花屋に三人目の店員がきた夏 毎日晴天! 18

hanaya ni sanninme no tenin ga kita natsu

花屋に三人目の店員がきた夏 毎日晴天! 18
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神8
  • 萌×23
  • 萌3
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
4
得点
61
評価数
14
平均
4.4 / 5
神率
57.1%
著者
菅野彰 

作家さんの新作発表
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イラスト
二宮悦巳 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
シリーズ
毎日晴天!
発売日
電子発売日
価格
¥700(税抜)  
ISBN
9784199010132

あらすじ

下町の花屋を開業して十年──
龍の店に初めて三人目の従業員がやってきた!!
見習いとして雇われたのは、龍が荒れていた頃
世話になった保護司の孫・入江奎介。
龍の過去も知った上で、「この店で働きたい」と
志望してきたのだ。真面目で素直な奎介に、
丁寧に仕事を教え、人を育て始めた龍。
そんな恋人に安堵と頼もしさを覚える明信は、
自分がバイトとして戦力外だった事実に
気づいてしまい!?

レビュー投稿数4

一歩進む

大家族シリーズ18作め、次男明信と花屋の龍メインの作品としては、5作めになります。(四篇詰め合わせで、末っ子CPの話も結構絡んできていますが。)

このCPのここ最近の課題は「自分さえ我慢すれば丸くおさまる」と頑なに信じ込んでいる明信に対し、一体どうすれば、明信自身を大事にしてもらえるのだろうか、というところだったような気がします。

今回、新たなキャラが登場することで、これからも男同士の関係を本当に貫くのか、それをカミングアウトするのか、という課題が突きつけられます。
前述のような明信ですから、当然「龍の幸せは妻子を持つ事だ、だから自分が身を引けば全ては丸くおさまるんだ」と考えます。
それに対して、果たして龍は…?
というのが物語の一つの山場になっています。

都合の良い物語だったら、強引なスパダリ攻が「そんな考え方まちがってる!俺についてこい!世間?それがどうした!二人の幸せこそ正義!二人の幸せとはお前が俺といることだ!そうだろ?お前もそうだと言え!!」
とやって速攻解決です。
早いですね。簡単ですね。楽ですね。

でも「相手に合わせればそれで良いのだ」と考え、自分の希望を引っ込めちゃうタイプにそうやって自分の考えを押し付ける事が、果たして優しさなのでしょうか?本当に相手を尊重していると言えるのでしょうか?
…というわけで、龍は実は楽なスパダリ方式は取りません。ではどうしたか、というところは是非物語を読んでみて下さい。
私はこれ読んで龍に惚れ直しました。

この作者さん、登場人物の考え方の癖、一番傷つきやすいところ、根深いコンプレックスやトラウマに丁寧に寄り添うので、登場人物が調子良くトラウマから解放されたり、突然生まれ変わったように前向きになったりはしません。
何度でも同じところで躓き、悩み傷つきます。
それはもう、読んでいてもどかしいくらい。
でもそれでも、登場人物同士が、お互いに対する理解を、愛情を、少しずつ深め合い、それを力にして、それぞれが少しずつ前を向いていくんですよね。
そこがとても魅力的でずっと読み続けているシリーズなのですが、このCPに関しては、今作は、割と大きな一歩が書かれていた気がしました。

5

みんな大人になったなぁ…

今回はみんなの緩やかに、しっかりと成長している様子が見られてよかったです。
※ネタバレありです

花屋の挨拶
龍ちゃんが明信のことをちゃんとしたいと考え、交際に反対していた大河、丈に認めてもらうため個別に会うお話。
2人の龍ちゃんに対する態度は最初の時からだいぶ変化していて面白かったです。
いつもみんなに明るさを分けてくれていた丈にも緩やかな変化がありました。

末っ子の料理に愛はあるのか
真弓がもやもやを抱えて料理を覚える宣言をします。
全員の戦々恐々っぷりが面白かったです。
真弓は他のことはできるのになんで料理だけできないんだろう?とは明ちゃんの疑問ですが、この疑問目から鱗でした。
真弓の中の美味しいには色んな記憶がありなかなか複雑。
そしてもやもやも抱えながら頑張る真弓でしたが、おいしい、は丈が、もやもやは勇太が寄り添って考えてくれました。
以前ならこのお話大事件になっていたんではないかと思います。
真弓も勇太も本当に大人になったんだなとしんみりしました。
秀も緩やかな変化があって面白かったです。
思わず真弓と同じ反応をとってしまいました笑

花屋に三人目の店員がきた夏
※ネタバレが嫌な方はここは特に飛ばしてください。
少し大きな仕事をするためには今の状態だと手が足りないため、新しく人を雇った方がいいと考えていた龍ちゃん。
少し悩んでいた龍ちゃんの背中を押したのは明信でした。
昔だったら絶対にやらなかったなと、本人も自覚があるようですがとてもいい変化だと思いました。
新たに雇ったのがかつて龍ちゃんがお世話になった保護司の孫、奎介。
なんでも奎介からぐいぐいとそこで働きたいと懇願されたようで、明ちゃんと同じくそんなに龍ちゃんのお店に憧れたのかと微笑ましくみていました。
しかしそんな彼から聞いた悩み、そこで働こうと思った理由がじつは全く違う理由であったり出番は少ないながらも根は良い子でこれからの花屋の変化が楽しみになりました。
龍ちゃんの仕入れた素敵なお花、人を育てられる龍ちゃんを見てもらいたいなぁと考える明信。
明信が店番をしていた時に1人の女性が訪ねてきます。
この2人を好きな読者の方達はずっと気になっていただろう龍ちゃんのお母さんです。
明信が龍ちゃんが帰ってくるまでしっかりと引き留め、お母さんと龍ちゃんは久しぶりに向き合えました。
お互いのすれ違っていた部分、お互いの後悔、お母さんからみた今の龍ちゃん。
向き合うことで龍ちゃんはもう大丈夫だと判断なされたお母さんは最後に大きな爆弾を残していきます。
結婚して、家庭を持ちなさいと。
しかしここにも変化があり、以前ならサッと身を引いたであろう明信は龍ちゃんのそばに残りました。
その後母との仲も良好になっていき、龍ちゃんは母としばらく一緒に働くことになる奎介に自分達の関係を打ち明けるつもりだと明信に伝えます。
しかし明信は伝えるべきではないと反対の意見。
特に明信は龍ちゃんとお母さんはまた対立した場合「二度目はない」と思っているから。
その後龍ちゃんも少し冷静に考えて、母にはやはり話せないかもしれない、奎介には入江さんのことを考えると今は悩むという結論。
しかし今回龍ちゃんが一番心配していたのは、母と会った時の会話を聞いていた明信が本心がわからなかった事。
今回も真弓の言葉で明信は素直に言葉を告げられ、また少し龍ちゃんと明信は変化したように思います。

正直今回は龍ちゃんが可哀想に見えてしまいました。
前回の痴話喧嘩はお互い様でしたが、今回は明信があんなに散々言われていたのに自分を蔑ろにした結果龍ちゃんを不安にさせてしまっていたので。
また2人の関係を簡単には他人に言えないのもわかるのですが、このまま一生龍ちゃんの家族には黙っているつもりなのかなと思ったら悲しくなりました。
明ちゃんには気にしてくれて打ち明けられたり相談できるような家族が大勢いるのに、龍ちゃんとその家族には拒絶したりされたり、時間をかけて認めてもらうのは許されないのかな。
と思って読後悲しくなりました。
私の考え方が理想論すぎるだけかもしれませんが、またいつか打ち明けられる時がきたら嬉しいです。

3

大人になるということ

私は『SF作家は担当編集者の夢を見るか?』で、この帯刀家のお話はおしまいになるんじゃないかと思ったんですよ。でも考えてみれば帯刀兄弟+秀&勇太の6人6様の『大人になり方』があるんですものねぇ……

今回は『当たり前の様に自己犠牲をやっちゃう次男』の話ですよ。
子ども時代から無自覚に大人を擬態していたので、ある意味、秀より始末が悪い明ちゃんも大人にならなければならんのですわ、擬態を解いて。

丈や真弓が、思っていることを言葉に出来る様になって初めて、明ちゃんは自分がそういうものであることに気づいたんでしょうね。勿論、龍との関りが一番大きかったとは思うんですが、もし2人だけだったらこんなに劇的に、そして明確に解ることはなかったかもしれないと思ったりもしたんです。

このシリーズって、巻数が若かったころは『子どもであること』について、随分書かれていたと思うんです。帯刀兄弟の成長と共に最近は『大人になること』が何度も顔を出す。

大切に思っている人たちから与えられる言葉で『自分がどういう人なのかを理解していくこと』や『そこからその人との関係をどう作って行くか考え続けること』が『大人になる』ということなのかもしれないなぁ……と今作では思いましたです。

自分のことを解る為には過去を振り返らなければならないけど、それは物悲しい。
今回は私、何気に丈の言動が物悲しかったですよ。
丈ですら(失礼)大人になって行くのか!

3

あと少しの時間

シリーズも長く続いて、子供たちもみな成長して、もう子供とは言えない成人の年齢になったわけだが、彼らの成長に合わせて、語られることの内容や語り口が随分と難しくなったなあというのをまず感じた。
帯刀家の子供たちが、それぞれ、自分が子供時代に感じていた事、思っていたことを言語化して、認識して、消化して、そして受け入れてっていう話なのだが、今回この本のメインになっているのが三男の明信という事もあって、一段と難しい。
この、帯刀家の物語は、いったい、いつ、どんな風に閉じられるのかしらね。

2

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