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きみがいれば大丈夫
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3作家さんの新作発表
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 まさかの”顔のない”攻め!優しく沁みるストーリー
                    まさかの”顔のない”攻め!優しく沁みるストーリー
                やー…!
恐竜とか虫とか吸血鬼とか、いろんな種類の攻め様の小説を読んできたつもりだったんですが、のっぺらぼう、という設定は初めて。
BLの可能性は無限大だなあ、としみじみ。
とても面白く、ジーンと胸に沁みるお話でした◎
のっぺらぼう × 中途失明者の青年。
のっぺらぼうといっても、唇は自由に出したり消したりできるという設定。
その唇でキスしたり吐息を吹きかけたり…
な、なんか普通の人間がするよりも官能的で艶めいた匂いがするのは何故…?
「顔がない攻め」って、挿絵ではどうなるんだろう、と思っていたら、めちゃ格好良いではないですか…!
うまい具合に、”顔のない部分”は隠れているんですが、イケメンなのが伝わってくる素敵なイラストでした。小椋ムク先生、すごいです。
内容です。
昔々、他の妖怪たちから「顔がないから」と仲間はずれにされた寂しがりやの妖怪・のっぺらぼう(攻)。
彼は猫の妖怪から鏡をもらうまで自分には”顔がない”ことを知らず、初めて事実を知った時に衝撃を受け、狐のお面で顔を隠すようになります。
ひとりぼっちで愛する誰かを待ち、二百年経ち──。
コールセンターで働く中途失明者の巽(受)は、職場では黒一点、ほぼ誰からも話しかけられず、浮いた存在でした。
そんなある日、偶然いつものランチタイムを過ごす公園で草枕(のっぺらぼう)に出会います。巽が目が見えないことを知ると、びっくり、でも興味を持ったように色々と質問されます。
その日からランチタイムを一緒に過ごすようになり、二人の距離は縮まっていくのですが、それと同時に巽の自宅に何者かが侵入し、夜の間に巽の体に悪戯をするという現象が起こり始めてーー
と続くお話です。
自分には「顔がない」ことを巽に知られたくない草枕が「触りたい」と言った巽を拒否するシーン。
巽と草枕、どちらの気持ちも分かるだけに心が痛み、うううう…と胸が苦しくなりました。
”大事なのは見た目じゃない”と言ってしまうととても軽く、綺麗事のように感じるけれど、この二人の間に少しずつ築かれていったものはまさに「見た目」や「美醜」を超えた繋がりなんだなあ、と。
最後にはお狐様から巽への大きな大きな贈り物もあり、やっと全てをさらけ出せる相手を見つけることができた草枕に、「良かったねえ…!( ;  ; )」と言いたくなりました。
妖怪たちの飲み会や、最後のおまけSSに出てくる”トマト妖怪”など愉快な描写もたくさんあって(「トマト妖怪」できればイラストで見てみたかった〜!!)楽しかったです♪
妖怪と人間。
その間にはどうしても立ちはだかる”寿命の差”という問題が、最後まで解決されないというのも個人的にはとても良かった。
限りある時間だからこそ、二人はこれから大切に大切に共に生きていくんだろうな…と。(そこもお狐様がなんとかしてくれないかな…とかちょっぴり思いつつ。。)
種族もコンプレックスの壁も越えて愛し合うようになる二人の、素敵な素敵な恋物語でした✨
 イケメンは顔じゃない
                    イケメンは顔じゃない
                栗城先生初読みでした。
妖怪モノが読みたくて、先行くお姉さま方の評価を当てにして購入しました。
よかった・・・よかったです・・・。
障がい者であっても決して気弱ではなく、社会生活を普通に送ろうとしている姿勢の
主人公に好感がもてました。
最初は会社の人たちに冷たいなあ・・・でも現実ってこうなのかなあ・・・
と悲しくなりましたが、
途中から心強い若手wが現れてから、会社内でも味方がいいることに
気づけた主人公のモノローグが無理なくよかったです。
ちょっといや、だいぶ意外な告白をした人物がいた以外は、穏便にいってよかったなと。
その人物は少女性と高慢を持ち合わせた鼻持ちならない感じだったので
いなくなってくれてすっきりしました(ひどいけど)
ゆっくり少しずつ両片思いの感じを育てていた二人が
無理やりっぽく体をつなげてしまうところがマイナスポイントでした。
やはり先ゆくお姉さまの評価は間違いないですね・・・。
番外で体の関係になってもよかったのでは、
無理に本編にいれなくてもよかったかな、と思いました。
それでもいままで読んだBL小説では、なんとなく違和感があった主人公の心の動きが
この作品では感じることがなかったので、自然でよかったです。
やたらモノローグがあったり、やたら状況説明がはいったりするのが
私的に違和感だったんですよねー。。。。
そこを説明ではなく、動きと流れで自然に感じられたので他の作品も読んでいこうかなと思います。
いたずらが度をすぎる妖怪もいるけど、
みんなわいわいするのが好きな妖怪ばかりでしたので
ほんわか妖もの好きな方、おすすめです!!
 どっちつかずな印象
                    どっちつかずな印象
                ネタバレがっつりです、ご注意下さい。
あらすじを全く読まず、評価の高さと設定で購入を決めました。和製ファンタジーは大好物ですし、攻めが『のっぺらぼう』という予測出来ない方向性のキャラクターで、良いなと思いました。
プロローグ『めんない千鳥の啼く夜』が書き方も古風で、私の和製ファンタジーを読むスイッチが入りました。
しかしプロローグとはうって変わり、巽目線の本編『手のなるほうへ』はあまりに現代の話で面食らいました。
なんか思ってたのと違うぞ…と思い始めたのは巽の働く会社について、細かい描写が出て来たところ。
巽は目が見えないことが原因で、1人の社員との間に軋轢が生まれてしまい、社内では上手くコミュニケーションがとれていません。巽は病気で、徐々に視力を失っていった中途失明者です。(そう呼ぶのですね、今作で初めて知りました)
中途失明者の生活様式や、晴眼者との関わり方に関する描写が明朗で、ふむふむそうなのか…読み応えがあるな…と中盤まで読み、これ和製ファンタジーではないんだ、と気がつきました。会社の人間関係やそこからの展開は面白そうだけど、随分妖怪要素が絡んでこない…草枕が巽の前に現れるシーンも、なんだか淡々としており、"妖怪"でなくても成り立つ関係性で物語が進むので、落胆しました。
巽が草枕と関わり始めてから、巽に不気味なことが起こるようになります。部屋のものの位置が変わったり、自室で第三者の気配を感じたり…家に誰か居るのではないか、でも確認のしようがないと巽は苦悩します。
うーん…これは怖いし、巽は目が見えないので余計に気持ち悪い展開ですが、妖怪が関わるものとしてはインパクトに欠けるように感じました。草枕が状況を改善したので、人外的な作用だとわかりますが、社内で怪しそうな人とかも居るし、現実的な巽目線の話が些細に書かれ過ぎていて、妖怪要素の良さが見えづらいです。
やっぱり展開が地味で、いっそ妖怪設定いらないし、もしも顔にコンプレックスのある男と目の見えない男の出会いと日常の話だとしたら、先生の文体も相まって双方に共感でき、作品の傾向もまとまって面白いのでは?と思いました。
そして、物語後半で登場人物的にも、1つの物語としても悲惨な展開に入ります。
巽が妖怪からレイプまがいの行為を受け始めます。挿入なしで悪戯されるような書かれ方でしたが、一度二度ではありません。
な、なにこれ…?
中途失明者という、弱の立場の巽をあれだけしっかり描写しておきながら強姦未遂。
予想外に胸糞悪い展開に、更に追い討ちをかけるように、助けに来た草枕までも性急に巽を抱いてマーキングします。そして嫌がらない巽。なぜ嫌がらない、巽。作中必要なこととはいえ、ムードもへったくれもなく、置いてけぼりにされました。
ボーイズ・ラブの、ラブの部分を端折られた感じがして、どう捉えたらいいのかわからなくなりました。
その後は妖怪パートへ突入。しかし、現代編のよく練られた設定と比べ、全てにおいてふわっとしていました。場面背景がわかりにくい上、とってつけたような設定で困惑しました。栗城先生は、ノンフィクション系の描写の方が向いていそうです…
本編は非常に、中途半端なところで幕切れします。
主に共感出来なかった部分について書いてしまいましたが、タイトルは全て趣があって気に入っています。特にエピローグにあたる『春宵一刻』が好きです。サブキャラにろくろ首の春宵というキャラクターが出てくるのですが、個人的に『春宵一刻値千金』という言葉が好きで、大変に親近感を覚えました。エピローグでは、人間との親交が深い春宵が草枕に対し、人間と妖怪の持つ時間差について釘を刺します。
先生は春の宵を値千金という意味ではなく、とても淡い、僅かな時間という意味合いで使われたのかなと感じました。
文中の言葉選びや、巽目線の世界はすごく面白かったです。上でも書いたのですが、のっぺらぼうという設定が面白いのに浮いていて勿体なく感じました。
また、春宵の言葉で完全なハッピーエンドと受け取れないラストと、草枕の『200年待った』の意味が伏線のようでよくわからなかったので、評価は中立です。
 癒し系BL
                    癒し系BL
                評判がよさそうなのでずっと気になっていたのですが、なんとなく大事に読むのをとっておいていました。
が、ふいに「読むなら今日だ!」と思ったので、えいやっと読みました。
可愛かった……そして最強の癒し系のお話でした。
「めんない千鳥の啼く夜」
「てのなるほうへ」
「春宵一刻」
「特別版」
の四篇が入っている本作。
第一篇の「めんない千鳥〜」だけが攻め視点の過去話で、後はすべて受け視点の現代話でした。
そのため、攻めのつらく悲しく寂しい過去を知ってから現代のお話に入ることになるので、余計に二人の幸せを祈りつつ必死に読んでしまいました。
読み終えてから改めてしみじみと、優しくて生真面目な攻めが幸せになれて本当に良かったと思いました。
受けももちろん、幸せになれてよかったけど。
でもやっぱり、攻めが幸せになれてよかった!
その一言に尽きます。
 もうひとりぼっちじゃない
                    もうひとりぼっちじゃない
                読み終わって幸せな気持ちでいっぱいです。
1日たっても余韻から抜け出せません。
めんない千鳥の啼く夜
草枕の孤独がこれでもかと書かれています。他の妖怪が草枕に酷すぎる!
胸が張り裂けそう
てのなるほうへ
こちらは現代のお話。
巽の境遇に色々障害者に対する対応とか考えさせられました。
草枕に会いたくて公園に毎日通って、会話に一喜一憂する巽が可愛いですね。
草枕の気持ちが中盤までは謎だけど、同僚との関係をやたら心配したりランチ行かなくていいのか聞いたり。言い寄る女はいないかとか。
巽の同僚に好意を持たれてないか心配してたのかな?
毎日巽に会いたくて通ってたんだね
他の妖怪も草枕の応援?味見?のつもりか巽の部屋に忍び込んだり毎晩淫らなことをしたり巽と草枕にとっては迷惑です。
他の妖怪に巽が手を出されたことで草枕が激しい嫉妬を見せ強引に巽を抱いてしまいます。そしてもっと優しく順序を守ってしたかったと謝り落ち込みます。エッチがしるしつけに?これで他の妖怪は手を出さなくなるということ?
お山のボスにこれ以上妖怪に巽へ手を出させないでくれるよう頼みに行きますが、昔の借りを返すのになんと巽の目を戻してくれると!
草枕は顔を見られることより巽の視力を優先させた。
その後はぶじにお札を見つけ視力も元に戻り矯正すれば見えるようになります。
草枕との対面や他の妖怪たちとの交流など楽しくほのぼのお話は終わっていきます。
辛い過去や境遇を経たからこそ今出会えて良かった。
二人とも出会ってくれてありがとう。
草枕、もうひとりぼっちじゃないね!愛する巽がいるよ!
妖怪のみんながあんなに草枕のことをつまはじきにしたりからかったりしたのに話の後半で心を入れ換えて応援したり巽をさらって草枕を強制参加させ宴会したり、もっと早く草枕を受け入れてあげてたらとも思ってしまいます。
草枕と巽の寿命を考えるとせつなくなります。たくさん一緒にすごしてラブラブしてね!
 イントロは特に秀逸
                    イントロは特に秀逸
                昨年夏に続編が発売された時に書泉でペーパー復刻だったので同時購入して読み始めたものの部屋の中で行方不明に( ;∀;)
やっとサルベージできてやっと読むことができました( ;∀;)
何も情報入れずに読んで欲しい!
妖怪と人間のファンタジー。
イントロの「めんない千鳥の啼く夜」が秀逸。
ネタバレするのでできれば裏面の紹介文も読まないのお薦め。
とにかく素敵な物語。
哀しい場面もありますが、ほっこりもできます。妖怪達が可愛いですっ!
主人公が視覚障害者だけど、その設定が認識も改められる部分もあり奇異でもなんでもなくストンと普通の流れで読めます。
ファンタジーが苦手な方も、妖怪達が関わってくるだけで荒唐無稽なだけではないのでぜひ手に取ってみて欲しい本のひとつです。
小椋ムク先生のイラストが本当にぴったりで世界観彩ってます♪
やっと続編も読める~!
 誰かに受け入れてもらえるってそれだけで幸せですよね
                    誰かに受け入れてもらえるってそれだけで幸せですよね
                あまりBL小説って読まないんですが、表紙に惹かれて購入しました。
ファンタジーものも普段あまり読まなくて、どうかな?〜と思っていたんですが、現代が舞台だし割りと人間の生活に溶け込んだ妖怪たちばかりで、本格的なファンタジー!!ではなく、いい意味で緩いファンタジーなので気構えずまったり読めてよかったです。
受けの巽が眼が見えない(わずかに明暗が認識できる程度)の障害を持っているんですが、デリケートな題材である身体障害も、取って付けたような設定でもなく、ただ障害を理由にメソメソしているわけでもなく、時に理不尽な思いや嫌な思いもするけれど、障害に屈することなく何とか自立して前向きに生活している受けに好感が持てました。
一方、攻めはなんと『のっぺらぼう』
顔がない以外は普通の人間とあまり変わらない見た目なので、妖怪たちからは遠巻きにされて、人間からは妖怪だと恐れられ…数百年もの間 孤独で寂しい思いをして来ました。
顔がないことをコンプレックスに思っており、狐のお面でいつも隠しています。
受けは眼が見えないので、まさか攻めが『のっぺらぼう』だとは思いもせず、すっかり懐いて好意を持っていきます。
のっぺらぼうである攻めも、(眼が見えないからとはいえ)初めて自分を受け入れてもらえて、ふたりで過ごす他愛のない時間がさぞ居心地の良いものだったでしょう…
ほのぼのするし、優しく温かな気持ちにさせてくれる素敵な作品でした。
 ほんとにまさかののっぺらぼう! 3
                    ほんとにまさかののっぺらぼう! 3
                やっぱりこのタイトルつけたくて、先にレビューされているお姉さま方に
敬意を表して 3 つけてみました。
まさかののっぺらぼう攻め×中途失明者さんの受け・・・
本当にびっくり設定でした。
ぐずぐずに泣いちゃうか と思ってましたが
ちょっとせつない、でもハピハピほわほわ気分で読了できました。
いいお話。ので萌2.
少し前から手元にあったのですが、
どうにもこうにも ハンディキャップを持っている方々のお話を読むのが
ツライなあ と感じる期間だったようで、手に取れず。
最近になってようやく手に取れました。
せつない序盤。もうここで既にぐっすん状態。
独りぼっち って寂しいですよね。
最後の方で、そうなる原因を作った、他の妖怪たちも後悔していたことが
わかって、気持ちが救われました。
本当に愛すべき可愛い妖怪たち。
(いや 怖いんだよ、大首とか。でもなんか可愛い)
幸せ気分で終われる いいお話でした!
初心者でも大丈夫と思いますが、ちょっと異色作っぽいです!
 コンプレックスは魅力になり得る!
                    コンプレックスは魅力になり得る!
                中途失明者の巽は、いつもお昼を一人で食べている公園で、風に飛ばされたお面を拾ってくれと頼まれます。
それがきっかけで、巽はその狐面の持ち主・草枕とランチタイムを過ごすようになり、ちょっと浮世離れしてるけど真直ぐで優しい草枕に惹かれていきます。
そんな時、自分以外いないはずの部屋で物音がしたり、物の位置がずれていたりするようになり・・・と書くと何だかホラーかサスペンスものみたいですが(笑)、ほんわか心が温まる、妖怪との恋物語です。
すごく読みやすいです。
最近2段組の小説ばかり読んでいたから・・・じゃなく、絵が浮かぶような分かりやすい、読みやすい表現を選んで書かれているように感じました。
初読みの作家さんだったのですが、小説を普段あまり読まない方にもオススメできると思います。
何といっても吃驚なのが、妖怪・『のっぺらぼう』が攻め!!
設定萌え小説なのかと思って手に取ったのですが、全然違いました。いい意味で裏切られましたよ!
顔が無いことがコンプレックスなのっぺらぼう・草枕。初めて巽に出会った時には、巽が見えないことに安心したんです。顔が無いことを見られないから。
最初はそうだったけど、親しくなっていくうちに巽自身に惹かれていきます。
顔に触れたいと巽に言われて面を外したときの草枕の勇気、御簾裏に願う草枕の想いに胸が熱くなりました。
巽がいてくれたからこそ、最後の章では、あまり他の妖怪たちとも馴染んでなかった草枕が宴に参加するまでになって・・・草枕のそんな姿に、コンプレックスを乗り越える物語でもあるように思いました。
実際そう簡単にコンプレックスは乗り越えられないけど・・・作中にあるように、コンプレックスって「周囲がどう思っているか」よりも、「本人がどう思っているか」だと思います。自分自身の心の中の問題。
巽と出会うことで草枕の心がコンプレックスを乗り越えられたんです。
巽もハンディを背負っていつの間にかいろいろ諦めてて、草枕と出会うまでは自分が寂しいと感じていることさえ気付けなくなっていました。
会うべき人に出会えた二人・・・もう何て温かい物語!!とても良かったです!
春宵や他の妖怪キャラクターたちも魅力的で、本当にスピンオフか続編があれば嬉しいな、と皆様と同様に思っています。
草枕を揶揄い過ぎた妖怪たちも、巽に嫌がらせする山内も、根っこの感情は同じ。
山内さん、私は嫌いになれなかったなぁ・・・むしろ親近感(苦笑)。自分の思った通りに進まないと、仕事中は特にイライラしちゃいます。自分を振り返ってちょっと反省しました。
そう意味でも、心に残る作品でした。
 自分のバカヤロウ
                    自分のバカヤロウ
                実は栗城偲さんの作品はこれまでの実績から相性が良くない印象があって、こちらの本も積んだままになっていたのをようやく読みました。
…何故もっと早く読まなかった自分のバカヤロウ!と壁ドンする勢いで、大好きな作品になりました。小椋ムクさんのイラストがまた素晴らしくマッチしていて、妖怪と人間、のっぺらぼう、視覚障害者、男同士…などのやるせない事実がありながら、全篇にわたってとにかく優しくて温かい物語になっています。
もの哀しいプロローグにあたる「めんない千鳥の啼く夜」から始まって、表題作の本編、そしてエピローグと、面白くてドキドキする構成で、最後まで惹き込まれて読みました。
美醜に左右される恋愛というのはあって当然ですが、のっぺらぼうと言うのは…一つの究極の形ですね。ともすればシュールなコメディーになりそうな題材をこんなに素敵なお話にしてくれたことに感謝します。読めて良かったです。
続編があったら是非とも読みたいと強く思います。