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その視線が、俺を掻き乱す――
hakoniwa no futari
ちょっと古めの作品が揃った短編集でした。
表題作『箱庭のふたり』
高校3年生同士、ちょっと不良×良家の子である優等生。
現代ものなんですけど変に耽美というか、受けを謎めいたキャラにしすぎて訳のわからない子になったような印象がありました。謎めいているというか思わせぶりというか、攻めを無視するんだったらすればいいのに、いちいち絡みに行ったり攻めと仲良しの女子に告ってみたり、一体何がしたいのかわからない。やってることは「自分を意識してほしい」的な行動なのに、口では「俺に構うな」って言ってるので、なんか構ってちゃんキャラのように思えてしまった。
そして結ばれ合ったと思ったら姿を消す受け。
良家の高校生が家出して、親に見つからずに働いて生活できるのが不思議。多分すぐに捜索願い出るでしょ。そのくせ一般人の攻めが受けを見つけ出せたというのがすごくご都合主義展開だと思いました。
『アンコントロール』
これまた古い作品で、今と全然絵柄が違います。マンガ家さんの成長ってすごいなと思います。
19歳×14歳というカップリングで、攻めの弟が連れてきた友人が受け。(エッチはないですが) 受けはぽややんで攻めは帝王キャラ。
初対面で攻めは受けのことを「白くてまっさらで汚れ一つない、オレの一番苦手なタイプだ」とか思ってるんですが、その受けに告られて「二、三度会っただけでなんでそう思い込めるんだ」的なことを言って振ります。見た目で決めつけてるのはどっちだと突っ込んでしまいました。
まあ、絵にもストーリーにも、19歳なのに帝王っぽい攻めのキャラ設定にもどうかとは思いましたが、可愛らしい話ではありました。
『罰として、キス。』
コスメ販売店の店長×店員。
この話だけコメディ調でした。夏河シオリさんは既刊のラブコメが可愛くてとても好きだったので、コメディ系がやっぱりいいなと個人的には思います。
販売ノルマを達成できなかったらお仕置き、という取り決めをされている受け。そのお仕置きがセクハラなので、もう付き合ってる関係なのかと思ったら全然で、ちょっと倫理的にどうかとは思いましたが、まあツンツンな受けくんが可愛くて楽しめました。
でも攻めがオレ様で何様だったので、攻めが痛い目に遭ってくれたらよかったのになと思いました。
あとは前作『メガネと恋と青い鳥』の続編と、表題作の描き下ろし続編が収録されていました。
全体的に中立寄りの萌くらいかな。