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2shukan no aventure
『ばら色の頬のころ』に出てきた、ジェリーとユージーンの描き下ろしがあると知って、発売日に購入しました。描き下ろし以外については旧版でレビュー済みですので、ご興味がある方はそちらをご覧になってください。
「お勧めできない問題作」とレビューした2週間のアバンチュールですが、変更点は、旧版の夏の太陽を感じる青い空と海の表紙から、新装版は柔らかな色調の3人の少女たちの表紙になっています。太田出版の特設ページで、歴代担当様との座談会が掲載されていて、新装版8冊の表紙は横に並べて繋がるように描かれていることを知り、やはり8冊買わなくてはと思いました。商売上手ですよね^^;
その他変更点は、タイトルページの扉絵が新装版には無く、『彼の左目』の前後の間に黒いページが挟まったこと、新装版の最後の2ページが旧版の表紙絵と裏表紙絵だったことです。
そして一番読みたかった描き下ろしは『Ange dʼun œil』。「片目の天使」と訳すのでしょうか。
旧版の描き下ろしの絵葉書から、無事だったのかな?と思えたジェリーとユージーンですが、ヨーロッパで暮らしているようです!
眠るユージーンを愛おしそうにカメラで撮るジェリー、石畳のカフェテラス、戯れる子供たち、それを眺めるユージーンが口にする「地獄に堕ちる」という言葉。「僕も一緒だ」と手を取るジェリーが、今朝写したユージーンの写真には天使の羽が・・・。
ジェリーとユージーン、確かに彼らのしたことは地獄に堕ちると思えるようなことなのでしょう。自分がユージーンの妻だったら死にたくなるかもしれません。少年時代の未熟さを描いた『ばら色の頬のころ』ですが、少年時代の過ちは今の彼らに繋がり、大人の彼らも過ちを犯します。少年時代に痛い別れを経験した彼らですが、今二人が一緒でよかった。あの日窓から飛んだジェリーにはどうしても生きていて欲しかったから・・・。『ばら色の頬のころ』、『中村明日美子コレクションⅧ2週間のアバンチュール』収録の『彼の左目』前後編と『Belgian waffle』、そしてこの描き下ろし『Ange dʼun œil』で彼らの物語は終わりです。やっとやっと、安心できました。
◆2週間のアバンチュール(表題作)
こういう女子は中村先生にしか描けないだろうなぁと。見た目は地味な優等生、でも中身は周りの同い年の女子達よりもずっと大人びていて、行動は大胆で。その行動の理由を辿っていくと、ちょっとした悪戯心や好奇心であったりして、やっぱり子供は子供なのかとも思う。彼女は同性の他人を介して、女である自分を理解しようとしているのかもとも受け取れました。周りには迷惑極まりない話ですが。ミステリアスな雰囲気の余韻が残る作品でした。
◆彼の左目
ジェリーとユージーンをまた見れて嬉しいです。一度は別れて大人になった2人は学生の頃のような付き合いはできないけれど…。今はお互い背負うものがある、でも、再会したらやはり燃え上がらずにはいられない。どちらともとれる結末でしたが、どちらにしろ別れてからも互いに想い合っていたことは伝えられたので、悔いはないのではないでしょうか。