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neko ni sayonara
こちらの本は、「人間 × 人間の姿になった猫 」のお話です。
正直、BL本としては物足りなさを感じる本だと思います。
エッチはおろか、恋人同士としてキスをする場面すらありません。
(キスシーン自体はあります)
ラストも、一応ハッピーエンドっぽいけれど、
読み手によってはもっとしっかり描いて!物足りない!!
そんな印象が強く残るかも。
でも、
わたしはすごくいいな…と思いました、とても、好きです。
想いが通じ合って、恋人になって身体も繋げて…
そういうふたりの姿も見たかったなぁ…そんな気持ちもありますが、
そうじゃないことで、反対に余韻がいつまでも残って、
ふたりのこれからや、人としての幸せについて、
色々思い巡らすことができて、これはこれでよかった…と思いました。
お話は、
相手に合せては「いい人なんだけど…」と言われてフラれ続けてる、
そんな冴えないリーマンが捨て猫を拾ったら、
その猫が人の姿(しかも美形男子)になってビックリ☆
そんなところから始まります。
他のBL本なら、
早々に恋仲になってしまいそうなふたりですが、
リーマン→猫という恋は芽生えるものの、一方通行。
猫は、元の飼い主(小学生の男の子)のところに帰りたくて、
自分が捨てられたとも気付かず、口を開けば元飼い主の事ばかり。
猫の気持ちを思うと、
「捨てられた」という事実を猫に告げられないリーマンも、
そのリーマンの静止を振り切って元の家に戻り、
自分はもういらない存在…それを知って打ちひしがれる猫も、
すごくすごく切ないです…
でも、この本の素敵なところは、
元飼い主を悪者にして終わらないところ。
人というのは、
誰かを傷つけることや矛盾はあっても、
それでも誰かを想って一生懸命に生きられる強い存在。
誰かを大切にしたり、その気持ちを分かち合ったり…
それってとても素晴らしいこと。
そんなことを、
捨てられた猫の目線を通して、改めて気付かせてくれるのです。
恋愛色は強くないけれど、色んな愛情が詰まっていて、
それがじわじわといつまでも心に沁みる…そんな1冊でした。
人の顔色を窺い心が疲れているサラリーマンの赤井。
路地に捨てられていた猫を拾いシロと名付けた。
しかし翌朝、シロは人型になっていた。
話を聞いて分かった事は本来の名前と間違って捨てられてしまった事。
飼い主の紫音の元へ帰りたいというシロのため拾った場所へ。
シロが入っていた段ボールには一枚のメモが。
書いてあることを隠すため読めないと嘘をつき家へ帰る。
しかしシロは一人で匂いを辿り紫音の家へ。
人型のままインターフォンを押して返ってきた紫音の母の声。
猫は捨てた、その声を聞き打ちひしがれるシロ。
そのシロのもとへ赤井が迎えにやってくる。
もう捨てられたくない、いつか捨てられるくらいなら拾わないでと言う。
そんな言葉を聞いた赤井だが、俺の猫になってくれとシロに頼む。
後日、赤井がシオンと呼ばれる男の子に出会う。
今は僕の家にいる、君がまた会いたいと強く願うならまた会えるよと
言い、赤井はシロのいる自分の家へ帰っていく。
あくまで、あらすじのあらすじみたいなものです。
是非、1ページから最後まで読んでほしいです。
最初は、ほう猫とナニするんだ?!なんていうテンションで買ったのに
読んでる途中では泣いて、読み終わってからも泣いていました。
久しぶりにコミックを読んで泣いたと思います。
初読み作家さんです。ネコに興味を持って、購入しました。可愛いお話かと思ったら、切なくて泣けました。
サラリーマンの赤井は、嫌われたくないと人の顔色ばかりうかがっていました。そのためか、付き合う彼女には「いい人なんだけど」と同じセリフで振られてしまいます。
その日も振られた赤井は、公園で落ち込んでいると、1匹の白い猫を見付けます。ヤケ酒に付き合ってもらおうと、赤井は猫を連れて帰ります。猫にさんざん愚痴を言った次の日、その猫は人間になっていたのです。その猫は、シロだと名乗ります。そして、大好きな飼い主の紫音を探してほしいと頼まれるのです。
一緒に過ごす内に、シロが可愛くなる赤井。でも、シロが話すのは紫音のことばかりで、赤井はなぜかモヤモヤとします。そんな時に、シロがいた公園に一緒に行きます。シロが入っていた段ボールを見付けた赤井は、中にくっついていたメモに気付きます。それは、飼い主とはぐれたと思っていたシロには、ツライものでした。シロのために嘘をつく赤井。でも、我慢ができなくなったシロは、紫音の家を探し出して訪ねるのです。そこで知った真実に、泣きたいのに泣けないシロ。迎えに来た赤井に、嫌われて苦しくなるのは嫌だから拾わないでくれと、泣きながら頼むのです。「迷惑をかけられても好きだから俺の猫になってくれ」と言う赤井に、シロはやっと涙を流して泣きます。そして、「ありがとう」と言った後、シロは猫に戻ります。
シロと一緒にいることで、皆が望むいい人をやめて、自然体でいられるようになった赤井。シロは、人間になったことで、好きなのに嫌いになったり、悲しいのに涙が出なかったり、いろいろな感情を知ります。紫音とのことで、もう二度とヒトになりたくないと思ったのに、赤井に可愛がられて、またヒトになりたいと思うようになります。
二人の心の距離が、ゆっくりと縮まっていく様子に心が温かくなりました。ヒトに戻らなくなったシロに、一生懸命話す赤井の姿が、切なくてキュンとなります。
最後のカギを開けている時の、タタタ…と聞こえた足音が、ネコではなくてヒトになったシロなのではないかと思いました。
切なくて、優しい気持ちになれること、間違いなしです。皆さんにおススメしたい1冊です。
この一冊を通読された方は、まず自分の視点の置場と
立ち位置に戸惑うと愚考します。
正直評者もこの段階でまだ戸惑っています。
内容へ対する戸惑いはとりあえず横に措きまして。
カバーのデザインが秀逸ですね。饒舌すぎる様で
いてきちんと抑えるべき所は抑えている。
そこを踏まえてカバー下を視ると何かが掴めるかも
知れません。
振り幅をどちらかに定めて言い切って評価出来れば
楽なのでしょうが、この一冊は前作以上に
その見定めが難しい。
そう言う手管の引き出しを、この作者さんはあと幾つ
持っているのでしょうね。
星は、3.995程度の気持ちでつけました。
ブックデザインが素敵なふゅーじょんぷろだくとのコミックス。
初出掲載紙がCOMIC Be なので、むしろ非BLの匂い系。
彼女に振られて雨の中、つい拾って帰った捨て猫に、愚痴を言いつつ酔いつぶれて、翌朝目覚めてみると、そこにはネコの姿はなく一人の少年がいて。
人間になって恩返しするという元ネコ。
美形なのがよけいにむかつく。
人間にもネコにも自由に姿を変えられるシロと、いい人どまりの猫かぶりリーマン赤井の生活が、ほのぼのと、そして切なく、上品な絵で描かれた佳作でした。
絵も、ストーリーも、マンガ作品としての完成度は高いし、ジャンル的にもBLでこれはこれでいいけんだけど、個人的にはエチなくてもいいけど、もうちょっとBL的な妄想しがいが欲しいので、ここでの萌評価としては萌1個かな。
主な登場人物は、赤井・シロ・シオン
タイトル通り、それぞれのネコとのサヨナラが描かれた作品でした。
BLかといわれたら違うかもしれません…
でも、確かにそれぞれには愛がありました。
仲間のネコたちと別れ、シオンの元に行くことを選んだシロ…
拾ったシロを親に捨てられてしまうシオン…
シオンのために人間になったシロに恋をし、結果的にネコに戻ってしまったシロと一緒に暮らすことにした赤井…
人間のシロと赤井が幸せになれたらいいなと思いましたが、シロは人間には戻りませんでした。
ただ、もしかして…?的な期待を持たせる終わり方だったので、あとは自分の中で昇華します。
切ないけど美しく、心に残る作品でした。
チョコドーナツ先生ならではの視点で、優しい世界が描かれていました。人間になりたいと願って叶ったネコのシロ。幻覚や夢オチでもなく、赤井だけにしかその姿が見えないというわけでもなく、誰からも人間に見えるという設定です。一方、誰と付き合ってもいい人止まりで振られ続けていた赤井が、シロの世話をする中で、素の自分を晒せるようになっていきます。
タイトルには3つの意味が込められているのですが、私はやはり、赤井が猫被りをしなくなったことが一番大きな変化だったなと思います。前の飼い主のことばかり話すシロにも愛想を尽かさず、常に気持ちを慮っていた赤井の根っからの優しさが、シロに伝わって満たし、彼に人間の心を育ませていった。BLとしての濃さはないけれど、温かな春を感じられるような作品でした。