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adekan
7巻です。3つ折りカラーイラストは東ヨーロッパの民族衣装のような服を着たちょっぴり幼い詩郎と安里。プロフィール紹介は伸三とアグリです。アグリは詩郎と同じ15歳。伸三はもう22歳なのですね。彼らは短命な種族、彼の首の出来物は寿命が近いから?
・『彼の深層を覗けば』中編・後編①②③
怪我をして意識のない詩郎と光路郎の前に現れた春澄。目覚めた詩郎は春澄の出現に光路郎の身を案じて、自ら捕虜になるのでした。組へ向かう車の中で彼らが春澄と明人の二人だけだと見抜いた詩郎は反撃に出ますが、馬車に仕込まれた険で身体を貫かれて、春澄たちはここですぐに「同化」を始めようと詩郎の身体を刻みだし・・・。『同化』って?詩郎を切り刻んで同化する?詩郎を体内に取り込むことで、不思議な力を手に入れると言うことなのでしょうか?寸でのところで安里が現れて、安里に与えられた痛みで過去を思い出し本来の力を取り戻した詩郎。逃げる春澄たちを追いかける詩郎の元に、いつもとは違った詩郎の様子を変に思った光路郎が追いかけてきますが、詩郎が光路郎の手を取った途端に、傷から大量の血が流れて意識を失ってしまいます。「詩郎は詩郎じゃなくなると傷に耐えられなくなる」と彼を連れて行こうとする安里の姿に、光路郎の記憶がフラッシュバックします。「君はまた、俺から奪うのか?ずっと昔に同じようなことがなかったか?」と、安里は覚えがないと言いますが、光路郎の並みはずれた強さや回復力には、やはり何か理由がありそうです。ある一時期の記憶だけに、もやが掛っていると言う光路郎。彼の存在も更に謎めいてきました。
覇族と呼ばれる安里たちが持つアズという精神的な力。詩郎のアズを高めるために安里が使った『退化』という方法。この退化により安里は若返り、詩郎が愛していたころの少女のような姿に戻ります。
詩郎の捕獲に失敗した春澄は「一緒に死んでくれ」と明人に涙を流します。失敗は許されない世界です。このまま帰れば死罪でしょう。春澄を弟のように可愛がってきた明人はおまえとならと静かに答えて・・・。ここ、泣きました。明人はおっとりと育った生まれながらの貴族です。北座長の残酷さが嫌いで、春澄を信じその頭脳を高くかっています。幼い春澄をとても可愛がって来た本当にいい奴なんです。そんな明人を春澄は自分のためにいつか死んでもらおうとずっと騙してきたのです。明人がすべての罪をかぶったことで、親族もろとも死罪になってしまうと言うのに、まだ春澄を信じて「嘘だと言ってくれ」と懇願する明人に「君だけが僕の親友だよ」と答える春澄。「僕の友人は君だけだ、大嫌いな君だけだ」沢山の感情が浮かんでくるのに、春澄の表情からは本心が読み取れない。こんなに冷酷な春澄なのに、嫌いになれないのはなぜだろう。だって、なんだか可哀想なんだ。きっと一番大切なものを失ってしまったから。春澄をここまで冷酷にする得体の知れない彼自身がとても悲しい。
・『他人の話』
売れない小説家瓜生の妻が殺されて、妻の愛人と言われる詩郎も容疑者の一人にされますが、犯人は夫本人でした。スキャンダラスな事件に彼の小説は大ヒットします。彼の殺人の理由はもしかしたら・・・。
この瓜生が執筆した小説『少年は何を思うのか』“男も女も魅了する魔性を秘めた美少年は、わが身を犠牲にすることで一族を救う力を持ちます。だけど少年は逃げ出してしまいます。そこで作者は思うのです。『少年は何を思うのか』と・・・“これはまさしく詩郎のことを書いた小説ですよね。妖しげな設定と少年を搾取する様がじわじわと描かれた物語は、陰惨で壮絶で、なんとも言えない雰囲気がありました。尚先生は、なんて恐ろしくて美しいお話を描くのでしょうか。先生の深層を恐る恐る覗いてみたいものです。