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sore wa areda ai kamone
食べ物が出てくる作品が好き過ぎて、表紙にちらっと食べ物が描いてあるだけで買ってしまう病気です。本作もケーキ目当てに購入。
食べ物は小道具っていう作品が多い中、本作はこれでもか!というくらい出てきます、おいしそうなケーキ。それだけでかなり満足度が高いです。
小さい頃からケーキが大好きな伊崎が出会った最高のケーキを売る店・洋菓子クローネ。たまたま出ていたバイト募集に飛びついたものの、パティシエの高良は人当たり最悪でバイトの名前すら覚えない横柄なひとだった。「どんなひとが作っていたって、ここのケーキは最高!」とバイトを続ける伊崎に新作の試食のチャンスがやってきて…。
という感じで始まるのですが、ストーリー的には父親というよりも有名パティシエでしかなかった父に対する複雑な思いや、周囲の目への嫌悪感で心を閉ざしていた高良が、「高良の作ったケーキは最高」と認めてくれる伊崎に出会って変わっていくというもので、そう珍しくはないかもしれません。
ただキャラクター描写が良かった!
まず伊崎がすごくいい子。
高良のケーキに心底惚れ込んでいて、高良自身がどんなに辛辣な態度を取ろうと物怖じしないし、媚もしない。名声やブランドより、自分が良いと思って選んだものを良いと言える子なのです。
それまで有名パティシエの父親の存在ありきで周囲から見られていた高良が、初めて自分自身を見てもらえた!好き!!という流れになるのも分かるくらい、この子の言葉には嘘がない。
高良は高良で、何だかもう「天才だからかな?」って言うくらい超思考で、伊崎を好きになるのもためらいがないし、凡人には冗談にしか思えないようなことを大真面目にやったり、伊崎に好きになってもらおうとして男女の恋愛マニュアルを参考にしちゃったり、まあ、可愛いのです。
浮世離れした不器用。それが高良クオリティ。
2人で食事に行ったり、雑誌の取材を受けてちょっとトラブルがあったりする中で伊崎の気持ちにも変化が起こって、お互いに気持ちをぶつけ合うシーンは気持ち良かったです。
伊崎は持ち前の素直さで変にカッコつけたり、ごまかしたりしないで、不安な部分もちゃんとぶつけるし、高良は不器用な分小細工なんかしないので、「2人と全部言い切った!よかった!」と読んでる方もすっきりでした。ラストも清々しい。
一押しはチョコレートのシーンです。
そこはぜひ読んでいただきたく存じます。
伊崎のお母さんも良いキャラでした。
大きくなった息子に「おれ、かわいい?」って聞かれて「世界一かわいい!」って答えられるお母さん。この母にしてこの子あり。わんこをだっこしてたので「わんこの次にかわいい」って流れを予想してしまった自分、まだまだだな。
西原さんの描く絵はみんなキツネ顔でガリガリくんなので好みが分かれるかもしれませんが、苦手な方にもこの話のかわいさを味わってほしい。
絵は慣れます。高良の照れた顔はちょっと怖いけど、ケーキ、いっぱい出てきますし!
最後に細かいことを1つだけ。
スフレチーズケーキはレアとベイクドの間じゃないと思うのです。
たぶんレアとベイクド両方の良さを持ったのって、2層になってるアレじゃないのかな。
高良のケーキが食べてみたい…。