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西村しゅうこさんのデビュー単行本らしいのですが、初単行本から絵がすごく綺麗です。内容は歳の差ものなのですが、いい意味でも悪い意味でもとてもBLっぽい内容だと思いました。
事件を追う記者だった土屋は、自分の記事のせいで自殺してしまった男性の息子・征久を罪悪感からひきとります。
征久はひねた猫のようなキャラクターなのですが、次第に土屋の傍を自分の居場所だと感じるようになっていく様子は丁寧でよかったです。
ですが、恋愛部分はちょっと性急すぎる気も。
1話ですでに征久を襲って強姦という展開にちょっと驚きました。
まだ子供だし、罪悪感から大事にすべき相手なのでは・・・と思います。
どのへんで恋愛感情が芽生えたのか、その上ガマンできずに強姦という心境の変化が唐突すぎてちょっと置いてけぼりな感じでした。
その後、征久の土屋を好きになっているのもちょっと展開が速いような・・・。
征久が土屋に引き取られる前にいた親戚の家で性的虐待を受けていたという設定もBLっぽすぎるというか、ちょっと余計に感じる部分でもありました。
征久がしっかりしているのに対して土屋がへたれキャラです。
悩んだりうだうだしたり慌てふためいたり強姦したり、と、ちょっと男らしくないなぁと思い、「かっこいい攻め」を求める方には好みに合わないかもしれません。
歳の差ものとしては丁寧であたたかい作品だと思います。設定だけで言うならドンピシャで好みでした。
自分がいると土屋の邪魔になると思い、征久がわざと強がって出て行く展開もべたながらよかったです。
歳の差ものの王道パターンだと思います。
そんなにひねってはいないけど、歳の差ものが好きな方におすすめです。
西村さんの初コミックスだそうで……ちなみに初版は2002年6月ですが、自分の持ってるのは2007年1月第3刷版なので結構長く売れ続けてたみたいですね。
初コミックとは思えない程度には手馴れた感じです、漫画の描き方にも迷いが無いし、ただその反面、新人さんらしい目新しさみたいなものは無いかなー。
何というか、西村さんは最初から西村さんだなあという印象。
腕の良い敏腕記者だったものの、過去に己が書いた記事がある男を死なせてしまったと思い、第一線から退いて小さな通信社で仕事をしている土屋〔攻〕は、その死んだ男の息子を探し、そして父親との関係は黙ったまま彼を引き取り、手元において中退していた学校にも通わせる。
父が無くなって回りの誰もから裏切られたと思い、そしてあまつさえ従兄弟に犯されていた征久〔受〕は最初はなかなか土屋の事を信じないんだけれど、次第にほだされていく。
薄幸で健気な征久は、でも女々しくなくて少年らしい部分をちゃんと持ってる。
丸々一冊使って2人の心情が描かれているので話に統一感が取れていて、読後感も良し。
歳の差、です。その上トラウマを抱えた受。
全体的にシリアスなんだけど重くない。受のキャラが一生懸命で必死で頑張っているからそこまでマイナス思考トルネードにはなりません。勉強したいって言えない遠慮深いトコも可愛いなぁと思います。
自分の書いた記事で、自殺に追いやってしまった友人の子供征久。彼を、自分の素性を明かさずに罪悪感から引き取る土屋。
なかなか打ち解けようとしない征久だったが、警戒しつつも悪意の感じられない土屋に、少しずつ打ち解けていく。
でも土屋は大きな罪悪感を拭えずにいた。
また征久の方も、土屋に甘える資格は自分にはないのだと健気に思いつめてしまう。
そんな二人の言葉が足りない所為で噛み合わない関係が描かれています。
えーと、コレが初コミックスなのかな?初期はカラーもCG加えてやっていたと聞いたので。台詞回しとか荒削りなトコがあるけど、西村さんらしいもどかしさと割り切り感の魅力はそのままです。
今は完全にアナログで描いていますが、この作風だとCGよりアナログの方が味があるし魅力的です。CGからアナログに戻った珍しいパターンの作家さんなのではないかなと思います。だからCGイラストって貴重ー。