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hajimari wa sayonara
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
黒須圭はサラリーマンだが、人ではない。人の性欲を糧に生きている。
ホテルのオーナー翔は20年前に庭師をしていたケイを探している。
圭の姿を見た途端、20年前と容姿が変わっていないのにケイだと分かる。
ずっと探していた。あの日から…
はじまりはさよなら、というのはどんなことも共通の事だと思います。
圭の場合、永く生き続けているようですから誰かと心を通い合わせても
相手が先に死んでしまい、さよならになってしまうという事でしょう。
また記憶する量が膨大で徐々に記憶が無くなっていってしまう所も
当てはまるかもしれません。
20年という時間、翔の財産があったとしても1人の人を探し出すのは
容易ではありません。
こんな場合、見つけ出せたのは運命なのでは?と思ってしまいます。
しかし圭と翔の場合、翔が幼いころから圭と将来、結ばれる運命だったのでしょうね。
平凡好きで寂しがり屋の人外さん。
主食は人間の生気を喰らうことなので夜な夜な男とセックスしては
周囲に溶け込み、当たり障りのない毎日を送りたいと望む圭。
圭には昔の記憶がありません。
そんな圭の前に、圭を探していたというホテルオーナーの翔が現れて…。
人ではない故に長く生き、やがて自分と繋がりのあった者達、自分を知る者さえもこの世からいなくなる。
繰り返される孤独に心が冷え、自分を失っていった圭。
そこから救い出してくれたのは20年前、ある約束を圭と交わした翔だった。
寂寥感漂うストーリーではありますが、そこまで重々しいムードは感じませんでした。
唐突な設定や場面もあってやや薄っぺらい印象を受けます。
素材が美味しいだけに残念です。
ツッコミを入れたい個所はあるものの、過去の記憶を昔の自分というかたちで投影させる表現や心も体を満たされていくようなエロシーンにはうっとりするものがありましたね。
木に凭れ掛かって揺さぶられる圭の色っぽさにドキリとしちゃいました。
美しい絵柄で美人受けを堪能できる上川きちさん作品がやはり好きだと改めて実感いたしました。
人の生気を吸って生きる人外な受け。
だからか淫乱気質です(o´罒`o)
特にお腹減っている時なんか表情がエロいし、おねだりまでしちゃいますよー!
ただショタ翔に翔叔父との行為を見られた後、自分が小さいから助けられなくて…としょんぼりするのに対しての反応見た感じ奔放なところもあったかな。
※ショタ翔の小生意気な感じ可愛かった!
あと人外特徴として、相手の記憶を消すことも可能なんだけど、〝運命の人〟の記憶は消せないってのが良いですね。
こんなふうにはっきり運命の人が分かるのって何かいいなぁ…(´-ω-`)ウラヤマ~。
冒頭で吸われた人は吸われすぎてぐったりしちゃったけど、翔はわりと頻繁に生気供給してるよね。
ぐったりしないのは余程生気に満ち溢れまくっているのか、〝運命の人〟の成せることなのか。
「相手も人外にしちゃえ」「自分も貴方と同じにして」ってパターンは割りと見るけれど、「〝運命の人〟と出会ったら人間になれる」ってのは珍しい気がする。
それにしても幾ら翔がお金持ちだったとしても何処にいらも全く分からない一人を探すのって大変だったろうな。
二十年で見つけられて良かったよ。
下手すりゃ圭はともかくとして、翔の命が尽きてしまうよ!
あと、ずっと長い間同種に出会えていなかったのに翔の友人のところに仲間が居たという世間の狭さ(・∀・)
勇人とレイくっつくとこ見たいなーと思ってたら描き下ろしで無事にくっついてくれて嬉しい。
表向きは平凡な会社員、
実は人外の種族である圭(受け)。
夜な夜な男とセックスし
人の生気を貰うことで生きている。
ある夜出会ったホテルオーナー・翔(攻め)は、
かつて圭に出会ったことがあるらしく……。
血を吸わない吸血鬼のような種族の話。
生気を吸うため、好きでもない男たちに身を任せて生きている圭。
幼き日の翔は、叔父に抱かれている圭に一目惚れし、自分の伴侶になれと告白する。
そして20年後、約束通り圭を見つけ出すが、圭は翔のことを忘れていて…という切ない展開。
長く生きすぎたが故の、記憶力の衰え。
仲間もなく長い寿命を持て余す孤独。
そんな悲しい種族である圭が
一人の少年の真実の愛により救済されるという
ロマンチックなお話です。
なぜ種族が絶滅寸前なのか?とか
翔の友人のツレが圭と同じ種族でした~って
世間狭すぎないか?とか
そもそも生気って何?とか
人外設定の作り込みの甘さは気になるものの
メイン二人のラブラブバカップルぶりと
エロシーンは堪能させてもらったので
萌評価とさせていただきます☆
上川きち先生の、美麗な絵で描かれるエロス。
人ならざる者のケイと運命を共にしようと彼を執拗に探し続けた翔。
運命に導かれた恋人たちの運命は…。
なんですがー、上川きち先生の悪いクセ。
その人外の背景が全くと言っていいほど説明されない。というか、もう、しない。
これ、先生の作品には多い。とってもあるある。
どうやら、人の精気を吸って生きるという人外であるケイは、不老不死。
あまりにも長く生きてきた彼は、自分が関わった人間の記憶を消して、自分も長く記憶する事なく生きていた。それは孤独だから。誰とも共に生きることが出来ない彼が、ただ生きるには、
余計な記憶を持たないこと。だったのかもしれない。
そんなケイを20年の間、恋い焦がれて探していたという翔。
ケイは、最初彼を思い出せず、心がざわつく事を恐れて、彼から逃げようとするが…。
精気を吸うこと、キス以上にセックスをする事で、精気を養うことになるのだが、
翔と致すセックスやキスが、その身体を求め合う以上に甘くて美味しい。
という、何ともいえないエロティックさ。そこはさすが、上川きち先生。
そして、愛し合う毎に、不老不死だったケイは、人と同じく生きられる、寿命を手に入れる。
限りある命が、孤独にさすらい、独り生きて行くよりも、幸せなこと。
っていう、少し哀しいような、寂しいような。ファンタジー。たぶん。
彼らが生きる上で、人と同じくして寿命を手に入れる事が本当に美しい事なのか。
彼らの仲間がそうやって減っていったのか。それは分からない。とっても謎。
けれど、幼ない翔が見たケイと、大人になった翔の前に居るケイが少しも歳をとっていないという、
不気味さ。何かを思い出そうとして、頭痛を感じて、苛まされるケイなど、少しだけダークな雰囲気も纏っていて。最初読んだ時は、ちょっぴりミステリーにも感じられたんですけど、
その謎解きは全く無くて。自分で補足しながら読んでね〜って感じで終わります。
二人の恋は成就するので、めでたし!なんですけど、何だかモヤる読後感でした。
美しいエロスはいつも通り堪能出来たから、ま、いっか。
最近スピンオフの『さよならバイバイ』の方を読んだので読み返してみてのレビューです。
こちらはサラリーマンとして暮らしていた圭が実は人ではなくて、人の生気を吸って生きている人外というファンタジーものです。血は吸わないのですが設定は吸血鬼に近く、運命の人に出会うと人間化していくみたいで仲間はどんどん減っていて圭も何百年も生きているのに運命の人に出会えず別れを繰り返していくうちに昔の記憶がなくなっていっている毎日なのです。
そんな圭を見つけ出してくれたのが20年前に庭師をしていたところのお坊っちゃま翔。ホテルのオーナーとなった翔と再会して、徐々に記憶を取り戻し…。
ストーリーとしては切ないものですがセレブな世界に生きている翔や翔の圭にたいする変わらない愛情が暗さを吹き飛ばしてくれますし、生気を吸うと言ってエッチモードに突入してからの圭の豹変ぶりが色っぽくて色々なことが考えられなくなります。
表紙の雰囲気からして勝手にリーマンものだと思ったのですが、
いや、リーマンっていうのは間違ってはいないんですが、
受けさんが人外設定、つまりファンタジーものだったんですね~。
読んでびっくり。
ファンタジーは好きなので別に良いんですが、
読み終えて思ったのは、
これはファンタジーである必要があったんだろうか・・・と。
別に普通にリーマンもので良かったんじゃないのだろうかと思えてならなかったです。
受けさんが精気を吸って生きている種族のようですが、
一体どういう種族なのかいまいちよく分りませんでした。
せっかく一冊まるまる表題作なのに、
よく分らないことだからけで、
充足感がまるでなかったです。
あとはアダルトな雰囲気なのに、
それを壊す二頭身キャラを使ったコマがあんまり好きじゃなかったです。
可愛らしい作品やギャグ作品で多用されるのは別に良いんですけどね。
何となくあれを多用すると手抜き感が出るので好きじゃないっていうのもあるかもです。
いや決して手抜きされていらっしゃるわけじゃないのは分かってますけどね、受ける印象がって意味ですよ。
なんとも形容しがたい微妙な気持ちで読み終わりました。
ファンタジー部分の設定がぬるいのもそうですが、
例え設定がぬるくても、
いいな~と思える部分があればそれなりにテンション上がったりするもんですけれども、
そういう自分のテンションを上げる要素が少なくて、
エロもけっこうあるのに、
そう、けっこうあるんですよ!
なのにいまいち盛り上がらないまま読み終えてしまいました。
盛り上がれなかった自分が切ねーです。