んだことがある。。。
ということで確認すると『うすくれないのお伽話』の改稿。
……続編でも、スピンオフでもなく、改稿。
思わず、叫びましたよ。
もちろん、ちゃんと調べずに購入した自分が悪いのですが。
改稿といっても、スピンオフも含めた書き下ろしが大量にあるので、すでに『うすくれないのお伽話』を読んだ人でも買って損はないかもしれません。
もちろん、買わなくても損はないかもしれませんが。。。
で、折角なので『うすくれないのお伽話』を購入済の立場からレビューさせていただきます。
正直な感想は、買わなくても良かったかな。
というのは、表題作については、前作の方が好みだったから。
どうも、加筆部分が蛇足に感じられて、イマイチ。
そして、白虎様とコモモの話も私的にはいらなかったかな。
こういうの好きだけど、表題作の後だとお腹いっぱいで胸焼け。
モモとコモモ、もっとキャラが違ったら新鮮な気持ちで楽しめたのでしょうが、同じような無垢な健気キャラで言動もかぶりぎみ。
どちらもいい話だけど続けて読むと魅力半減に感じられます。
『うすくれないのお伽話』は、文句なしの神評価。
初めて読んだ時は、最後の終わり方も神で、
こんな話をよく考えたな、やられた~
と、しばらく放心状態だったのです。
それがあっての今作。
評価は辛めの萌え×2。
もちろん、前作を読んでいなかったら、神評価だったと思います。
デビュー前の投稿作であるお伽話めいたお話を改稿したという物語と、今回書き下ろしの関連するエピソードをまとめた一冊。
ストレートでかわいいファンタジーです。前半の天から落ちて来た桃の精・モモと人間の青年のピュアな恋物語の王道な展開は心が洗われるようなかわいさだし、後半のみそっかすのコモモと神・白虎様とのなかなか交わらない物語も切なくもキュンとしました。
確かに今の凪良さんだったら選ばないであろう題材だったり、ラストの本気で甘々な展開など異色なところもあるのですが、文章や根っこはやはり共通しているのが面白かったです。直接的な言葉を避けた優しい官能表現もこの作品にぴったりで素敵。
偶然ですが、いま我が家には庭採れの桃がたくさんあって、桃の香りに包まれながら読みました。天水桃みたいな立派な桃ではありませんが、桃の香りって本当にふんわりスウィートなんですよね。
優しい気持ちになる一冊ですよ。
なんとも可愛らしい、桃ファンタジー。
表題作は、天の桃が地に落ちてきて人間と恋に落ちるおとぎ話を、天寿を目前にした男が自分の後を託すと決めたこどもに語り聞かせるスタイルだったので、「お伽話のあとで」で二人のその後が語られても、その先の話はもっと人間界寄りで展開するのかと思ったら、後半の「虎と桃」からは舞台はガッツリ天界へと移り、天に住まう白虎の神様と天の桃のお話が展開。
ちゃんとサブタイトル見れば想像できそうな物なのに、その辺気付かないまま読み進んだので、ちょっと意外というか、多分、私の中で凪良さんとおとぎ話系のファンタジーが結びついていなかったので意外に感じてしまったのかな。
表題作は、その結末も含めて、なかなかジーンとして良かったです。
で、後半の白虎の神様と桃の精のお話がねぇ…。
コモモは健気が過ぎて寧ろ卑屈だし、白虎は甘やかされすぎた我が儘っ子だしで、最終的な感想はギリギリの萌2.
なんとも心癒やされるファンタジー。
優しい世界観の中、切なさもありながら、
でも最後は幸せな気持ちで本を閉じる……
何度でも繰り返し浸りたい、甘やかな夢のような物語でした。
衒いがない王道の物語でありながら、
特に後半は凪良さんのテイストもちゃんとある、そんな一冊。
時は昭和、舞台は桃の畑が広がるとある地方。
過去に傷付きを持つ、桃農家の青年・亨と、
そこに落っこちてきた、天の桃の精・モモ。
天の桃はとても美しく可憐、そして健気なよい桃。
一方の亨もまた不器用だけれど一途……
ふたりの恋の行方は切なくも、最後は甘い。
という表題作もとても良かったのだが、個人的好みは
後半に収録された、書き下ろしの『虎と桃』。
天の桃の主たる西域の王・白虎。
銀の髪の美貌の神が可愛がるのは、モモと同じ木に生ったコモモ。
この上もなく美しく可憐なモモに反し、コモモは栄養が足りず
いつまでも熟さないみすぼらしい桃……
こちらの話は、切なくて愛おしくて涙がポロポロこぼれた。
麗しの白虎様の、素直になれないいじめっ子ぶりがなんとも好き。
可愛くておかしくて、ウルウルしながらニマニマしながら読みました。
このまた続編、SSでいいから読みたいな!!
snowblack さま
甘やかな夢のような物語、その通りですね!
私も続編SS読みたいです~。記念小冊子で書かれてないかな~と楽しみにしているのです~。
作家買いしてる凪良先生の今作は、可愛らしくもあり切なくもありの童話のようなお話でした。
とにかくモモの可愛さに亨だけでなく私もやられました。
モモと亨が離ればなれになり、亨はその後も一人きりで歳をとり「えー!」となったんだけど、白虎様に感謝です!!
表紙のティーカップの使われ方にじ〜んときました。
ホント良かったね…モモ…。
2作目は白虎様とコモモのお話。
これまた一途なコモモがいじらしくって…!
ツンデレ?ひねくれ者?な白虎様にやきもきします。
想いが通じあった後、幸せになるんだよ…と親の気持ちになりました(笑)
エロは控えめな優しい物語で、読後はじんわり温かな気持ちになれると思います。
表紙のモモちゃん可愛いなあと思ってget。
(手に持ってるカップ 大切!)
「闇を呼ぶ声」の応募券と当作の応募券と500円で
書き下ろし番外編小冊子が全員もらえるとのこと。
プランタンさんの回し者じゃないけど 一応お知らせ。
どのお話もせつない もしくはせつなさの効いた甘々話 という印象。
朝通勤車内で読んでしまい、涙をこぼさないよう堪えるのが大変でした。
車内読みは避けた方がよいかも です。
結婚式、妊娠(出産はまだ)、浮気などが地雷として
ありますが、そういうシーンはちょびっとだけ と思います。
1.天水桃綺譚
旧題 うすくれないのお伽話 小説花丸2008年掲載 を
がっつりリライトしたとのこと。
せつなーーーーーーーーーーーーい。落涙もの。
と書き下ろし3つ
2.お伽噺のあとで 1の後日談短編。甘めお話。
3.虎と桃:白虎様とコモモのお話。せつなめお話。
4.虎の仔 桃の仔 コモモの仔:3の後日談短編。甘めお話。
登場人物
モモ:天の白虎様の庭でなっていた桃。人型になる。
酔っぱらった白虎様の起こした風により天から落っこちる。
純粋無垢、一生懸命。金髪翠瞳。
亨:バツイチな桃農家。言葉が足りない不器用さん。
白虎様:天の東西南北を守る四神の一人。桃酒好き。銀髪ロン毛。
素直じゃない。神なんで割合尊大な態度(当然か)
コモモ:モモと同じ木になった桃。白虎様の身の回りの世話をしている。
諸事情によりちっちゃくて未熟。早く熟したいと思っている。
頑張り家。
勇:徹の親戚筋の子。亨の桃畑を継ぐ。一生懸命なワンコタイプ。
私は、銀髪ロン毛の尊大な白虎様が一番好き。
神様のくせに、不器用ったらありゃしない。
それが原因で 神様なんだけど必死に頑張らないといけない状況になります。
ご都合良くとはいかないので、白虎様も大変。
頑張った分だけ、報われてますので ご安心ください。
タイトルは 当作で一番好きなフレーズ。
いい言葉だな と、とても思いました。
さあ 明日も頑張ろう。
12年前に書かれた作品だそうで、凪良先生の作品に共通している『一途な恋』の原点かと思うと2作とも感慨深いお話でした。
1作目は、妻と上手く心を通わすことができずに独り身となった桃農家の亨が、天から落ちてきた桃の精のモモと出会い、その純粋さに頑なな心を次第に溶かされていくお話です。愚直に一途に誰かを想う気持ちは神様にも止められない。二人が起こした奇跡に最後は涙しました。
2作目はモモ達の育ての親である神仙白虎とモモの弟分の桃の精コモモのお話でした。こちらは、打って変わって、まるでギリシャ神話の大神ゼウスのような、ヤキモチ焼きで人間臭い白虎様に終始ニヤニヤさせられっぱなしでした。
2作とも、お話としては楽しめましたが、凪良先生の他の作品と比べて、恋愛面でのもどかしさや切なさがちょっと物足りない感じがしたので、評価は『萌』にさせて頂きました。
凪良先生大好きで、この作品もドキドキ、わくわくしながら読み進めて、途中うるうるしながらやっぱりいいなぁ~好きだわ~と改めて感じていたのですが、終わりが近づくにつれなんだか別の作家の作品を読んでいるような違和感がありもやもや…しました。
なので、この作品が大好きな方には後味のよくないレビューになると思いますので、ごめんなさい、スルーして下さい。
まずは神評価の部分から、というかほぼ神評価なんですが。
大きく分けて2つのCPの話。前半は桃農家の亨と天から落ちてきた桃のモモの話で、後半は神仙白虎とモモと同じ木に宿った桃のコモモの話となっています。
どちらも相手を思いやる気持ちでいっぱいの初々しい話で、お伽噺風のファンタジー色の濃い作品です。
亨とモモの話は12年前に書かれた作品を改稿した話とは思えない素敵な作品で『ショートケーキの苺にはさわらないで』をちょっと彷彿させる作品。
美しくピュアで一途で世間からはかなり浮いた存在のモモが、離婚の痛手から自分の殻にこもって周りと距離を置いている亨の固く閉ざされた心を少しずつほぐしていき、戸惑い、躊躇しながらも恋を受け入れていく流れは王道ながらもやっぱり素敵。
中でも、モモの純真な思いとは違う恋情を伴う気持ちに歯止めをかけることができなくなる前に、間違いを起こし傷つける前に施設に入れようと考え山程買い物する亨に対し、モモのこれからも二人で一緒にご飯を食べるために紅茶用の茶碗を買ってもらって大喜びするシーンは特に切なくて、二人の意識のズレがますます話を盛り上げます。
たとえそれが悲しませることになろうとも、相手のために自らが身を引いてしまうという状況を描かせたら凪良先生は最高‼あぁ、やっぱりいいわぁ~と実感しました。
結ばれた直後に引き裂かれてしまい、再びモモに会うことだけを祈り生きる亨と、眠りについてまで泣き続けるモモ。相手を一途に想い続ける二人の姿にうるうる…再会したシーンでまたうるうる…
やっぱり一途に恋するっていいよねと思わずにはいられない話でした。うるうる…
後半は小さくて青くて固い見た目にコンプレックスを抱えているコモモが、見目麗しく色恋の盛んな白虎に身分違いの恋をしてしまう話。
恋心に全く気がつかないコモモに厳しい言葉ばかり言ってしまう白虎。好きな子にほど、意地悪したくなっちゃうのよね~ニンマリ。
コモモ本人はさらに自信をなくして、自らの恋心を隠すために亨の孫の勇を好きになろうとする始末。これがさらに白虎をイラ立たせ、酔っぱらって暴走の後、西王母により幽閉…困った神様だ
実際は幽閉されていたのではなく留め置かれていただけだったにも関わらず、そうとは知らずに必死に険しい山を登り瀕死の重症となったコモモが、助けに来た白虎に意識を失いながら今までの感謝と恋心を語るシーンはぎゅっと胸を締め付けられました。
白虎の自らの身を削ってまでコモモを生かそうとする想い、昼夜を問わず献身的に見守る姿が奇跡を呼び、長い眠りからコモモは目を覚まします。一途な愛は奇跡をも起こすのね、うんうん。と、終わればよかったのですがこの後に地雷が…
ここからは残念評価。
凪良作品を全て読んだ訳ではないので私の勝手な思い込みかもしれませんが、障害を乗り越えてやっと結ばれた二人でもめでたし、めでたしと終わらずに、年齢からくる焦りだったり、とりまく環境だったり、病気だったり、安全牌だと思ってたキモウザ彼氏が周りからはいい男認定されて戸惑ったり、焦燥感にさいなまれたり(笑)何らかの不安要素を抱えてながらも、二人で生きていこうとする姿勢が胸を打ち、全く揺るがない愛が凪良作品の良さだと考えていた私にとって…浮気って何?
相手を救うためにやむなく抱かれるとか、すれ違いから衝動的に誰かを抱いてしまうとか外的要素があってやむを得ず事に至るっていうならまだしも、やっとの思いで生き返ったコモモがいるのに、風の神様とはいえ浮気の虫が収まらない白虎の不誠実さにガッカリだし、バレて悲しませたうえに物で機嫌をとるとか最低だし、痛い目みてもまた性懲りもせず浮気してるなんて、はぁ⁉という感じ。
物じゃないのよ、大切なのはプライスレス!誠意でしょう、誠意‼
「浮き名を流す白虎様がコモモと結ばれた途端、全く他には目もくれず一途になりました」の方がよかったな…カミサマだって一途に恋して欲しい。
その上、結婚式、妊娠の話が続いてさらにちょっとウンザリ。妊娠自体は地雷じゃないけど、凪良作品でまで出てこなくてもよかったな…桃は性別がないし、いいのかもしれないけど…
せっかくページ数使うなら、小さくて青くて固くて全然熟れてなかったコモモが、白虎の優しさ溢れる言葉や舌や手や腰で昼夜愛されてどんどん美しく熟れていく姿が見たかったなぁ。
ラスト30Pがなかったら文句なしの神評価なのに…う~ん、残念です。
天界に生った桃の実であるモモは、不慮の事故で天から落ち、桃農家の亨に拾われる。亨の元で桃の世話を手伝ううち、モモはだんだん天に帰りたくない気持ちでいっぱいになり、亨もまたモモに対し恋情を覚えはじめ…。
『うすくれないのお伽話』という電子書籍作品の改稿と続編、そのスピンオフを加えた1冊になります。
電子書籍なので読めていなかった身としては、今回の文庫化はとても嬉しいです。続編やスピンオフ満載なので、電子書籍を読んだ方にも嬉しい1冊なのではないかと思います。
内容は、桃農家の攻めと、天から落ちてきた桃とのファンタジーBLです。
自分を桃だと言い張るモモを頭の弱い子だと思い込み、最初はあからさまに持て余していた攻めでしたが、その心根の優しさ、天真爛漫さ、可愛らしさにどんどん惹かれていきます。でも親から虐待を受けていた可哀想な子(だと攻めは勘違いしています)にそんな劣情を抱くなんて、と自分を許せずモモを手放す決意を固めます。
モモの方も、自分を匿ってくれ、ふわふわの布団で寝かせてくれ、食べたことのないものを食べさせてくれた攻めに惹かれます。行き違いのあと結ばれた2人は、幸せもつかの間、モモの主である白虎さまに見つかってしまいます。
健気で明るい受けは良かったのですが、攻めの視点で攻めが受けを持て余している様子などを見ているとあまり攻めに好意は抱けませんでした。
受けが攻めに惹かれた理由も、保護した受けに名前をつけ、ご飯を食べさせ、寝床を提供してくれたという感じで、これは攻めじゃなく他の桃農家さんが受けを保護していたらそっちに惹かれていたのでは…的な印象が拭えず。
でも、くっついたあとの2人はとても微笑ましく、幸せになってほしい気持ちでいっぱいでした。エロは実質1回だけなので、正直もっと読みたかったです。
スピンオフは、そのモモの主である白虎さま×モモと同じ木に育ったコモモというカップリングです。
個人的にはこちらの方が好きでした。攻めの傲慢さのせいで受けがピンチに陥り、攻めがそれを悔やむという攻めザマァ展開が大好物なもので…。
受けが人間の男に心を寄せたり、攻めが浮気性だったり、そういうところは萌えられなかったのですが、うるっとさせられる良いお話でした。
正直買う前に人外だと知ったときけっこう不安だった。しかし作家買いしてる作家さんなのでとりあえず買いました。読みながら、「これこそわたしが求めている切なさ!」とでも叫びたい。とても凪良先生らしい「泣ける救済話」の1冊なので、凪良先生の作品をまだ読んでいない方にはおすすめです。
かわいらしく、天真爛漫なモモが健気すぎて…読んでいて胸が締めつけられているように痛んだ(泣)。それと不器用で優しい男もじれったくて、もどかしさでモヤモヤした。
亨さんの最期の「せめてもの詫びの品」とアレを出すシーンで涙腺崩壊。凪良先生って本当にこういう小道具を活用して人の涙腺を崩す技がうまいな…と感心した。(「ショートケーキ〜」のあのセリフとか、「薔薇色〜」のアイスとか、「おやすみ〜」の花の名前とか…)
また、文庫化のおかげで「そのあと」などの書き下ろしもたくさん出してくださって、本当に出版社さまに感謝いっぱいです。亨さんとモモのラブラブな日々を自分の目で確かめることができて本当に幸せ。さらに白虎さまのスピンオフまで読めて、クールなふりする神仙さまの可愛さで身悶えそう。ちなみにこちらのスピンオフも本編に負けないくらい切なさ満々なので、これから読む方は覚悟しておいてください(笑)。
2012年にもうこんな素晴らしい作品が書けた凪良先生に改めて脱帽。素敵な作品、ありがとうございました!
2カップルのお話が収録されています。
前半部分の亨とモモのストーリーは“神”だったのですが、すみません・・・後半の白虎とコモモのストーリーは中立寄りの“萌”です。
亨とモモ
桃農家の亨は、妻と離婚して以来一人きりで畑の世話をしていた。ある時金色に光る美しい桃をみつけ、新種かもしれないと家に持ち帰ったところ、目を離したすきに桃は消え、そこには全裸の美しい少年が。(序盤はかぐや姫+桃太郎っぽい)少年は自分を天の桃だと言い、一緒に暮らす様になる。最初は不審がっていた亨だったが、段々とモモの一生懸命さと心の清らかさに惹かれ、養い子としてではない別の感情を抱くようになる。このままだと良くないと感じた亨はモモを施設に預けようと決意するが・・・。
モモがとても健気で、別れを選んだシーンは本当に悲しかったです。でも、人としての生を終えた亨と再会できたので、これから先はずーーっとふたりで桃園を守っていくんでしょうね。これぞまさに桃源郷ですな。お幸せに。
白虎とコモモ
美しく恋多き四神のひとり白虎と、モモと同じ木で育った出来損ないの桃、コモモの話です。
コモモはいつになっても熟すことない自分を恥じ、誰かと契れば熟すのではないかと、亨の身内である勇と恋しようと決意する。それは、熟す為だけでなく本当の気持ちを誤魔化すためでもあった。
コモモがかわいそうで辛かったです。結果的に恋を叶えられはしたけど、好色な白虎はこれからも浮気を繰り返す気がするし、元々の身分が出来の良くない桃だったゆえに、他の神仙からの当たりもきつそうです。地上に降りる前の白虎の心無い言動にも苛立ちました。
全体としては良いお話でした。桃たちのピュアさは愛らしかったですし、亨と勇の絆も胸が熱くなりました。相変わらず凪良さんの書く文章は素晴らしかったです。
作家買いです。
凪良さんがデビュー前に書いた作品で、小説花丸2008年4月号に掲載されその後電子書籍で配信されていた『うすくれないのお伽話』に加筆・修正した作品だそう。
加筆したとのことですが、これだけの作品をデビュー前に書いていたとは驚きです。ちなみに電子書籍版の『うすくれないのお伽話』は未読なので、加筆・修正した部分については分かりません。残念。電子書籍ってあまり好きじゃないので手が出なかったのですが、読んでおけばよかったなと後悔しきりです。
という事で内容をざっくりと。すみません、ネタバレしてます。
前半は表題作『天水桃綺譚』
こちらが『うすくれないのお伽話』のお話だと思われます。
一人の老人の昔話から始まります。
妻や子どもを持たない老人ですが、親戚筋の男の子・勇に自身の桃畑を譲ることになっている、入院している彼。その彼の語る、おとぎ話。
時は戦後間もないころの日本。
両親を亡くし、その後結婚するも離婚し、今現在はたった一人で桃農家として働く亨。
そんな亨は、ある日金色に輝く桃を拾います。新しい品種の桃かもと思い家に持って帰る亨ですが、その桃が一人の少年に変わってしまい…。
というファンタジーモノ。
自分は天に生っている桃。
酔った白虎さま(神さまのことらしい)が起こした風のせいで下界へ落ちてしまった。
と自分のことを語る「彼」は、金髪に翡翠色の瞳を持つ見目麗しい少年。
当然のことながらその少年の言う事を信じられない亨ですが、奇想天外なことを言うのはもしかしたら親から虐待を受け逃げてきたからなのでは、と危惧した亨はそのままその子に「モモ」と名付けしばらく自宅に引き取ることに。
桃と会話ができるといってみたり、食事や入浴といった日常生活がままならないモモに手を焼きつつ、一心に自分を慕い、気を配ってくれるモモに徐々に惹かれていく亨ですが。
まだ子どもで何も知らないモモに対してどう接していいのか悩む亨ですが、モモが仕えている神さまの白虎さまがモモを迎えに来て…。
ええ、そこで終わり?
と思ったら、なんとも優しい結末が待っていました。
白虎さま…、ナイスだぜ…。
モモが欲しがり、二人で使おうと買った紅茶用の茶器が、これまた素敵な演出を醸し出していて、思わずウルっとしてしまった。モモちゃん、それはご飯を食べる器じゃないんだよ、と思いつつ、モモの健気さが可愛くて悶えてしまった。
ハピエンを迎えた二人ですが、この二人のお話は前半半分まで。
後半はどういう展開なのかな、と思っていたらこちらは違うCPのお話。
タイトルは『虎と桃』。
モモが白虎さまに連れられて天に帰って行ったあと。
亨と別れることになり、哀しくて眠ってしまったモモ。
眠りながら涙をこぼすモモを不憫に思った白虎さまが、自身の手元に木を植え替えて自らお世話をしてくれるようになるのですが、モモが生っている木に新しく実を付けたのがコモモ。
モモが泣き続けていたため実がなるときに養分が足りず、小さい身体に出来損ないのような見た目のコモモですが、中身は思いやりにあふれた優しい子。
そんなコモモに冷たい言葉をかけつつ、それでも手放さないのが白虎さま本人で。
という事で、この二人が両想いというのは端から見てるとバレバレなんですが、当の本人たちは全く気付いていないという王道の両片想いの二人のお話。
自分などが白虎さまを想うことなど許されないと思ったコモモが取った行動は…。
で、ここで亨の跡継ぎとなった勇が登場します。
亨のおとぎ話を聞いていた彼はコモモの存在に普通になじむ姿がなんとも現代的。
戦後の(と言っても、戦後直後の設定ではありませんが)亨と、現代っ子の勇の比較がちょっとした小道具や描写等で描かれていて違和感なく話に入り込めるのはさすが凪良さんといったところか。
神さまたちの寿命は長いので、下界の亨や勇たちを見守りつつ、時系列としては長期にわたるお話でした。
コモモと想いが通じた後はベッタベタにコモモを甘やかす暑苦しい攻めさんへと変化を遂げた白虎さまに笑い、健気なコモモにウルっとする、なんともホンワカなお話でした。
個人的には亨×モモのお話のほうが好きかな。
天真爛漫で明るいのに、他人の感情の機微に聡く、そして一途に亨を思い続けるモモちゃんがとってもツボでした。
あ、そうそう。
凪良作品の『闇を呼ぶ声 -周と西門-』と『天水桃綺譚』の2冊+500円の負担金が必要ですが、凪良先生のデビュー10周年記念の書き下ろし番外小冊子が全サでいただけるようです。
興味のある腐姐さま方、要チェックですぞ。