おかえりオーレオール

okaeri aureole

おかえりオーレオール
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神125
  • 萌×234
  • 萌20
  • 中立3
  • しゅみじゃない5

--

レビュー数
24
得点
824
評価数
187
平均
4.4 / 5
神率
66.8%
著者
高津 

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
プランタン出版
レーベル
Cannaコミックス
発売日
価格
¥671(税抜)  
ISBN
9784829685884

あらすじ

好きになった瞬間から、幼馴染みじゃいられなくなった――。

明るく社交的なカズと、地味で真面目なモトは、
幼い頃からの幼馴染みで親友同士。
中学にあがり仲良くするグループが自然と分かれても
互いが一番の良き理解者だった。
しかし、中学2年になったカズは、
モトを友達以上に意識しだしてしまう。
この感情はきっと勘違いだと必死にごまかすものの、
次第にその気持ちが本物であることに気付いてしまい……。

表題作おかえりオーレオール

明るく社交的,中学生~ ?
地味で真面目,中学生~ ?

その他の収録作品

  • あとがき
  • その後のふたり
  • カバー下:イラスト・漫画

レビュー投稿数24

好きだぁ

紙派の私ですが、電子で割引やっている時に古い作品に出会えます。

目に止まった表紙を適当に買っているのですが、良作に当たると飛び跳ねるような嬉しさが…。

この作品もとっても良かったです。

BL自体読み始めたのがここ数年な私には電子は有難いですね。
この作品は出来れば紙でも欲しいですが、なんせ古いので売っていません…残念です。

この作家さん、他には書いてないのかなぁ…と色々調べていたら…。
BLではないところで活躍されているようでした。
(私の情報収集に間違いがなければ…ですが)

才能のある方は、凄いですね。

この作品の続編とかは…もう書かれないかな…。

3

ビターテイストな青春BL。

青い表紙のアオハル学生BL……正直言うと、あまり期待せずに読み始めたのですが、弓道部で練習中のモトをカズが垣間見るシーンでハートを撃ち抜かれました、弓道だけに。

カズがモトへの気持ちを初めて意識するシーンなのですが、額から瞼へ伝う汗が目に入るところに色気があっていいですね! 恋情とか愛情よりも先に欲情が来るという。しかも一見爽やかな青春シーンにそういう欲を感じてしまうという、背徳感が滲むところがいいなと思いました。いいな中学生……これぞ青春……!

今まで読んで来た商業BL漫画の中でも屈指の名場面だと思いました。

この場面を始めとして、心理描写が繊細で思春期の少年の傷つき易さと痛みがよく伝わってきます。すごい大事件が起こるという訳でなく、とある幼馴染みの学生時代の片想い物語なのですが、印象に残る作品でした。

2

私も成長したな

BLを読むようになったくらいのとき(2年前くらい前)、この作品の高評価に誘われて購入したけど、この作品の良さが全く分からなくてポカーン…とした覚えがあります。

ただ静かに年数を重ねただけだし、エロもないし物足りないな…って思っていました。つい最近、電子書籍の本棚整理してるときに見つけて再読してみました。何か胸にグワァーッと込み上げるものがありました。

2人がついに恋人同士になった感動より、その間の数年の年月がめちゃくちゃ沁みる。カズの秘めた想いがグチャグチャになる描写がね…痛い。モトに彼女が出来たと知ったときのショックと、彼女への嫉妬がリアル。愛想笑い出来るほど余裕なかったんだなと。それくらいモトが好きなのが伝わってきました。

思春期の頃は気持ちのコントロールが難しいですよね、ただでさえ難しい年ごろだし。この難しい年代の、幼馴染への恋心を優しくも激しく描ききっていてすごいと思いました。
優しい絵柄と雰囲気で派手じゃない。日常の中の淡くて甘酸っぱい恋心を繊細に表現している素敵な作品でした。

私もこの2年の間に成長したのかな(笑)この作品の良さに気付けて良かったです。

4

爽やかな青春

他の方も言っているように、話が本当に良すぎます……!気になっている方はぜひ読んで欲しい!
ストーリーにものすごく大きな何かがあるわけではなく、本当にどこにでもいるような男の子の、かけがえのない青春を作者様の柔らかな作画で繊細に、丁寧に描かれた作品です。

あまりにも清涼感のある読後に、改めて表紙を見て、当然のようにもう一周読み直しました。
何度も読み返したくなる作品です。
この作品の良さを私の語彙で表現しきれないことが非常にもどかしい……!
文句なしの神評価です。

5

思春期から大人に

読了後なんか色々堪らない気分になりました。
こういう幼馴染BLって、抜き合いしたりから気持ちに気づく展開のものが多いような気がしますが、本作は攻めのカズの片思いがしばらく続き、思わず強引にキスしたりもするけど、疎遠になったり、付かず離れずの関係になったりゆっくり進みます。
そんな時間の経過と共に少年たちが青年に成長していく様が丁寧に描かれています。

両方の目線で描かれていて、そのどちらにも共感できるし、モト目線の時にもカズの複雑な心境とかが分かるしとにかく切ない。

いつの間にか自分より一歩大人めいていた幼馴染に感じる戸惑いや、知らない姿などに複雑な心境になるというモトの感情も表情でみせてくれます。

そばに居れたらいいっていう気持ちに落ち着いていたカズが、モトと両思いになれてどうしたらいいのか分からない感じというのも、黙ってただ手をつないで帰る夜道とかいうのも派手じゃないけど、すごく胸に響くシーンでした。

2年後、「おかえり」「ただいま」って言える関係になっていて嬉しかったです。
高評価なの納得。何度も読み返す作品になると確信しています。

6

恋愛成就させるハウトゥー 心理描写が上手で面白かった

マイノリティな、世間一般から異常や禁忌とみられる同性の恋愛対象、幼馴染のモト君へ、カズ君が秘める恋しい想いを理解してもらって、時間をかけて相愛に育む様子が描かれていました。
普通なら付き合わない性格の二人と、作者が解説していましたが、そうかな?
いつものように脳内で映画変換して読んだ為に深く感情移入してしまった。
似ていないから引き合うことも有ると思う。
動のカズ君にとって、静のモト君は理想のタイプ。

以下、読後の備忘録。少しネタバレ。
オーレオール、aureole とは(殉教者などに与えられる天国の)報賞、栄冠、栄光、(聖像の頭部または全身を囲む)後光、光輪、光輝、とありました。
作者の意図は、これ。

モト君が18才になって、カズ君の想いを受け入れるまで長い時間をかけて、近づいたり離れたり、諦めたり期待したり、カズ君は想い人であるモト君と、お互いに想いあえるまでが描かれていました。

モト君が、カズ君の想いを受け入れて、理解して歩み寄ってくれる時を待つ。
なんとなく時間が経っただけで、期待しなかったかもしれないけど、諦めたりはしていなかった。
・・カズ君のように待つ事ができる人、そういうじっくり待てるタイプは恋愛だけじゃなく仕事でも交渉上手な有能な人物の資質を持っていそう。外交折衝向き?。
子供だけど、大人のように冷静に自分の中を観ることが出来る二人というキャラ設定かな。
帰宅して「おかえりー」「ただいま」
安定した毎日を送っているシーンで終り。・・幸せなんだね、ヨカッタ。

キスとハグ以上の交渉が描かれていない作品です。
マイノリティの恋愛を成就させる心得を書いたハウトゥーものかもしれない。
ココに書かれている、想いを育む為に必要な粘りと待ちは、どうしても手放したくない対称との人間関係構築に、なにかと大事。

息遣い、目線、後ろ姿に心理描写を込めた、作者の思い入れを感じる作品でした。
神評価。

3

リアル青春

これは話が良すぎた…
何が事件があるわけでも、特殊な設定があるわけでもないんだけど、読んでるうちにジワジワ心に染みてくる話でした。

話の雰囲気全体がカズの気持ちを表してるような感じを受けました。
切ないけど綺麗で純粋で、諦めようとしてるけどカズといる時の幸福感とか、うまく言えないけど、作品から受けるイメージがカズの気持ちそのままみたいな。

だから読み終わったあと、幸せなような切ないような、泣かないけど泣きたくなるような、不思議な気持ちになりました。

エッチなシーンはないので、それ目的な人は物足りないかもしれないけど、私はなくて良かったと思います。
綺麗で純粋のイメージを保ったまま終わらせたのは英断だったと思います。

それはそれとして、2人のそういうシーンを見たい欲はありますけど。
ぜひもう一冊、続編を描いてもらって、その時は今回書けなかった部分もガッチリ書いてもらいたいです。

6

堂々の神BL!!!

大大大好き作品です!

素朴な絵柄に惹かれ購入しました。

思春期真っ盛りの中学生の、壊れ物のように繊細ながらもどこか飄々としていて呑気なところが丁寧に描写されていて、カズくんモトくん両方の気持ちが痛いほど伝わって後半は終始涙目でした…。表情の細やかさが天才的です。

たまーに小さな変化がおきて、でもすぐに日常に戻って…。ドッタンバッタンてんやわんやBLも好きなんですが本作の絶妙なリアル感というか、探せばありそうな話感がすごく好きです。

思い出してはふと読んで、心を浄化しています。
青春の眩さを思い出させてくれる作品です。

6

切なくも優しい青春

ソムリエさんがお勧めしてくれた事と帯のなんとも切ない言葉で購入したのですが、もっと早く読んでいれば良かったと後悔しました。

モトにキスされそうになる夢を見たり、モトが部屋に遊びに来てドキドキしたり、モトに彼女が出来てイライラしたり…思春期の男の子が恋愛感情を持ち始める描写がすごく丁寧に描かれていました。

カズが泣きながらモトに告白する場面は涙なしでは読めません。両親の離婚でいっぱいいっぱいだったところにモトが寄り添ってくれてキャパオーバーしていたのに「高校も違うとこ行くし、もう話しかけたりしない。いつか絶対諦めるから」とモトの事を1番に考えているカズ。「俺だって一緒に考えたい」と答えてくれたモト。あの年齢だと「幼馴染の男の子から恋愛対象として好かれている」という状況ってなかなか理解できないし、どう対応すればいいのかすごく迷うはず。それなのにカズが離れるという選択肢がそもそも存在していないモトの中学生とは思えない包容力に驚きました。こんなに良い子と幼少期からずっと一緒にいたらそりゃあ好きになりますわ…

お互いの事を1番に考えて大切に思っている2人の青春に立ち会う事が出来てとても幸せでした。切なくて眩しくて暖かくて…優しい気持ちになれる作品です。

5

ケンジとシロさん予備軍の香り

2年振りに再読です。
基本的に分からないことはとことんまで調べ倒すのに、なぜか当時は調べていませんでした「オーレオール」。
たぶん「オーレ!」みたいな響きが気に入って、そこで終わってしまった気がします。
コロナのことだったんですね。
でも意味を調べたところでタイトルに託した作家さんの気持ちまでは分からず…。
どういう意味だろう。
深読み裏読み得意なはずなのに、うーむ。

幼馴染に恋をしていると自覚したものの、到底受け入れてもらえる気持ちではない。
しかもいろいろなことが重なってついに相手にぶつけてしまったときに自分の中に尊敬できなかった父親と同じものを感じてしまったら…。

攻め目線だとこういうお話です。
相手をこれ以上傷つけないために、自分もこれ以上自分に失望しないために距離を置く。
思春期を経て変わっていくのはどうしようもないことだけれど、攻めのカズの変化が痛くて読むのがつらかった記憶があります。
1回目に読んだときにレビューを書けなかったのは、ここを深読みし過ぎたせいです。
自分の気持ちを受け入れてくれることはないであろうモトのことを思ったら、さらにそういうモトに対して受け入れられない苛立ちをあんな風にぶつけてしまった自分が母親を殴っていて父親と重なってしまって、そんな自分になりたくないと思ったら、距離を置くしかなかったのは分かるのです。
しかも女子にモテる見た目だし、母子家庭になってバイトをしている辺りで、手っ取り早く気持ちから目を逸らすには楽しいこと(バイト先の大学生の家にたむろって飲みとか)に逃げていくのが一番楽なのも分かる。
でも痛い。
離れて、お互いに知らない部分が増えていくのがつらい。
初読のときはここでつい女遊びも、うっかりしたら男遊びもしたかもしれないなあと深読みしてしまったので、何だか気持ちがざわざわしすぎてしまいました。

今回再読して思ったのは、カズは意外と一途だし、モトの懐が大きいということでした。
小さい頃から泣き虫で、カズが引っ張ってあげないとだめだと思っていたモトも思春期を経て、ふつうの高校生活を経て、その間ずっとカズの気持ちと向き合って来たんだろうなと思うと、カズのバイト先の宅飲みに参加した場面がより胸に来るというか。
小さい頃は立ち止まって泣いていたモトをカズが歩み寄って引っ張っていっていたのに、自分が知らないカズの世界に踏み込んだモトの一歩がとても大きなものに感じました。

「諦める準備なんかするなよ」
という台詞があるのですが、1回目に読んだ時もグッと来たはずなのに、今回は涙がブワッと出てしまいました。
友達に囲まれて、モトのいない新しい仲間たちともつるんで、世に言う「リア充」のはずなのに、中2で自覚して、高3になるまで、そばにいなくてもカズのこころの真ん中にはずっとモトがいたんだなあ。
でもそう考えるとモトが嫌なやつに思えてしまう。
自分には2年半付き合った彼女がいて、でも中3のときにぶつけられたカズの想いも忘れられない。
彼女にフラれたから、そこでやっとカズの想いに向き合ったみたいに感じてしまう。
彼女の方もモトのこころの真ん中に本当は自分じゃない誰かがいるのを感じていたんだろうなと思うと、もっと早くにモトが向き合っていたらなあと思わないでもないのです。
初読では気付かなかったモトのズルさのようなものを読み取ってしまいました。

良い話だし、最後なんて某食べた?系作品を彷彿とさせてくれて、きっとこのふたりはこれからもこうしてほんわかと暮らしていくんだろうなというしあわせを感じさせてくれるのですが、モトの気持ちの変化が「フリーになったし、自分をずっと好きだった相手とちょっと向き合ってみるか」という風に読めてしまうと感動が台無しになってしまうので気をつけてください。

1

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