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sumirebiyori
長く片想いをしていた者同士の再会ラブですが
再会の喜びがあふれるだけではなく
静かに進むストーリーのなかに胸が痛む場面がかなりあって、
抉られるところもたくさん。
でもそんなところにもぐいぐい引き込まれるような展開でした。
一緒に過ごした時間より離ればなれになってからのほうが長かったふたりですが
再会してからの気持ちの昂りを見ていると
彼らが抱えてきた恋心は
何年経っても色褪せることも揺らぐこともない
想いだったと伝わります。
自己肯定感が低すぎる芙蓉は
西澤の気持ちをストレートに受け取ることができなくて
その度に遠回りしたりすれ違ったりするけれども
彼が"そうなってしまった"理由ごと
西澤は柔らかく包みこんでくれていて
その優しさがとっても沁みました。
芙蓉の重たくてツラい過去のなかでも
西澤の存在に救われた気持ちは輝いていて
悲しいことばかりだった幼少期が
苦しいだけの記憶で埋まらずに済んだからこそ
芙蓉はこんなにも真っ直ぐ美しい大人に
なったのでしょう。
自分がいかに愛されているかを知った彼は
これからもっと魅力的になっていくのだろうなと
感じました。
西澤との恋模様だけではなく
祖母との関係の変化を見ることができたのも
嬉しかったです。
温かくて優しくて、でもぎゅっと切なくなるところもあって。
淡い初恋の思い出と現実とを繋ぐ瑞々しいストーリーがとても美しい作品でした。
あったかいお話。感情が揺さぶられる!とか、号泣!とかはないけれど、受けの芙蓉の心情に寄り添えるとても素敵なお話でした。
両片思いのお話なんですが、特に攻めの西澤の一途さが素敵です。そんな前から芙蓉のことを想ってたんだね、とわかるシーンがありまして、いいなーって。
受けの芙蓉も苦しい家庭環境を乗り越えて、健気だけれど決して流されない、自分を持った子で魅力的でした!
それからサブキャラのみんながすごく良い!これ、この本の結構大きいポイントだと思います。芙蓉のお祖母ちゃんも、西澤のお母さんも、田上君も、みんな優しい、ふたりの応援団って感じ!
とても読みやすかったですし、激しさよりも、あたたかいお話が好きな方にはオススメです。
母親にネグレクトされていた芙蓉の境遇。そしてその初恋の行方に、泣けて仕方ない作品でした( ; ; )
他の方のレビューにもありましたが、小学校時代、ぼろぼろの服を着て誰も触れようとしなかった芙蓉に西澤が手を差し出し、一緒にフォークダンスを踊るシーン…気付いたらぼろぼろ泣いてました。
たった2行程度の描写なのに鮮明にそのシーンがイメージできて、芙蓉のはちきれんばかりの喜び、羞恥や申し訳なさが伝わってきて……込み上げてくる思いはあるのですが、うまく文字で表現できずもどかしいです。(プロの小説家の先生方って本当にすごい)
優等生然とした西澤が、恋した人(芙蓉)の前では余裕をなくして嫉妬したり、思わず唇を奪ったりと、一人の恋する男になる様子もたまらなかった。
”芙蓉は不要”なんて呟いていた小学校時代の芙蓉。
そんな彼が西澤に情熱的に求められ、”大切な存在だ”と言葉でも態度でも余すことなくぶつけられ、満たされていく過程に、じんわりじんわり込み上げるものがあり、読後しばらく放心してしまいました。
一番最初に載っている、金子みすゞさんの詩「草の名」。
本編読了後にもう一度読むと、読む前とはまた違った思いが沁みてきます。
草間さかえ先生のイラストも、繊細な作品の雰囲気にぴったりで、、
大切に、何度も読み返したくなる作品。
今まで読んできた月村先生の小説の中で、個人的に一番好きで記憶に残るものでした。
作者&挿絵買いです。
タイトルもほのぼのとしてて、絶対甘キュンなやつだろうと見当をつけ購入しました。
主人公の芙蓉はかなり壮絶な過去持ちですが、どこか達観しているようで、繊細そうなんだけど芯の強さを感じさせます。
そんな芙蓉の初恋の王子様、西澤と6年ぶりに再会し…というお話でした。
健気な薄幸受けが無条件に愛される、そんな作品ですのでハッピーしか求めてないという姐様にも安心設定です。
終始キュンの嵐ですし、すれ違いもありますがそこまで拗れないので読んでいて悲しくなるような事は無かったです。
幼少期に全くいい思い出がなかったという記憶を西澤がいることで、生まれてよかったという希望に変えてくれる設定にホッとさせられます。
素っ気ないような態度の祖母にも実は愛されていたって所で涙が滲んだりしました。
本編が終わり、あとがきの文字が見えた時にエッもう終わり?って残念に思ってしまうほど、もっと2人のお話を読んでいたかったです。
「うん。毎朝、そこの窓から下を見ると、大町が膝をかかえて俯いてるのが見えて、いったい何を落ち込んでるんだろうと思って。一緒に昼飯でも食べながら、訊いてみようと思ってたんだけど、単なる植物観察だったんだな。」
家族に恵まれず施設で育った主人公と、隣にいて手を繋ぎ話しかけてくれていた転校生との再会のお話。派手な出来事の起こらない、食事や季節や植物など日常に恋が展開していくのを落ち着いて読む一冊でした。
無口な芙蓉が叔母に同じ遺伝子を感じて安心したり、西澤から借りた本の知識だけを頼りに雑草を愛でたり、西澤だけにお弁当のおかずをおまけしたり。すごく良い・・・
読んでいくと、周囲にはいじめていた人以外に芙蓉を見守っていた人、見えないところで心を砕いていた人がいると分かってくる。西澤の優しさも、ずっと優等生然とした性格や正義感がそうさせると思っていたけれど、実は芙蓉を思ってくれていたからこそのもの。
人は生きてきた中で視野と考え方が固まり、こんなにも人がしてくれた行動と自分で感じたものが違って見えることがあるのだと再確認するような話でした。素直に受け取らないことは、こんなに相手が見えていなくて勿体ない。僻みや自己嫌悪が強過ぎるのは良くないですね。
叔母や周囲の優しさ、相談できる相手がいて話す事で自分の出来事を再確認すること、何かあったときに飛び込める場所(叔母の真意を知って西澤の胸に飛び込んだ芙蓉の、その変化が愛しい!)があるっていいなぁとじんわりしました。
タイトルの「すみれ」は、野草の和スミレの事。
踏むと、はんなり薫る、道端に咲く花。
別名 「墨入れ」「相撲取草」「マンジュリカ」
花言葉は 「謙虚」「誠実」「小さな幸せ」
そして、この本の紹介文は、「初恋は実らない。花すら咲かない。だから再会なんてしたくなかった――。」
・・どうして、タイトルに「すみれ」を入れたのかな・・と興味を持って購読。
冒頭は、金子みすずの詩 「草の名」・・
・・人が知っている草の名は わたしはちっとも知らないの・・
★登場人物
西澤浩一郎:
芙蓉の小6時の同級生。大学1年生、祖母の下宿の住人。
大町芙蓉:不要の芙蓉?
実母に育児放棄。祖母に引き取られて、祖母の営む下宿屋で働く18歳
1 すみれびより:すみれのエレイオソーム・・芙蓉は、雑草に詳しい、草好きな子だった。
2 あじさいびより:色変わりする花
3 ふようびより:酔芙蓉のことで、色変わりする
そういえば、「すみれ香水/村下孝蔵」という曲があったな、と読みながら思いだした。
何度も読み返して、何度読み返してもしみじみ良いと思える大切で大好きな本です。
『包容力のある攻め×不遇な生い立ちから自己否定しがちな受け』という、月村先生のライフワークのような取り合わせで、もう何度も同じような二人を読んできたのにそれでも新鮮に楽しく読めるのは長年BLを執筆している先生の力量なのでしょうか。
再会して、小学生の頃にぷっつりと途絶えてしまった想いを温め直す二人。
大切に包んで仕舞っていた初恋の思い出を優しく慎重に開いてゆくような月村先生の文章と、アクセントのように登場する野花の描写がとてもイイ…!
あまり対格差のあるBLを描かないイメージの草間さかえ先生と月村先生の組み合わせが意外だったのですが、草間先生の独特なタッチと草花のある風景に佇む二人のイラストもものすごくマッチしていて、紙の本でいつまでも大切にしたいと思える本です。
ボロボロ泣ける!みたいな派手な感情は引き起こさないんだけど、心のやわらかい部分にじわっと沁み入っていくような、そしてそれにつられて涙がじわじわ滲んで、しかもそれがなかなか引かないような感じ。
とにかく受けの芙蓉がいじらしくて、俯きぎみながらも健気に頑張っている姿には読んでてたまらない気持ちになるものがありました。
母親から育児放棄されて育ち、薄汚い風貌ゆえにクラスメイトからも疎まれて、「芙蓉は不要」と自分を茶化すことでやり過ごしてきたとか、攻めが所有していた雑草図鑑を唯一の宝物にして育ったとか、もうたまらない。
そして攻めの西澤は正義感溢れる優等生タイプなだけかと思っていたら、テレビにちらっと映った芙蓉の姿を追って下宿屋を選んだりという執着が見えるところがイイ。
六年越しの想いだと西澤から聞かされても、最初は芙蓉と同様に私自身もあまり実感が湧かなかったのだけど、読み進めるに従って西澤の気持ちはガチだ!と確信できるようになっていくところも良かった。
特に酔芙蓉のくだりときたら‥‥
「クールなインテリメガネ面して、パッションある(田上先輩ナイス!)」ってやつで、パッション野郎、最高じゃないか!と思わず泣いてしまった。
それに、ふ〜ん……と当初読み流していた冒頭の金子みすゞの詩が、こんなに感慨をもたらすとはねぇ。
これからもどんどん、芙蓉の前限定でパッション見せておくれ!
こんなに再び出会えて良かったなぁと思える二人もそうそういないような気がします。
西澤と出会えたから、それを支えに何とかやってこれた少年時代や、再会してから西澤の側で自分の生を肯定できるようになっていく姿が本当に良かったです。
私がいいなと思ったところは、西澤のお母さんと再会して手を握りしめてくれた時の描写。
「昔、体育の授業で西澤が手を繋いでくれたときの感触を思い出す、さらりと乾いた、やさしい手だった」というところ。
芙蓉の中で、それがどれほどのものだったのか、そしてそれをどれほど支えにして生きてきたのかが余すことなく伝わってくる。
そしてその手を産み出してくれた人であるということや、この人が気に留めてくれたから今の芙蓉があり、西澤もいるという優しさの連鎖みたいなものを感じることができて、ここの一文で泣きました。
そして誰も目にも止めないような雑草を一人慈しむ芙蓉の姿や、朝顔の数を数えることを楽しむ姿、細々とした日々の雑事(洗濯やらアイロンがけやら庭仕事など)に励む姿など、細やかな日常を慈しむ視線に満ちていて、とても良かったです。
一人で月村積ん読消化祭りをしていたところ、これを読んでいないのかと友人から突っ込みがあったので、探してみたところ、イラストが好みじゃなかったので購入していなかったんですが、おすすめされてたので購入。
確かに、月村テンプレの後ろ向きネガティブな自己評価の低い受けでしたが、生い立ちが悲惨なので、かわいそうなだけで、イライラはしませんでした。攻めのほうが、あざとかったかも。それでも、おばあちゃんとの関係とか、帰郷したときにあった同級生の女の子の告白や、それに対しての受けの独白には涙。確かに、よい話でした。BLとしてはイマイチですが、話としてはよかった。
でも、やっぱりイラストは好みではなかったです。らくがきみたい。
ハードな作品続きで食傷気味となり、たまにはちょっと優しい話が読みたいなぁ~と軽い気持ちで読み始めたこの作品。
母親には「産まなきゃよかった」と言われ、同級生からは「貧乏草」と蔑まれ、愛情に飢えた芙蓉の前に、ルックスも抜群で成績も優秀、運動神経も良くて、精神的にも大人な完璧な西澤が現れ、一端は離れ離れになりなからもなお、揺るぎない愛情を持って現れる…って一体なんなのよ、出来すぎじゃないっ、なんかの罠じゃないかってたじろぎましたが、そんな天邪鬼の私でさえいつの間にかきゅん…となってしまう程、あまりに二人が爽やかで優しくて、誠実に恋をするピュアな展開に最後まで一気読みしてしまいました。
芙蓉の視点で語られる中、少しずつタネ明かし的に西澤の想いが明らかにされるにつれ、ネガティブで何もかも自分のせいにしてしまう芙蓉が頑なな心を解きほぐし、一歩一歩二人の距離が近づいていく過程はとてもほほえましく、触れるか触れないかの軽いフレンチ・キスでさえ、きゅんきゅんしました。
そんなウブな二人なので、後半に訪れるエロもかなり軽めなのですが、見てはいけないものを見てしまった背徳感があり、むしろ私としてはドキドキ…でした。
危機的状況に陥るわけでもなく、大きな障害に立ち塞がれるわけでもなく、ただただ二人が恋心を確かめ、育てていく日常を描いた話なのですが、とても暖かくて、ほっこりと幸せになるおとぎ話のような作品でした。草間先生のほのぼのとした挿絵も二人にぴったり合っていて素敵‼
やっぱり初恋っていいなぁ~、カルピスが飲みたくなりました(笑)