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小野塚カホリ先生の最新作、異なる時期に書かれたものを一冊に纏められたそうです。
確かに絵柄が『LOGOS』の頃に似てるかな、というものも有りますが、古参ファンも新規ファンも楽しめる、端麗ワールドです。
さて、タイトルの意味ですが、これはネタバレ的な意味として書いて良いのか判断出来かねるので、現時点では書くのをやめます。
長年のファンとしては、辛すぎて、レビューを書きつつ滂沱の涙です。
ちゃんとしたあらすじを書こうと思いましたが、涙で書くことが出来ず、申し訳ございません。
__本誌のネタバレでは御座いません。色々な意味でのお話です。__
小野塚カホリ先生は、JUNE全盛の頃にデビューされました。
絵は美麗、端麗ですが常にJUNE路線とも一線を画す独自路線を貫いていらっしゃいました。
時にそれは読者を二分する事となりますが、LOGOS以降確実な読者層を獲得されて参りました。
数々の名著に関しては拙が申し出る事なく、姐様方がレビューされておりますのでそちらをご覧下さいませ。
要は、本当に素晴らしい作家さんだったということです。
近年は、『燃ゆる頬』など原作有りの作品をコミック化されておりました。
選ばれる原作の性質上、悲劇は免れないのですが、具現化する方法を模索しておいででした。
また、先生は文学への掛け渡しをして頂いた方でもございました。
寺山修二の引用が多く、当時学生の私には大分難解な世界を紹介してくれたのも先生のおかげです。
この単行本には色々なお話が詰まっておりますので、書下ろしで溜飲を下げたい方もいらっしゃると思います。
しかしながら、そういったものは存在しておりません。
書かれたものをどう取るか、全て委ねられた、宿題のような作品です。
今日日の『何が有ってもHappy!』という作品では無いですが、それにより出でる作品としての美しさに感嘆せざるを得ません。
最後になりますが、小野塚カホリ先生、本当に有難うございました!
既刊コミックス未収録作品をまとめた作品集なので、古い作品と電子配信されていた最近作が半分づつ。
どの作品も、密度というか質量が半端じゃない。
読み終えて、しばし呆然。
これだけの内容が、何故この1冊に入りきったのか?
っていうか、何故これだけしか収録されていないのか?
特に冒頭の「対象ロマン」
これの前には?
これの続きは?
この作品だけでコミックス1冊できるよね?
ここだけポンって見せられて、どっかにこの前とか続きってあるのかな?
おもしろいだけに、半泣き。
「青い薔薇」と「金と薔薇」(タイトルかぶっているけど、関連はない)は、これで終わりでもまだ納得できるけど、最後の描き下ろしが、
この「音楽が聞こえる」って、何かの続きっぽいんだけど、元作品ってなんだろう?あるんだろうか?
どなたかご存じだったら、教えて下さい。
私にとって、小野塚カホリ先生の初読み作品でした。久々の再読。
「対象ロマン」
2006年作品。
とても複雑で、青い悩みと痛々しいほどの苦しみを感じる。
というのも、息子の友達を口説く父親が登場する。
「息子の友達」は「息子」に恋を感じてるから、当然彼の「父親」なんかとどうこうなりたくない。
しかもその父親が本当に好きなのは、「息子の友達の父親」…
代わりにしてないなんて言いながら息子の友達を抱くこの男を、どのように解釈するべきだろう。
ただただ痛々しい。
「青い薔薇」
2006年作品。
高校生もの。
3年生をいつも教室の前で待ってる、ゲイで有名な1年の蒼二。それを見た2年の椿は、蒼二が気になり始める。
恋未満、いや恋になるのかどうかも不明ながら、なんとなく清々しく終わる。
「黄金と薔薇」前編・後編
2015年作品。
ストーリーとしては、探偵社を経営する2人(兼恋人)が、人探しの依頼を受ける、という骨子があって、そこに依頼人の霊能力を持っている息子(小6)の孤独感と衝動が絡んでくるのですが。
お父さんの人探しはあっけなく見つかるし、霊感少年の方に集中したほうがよかったのかも。
何と言っても絵がすごく好きで!探偵さんの黒髪パーマの方(根越?)がもう超絶好みなんだわ…
「音楽が聴こえる」
スペシャル描き下ろし漫画、ということで超短編。ストーリーも断片的です。
どうやらバンドマンの上の部屋の住人が実は連続殺人鬼だった…?
壁1つ、床1つで余りにも違う世界が存在する…そんな話?なの?
カバー下の作者様メッセージ、漫画家生活をやめてしまう?というような文面で。もしそうなら残念です。
表紙とタイトルからセンセーショナルな問題作を期待していましたが、中身はエロ薄で、小野塚さんらしいセンシティブな作品集でした。
◆「対象ロマン」(2006年掲載)
主人公の零二(受け)は、親友に片想いする高校生。
何かと零二を口説いてくる仲村(攻め)は、その親友の父親。彼は、零二の自殺した父親の親友でもあり…。
零二は、そして零二の親友は誰の子どもなのか。
零二の父親の日記には何が書かれていたのか。
零二と仲村はこれからどうなるのか…。
読者に想像を委ねるような形のラストに若干の物足りなさは感じるものの、綺麗事のない等身大の人物描写は好み。
登場人物全員が報われない片想いをしており、誰かに八つ当たりしたり、代わりに他の誰かと関係を持ったりすることで寂しさを埋める様に切なさやリアリティを感じました。
◆「青い薔薇」(2006年掲載)
ゲイの下級生をつい気にかけてしまうノンケ高校生の話。
下級生は、性別や言葉遣いは男だけど心は女。男の好みも女性目線なので、いつも女性にモテるノンケの男を好きになり振られてしまう。
セクシュアリティの壁を「青い薔薇」に喩え現実の厳しさを描きつつ、主人公と下級生の恋の始まりを予感させて終わる爽やかな読みきりでした。
◆「黄金と薔薇」前後編(2015年掲載/配信中)
探偵コンビ(恋人同士)が依頼人の初恋の相手を探す話。
探偵カプと、依頼人×初恋相手の2組のカプが登場します。
うーん、この話は一冊のコミックで読みたかったかも?
物語の案内役となる探偵カプの背景がよく分からないため、何かの続編のような置いてけぼり感がありました。描き下ろし漫画も同様。
久々に小野塚さんの新刊が読めて嬉しかったですが、既刊の短編集と比べるとやや消化不良も。
「対象ロマン」や「青い薔薇」のような雰囲気の読みきりがあと二、三作あればなと思いました。
そして、カバー下のあとがきには大変驚きました。もし私が理解した通りの意味だとしたら残念でならないのですが……
初めまして。下のレビューを書いた者です。
カバー下の件、Krovopizza様もやはり同じように受け取られていらっしゃるようで。。。美少年とか、LOGOSとか大好きです。
本当に寂しいです。
このけっして糖度の高くない、熱量もどちらかといえば低い、どこにも気持ちのやりようがないような、けれど誰にでも経験があり共感しやすいストーリーは、小野塚先生の年代の漫画家さんにしか描けなくなってきているのかなぁと感じます。タイトルにもある「虚しい」という言葉が一番しっくりきますね。片や自分勝手な人がいて、片や我慢をしてしまう人がいて、倫理道徳と欲求の狭間で葛藤している人がいて。BLも絡めつつ、各キャラクターが自分のいるべき場所や役割に対して答えを見つけていくような作品でもあったように思います。今溢れている作風とは一味違ったものを求めている方にはオススメしたいですね。
Krovopizza
はじめまして。コメントありがとうございます。
私も僕は天使ぢゃないよ。やLOGOS等の既刊が大好きなだけに、あのメッセージにはショックを受けています。。
美少年も素晴らしかったですよね。原作付でも良いからまた作品を読めれば嬉しいのですが…(T_T)