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sirusareshi ai
2作品収録。
「しるされしアイ」
中学時代から続く2人を描いているお話。
彼らの周囲はどうも治安が悪いようで、ヤンキーというよりももはや半グレ予備軍の落とし穴がすぐ足元にあるような日常。
わかりやすいヤンキーものと違って妙にリアル。
好きな桜田に「そっち」に行って欲しくないミナミの一生懸命の求愛。
でも必ずしも伝わらないすれ違い。
それらが「進路」と絡めて描かれていくんだけど。
ボタンのかけ違いが大きくなる前に誤解が解けてよかったなぁ、としみじみ。
この2人、性格も環境もあまりフィットしてないと思うのです。だから結びつきは本当にお互いの気持ちだけ。
そんな綱渡りの本気を、進学と就職という道別れの中でも堅固にしていこうとする2人を応援するしかない。
「ヤングアンドラブリー」
一方こちらはヒリヒリさせてくれる。
とある地方都市で同棲を始めた元同級生。周囲にはルームシェアと説明している。
カップルの片方・大樹は絶対秘密主義、お相手の勇は楽観主義で、大樹は勇がバラさないかといつもピリピリしている。
そんなある日、共通の友人から意味深な言葉を言われてから大樹が不安定になっていく…
オープンとクローゼット、どちらでも苦しい。自分の心と周囲の目。相手の気持ちと自分の許容範囲。
あー難しい。
ところで!巻末のおまけでなんとこの2人、リバーシブルに!不意打ちで超びっくり。最高です。こっちの話は「萌x2」。
◆しるされしアイ(表題作)
正直、序盤から中盤にかけてはあまりハマれませんでした。メイン2人の性的嗜好もあやふやなまま、その上このビジュアルですから、見た目で判断するのはナンセンスとはいえどもどうしても親友以上の関係にすんなりいけたのが不自然に思えて。ただ、亮がミナミの告白をなぜOKしたか、最後に語られるのでそこでやっと納得はできました。時間はかかったけれど、最後には萌えも。ただ、たなと先生の描かれる学園もので、何人かの友人同士でわちゃわちゃ会話しているシーンでどうしても集中が途切れてしまいます。理由は上手く説明できないのですが、私は大学生以上のキャラの作品の方が好きかも。
◆ヤングアンドラブリー
表題作より私は断然こちらがお気に入りです。攻めの勇に愛されていることをよく自覚しながらも、狭い田舎でゲイとして生活することに不安が拭えず、少しでも自分達の関係を匂わせるような言動は徹底的に控えたいと考えている大樹。彼の考えが悪いとは思わない。実際、悪意を持って噂を広める人もいるかもしれない。それでも、最初から疑心暗鬼になるのではなく、恋人の力も借りながら、少しずつ周りとの折り合いをつけていこうとしてみれば、意外と悪意ばかり集まっているわけではないことに気付けるかもしれません。勇の真っ直ぐな言葉が、大樹に響いて嬉しかったです。
顔面が好みのタイプっていうのとてもわかりやすくていい!!!気になりだす理由なんてそんなもんでいいんだよね。そこからの持ち前の世話焼き気質で大怪我してまで亮くんの進む道軌道修正するのがすごい。愛のなせる業ですよ。じゃなきゃあんなのトラウマものだと思う……そんなことがあった後に告白したことに対するOKの返事はそりゃあ怪我させたから同情で付き合ってくれてると思うのも無理はないですし、亮くんが自覚した理由もわかる……ってなって心の中が大運動会でした。
気持ちの流れみたいなのが自然な感じがして読みやすくて、それでいて心をぐっとつかんでくるので困ります。そしてこの話のいいところは、中学から高校、大学、大人と時間をかけて二人の関係を育みながら維持してるというのが感じられるところだと思います。
読んでよかったです。
青春だと思う。
たまに読み返しています。
【しるされしアイ】
何者でもなくて、手探りで進む中学生時代。
周りとの距離を覚えて、未来を見始めた高校生時代。
そして、高校卒業してからの違う進路に進んだ現在。
とにかく、ミナミと亮が悩みながらも一緒に居たしるしの、恋愛の経過が愛おしくなります。
ミナミは、ずっと一目惚れに近くて亮を好きでいたのはすごくわかるんです。
非行に走って、色んな事を諦めて自暴自棄になっていた亮。だけど、懸命に真っ当な光のあたる場所に引き留めていたのが、中学生だったミナミのすごさだなぁと思うんです。
亮は、たくさん語らないけど多くの事を抱えていて。寂しさも閉じ込めていたのが切なかった。亮にとって、ミナミは光。ミナミがいてこそ、亮も進んでこれたんだと思うのです。
もちろん、逆もしかり。亮の存在は、ミナミにとっても光だと感じました。
付き合いが長くなり、互いに抱き合っているところ。好きだなぁ…心を許して、抱きしめて守ってあげている。結構、ジンと来るんです。
亮とミナミの友人たちも、抱えていること有るんでしょうが良い友人関係が続いているのは、微笑ましい。いつか、2人の友人たちに恋人だってわかる日が来るのかな。
【ヤングアンドラブリー】
同棲CPのナーバスな生活。
受けの大樹の悩みは、リアル。好きで一緒に住むけど周囲にばれたくない。すごくジタバタとぐるぐると悩む。
自分のゲイばれ、同棲している勇の社会的な噂。
きっと、足元を掬われそうな不安定さの上に立つ恐ろしさが有るんですよね。
悩みは尽きない。だけど、悩みは悩みとして側に置いて行くしかないわけで。ここは、勇が彼氏力発揮していました。
どちらの作品も、読んでいて光を感じるんです。互いが、互いを照らしている。
読むと、良い余韻に浸れます。
読み返したくなる作品でした。
第4話完結なのが信じられないほど読み応えがあります。限られたページ内で、キャラクターの外見的成長も、内面的成長も、お互いに対する意識の変化も見事に描かれている感動作です。
最初に読んで凄いな…と思ったのが、ちょっとしたコマの中での背景やキャラクターの仕草などでそのキャラクターの性格や家庭環境などの必要な情報がちゃんと説明されている事。長ったらしい説明が無くても小さな数コマでキャラクターのバックグラウンドがしっかり伝わるんです。だから少ないページでもちゃんとキャラクターを理解し、感情移入も出来る…この漫画力は単純に物凄いと思いました。
キャラクターの成長表現の巧みさは、この後執筆され、このBLがやばい1位も獲得されたあちらこちらぼくらでも存分に発揮されてますが、そのルーツも感じ取れる作品です。
ヤングアンドラブリー
個人的に大好きな作品。ポジxネガカップル。主人公は先生の作品には珍しく、自分のセクシャリティと恋人との関係を友人達にカミングアウト出来ない事に悩む青年、大樹。狭い町での人間関係や、相手を思う気持ち、葛藤などが伝わって来ます。そんな悩みを丸ごと包み込んで全力で愛してくれるポジティブで心が男前な攻め、勇。考え方は真逆の2人ですがお互いを思う気持ちは同じなんですよね…最高です。心情や情景描写がとても綺麗で、まるで映画を見ているように動画で認識できる作品。
先生の作品は空気や風まで感じられます…。
こちらも2話に納めているのが信じられないぐらいの読み応えです。
たなと先生の絵柄もストーリーも好きで好きでたまらないんです!この表紙も、読後にじっくり見ると愛が倍増する。たまらん。
実は最初読んだときは、そこまでお気に入りではなかったのですが、あの頃の自分をしばき倒したい程の神作品です。
◾︎しるされしアイ
◾︎ミナミ(中学生〜)×桜田亮(中学生〜) 同い年
かなりエグ目の切り傷と流血大コマがあるので、苦手な方は注意してください。ひゃっとなる。
ここまでストレートに顔面が好きと言い切って恋に落ちてくれるのは好きです。こねくり回さずとも、こんなもんだよね!笑
なんとなく、たなと先生は治安悪目の地域でお過ごしだったのだろうかと邪推してしまう。物騒な中学生だわよ。
亮がツンデレって呼称の枠組みを超えたキャラで好きです。ツンもデレも全部亮の素直な感情で、別に顔が特別可愛いとかいう訳でもないんだけど可愛い。たなと先生だから描けるキャラって感じ。そう、この"居そう"がたまらないのよね。
ミナミは性格良すぎて怖いです。いるよな〜誰にでも好かれるんだろうな〜。ゲイなんだけど、散っていった女子が大量にいそう。亮に意図的に逃げ道…選択の余地を作るミナミが格好良くていじらしくて。若いのにこんな相手思いやれる奴いるかいな!
10年付き合う2人をたった4話でここまで濃密に描けるたなと先生の漫画のうまさにただただうなる。好きです…好きです
◾︎ヤングアンドラブリー
◾︎小野寺(黒髪短髪)×源(ゲイ) 二人とも社会人
バイとゲイの同棲。大切なものが増えると失うのが怖くなるってやつです。この作品も書きたいこと大量にあるんですけどレビューが長くなりすぎるので…最高ですよ。リバップルになるし、最高ですよ。
・しるされしアイ
要領のいい坊主のミナミ×ツンツンヤンキー桜田の話。
え、こいつらいつお互いのとこ好きになったの?みたいなまま終わってしまう話があまり好きじゃないので、その辺がたなとさん作品を好きになった理由なんだな、と改めて気づいた作品。
ゲイの自覚があるミナミに勢いで告白された桜田は、応えこそしないものの特にその後避けたりすることなく、色々あった後、高校進学後にまだ俺のこと好きなの?とミナミに聞き、それから付き合うことになります。
どうして桜田がミナミを拒絶しなかったのか、後々付き合おうという気になったのか、それは物語後半で語られます。ああ、なるほどなぁと納得させられる理由だったのでストンと自分の中に落ちました。これがあるかないかで私の商業BLに対する評価は結構変わってきます。
高校生ならではのすれ違いや、進学と就職で進路が別れてしまった恋人に対して感じる寂しさといったああ、青春だなぁと思える部分もとてもよかったです。
ちなみに桜田くんは所謂ツンデレ系なので、萌え要素もきっちり補填。笑
おっこちまえ、と、さびしかった、の破壊力たるや…!
・ヤングアンドラブリー
楽観的なノンケの勇×神経質なゲイの大樹の同棲カップルの話。
コミュニティの狭い片田舎で関係がバレることを神経質なまでに恐れている大樹の気持ちはわかりすぎて胸が痛い。
もともとノンケだった勇からすると、周りの友達もきっと受け入れてくれらだろうという潜在意識があるのかもしれない。それに対して学生時代からゲイの自覚がある大樹からすると、"ノンケ"は自分と全く違う生き物で、同性愛を理解してくれないだろう、拒絶するだろうという恐怖があるんでしょうね。
大樹は勇が一番大切で、その理論でいくと
周りに関係を隠し通せる<勇と一緒にいられる
であるはずなのに、皮肉にも大樹にとっては
周りに関係を隠し通せる=勇と一緒にいられる
なんですよね…。
これに対して大樹自身は、自分は何も諦められてない、腹くくれてない、みたいなことを泣きながら吐露しますが、それは仕方ないよ!と言いたくなる。
小さい頃から住み慣れた町で、学生時代からの仲良しの友達がたくさんいて、安定した職場もある。それを失いたくないと思うのは、人間として、大人として正しいことだと思う。若さだけで突っ走れる10代とは違う。
二人がしっかり想いをぶつけ合って和解できてよかった。ほろ苦いお話だけど後味はすっきり。
受け攻めの性格が全然違うカプって滾りますね!
ミナミが積極的に仲良くなろうとしなければ
つるむこともなかった亮が次第に打ち解けてくれるとか
もう本当に黒猫ちゃん可愛いー!!
暇つぶしでケンカするようなコだったのに
ミナミが身体張った甲斐があったけどたまに傷が痛むのは心配…。
これが“しるされしアイ”なんでしょうけども。
自分で思っているよりお互いが好きで
大学受験を機になかなか会えないのも切なかったです。
ミナミが投げやりだった亮を変えてくれて良かった。
寂しかったとちゃんと言えて偉かったね!
『ヤングアンドラブリー』前後編では、
こちらも前向き攻め×臆病受けと正反対ですが
大樹が不安で仕方ない気持ちがとてもよく理解出来ました。
田舎町で就職して、世間も狭い中で二人のことが誰かにバレたら…
同居という体(てい)の同棲生活も幸せなはずなのに
共通の友人の一言で怖くなってしまう大樹がめちゃくちゃツラそうでした。
それもこれも勇の所為だったわけですが
なんだかんだで包容力あるんだもんなぁずるい!
でもそんな勇を大樹も好きになったわけで。
いつまでも幸せに暮らして欲しいです。
おまけではリバに小躍りしてしまいましたが
“常時リバーシブルになったわけですが”ってそこ詳しく読みたいー!!!!
おまけでは素質充分アリだと分かりましたが
途中で役目変えてしまっていたのでじっくり大樹に愛される勇が見たい…。
暴力要素が無いとやっぱり大好きだな……。
【しるされしアイ】
ひとつのカップルの中学三年生で出会ったころから、社会人になるまでを描いた作品です。
社会人となった彼らを見てると、おぉ~おぉ~こんなに立派になって…と目頭を押さえたくなるような衝動にかられます。
というのも出会った頃の彼ら、特に受けはチーマーというか半グレの集団に片足突っ込みかけているような状況でボコられた顔で登校してくるような危うい日々。
受けに一目惚れした攻めがなんとか友達になりたくて受けや仲間と積極的に関わって…受けのことを守ろうとした末に襲われて左眉の横を負傷して傷が残ってしまう。でもそれによって受けや友達も危ない日々から足を洗うこと決意したから、攻めは傷のことなんか気にしてなくて良かった良かった…と思うような熱い男。
その左眉横にできた傷は勲章、まさに愛の印みたいなもので、攻めはちっとも後悔なんかしていないから髪で隠そうとせず堂々としているんです。
最後、大学生と社会人になった二人のシーンで攻めが俺のどういうところが好き?どうしてあの時、自分と付き合う気持ちになったのか?という疑問をぶつけた時、「うざいくらい世話焼きで 自分の価値観ひとに押し付けるわ 思い込みで強引に突っ走るわ…」と言いながら左眉横のその傷にキスをして「お前がそういうやつで良かった」と言うところ、めちゃくちゃいいシーンです。ちょっと心が震えた!
そして最後、笑いあってるところも大好き。屈託なく笑えるようになった受けを見て本当にいいカップルになったなぁとまた目頭を押さえたくなる。
あと、攻めが合鍵を渡した際に受けがじっと鍵を見て え?と言って「ありがとう」と言ったシーン。ロクでもない家族(だからグレかけた)ロクでもない実家で育った受けにとって、帰りたい場所ができたことが本当に本当に嬉しかったんだと思う。
途中の受けのツンデレ具合も良かったー。ツンデレヤンキーいいわー。
もう一つの収録作【ヤングアンドラブリー】は田舎の狭いコミュニティの中で、仲間には同居・ルームシェアと言いながら、本当は同棲し始めたお付き合いカプを描いた作品です。
同棲開始ということで甘々系かと思いきや全然違いました。
ノンケ×クローゼットゲイという組み合わせで、周りにバレることを無性に恐る受け。
自分がゲイばれして後ろ指さされる恐怖もそうだけど、恋人を自分と同じような日陰者みたい思いをさせたくないみたいな葛藤やら色々あってそれがゴチャゴチャになった思いを、「俺がずーーっと一緒にいて!誰に知られても悪いこと言われないようにしてやる!!」という攻め。
「しるされしアイ」の攻めと似たような懐の深さを感じて、どちらも読後感がとっても良かったです。
そして、リバしててお得感いっぱいでした。
実はたなとさんの絵柄がどうにも…って思ってたんだけど、モーションエモーションで絵にも慣れて面白かったのでこの作品も読んでみようと手に取ったのだけど、絵柄で食わず嫌いするにはもったいない作品でした。ほんと読めるようになって良かった。
色々なBLを読んできた中で、今まで読んでいたものはたぶん、相手を占めたいという「恋」の描写が多く、しかしこの作品はそこにさらにお互いを大事に思うが由縁の「愛」もしっかりと描かれているということに気付かされました。
マイノリティであるうしろめたさもしっかりと描写されていて、そのうえで合法的に一緒にいられる関係を構築していく打算的な「恋」と「愛」が、たとえばの話、かけおちするよりさらに本能的で確実でとても愛しいです。
2編収録されていますが、普通だと片方はあまり記憶に残らないような作品が多いですが、どっちもメインになれると思うくらい、どちらもお話がしっかりと練られていて読み応えのある作品です。2冊読んだような感覚になったのでとてもお得な気分でした笑
たなと先生、素晴らしい作品をありがとうございます!!
スニーキーレッドからたなとさんを知った者です。
たなとさんは無愛想ヤンキーを描くのがうまい作家さんだなあと思います。
コマも表紙も絵がかわいくてたなとワールドに浸ってました。
この作品の予備知識はなかったのですが、作家買いでした。
最初は坊主が出てくるBLあんま読んだことねぇ~と恐る恐るだったんですが、読み進めていくうちにとにかく桜田がかわいくなってきます。
素直に攻めに気持ちを伝えられないでいろいろやきもきしちゃうんですけど、
お前なんかおっこっちまえ!のセリフで萌えゲージがMAXまで跳ね上がりました~。
攻めのミナミくんの母の様に広い心で桜田くんがほだされていくんですけど、その過程がすごく愛を感じます。なんか不良息子を見守るかあちゃんみたいな感じで、むしろほっこりするみたいな・・・
エロシーンも初々しさがGOODで、いやらしさというより愛情表現のようなニュアンスに感じます。幸せいっぱいが伝わってきます。
最後のオチがきれいにまとまってて読了後は幸せほっこりな気持ちになりました。
二作目もゲイカップルのリアリティある日常感が楽しめます。気持ちのぶつけ合いから、お互いの気持ちを確かめ合うまでの流れが良かったです。
たなとさんの絵はちょっと昭和っぽい80年代みたいな感じで、それがかわいくてめちゃ好みです。
絵のタッチのあのふわ~っとした感じ、手描き感のあるベタ塗りが温かい幸せな空気感を出してて好きです。
正直、神評価が1個もないのがとても惜しいと思ったので神評価にしました。
表題作は中学生の頃に出会った二人の男子がある事件をキッカケに高校生から付き合うようになり、紆余曲折を経て一方が大学生,もう一方が社会人となるまでの関係を描いています。
これは恋愛のリアリティのお話しであると同時に二人がしるしてきた足跡とそれに至るまでの「自分」(I)のお話です。
もう一編の「ヤングアンドラブリー」についてもそう。「自分」を問うお話。こちらはゲイとノンケのカップルの同居を縦軸にゲイカップルのクローゼット化やそれに伴う自分や自分たちを肯定できない隠したいという葛藤から脱却するまでのIと愛がしるされています。この2編を1冊にした単行本だからこそ表題作と書名に「しるされしアイ」を持ってきた来たのかな~って。
確かにBLは萌えであってリアリティは必要ないかもしれないし、作者の絵は好みが分かれるものかもしれない。
しかし、この作品を読んだ人は(実際には作者がそこまで考えて示唆しているのかどうかは別として)果たしてこれをしるされた「物語」としてどこまで読み取ろうという明確な意志を持って読んでいるのか疑問に思いました。
表題作の最後のセリフにあるように、人には歴史があるものでみんなそれぞれの物語をしるしているはずです。
勿論個人の趣味嗜好はそれぞれだしそれに干渉しようなんて思わないけど、表題作終盤の二人のやり取りにあるように、貴方は自分や愛する人に納得したり誇れたりするものをこれまでしるしてきましたか?
しるしていると思えるなら素晴らしいし、そう思えなくても今後しるせるようになりたいな
私はそういう話だと思うし、一読した人には改めて自分と自分がしるしてきたものを見つめなおしてほしいなと思いました。
しるされた愛の本当の意味についてすばらしい考えだと思い、納得しました。
もう一度読み返したくなりました。
同時収録もとても良かったので、合わせて萌2。
キャラが表情豊かでかわいく、気持ちの変化もとても丁寧で読んでいて入り込んでしまいます。
男同士であることへの葛藤や悩みなどが背景にあり、せつなさを一緒に感じてしまうのですが、読み終わったあとの「よかったね~!おめでとう!」感が心地よいです。
悩んだりが多いと言っても基本的には明るくライトなノリで、サブキャラの可愛さも含め漫画としてしっかり面白いです。
男子高校生と成人男性、どちらのカップルも楽しめるお得感もありました。
前作のスニーキーレッドが大好きだったので買いました。
絵が苦手な人が多いみたいですが、わたしは好きです。
BLでは珍しい絵です。
白戸三平や昔のロボットアニメから影響を受けていることに納得します。
でも、描き慣れたこともあってさっぱりした絵になりました。
一コマ一コマの丁寧さが好きだったので少しさみしいです。
一方で世界観はリアルになりました。
キャラクターの家族のことや周りの友達のこともしっかり描かれています。
「実際にいそうな感じ」は高まったのですが、リアルすぎてあんまり2人の関係性に癒されないです。
暴力表現がほとんど無いのも物足りなかったです。
BLにリアリティーってそんなに必要ないのかも・・・と思いました。
上から目線ですが、前作を超えられませんでした。
たなとさんの絵の緻密さと色使いの美しさが、次の作品で活かされたらいいです。
ぱっと見
うわー私このイラスト駄目だ
そんな方も多いんじゃないかと思います。
それだけで手に取られる機会を逃している惜しい本だと思います。
私も今は絵柄はほぼ気にせずになんでも読めるのですが若いときだったら絶対食わず嫌いしてたと思います。実際イラストは上手いんですが、好みか?と聞かれると少し苦手です。でもしっかり描かれてるしうまいなぁ・・・と。
受けの桜田くんがいい味でてます。大人になってからぽつりぽつりと何故好きになったかを語るシーンがよかったです。
なるほどな!と
今回はそんな痛くないです。痛いのは主人公の攻めが殴られて大出血するシーンだけ!(だったはず)ギャーーーってなりましたが、大丈夫です。
とりあえず前作スニーキーレッドが好きだったので読んでみました。
スニーキーレッドがおもしろかった方なら今作も絶対おもしろいと思います。
ラストは甘いです。安心してお読み下さい(笑)
正直、坊主頭があまり好きじゃないので表紙でちょっと躊躇ったが、スニーキーレッド面白かったしな…と思い購入。いやいや、坊主頭のミナミくん、カッコいいじゃないですか!少し苦手な絵柄だけど、逆にこの絵で坊主はすごくしっくりくる。
ミナミ視点の語が淡々としてて好き。淡々と愛が伝わってくる。違和感や不安が常に漂っていて、あんまり甘々なシーンはなかったけど、様々な出来事を経てお互いの関係が静かに着地する感じ良いなあ。
ヤングアンドラブリーも良かった!大樹エロ可愛い。うん、やっぱり長髪好みだ(笑)田舎ならではの葛藤や苦悩も、愛があれば大丈夫!と思わせてくれるラストに救われる。
ミナミと亮のおまけが面白いー!もっと読みたかった!
たなとさんの前作「スニーキーレッド」にどハマりしていたのですが、表紙を一見して実は「う〜ん…タイプじゃないかも?」と思い、購入を躊躇ったのですがこれは大正解!!!!!
とにかく南くんの優しくて立ち回りのうまい人柄と桜田くんへの愛情…。それにだんだん落ちていく桜田くん…。
最後の最後にはあの桜田くんが「さみしかったよ!」なんて…(号泣)
普段は社会人×社会人とか大学生×大学生みたいなそこそこな年のBLばかりだったけどたまにはこんな盛りのついたサルみたいな若々しくてフレッシュな感じもいいかも…と思わされる作品でした!
同時収録されているノンケ×ゲイのやつもかなりよくて語らせていただくととにかくロンゲイ(ロンゲのゲイ)の周りに気づかれたくない!気づかれてノンケ君に迷惑をかけたくない!と思う気持ちがかわいい…。でもいちゃいちゃしたいノンケ君の気持ちもかわいい…。かわいい気持ちがぶつかり合うのを目の当たりにされるしあわせをかみしめています!ありがとう(?)
絵柄でなんとなーく敬遠される方が少なくないと思いますしもし迷っててこのレビューを読んでくれてる人がいたなら買うべき!絵柄こそ結構独特だけど表情を生々しく捉えていて読めば読むほど引き込まれますし基本的に描いとってもお上手な先生です!
本当に素敵な作品!
※エラー?で評価が、強制的に“しゅみじゃない”になるのですが、本当は“萌2”です。
表題作は爽やかな感じの攻めと、ツンデレヤンキーくんです。
受けは、ツンデレっていうか恥ずかしがり屋、クールなのかな?
前作のスキニーレッドで、絵柄が苦手でしたが、何度か読むうちに逆に味わい深く好きになりました。下手ではないです。
なので、絵柄で敬遠してる方は読んでみても良いと思います。
2作目のヤングアンドラブリーが気に入りました。
等身大のカップルっていう感じで。本当に実在して生活してるようなリアルさ、世界が作り込まれてる感じがたなとさんの作品の魅力かと思います。
リバが好きなので、最後は意外でしたが…とても良かった!
いや、でも最初の数ページ、当初受けの方が攻めだと思ってました(笑)
ぶっ飛んだ話や展開はなく淡々としています、逆にそれがリアルで、雰囲気が出て良いです。攻めと受けがちゃんと思い合ってるのがよく伝わります。それを観察、覗き見しているような感覚で、ドキドキよりも、ほっと心が温かくなる感じ。愛、寄りの恋かなと。
ツンデレヤンキー受けが好きなので帯買い。
お好きな方には申し訳ないですが、絵柄が古めかしくてあまり好きではありませんでした。
友達とかとわちゃわちゃしてる感じや青臭い雰囲気は好きなのですが、絵柄のせいかあんまり萌えを感じられませんでした。
攻めの目がキラキラしてて、あんまり攻め攻めしてないのも苦手で。。
そのせいか2作品目は苦手なリバがあったのですが、どっちもどっちな見た目だったのでそこまで気持ち悪くなかったです。
多分読み返さないのでこの評価で。。
すっごい良かった。
すっごいすっごい良かった。
あと×5000回くらい言いたいけど自粛します。
表題作のお話と、もう一つの別のお話で丁度半分半分位のページ数だったんですが、どちらのお話もリアルな男の子同士の恋愛といった流れでストーリーが現実味があって非常に良かったです。
まず表題作は主人公二人の中三から大人までの二人の間を描いていて、尖った思春期から徐々に自分の感情を抑えることや相手の気持ちを考えることを共に学んで最後は大人になった二人が柔らかい表情で微笑んでる姿が描かれていて、人が人を大人にするんだという情景が細かく描かれていて真実味がありました。
案外あっさり付き合ったかのように見えて、お互い抱えていた不安だったり、本当に相手の事を好きだという気持ちが、ぐるぐるとまわって何とも言えない切なさ。付き合ってるけど、相手は本当はどう思ってるの?それが打ち解けた時にお互いの愛情が爆発する瞬間が本当にうまく描かれていてキュンキュンしました。あのセックスシーンはまさに見どころです。そんなにグチャグチャにエロってわけでは全然ないんですけど、本当に気持ちがパンとはじけた感じですごく良いシーンでした。あと大学受験終わる前に亮がミナミに「おっこっちまえお前なんか」と顔を赤くして悪態つく所と、最後大人になった彼らが昔のぶっちゃけトークをゴロゴロしながら割とシリアスに語るシーンで、亮がミナミの額の傷をなめたりキスしたりするところが愛情の深さが伝わって良かったです。
もう一つのお話、ヤングアンドラブリー。
これも実際ありそうな話で、ノンケ×ゲイカップルが同棲始めましたって所からなんですが、地元の割と田舎な町に暮らしている為、一人にばれると皆に知られることをよく理解しているゲイの大樹は、付き合ってることは絶対知られてはいけないと神経質に気を配りばれないように必死。その話の流れもなんか説得力あるんですよね。人にもよるんでしょうけど日本はまだ同性愛に寛大と呼べる国ではないので、昔から自分がゲイであることを隠して生きてきた人が多いと思うんですが、ゲイの大樹もその一人で学生時代からホモネタは極力反応しないようにばれないように過ごしてきたんですね。それが根付いて必要以上に過敏に周囲に関係がばれるのを恐れてきたのです。ノンケの勇は割とフランクというか、大樹が過剰に隠そうとすることに対して攻めたりもしないし、でも別にばれたらばれたでという姿勢がノンケっぽいなと。逆にノンケがそこまで思えるのは愛情が深い証だなと思いましたね。ゲイと社会という現実的な問題のお話で、最後は幸せな終わり方で本当に良かった。
ちなみにこのお話はちょっと方言が入ってたのかな?どこの地方かはちょっとわかりませんが。あとリバがありますので苦手な方は注意。
でもこのリバもすっごく良かったです。
たなとさんの描くセックスシーンは本当に萌えます。恥美な感じとか、エロエロとかじゃなく、気持ちがうまく乗せられててすごく良いです。リアルな感じが良い!全体的にエロちょっと多めだったのも良かった。めっちゃ満足です。
スニーキーレッドがとにかく好きだったので買ってみたんですが、結構ファーストコミックは良かったけど、セカンドコミックスはあんまりってパターンありますが、これを読んで確信しました。私たなとさんのファンです。
正直、面喰っております。
この作者さん、こんなに饒舌で恥ずかしい程
直球な作風だったっけ?と。
で、そう言うとっ散らかってる状況下に
昨今流行りの題材など混ぜ込まれますと、
常の評者なら残りをパラパラ漫画程度に
確認してページを閉じてそれっきり…と
言う感じになるのです。
ところがこの作者さんはそこが素直じゃない。
そう来たらこう言う所ではまず落とさないだろうと
言う所で落とす、と言う妙な加減の荒業を
使ってこられる。
だから飽きないのでしょうけどね。
くれぐれも戸惑ったからと言ってページは
閉じられませぬ様。
その戸惑いも、ある種の罠ですから。