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chokozai utsuwa
卖弄小聪明的家伙
久々に衝撃的におもしろい作品だったのでレビューします。
樋口の感情のジェットコースターにぶんぶん振り回わされました。
胸キュンあり、笑いあり、涙あり、エロスありで、
BLを読んでいてこんなに快感を感じたのは初めてでした。
全てのバランスが素晴らしくて、ぐいぐい引き込まれました。
感情のぶつかり合いが細やか、かつ大胆に描かれていて、
型にはまらないおもしろさに驚嘆しました。
陶工というテーマをここまでの作品にするとは!
すごいっ!!という感じです。
由一郎の表情がときどきすごく艶っぽくてたまりません。
若いゆえの危うさがそそります。
「大人」の樋口も妙に色っぽくて、
でも由一郎のいやがらせや可愛さで我を忘れて、
抑えきれない感情を、独り言や先輩に吐き出す様は、
爆笑でした。
枕元に置いて、元気出したいときに読みたい作品です。
赤字続きでもどこか明るく楽しい陶房が舞台です。
祖父・父ともに引退した陶房を、三代目として兄が継いだ。まだ学生(21)だが、ときどき工房に入り手伝うのは弟の由一郎(呼び名:ゆいち)。ある日、兄の依頼により経営コンサルタントの樋口が陶房を訪れると、それを知らされていなかったゆいちが怒って…というところから始まります。※以下ネタバレ含む。
いやーもう、ゆいちがお子ちゃまで、ちょっとびっくりするぐらい生意気ですが、委細承知でやってるようなところがまた…。学生じゃなかったら...いや、ゆいちじゃなかったら許されない気がするが、笑えたからよし。本の半分以上がツンデレというか生意気すぎ、だからこそ弱さを見せてきた時とのギャップで可愛くてしかたない~!!となってしまうのですね。一瞬のポイントでゆいちに"ぞっこん"になっちゃう樋口ですが、その惹かれていく段階が頂点間近になるところは、読んでいるこちらが先に沸騰しそうでしたよ。ノンケの樋口に「彼女はいるか」と訊かせちゃうなんて...ゆいちってすごい。もしかしたら全部お見通しだったのかも...なんて勝手に思ってしまうほどです。あんな家族の中にいたら、そうなるかもね(唯一まともなのが「ゆいち」という、とんでもない人ばかりの大家族)。しかし「ゆいち」という響きが最高に可愛いと思いました、お兄ちゃんは弥一郎(やいちろう)です。そういえばこのカップル呼び合ったら「ゆいち♡」「ひぐち♡」だ♡♡♡
このまま読ませてほしいエンディングが憎かった!
笑ってばかりだった気もしますが、気持ちよく神評価です。
エロ度も、この作品にはちょうどよく感じました。
表題作以外に『友と恋』という24ページのお話が1つ収録されています。仲良しリーマンもの。こちらは以前の作品のようですね、原稿データがなく修正しなかった...とあとがきでおっしゃっていました。カバーについて、表紙はバックが陶器の土の色ですが、電子のページを拝見したらそちらはピンクっぽい背景色でしたよ。
ところで、この本と同日発売だった『雨雫』(Qpa 竹書房)とのコラボ漫画がカバー下にありました。分厚い同人誌を読んで以来、碗島子作品にハマり中なので『雨雫』ももちろんゲット、読むのが楽しみです。
大筋はシリアスですが、節々はギャグです。碗島子さんの書くギャグのセンスが大好きです。シリアスと絡んで、それがよくマッチしています。
そして何よりお話ですが、恋愛において一番大事だと思う「人を好きになっていく過程のドキドキ」を読んでいる側がとても味わえました。
傾きかけた工房を立て直すため雇われたコンサルタントの間島と、その工房の次男ゆいちの歳の差ものです。二人は最初はかなり険悪で、とくにゆいちが間島を嫌いきっています。
ゆいちが最初とてもツンツンしてて、嫌な子だ~と思います。ツンデレなどという可愛らしいものではなく、バイオレンスなツンツンっぷり。
私はゆいちが成人してると途中まで気づきませんでした。成人してるからどうというわけではないけど、成人男性にしてはかなり子供じみた意地悪を仕掛けてきて、小学生のよう。
好きの裏返し…というわけでなく、本当に心から最初は間島を嫌悪しています。
理由はちゃんとあるんですが、その後、この「大嫌い」から最後は「大好き」になる、という過程を一冊で見事に描いている事が、恋愛ものとしてのクオリティーの高さとか、充実感を感じられて、テンポもよく最後まで一気によめ、何より本当にドキドキしました。
間島はノンケなんですが、「あいつは男なのになんでかわいいと思うんだろう?」、という、ノンケなのに惹かれていくという過程も全く不自然に感じません。
周りの家族も変わり者でぶっとんでいますが、よほどギャグの波長が合わないとかでなければ楽しめると思います。
素直になってからのゆいちは、なかなか可愛い。
最初は嫌な感じなんですが、本とはこういう子なんだね、とわかってきたら可愛いと思える心境の変化を、読み手が間島と共に味わえると思います。
ずっと攻め視点だったので、ちょっとでもゆいち側の好きになっていく過程が見られたら面白かったかも。
(おまけで、ちょこっとだけゆいち視点が入っています)
素直に面白かった~と思える作品でした。
ケンカップルが苦手でなければ、是非おすすめしたい作品です。
これは唸ってしまうほどの面白さでした。
『理解できない彼との事』から島子先生を知り、以降少しずつ他の作品を読んでいるのですが、読み進めるうちにどうしようもなく込み上げてくる萌えと、最初から最後までペースの衰えること無く繰り返されるギャグの緩急とのバランスがここまで気持ちいいのは、現時点の私が読んだ島子先生作品の中ではNO.1かもしれません。
本当にストーリーの流れ方が素晴らしくて、最初のうちはゆいちに対して『何なんだコイツ!?』という感情から入ったのが、展開に沿って樋口さんとずっと同調し続けていって、最後にはたまらなくギュウウウウウンとなりました。
電車のシーンは最高でしたね。あんなにさんざん理不尽なことを繰り返してきた二人に、こんな王道シチュエーションがハマるのかと。
この作品でこんな瞬間見られるのかよ〜〜〜〜と身悶えしました。
土屋さんは本当に悪い人ではなくて、本編ラストカットにも一緒に居たのが嬉しかったです。
あと、本当に島子先生の描くメインキャラの家族って凄いですよね。
今野家のキャラの濃さ最高でした。
島子先生にしては珍しくセックスがノーマルで、あまりにまっすぐ幸せな描写に終始していたのも不意打ちでした。
萌えの後には必ずオチを付けてくれててある意味ほっとしましたけど( ◜ᴗ◝ )
『fRag』vol.1に掲載されている『君とはこれから』の番外編にチラッと登場している二人(樋口さんは声だけ)にもキュンときます(*´ω`*)
潰れかけの陶房を立て直す為に仕事に来たのに、依頼者の弟である由一郎がむかつくという理由で弱みを握ってやった!!
からの展開が王道じゃない!!
いつか酷い目に遭わせてやる…! と誓ったのだがやられっぱなし。
主人公の樋口は受けの由一郎に嫌われているのですが、それは後にわかります。
その原因がわかったシーンがよかった。
このシーンから由一郎のデレが徐々に見えてくるのですが、やっぱり一筋縄ではいきません。
でもちょっとずつ縮まっていく距離がいい! そしてうざがられるのがいい!
ギャグの具合もそうくるかーって意外性があって面白い。
特にテンションあがると言っているシーンですね、そんなことしていいんですか。
逆に由一郎の家族についてはむかつきっぱなしですね。
キャラは立っているんですけど、見ている側としては好きになれない。
でも二人の展開は超萌えるので、ツンデレ好き人は読んでみてはいかがでしょうか。
どんぶり勘定のうつわ陶房を立て直すべく雇われた経営コンサルタント:樋口が店主の弟である由一郎の態度に翻弄されながらも猪口ほどの小さな小競り合いからジワジワと信頼を重ねる一冊。
「ちょこちょこ」など目立たない小さな動作を表す「ちょこ」と才能の「才」をあわせた『猪口才(ちょこざい)』は「ちょっとした才能」から派生して小生意気な人や小賢しい人に使うようになったらしいですが、由一郎がまさにこんな感じの子です(笑)
結んだ髪型が可愛い。
碗島子さん独特の小ネタが抑揚をつけるように仕込まれていて、せつなさの中に突然、笑いがこみあげて、そのリズム感が心地よくて退屈しませんでした。
兄弟の夫婦茶碗のエピソードの切なさと爆笑の落差にはつい「えぇぇ!?」と声が出てしまった。
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【ちょこざいうつわ】
陶房「こんの」は店主の天然がすぎて経営難に陥ります。
経営コンサルタント:樋口を雇って赤字脱出を試みますが店主の弟:由一郎は大反対で樋口に嫌がらせをします。
大学で経営を勉強して兄を助けようとしていた自分の居場所を奪う(ような立場の)樋口に子どもじみたヤツアタリの数々で対抗。
足を踏んだり靴投げたり好みのピザを先取りしたり…蹴ろくろには大爆笑しました。
敵意を隠さない由一郎をもてあまし気味な樋口ですが、社会人らしく陶房の為に企画を出し仕事に徹します。
また、一見、ヘナチョコなのに由一郎のつくったうつわに宿る本質を言い当てたり。
由一郎はそんな樋口の姿に次第に気持ちをほどいていきます。
陶器のボタン可愛かったな~。
ブラコンやいろいろな気持ちをこじらせて本当のことを誰にも言えなかった由一郎の歯がゆさを樋口がうけとめる…王道のオトナ攻め。
樋口が釉薬のかかっていない粗めの素材:由一郎のざらつきを可愛く思う過程が下心込みなのが素の男らしくて好きです。
ノンケ同士ですが、ちゃんと汁気たっぷりにシています。
碗島子さんといえば異物挿入イメージなんですが(失礼←)さすがになかった。
でも、お互いの愛しさが溢れていて今まで読んだ碗島子作品の濡れ場の中でいちばん好きです。
ツンケンした由一郎の涙は可愛くてそそるなぁ。
アングルが巧妙で真っ白修正はありませんでした。
巻末収録の描きおろしも切なくて良かったです。
それにしても今野家の人々の静かな暴走ぶりが楽しい!
特に父:与一郎がインパクト強すぎてww
窯作りにハマった挙げ句、火事を起こしてオカマになるって!!
女装旦那の妻である由一郎たちの母親の肝のすわりっぷりが素晴らしい。
どんだけピザ好きなの…あなたたち。
当て馬:土屋の土屋さんが意外なほどにまっとうで由一郎を思いやる気持ちが嬉かったです。
出番は少なめでしたが、由一郎の気持ちのベクトルを想像させるエピソードを紹介する十分な存在感でした。
【友と恋】
同じビルに勤めている縁で友だち付き合いをしていた近田に告白された篤史。
対処に困ってはぐらかそうとするもよそよそしい状態に。
寂しさに耐えきれず友だちの枠を自ら飛び越えた直情型の篤史に大丈夫か?と聞かずにはいられない強引な展開でした(笑)
篤史の後輩:前田くんの衝撃的な話がめっちゃ面白かった。
数々の愛すべき変態を生み出されている作家様なので、本作のカップリングは良い意味で「おや?」っと。
受けの由一郎のツンデレっぷりが可愛いです。
ツンとデレの振り幅の大きさに母性本能くすぐられまくりでした。
ストーリーもエロエロが通常運転の碗作品にしてはだいぶんエロ控えめ。
楽しく読みやすい1冊だと思います。
お話の主役は、経営のセンスもノウハウもない赤字続きの陶房「こんの」にコンサルとしてやって来た〔樋口〕と、その今野家の次男〔由一郎〕。
なんですが、、、
由一以外の今野家の人々がだいぶん愉快な人たちばかりなので、正直樋口さん(攻)霞んでます。
その分は由一の可愛さでカバー……出来てるはず…?
個人的には旦那(=今野父)が陶器焼かずにピザ焼き始めてもオカマになっても気にしないマイペースなお母さんがツボにハマってお気に入りw
BLだけど家族でわちゃわちゃ賑やかしいのも読んでて楽かったです。
ラブの方は、由一可愛いよ〜〜〜の一言に尽きます!
カバー下に「雨雫」とのコラボ漫画が入ってるんですが、「雨雫」のカバー下と続きになっています。
出版社の垣根を越えてのこういうちょっとした遊びゴコロ楽しいですね♪
私はどちらも電子書籍で買いましたが、両方カバー下入っていました。
陶房を継いだ陶芸家の兄のもとで働くゆいちと、その陶房を立て直すために訪れている経営コンサルタントの樋口のお話。
まずこの樋口に対する、ゆいちの当たりがきつい(笑)
ツンデレ受けってなってるけど、ほんとにデレるの?と不安になるほどのツンっぷり。
だけど、ゆいちの樋口への態度にはちゃんと理由があるのです。
陶房の経営がうまくいっていないのは、この家族があまりに頼りないから。
ゆいちの兄、陶房の三代目は見事な天然。陶芸を辞めたお父さんはオカマになって、窯でピザを焼いているし、お母さんはなぜかそんな夫を認めているし(?)、妊娠中の兄嫁も危機感がなくて、なんだかぽや~っとしてる。
この家で唯一しっかり者なのは、ゆいちだけです。
そんなゆいちなので、樋口が来ることによって、自分の役割が奪われてしまう、居場所がなくなってしまう、と思ってしまった。樋口に対する反発心は、家族を大切に思う気持ちからだったんです。
そんなゆいちの一面を見せられ、樋口は彼に惹かれていく。
なんだか、このあたりの自然な流れは、すごくまっとうなラブストーリーに思えました(変な言い方ですが、他の椀作品とのギャップがすごい…)。
個性的な脇役が入り乱れ、椀先生らしくギャグも織り交ぜられていて、コメディ要素の強い作品です。
しかし、幼い日に兄と一緒に焼いた茶碗をめぐるエピソードなど、泣かせる場面もあって、きっちり締めるところは締めてくれます(その泣けるエピソードに、ちゃんとオチがあるところも椀先生らしい!)。
ところで、他の方が書いてくださっているように、椀先生の作品にしては珍しく、エッチがノーマルです。
お道具も使用しなければ、おもらしも腸内洗浄も尿道責めもないです。
ですが、経験のないゆいちを気遣うような愛情溢れるシーンに、これはこれでとても萌えました。
お道具もなにもないと、受けはただただ可愛いし、攻めもちゃんと優しい、まともな大人のひとに見える…(椀先生なのに…)。
椀先生の作品を読んだことがない人に勧めるとしたら、まずノーマルなこれを推すだろうな、と思うくらいお気に入りの一作になりました。
碗さんの魅力、それはこれでもかと繰り出される細かいボケ。
ボクシングの軽めのジャブでじわじわ体力が削られていくように、こころがボケで侵食されて、読み終わる頃には虜に。
この作品はボケが少なめです。
残念です。
しかも他の作品では冒頭から受けが大好きすぎる!という攻めが見当違いに攻めまくる!というパターンが多かったのに、この作品はじわじわと自覚していくという、他の作者さんではよく見られる流れとなっています。
つまりは碗さんの魅力(わたしが勝手に認定してるだけですが)が、半減していると言っても過言ではない作品です。
なのですが、ボケが減った分、胸きゅんというか、胸どきどきが増えたような。
きゅんまでいかないどきどき。
鷲掴みほど決定的じゃないんだけど、ちりっと胸が鳴る感じ。
いじっぱりでちょこざいな由一郎に樋口が絆されていくのと同じ速度で胸が高鳴りました。
のらねこ、てなづけたった!みたいな。
立派に溺愛系攻めになった樋口の可愛がり方と、相変わらずちょこざいだけど、ちょこっとデレる由一郎も良い。
最終的にほのぼのとした気持ちになれる作品でした。
同時収録は、親友から告白された会社員の話。
付き合う or 疎遠状態になったときに、告白されたノンケはどうするか、というストーリーでした。
大事な友達失いたくない!という一心であっけらかんと受け入れてしまうのが、さすが碗さんのキャラという感じがします。
うじうじ悩まず猪突猛進。
さくっと読めます。
描き下ろしに「雨雫」の2人がボケ要員で出てきます。
くすっと笑えます。
ツンデレと書いてあったので手に取りました。
ツンデレと言うか、最初は本当に嫌われてたんですね。結構頭に来るくらい露骨に嫌われてるのに、よくぞ好きになりましたね。
幼い頃に兄とお揃いでお茶碗を作り、大切にしていたのに、あるとき自分の作ったお茶碗を兄嫁が使っていた、と言うところできゅっと切なくなりかけましたが、兄のお茶碗は近所の犬が使ってたと言う件で笑ってしまいました。
8割方シニカルな由一ですが、樋口が「空気なんだったら包ませろ!」といって、由一を抱き締めると、「落ち着く」と言って抱きつき返すシーン、じわーっときました。
普段ツンツンしてる由一のたまに来る甘ったれな部分が可愛いです。