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なんど散っても、アナタが大好きです。
sakurazsense
1冊まるまる表題作です。
事情により1人暮らしをしている引きこもりの高校生・要。ある日突然、変な男・真田が現れ、自分たちは前世で恋人同士だったと言い出して…。
前世で恋人だったけれど、駆け落ちの時に恋人は現れず、真田はそれを案じたまま亡くなり現世をさまよっています。そして恋人の生まれ変わりである要を見つけます。
突然そんなことを言われても信じられないし怪しいし、嫌がる要でしたが、桜が咲くまでのあいだそばに置いてくれと頼み込まれてしばらく真田という幽霊? と同居することに。
要を案じる友達や、新たに知り合った先輩、幽霊真田に付き従っているネコの妖怪? などがドタバタを繰り広げるコメディ調のお話がベース。そこに先輩の悲しい過去や、真田と要の前世の悲しい記憶などが加わり、切なくノスタルジックな作品になっていました。
エッチはなく、恋愛的な描写もほとんどないお話で、そういう点では物足りなさはありました。ラストはすごく泣けるのですが、BL的な切なさで泣けたというわけではないし、ちょっと残念。
あと幽霊真田さんのそもそもの目的や、恨みがあると主張していた割にその恨みも首を傾げてしまうようなもので、それにも拍子抜けしてしまいました。
同時発売の同じレーベルの新刊と比べると紙質が違っていて、紙が全体的に焼けたようなクリーム色です。
わざとなのかなぁ。だとしたらノスタルジックな雰囲気を強調するためなのかもしれないけど、せっかくの新刊なのに日焼けしてるみたいでこれはひどい…と個人的には思ってしまいました。
思ってました。
最初からごちゃついた感じの絵と細かい文字でみっちり埋まった台詞、ついていけないテンションに引いたまま、台詞を拾う気持ちが失せてしまいました。
それでも何とか最後まで読みましたが、この作者さんとの相性が良くないのかなと思っただけでした。
要の父親のエピソードは子供一人の心をコテンパンに潰すのに十分すぎる酷さでした。後半の荷物のエピソードも受け取る要の気持ちの変化があるだけに余計に荷物を送っただけで父親の義務を果たしているつもりでいる父親に腹が立ってしまい…。
先輩と彼女のエピソードも泣かせるけどコメディ展開が全然ツボにハマらなかったせいで、温まった気持ちが一気にクールダウンされてしまうという悪循環に。
最後に明かされる草加が現れなかった理由や真田の父の涙、真田の手紙など怒涛のようなラストの追い込みで泣けるので、ますますコメディタッチでなければ…と思ってしまいました。
テーマ自体はすごく切ないけど救いがあるというものなので、見せ方が本当にもったいなく感じてしまいました。
引きこもりの要のもとに
前世で恋仲だった真田(現代人ではない)が
突然あらわれ、同居生活がはじまる。
…ここまではまあ、設定などはなんでもアリですから良いと思うのですが
登場人物がそんなに多くないわりに
どたばたテイストが強くて
何をしたいのか伝わらない感がありました。
にゃん吉も重要なポジションなのは
わかるんですが
キャラ濃すぎというか乱暴すぎるというか…。
先輩の過去発覚!からの突然の告白も無理矢理な感じが拭えなかったし
真田に対する要の気持ちも曖昧すぎると
心情を探りたい欲が削がれてしまったし…
全体的にいろいろ盛り込みすぎて
ふわ~っとしていた印象です。
最後の真田がいなくなるシーンも
感動はしたけれど、なぜ心通わせたのなら置き手紙だけなの~!?
突っ込みどころがありすぎてもやもやです。
BLジャンルとはまた違うのならば
感想もかわってくるんでしょうけど…。