メグタン
love that does not begin
下半身がヒレのヒトウオの王子と、ヒトウマ(ケンタウロス)の王子、”ふたりの”恋が始まるまえ”。
「それは むかしむかしのおはなし」で始まる、おとぎばなしのような作品です。
えすとえむ先生の偏愛キャラといえばケンタウロスですし、その身体性に特化した作品のファンも多いのでは。
この作品でも、彼らの手、足、背中、首などの身体バーツが美しく描かれ、ストーリー自体も王子同士がお互いの足に魅了されるという、艶かしさにうっとりしてしまします。
お互い自分にないものに焦がれ、そのどちらも等しく魅力的である、というのはBLの原点。少ないセリフ、トーンなしの白黒線画、大胆なコマ割り。彼らだけで終わらない物語。
34ページという短さの、そぎ落とされたなかに、BLの原点と無限の可能性を感じました。
これぞ、商業誌ではできない同人誌の醍醐味!
えすとえむ先生は、アーティストです。
まるで高級ショコラのよう(もちろんアルコール入りですよ)。
お子様にはこの美味しさはわかるまい。
ひと粒でも、濃密で上品で洗練された逸品。
美味しいものは万国共通です。