君が僕のすべて(2)

kimi ga boku no subete

君が僕のすべて(2)
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神27
  • 萌×29
  • 萌2
  • 中立2
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
5
得点
179
評価数
41
平均
4.4 / 5
神率
65.9%
著者
西田ヒガシ 

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
新書館
レーベル
Dear+コミックス
シリーズ
君が僕のすべて
発売日
価格
¥600(税抜)  
ISBN
9784403664601

あらすじ

武田に無理矢理触れてしまった鍋島は、辞表を出すも却下されてしまう。
想いを拒絶されながらも側にいる事を選ぶが、ある夜武田に誘われ……。

表題作君が僕のすべて(2)

バイトに雇われた高学歴の男
帰国して起業した中卒の社長

レビュー投稿数5

衝動と未知の自分

 もどかしかった2人の関係性はさらに何度もメスを入れられながら、雨降って地固まるようにじっくりと強固なものになっていく。そんな展開の2巻でした。鍋島からの好意を知りつつも、どこかまだ信じきれていないというか、本質的に理解していなかった武田。流されて性行為をしてしまった後、鍋島を突き放してしまったり、女性を連れ込んで一般的な男のように癒されようとしたり。ふらふらして往生際が悪いという印象を受けるかもしれないけれど、彼の今までの人生を振り返ればこれくらいで済んだのはまだ葛藤が少なかった方ではないでしょうか。

 一方で鍋島も、冷静に武田や彼の妻を観察していた1巻とは異なり、何もかも捨てて武田を追い渡米してみせたり、衝動のまま彼をレイプしてしまったりと、かなり感情が露わになってきていました。彼も彼で、武田ほど追い詰められてはいなかったかもしれないけれど、本気の恋というものをまだ経験していなかった印象があり、自身も知らなかった激情を初めて武田によって暴かれたのではないでしょうか。まさに、男同士のぶつかり合い。自分自身についてよく分からないところがあるからこそ、不器用ではありながらも、ここまでドラマティックで弱さを晒し合うような熱い恋愛ができたのかもしれないですね。西田先生のキャラクターの作り込みが、改めて素晴らしいと感じられた作品でした。

3

武田が可愛い

受けの武田がとても可愛かったです。

ツンツンして気の強い男っぽいキャラの受けが、徐々に攻めのことが好きになり、抱かれることに葛藤しながらも受け入れていくという、BLでは王道のお話です。葛藤の背景に母親と妻がいるのですが、そこも描かれていて深かったです。また受けの武田のキャラや心情の変化が、これでもかと丁寧に、でも無駄をそぎ落として描かれていて完成度がすごかったです。西田ヒガシさんの作品では多く描かれているテーマですが、ある意味1つの到達点となる作品のような気がしました。

武田は、外見はガッシリ目の体格で短髪で男っぽくてカッコいいです。既婚で、頑張ってカジノ会社社長に成り上がり裕福でオフィスは恵比寿っぽいところにあり、郊外にマイホームを持ち、一見バブル時代の成功者のような感じです。

表面上は、
・男らしく強くあるべき。仕事をして女を抱き、妻と子供を持って、マイホームを持つのが理想。
・ツンツンしていて負けず嫌い。男としてのプライドがあって子供っぽくて乱暴なところも。女扱いされるのは嫌、女に弱いところを見せるのも嫌。

というキャラですが、内面の深いところで無自覚な満たされない思いを抱えています。
・とても傷ついている。(幼少時の母親との別れ、子どもが作れない、不妊治療、EDなど)
・自分より大きな母親的な存在に甘えたい 愛されたい 身を任せたい。(マザコン?)
・セックスでは抱かれたい

これがEDや妻との不和に繋がり、カウンセリングに通っています。

一方攻めの鍋島は、武田とは真逆のタイプで、外見は長髪で穏やかな雰囲気で少し女性的です。お坊ちゃんで学歴優秀の研究者だけど、無職でボロアパートに一人暮らしをしています。男だけど母性的なところもあって家事もこなします。性格はヘタレですが、人の傷ついた気持ちに敏感で、王子様のように女性を守りたいロマンチストです。実は男っぽい部分もあって追いつめられると攻撃的になったりします。

武田は鍋島に出会って、仕事や家庭や趣味など接することが多くなり、ぶつかり合いながらも仲良くなっていきます。深層意識では母性のある鍋島に惹かれ始めるのですが、表面の意識では男に抱かれるなんて考えられないという真逆の力が働いている状態になっていきます。ただ体は正直で、特に性欲は深層意識との結びつきが強いので、鍋島に迫られたり襲われたりしているうちにEDだった武田のモノが勃つようになってきたりします。

惹かれ合う過程で、武田にとってなぜ鍋島でなければならなかったのか、なぜ妻の和美とは好きなのにうまくいかなかったのかが描かれています。鍋島に対しては遠慮なく本音が言えて、ケンカもできて、弱音も吐けて居心地がよさそうです。最終的に武田はようやく自分の本心に気付いて、鍋島に想いを告白します。ここの場面すごくよかったです!武田は鍋島にバスタブの中で抱かれますが、バスタブとお湯は母性の暗喩のような気がしました。母のように甘えられる存在に身を任せ、ようやく体も心もセックスができた武田の姿が、萌えと感動で忙しく、とてもよかったです。できればもう少しページ数を割いて頂けるとありがたいです。

「母性」がこの作品の重要なテーマになっていて、西田ヒガシさんの別の作品「エースの休日」は「父性」がテーマになっていて、対になっているような感じがしました。

ストーリーもとてもよかったですが、武田のキャラが魅力的で可愛かったです。特に武田はショックなことがあったとき何事もなかったように振る舞ってやり過ごしているのですが、その場面が可哀そうで可愛いです。
・鍋島のアパートに行って、外から婚約者を見たとき
・生き別れた母親の調査結果を見たとき
・「もう俺には必要ないんだな」のとき

あと要所要所の、決めゴマとなるところの武田の絵が素晴らしかったです。表情や体全体から感情が伝わってきて、特に印象に残ったのは以下のところです。
・「好きです、ムチャクチャにしたい」と言われたとき
・「俺とセックス」のとき

このような感じで武田の一人のシーンがとても魅力的でした。大勢に囲まれていても愛する人とセックスしていても、人はいつも本当の意味では一人であることが表現されているところがこの作品の好きなところです。だからこそ自分が本当に求めるもの、自分らしくいられるものを選ぶことが大切なのかなと思いました。

あと細かいところですが、妻の和美と鍋島が少し似ています。多分武田の別れた母親とも似てるのではないかと思います。二人の髪型と服の色合いが同じ場面がいくつかあって、武田のパートナーという役割が、妻の和美から鍋島に入れ替わることを暗示しているような気がしました。
・冒頭の、紅茶のおいしいカフェ(恵比寿?)で妻の和美と鍋島が出会ったところ
・妻の和美が自宅で武田に初めて、鍋島をハウスキーパーとして紹介するところ
・最後にもう一度、自宅近くのカフェで妻の和美と鍋島が話をするところ

他にも鍋島の母親や婚約者の詩織についても鍋島側の意味がありそうですが、そこまで追い付かず…

武田の可愛さがすごくて、このような作品が読めてよかったです。ありがとうございました。

7

ツヨシーヌ

愛さずにはいられない。1巻のラフな可愛い絵のおまけマンガだったツヨシーヌが普段の男前な方の絵で見られます。最大の見どころの1つだと私は思います。

初登場時は、攻めの鍋島を睨みながら車から地面に唾を吐いて攻撃的な態度の剛史。最悪な出会いのシーンです。それが最後はツヨシーヌ姫ですからね。西田さんは天才か!と思います。

ロマンチストでヘタレな攻めの鍋島と、強気で現実的な性格で、結婚し家族を作ることに憧れていたのに不妊の原因が自分にあることを知り、深く傷ついていた受けの剛史。コミカルですが結構重いテーマの話です。

攻めの鍋島よりも受けの剛史の方が背が高くガッチリした短髪なんだけど、無垢な目でジーッと鍋島を見つめる姿は可愛いし、残酷な現実に傷ついてるのも守ってあげたい、幸せにしてあげたい、っていうBLのヒロイン的立場の受けにちゃんとなってるんです。攻めの鍋島もヘタレだけど乱暴な剛史を受け入れて大きな愛で包み込む王子様的な攻めです。ギャグのような王子と姫のパロディも意外と本質的な所を突いてると思うと深いです。

ノンケ同士でしかも片方は既婚者っていう難しい設定でこんな素敵なお話を作っちゃう西田さんはさすがだと思います。そして2人のキューピッド的存在の剛史の妻、和美さん。やはり西田さんの描く女性もカッコいいのです。

4

いい!

2巻が出たら再読しよう。即読もう!
思っていたのに積んでました。いつでもダメっこ(ノД`)・゜・。もこデス。

人妻を好きになったはずなのに、
その旦那を目で追ってしまう。
いつの間にか笑ってほしいと思う相手はその旦那。
触れられる距離に居て触れられないのはつらい。
離れる決意をするものの~な第二巻。
どうあっても離れられない鍋島が不憫でもあり、その
ジレンマがすごくもどかしく面白かった。
「彼氏ができた」とうそぶく武田。
親に借金してまで駆けつけちゃう鍋島の必死さがイイ。
膝をついて手の甲にキスをするシーンに震えました。
どんなに頑張っても反応しなかったムスコさんが
鍋島に触れれてこんばんわな後半。
なんだかんだでいいカップルになったんじゃないかと思います。
女々しい感じにならないのが西田さんの作品のいいところ。
読み応えも、ハッピーエンドも十分なお話でした。好きです

7

いつまでも追っかけます!

西田劇団のいつもの二人がまたやってくれましたと、毎回大賞賛する私であります。
なんて演技が巧いんだろうこの役者たち!と毎回。
1巻から通しで読むと、うわ~この人達って、なんて!と増々感動がこみ上げる。
いや、役者じゃねーから。漫画だから。でもそう思えるんだもの。
生きてる二人が、役になりきって演じてる、脚本も演出も抜群な映画を観ているような漫画。じっくり見るとテケトーに描いてるような絵なのに、そんなの全然どうでもいいと気にならないってとこがまたすごい。とにかく西田さんへの愛がまた一層深まったのです。

9

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