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花火も恋愛も派手にいこうぜ!
hana rai
花火工房の3代目を継ぐことになったマドカ。その襲名式に突如、マドカの祖父シゲカズの「愛人」だと名乗る少年が登場して…。
祖父もはっきりと否定せず、あ、そうそうそうじゃったってな感じで、コウキをしばらく家に泊めマドカの花火作りの作業に同伴するよう命じ…。
花火工房が舞台なので、花火の作り方など知れてなるほど~と面白いです。
で、「愛人」
まぁ多分、「愛人」っていうのは無いだろうなと思ってました。マドカの祖父・シゲカズは昔気質の筋の通った職人さんでそんな爛れたことは絶対にしなさそうな方。
二人の出会いはある花火大会が縁。シゲカズの花火の素晴らしさに心射抜かれて、両親不在がちで寂しかったコウキ少年の心がその花火によって心がぽかぽかになった。そんな花火を作るシゲカズを慕うようになったというやつです。
そしてテレビドラマで見かけた「愛人」の意味を取り違えて、愛人とは「ずっとそばにいられる人」だと勘違いしてマドカ祖父に「愛人にして」と言ったコウキと「大きくなったらな」と返事したシゲカズ。
今は愛人がなんなのかもわかってるんだ だから触って…オレをシゲカズさんのものにして…と一糸まとわぬ姿でシゲカズの前に立つんです。そしてそれを夜中、盗み見てしまったマドカ。
私がおぉぅ………とちょい絶句してしまったのが、ここです。本気で抱かれたいと思うほど好きで、しかも相手が老人っていうのがちょっと絵面としてうわぁ…と思ってしまいました。少年と老人という組み合わせで性を連想させるものが生理的に嫌なので、そこは着ているものを脱がずに気持ちだけを伝えてくれれば良かったのに…って思ってしまいます。
だけど、その後のシゲカズの返事は絵面の生理的嫌悪感を吹き飛ばすほど良かったです。(シゲカズは、めちゃくちゃ人間ができた人なので美少年の素っ裸で鼻の下が伸びてしまうようなエロジジイではないのでご安心を。)必死に伝えてきたコウキの気持ちを受け止めたうえでちゃんと諭すので、シゲカズさんナイス!というか登場人物の中で一番好き。
そして玉砕したコウキは傷心を隠してビッチを装ってマドカに抱かれちゃうんだけど、抱いた後のマドカの独り言が良かったな。面と向かって言えないところがまだ若くてちょいヘタレなんだけど、やがて祖父に負けず劣らずな男前として成長しそうな期待大。
コウキは実は大学で炎色の研究をしているのでそういう視点からマドカに今後の花火工房の展望についてアドバイスしたり…となんかマドカの良き相棒になりそうな予感大だし、読後感はいいです。