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netsuai
表紙とタイトルが、淫靡で強烈だけど、内容はさほどでもなかった。
この本、表紙で損してない??過激なR18官能漫画と勘違いさせてますけど、中身はBLとしては普通。
香月の父:冷泉家の婿養子。妻に頭が上がらなかった。
美月:冷泉家の長男。香月の実の兄。
香月(れいぜいかずき):冷泉家の次男。自信を持てない気弱な性格。
颯弥(そうや):父の再婚相手の連れ子。自信家、イケメン、職業・モデル&小説家。
・・書いてみると、一見まとも。でもこの家の人達はどこかみんな奇妙。
冷泉香月(れいぜいかずき)に、優しい義兄が出来た。
義理の兄・颯弥(そうや)は香月に、家族愛以上の執着を抱いている。
孤独な香月は、義兄に逃げ込む。
そして、義兄がモデルを辞める日に事件が起きて・・・なんとなく中途半端な終わり方。
巻末の「それは秘密」は、短編だけど面白かった。
表紙の印象が強くて避けていたのですが、
意を決して読んでみました。
表題作は義兄の執着愛ですが、
思っていたほど全然ハードじゃなかったです。
義弟の香月に執着する義兄の颯弥の並々ならぬ執着愛です。
結構な鬼畜?と思っていましたが、
心配性で愛ある義兄でした。
不遇な弟と思っていた香月も、
実は実の父と兄に大切に思われていた……という、
救いのある展開にホッと一安心。
兄VS義兄の香月を巡る火花が見えます^^;
まぁ、ここは颯弥の完勝です!
同時収録作は若返りファンタジーです。
おじさまが事故を機に若返ってしまうというトンデモ展開!
攻めの荒川がカッコ良かったです^^
2作品収録。
「熱愛」
名家に生まれながら「出来る」両親と兄に埋もれて落ちこぼれた香月。
実母の死後父が再婚してやってきた義兄の颯弥もまた超優秀、だがいつも香月に優しく、香月は家族の中で傷つく心を颯弥にだけは開いていた。
だが香月は颯弥と一線を越えた事に悩み、家を飛び出していたのだが…
…という冒頭。
颯弥は香月を居場所を突き止めて…
はじめは、エリートの顔の下でヤンデレ愛を抱えた義兄が、香月を逃がさんぞ〜みたいな「執着愛」のお話?と思いながら読んでいましたが、そういう話ではないのですね。
執着は確かに執着だけど、ヤンデレ感は無く結局は両想いラブです。
でも、直野儚羅先生の目ヂカラある絵柄になんとなくドロドロ臭が漂い、このお義兄さんもしかしてサイコ?とか疑いながら読んでしまう。
ドロドロなの?純愛なの?のハラハラ感、そして中盤の家族との対決、颯弥の刃傷沙汰などの事件もありつつ、プラス直野先生らしいどエロ描写が濃ゆい作品です。
「それは秘密」
直野先生お得意のファンタジー色のある作品。
中年リーマン同士の別れの場面。恋人の山岡国重が若い男を選んだのだ。
金城は1人北風の中歩いていたら、倒れてきたクレーンの下敷きになり?(←詳しい描写は無い)、死んでしまう。
しかし、天の声?が『全然違う魂じゃないのーっっ』と。金城は間違って死んだみたい。
生き返る事になる金城ですが、恋人を失い私は死んでもいいという気分。しかし天の声はそれを許しません。そして生き返った金城はなんと……
若返っていた!…
他の誰も気づかないが、部下の荒川だけがそれが金城だと気付く。なぜなら荒川は金城に恋をしていたから。
孤独を恐れて死を選ぼうとしていた金城に、新しい世界での荒川はグイグイアプローチしてくる。
絆されかけた頃、うっすら前の世界の記憶があるらしい山岡が確かめに来て…
ちょっとご都合なアレコレがあって、金城は若返ったままの世界で、荒川と結ばれる、というストーリーです。
で、多分ですけど山岡との関係では金城は攻め、荒川との関係では金城は受けになる、という設定だと思われます。(山岡とのエロシーンはありません)
カバー下は各作品の面白エピソードです。
久しぶりの現代ものです。
扉カラーに懐かしさを感じてしまいちょっと期待してしまいました。
仄暗い中に一筋の光。
落ち込んだり荒んだ心に優しい温もりで浮上させてくれる。
誰もが幸せになれる場所があると、救いのような癒しを求めて離れがたく読み続ける作家さんです。
もちろんそればかりを求めているワケでもなく。
ファンタジー好きな所も別腹と楽しんできました。
概ね、望んだ通りの道筋ですが、キャラの背景をモノローグで説明したのみで香月の抱える劣等感も足掻きも諦めもなく。
会話だけで拒絶してはすんなりと懐に入ってしまい盛り上がりきれません。
キャラの個性に委ね過ぎたのか、話し運びが雑な印象となり、3話続いたなりの奥行きを感じられなかったのが残念です。
同時収録「それは秘密」
こちらも登場人物の心情が多くは語られないまま。
都合よく若い男とくっついたように見えてしまい、別れた恋人が蔑ろにされてしまったようなすっきりしない読後感にざわついてしまいました。