薫りの継承 上

kaori no keisho

薫りの継承 上
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神346
  • 萌×239
  • 萌23
  • 中立14
  • しゅみじゃない8

--

レビュー数
45
得点
1969
評価数
430
平均
4.6 / 5
神率
80.5%
著者
中村明日美子 

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
リブレ
レーベル
ビーボーイコミックスDX
シリーズ
薫りの継承
発売日
価格
¥629(税抜)  
ISBN
9784799726358

あらすじ

愛したのは、義理の兄。
深い嫌悪と憎悪に満ちた射殺すような視線。
毎日毎時毎秒兄に殺され続けていた。

比良木忍は兄といっても、血の繋がりはない。義理の兄だ。
竹蔵は後妻の連れ子として、比良木家に迎えられた。
兄はいつも冷たく汚物のように、竹蔵を見下す。深い嫌悪と憎悪に満ちた射殺すような視線。毎日毎時毎秒、兄に殺され続けていた。
竹蔵は兄に欲情していた。
ある晩、竹蔵は正体を偽って兄の寝室に忍んだ。義姉の香水を身につけ、兄の目を覆い隠す。
そして、己の欲望の猛るままに兄の体を貫いた……。

義理の兄弟、禁断の愛と確執を描いた衝撃作。

目を塞ぎ、何度も義兄を犯した。

表題作薫りの継承 上

レストラン経営者
会社経営者

レビュー投稿数45

匂い立つ官能の熱

比良木家に後妻の連れ子として入った竹蔵は血の繋がりのない兄忍が出来るけれど、深い嫌悪と憎悪に満ちた視線で竹蔵を見下し続ける。どれ程忍に冷たくされても恋心と欲情を募らせていく竹蔵。ある日火傷で目の見えない状態の忍に、正体を隠し義姉の香水をつけ触れてしまうと、溢れ出た欲望は抑えられなくなり…。
一度は離れて距離を置いた2人だけれど、忍が竹蔵の元に現れて抗えない熱情の渦に呑み込まれていくのが実にエロティック。
薫りの記憶は何より鮮明で心に染みついて離れない。熱を帯びて発酵し匂い立つ薫りに、読んでいるこちらも包まれて閉じ込められてしまう。
求め合う2人の想いと残酷な現実に、切なくて涙が止まらなかった。余りにも悲しくて愛おしい、胸に残る余韻が忘れられない作品。

0

素晴らしい作品

義理の弟×兄のインモラルBL
行為を始める合図として静かに目隠しをするのにグッときた…
あれだけ蔑んだ目で見ていた人間に犯されてるのに快感を覚えてしまうことや、見えていないから暗闇と行為をしていると自分に言い聞かせていることが何もよりも好きって証拠…
甥っ子は最初から不穏だったけど、2人の行為を見てからもう後戻り出来なくなった感じで最高だった
ストーリー構成が本当に良くて、上手いこと過去の出来事が挟まっていて、もうこの頃からね…という気持ちになった

0

いつまでも心に残る

性描写の緊張感、美しさが本当に素晴らしい。
正統派耽美の系譜に連なる表現だなと思います。
絵柄が苦手という方でもこの表現の秀逸さは是非一読して欲しいです。

フェティッシュ満載なこの作品、
もちろん目隠しも非常にいいのですが、
とにかく食事シーンのエロティックさが最高です。
食べる姿がエロティックな作品はいい…。

0

薫りが漂ってきそう

メリバの代表作として超有名な作品ですが、ハッピーエンドをこよなく愛する者としてはなかなか手が出ずにいました。
兄弟ものにも特別惹かれないタチなんですが…

明日美子先生の独特な作画と、作品の雰囲気が見事にマッチしていてもうあっという間にのめり込んで行きました。
兄弟、不貞、近親相姦とタブー溢れる設定だし、濡れ場も多いんだけどエロいというより官能的という言葉がピッタリくる。
目隠しをして、誰にされているか分からない設定にしないと成り立たない関係にゾクゾクなりました。

この先自分的には辛い結末が待っていようとも、この作品を読み始めた事を絶対後悔はしないだろうなと確信しています。

2

電子書籍の上下セット版で読んでます。
単行本未収録カット付き…というのは明日美子先生デビュー15周年記念の要の一枚イラストです。

ザ官能の作品。ストーリーはまぁ徹頭徹尾よくある話なんですけど、よくある話であっても神作品にできるのが真の神作家ってわけで。明日美子先生の絵柄と余白と目力の勝利。よくある話と言いつつも、要ポジションの存在は珍しい気がする。子どもにあの役回りを任せるのは、テレビドラマなんかだとかなり難しいですし。その名の通りの要。

0

心構えがいる。中村明日美子先生だから描けるBL

 
正直、ここまで評価を迷った作品はないかもしれない。
読んだ後の感情がまだ追い付かないし、今から読む人は少し心構えをしてほしい。

ということで、以下、上下巻どちらも読んでのレビューとなります。

中村明日美子先生の作風って不思議です。
この作品、最初読んだ時は少し違和感がありました。

現代っぽくない雰囲気なのにスマホを使っていて、見た目や風景は外国なのに、名前はガッツリ日本名。
どこかでありそうで、どこでもない世界観でした。

それでも美しく描かれているので毎度、見惚れてしまいます。
体の線も綺麗で好きなコマ、部位がある作家さんです。

「同級生」のような青春甘酸っぱい系統とは違い、「コペルニクスの呼吸」「ダブルミンツ」などのダーク寄りの作品でした。

私はレビューやあらすじを読まずに購入したのですが、大正解だと思いました。

ただ、地雷があるとすれば受けの忍には奥様と子供がいて、自分の子供と〇〇描写があります。また、エンドも○○です。

事前に回避したい方は、レビューを見て読む方がいいと思います。

上巻では完結せず、下巻で結末と印象がだいぶ変わるので下巻の購入もオススメします。

そして評価を迷ったのは、あまり得意ではないエンドだったからでした。
それ以外は本当に神なだけに、とてもとても迷いました。

印象深く、なかなか忘れられない作品になりました。

1

歪んだ愛執。背徳と耽美。身体から立ち昇る、朽ちた花の、むせ返る匂い。

なかなかに病んでいる。
後妻の連れ子である竹蔵は、当主の息子、忍に盲愛している。
ひと目会った時から、それを看破していながら、受け入れる忍。

彼等の歪んだ愛執は、決して表沙汰にはならなかったのに。
その歪みは忍の息子である要に継承されている。
要は幼ないのに。叔父である竹蔵の執着を見抜き、一晩のアバンチュールを提案する。
父に怪我をさせて。目隠しをさせて。叔父に手袋を付けさせ、母の薫りを纏わせる。
これはなかなかにフェティッシュで。逆に彼等を煽ったであろう。
そんなことしなくても。忍は竹蔵を受け入れるのに。
彼等は騙されたふりをして。要の前に痴態を晒す。

上巻は、現在も引き続き緊迫感の中、堕ちて行く義兄弟と、それを見つめ続け、性癖となって行く息子・要の物語。要はずっと静かで病んだ傍観者だと思っていたのに。
ラスト周辺では叔父と共に父を犯すという禁忌を冒す。
危うい均衡を保ったまま。下巻へと続く。

忍の鋭い切れ長の眼。それを覆う目隠しのリボン。首と顔の幅から、とても顔が小さいのだと分かる。細っそりとしながらスーツ姿は惚れ惚れとするほど美しい。忍がとても美しい男なのだと分かる。その一つ一つにため息。彼の体温はきっと、とても冷たいのだと思う。
それが。花のような匂いがむせ返る中で。熱く乱れて行く様子が本当にエロい。
中学生でヤリチンになってしまっている要が、美しい父と叔父の絡みが性癖になってしまうのもやむなし。やむなし…なんだけど。これは危うい。破滅の予感。

3

胸が苦しくなる美しさ

義理の兄弟だから、という一線が無ければ2人は繋がることも関係を持ち続けることにもならかったかもしれない…。
儚い言い訳だったのでしょう。
不倫、近親相姦、嘘、全部自分たちの首を絞めているはずなのにそれでも求め合ってしまうパラドックスを美しく描いています。
言葉による感情表現が少なく、事象と会話で物語が進んでいくので、本当のことが明確に分からないという面白さがあると思いました。いい意味で不明瞭なまま
終わります。
作画が綺麗なままで、ストーリーとマッチしていてとても良かったです。
ラストシーンを読み展開を知ったあとでも読み返して感傷に浸りたくなる作品です。

3

要くんグッジョブ!

物語の初めの方で、小学生の要くんに叔父の竹蔵が焚きつけられて義理兄であり要くんの父である忍を犯させてそれを鑑賞するんだもの。
そんなの惹きつけられるに決まってる。
掴みは、かなりオッケー‼︎
要くん、怪獣のスリッパ履いてたり見た目可愛い子ちゃんなんだけど、なかなかいい仕事してくれたとゃったよ。
でも、こんなの小学生で見ちゃったらもう、性癖になっちゃうやん。エッチすぎる。
明日美子先生は、くせ毛、目が大きめ天然系攻め✖️つり目強気眼鏡受けがお好きなのかなー。
(メガネ男子大好きなんで大歓迎)
忍さんの色気が溢れまくっています。
目隠しプレイってのも背徳的でいいです。

1

より鬱屈しているのはきっと兄の方

 異母兄弟なので、義兄弟とはいっても血の繋がりはある兄弟の物語です。多くを説明せず雰囲気に頼っているところはあるけれど、キャラクター達の雄弁な瞳が十分に心情を表してくれているので非常に読みやすかったと思います。兄の忍は新しく自分の弟となる竹蔵と初めて会った時からずっと彼に冷たく、兄らしく弟を可愛がることを一切してこなかったような人物。でも、竹蔵は出会った頃からそんな忍に好意を抱いていたようです。

 竹蔵が忍にこれほど冷たくされても好意を持てたのはなぜなのか、はっきりとは分かりませんでした。綺麗な見た目に一目惚れだったのか、冷たい態度の裏に秘めている本来の忍の姿が既に見えていたのか、抑圧された生活を送りながらも凛として立ち続ける忍の美しさに魅了されたのか。どれも違うかもしれないし、全部かもしれないですね。

 一方の忍は、妾の子である竹蔵に最初は確かに憎悪の感情もあったけれど、彼自身がとても純真な子供だということは日に日に理解していったのかなと感じました。それでも態度は変えないし、時にはその純真さに苛立つこともあったけど、竹蔵を憎く思っていた期間は実はとても短いんじゃないかと思います。そして、かつては愚弟と蔑んだ竹蔵に組み敷かれて体を暴かれる開放感は、きっと忍にとって途方もない快楽を生み出すものなのかな。親から受け継いだ会社や、親に許嫁と定められそのまま結婚した妻など、大して情もないのに自分を縛るもの達から唯一自由になれる瞬間。このどうしようもない兄弟の終着点がどこなのか、下巻が楽しみです。

1

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