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大河×秀カプ前作の続き。
結局、長女・志麻と秀の結婚は、嘘と本当が半々くらいのカラクリであった。
2人の籍が入ってなかったことが判明し、驚愕と不信が渦巻く帯刀家。
しかし本来自由人である志麻にしてみれば、結婚などする気はさらさらなかったようで・・・言うなればそれは人の心に聡い姉が秀と弟・大河のために仕組んだことであり、また自らも帯刀家から飛び出すいい機会としてしまう。
そんな詭弁のような婚姻関係であっても、秀はそこに縋り、大河を求め帯刀家にやって来た。
でもそれでもまだ自分が欲しいものがハッキリと分からない。
そんなジレンマと苦しみの底から、大河が今度こそは引きずり出してやろうと決意するくだりが、たまらなく良い。
このグルグル感はさすが原作が小説だけあって、心情表現が半端なく細かい。
コミックスにしてはくどいと感じる方はいらっしゃるかもしれない。
しかし出会った瞬間好き!そして挿入!とか、再会して燃え上がるぜ!挿入!などという、そんな簡単なことでこのシリーズのカップルたちは動けない。
常に相手の気持ち憂い、悩みぬき、時には間違い、そしてぶつかり合い、自己犠牲に走り、また救われてみたり・・・。
もしかしたらBLでなくても通用する内容かなとも思うくらい、その完成度は高い。(BLの価値が低いということではなく、その要素だけで成立している話ではないという意味である。念のため)
秀は不幸な生い立ちから、幸せの形を知らずに育つ。
相手に施すことだけでそれが得られると思っていたのは、後に勇太を引き取った部分にもあらわれているが、大河にも同じように自分を委ねることで何かが変わると信じていた。
自らの心は一切閉じたまま、というのにだ。
そこに強烈な違和感を感じた大河に、一度は突き放されるも、大河もその違和感の理由がよく分からなかったものだから、やはり秀が心残りでぐるぐるぐるぐる。
相手の心にどう触れたらいいのか、何を欲しがっているのかが互いに理解できず、いつも空回りだった2人も、6年経ち周りに背中を押され、やっと意思の疎通が取れるまでに至る。
しかし・・・なんとチュウ止まりという、BLとしてはあるまじき展開!
でもいいのだ。
この清純具合が大人カプのいいところ。
この先、多くの苦労(帯刀家のギャラリーたち)を乗り越えて、後々彼らも結ばれるのだが・・・本当これは大変な道程なのである。
そこはまた後のレビューで(笑)
ところであとがきに小さく書かれていたお手伝いの中に「三池ろむこ」の名前があった。
アシスタントなのか友人なのかは不明だが、三池さんについてもとても感情表現を細やかに描かれる方なので好きな作家のひとりである。
大好きな作品でそういった方の名前を見かけると、無性に嬉しくなるものだな、と思った(´∀`*)
大河×秀カプでBL的な絡みがあるのって、この辺が最高レベルだったのでは…
大家族に嫁いできてしまったので、なかなかそんな雰囲気になれないし、
秀の性的欲求レベル自体が低いしで、
ようやく押し倒されてチュウ。
そこで拒否るって、、、
この先、この二人の話は置いておいて、連れ子×末っ子の話がメインになっていくのですが、まだ、それはもう少し先の話。
コミカライズは「花屋の2階で」で終わってしまったようだけど、二宮さんの絵って、このお話に凄く合っていて好きだった。