好きで、好きで

suki de suki de

好きで、好きで
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神180
  • 萌×296
  • 萌38
  • 中立16
  • しゅみじゃない19

--

レビュー数
43
得点
1414
評価数
349
平均
4.2 / 5
神率
51.6%
著者
安西リカ 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
木下けい子 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
シリーズ
好きで、好きで
発売日
価格
¥620(税抜)  
ISBN
9784403523618

あらすじ

付き合って十年になる恋人の志方のことが、今でも好きでたまらない穂木。高校卒業間際、 親友だった志方に玉砕覚悟で告白した。思いがけず受け入れられ、それからずっとそばにいる。 けれど志方は将来有望なエリート銀行員、自分は一介の編集者。 実は外国研修の話を志方が断っていたことを知った穂木は、 自分が彼の出世を妨げているのではないかと悩み始め……? 胸を打つ、センチメンタル・ラブストーリー。

表題作好きで、好きで

28歳,エリート銀行員
28歳,経済誌の編集者

その他の収録作品

  • ずっと好きで
  • 桜散るころ
  • あとがき

レビュー投稿数43

No Title

10年付き合ってる志方と穂木、穂木の想いが切なくて切なくて…でもなかなか素直に言えなくて…。志方も言葉足らずなのよね!!長く付き合ってるからこその未来への不安とか、自分は身を引くべきかとか…。大事な時に必要な言葉を言う志方にキュンとしました

0

別れようという決意と想いの強さに、涙

ずっと気になっていながら、手に取っていなかったこちらの作品。

…なんでもっと早く読まなかったんだー!!自分!と自分を叱りつけたい気持ちです。

「好きで、好きで」というタイトルからもう、受けの穂木の想いが溢れんばかりに伝わって来て、本編を読んでいないのに胸がきゅーっとなりました。

そして開いた目次のページ。
「好きで、好きで」の次が、「ずっと好きで」。目次を見ただけで一途な想いにクラクラさせられるって、すごい。

タイトルに違わず、本当に志方のことが高校時代から10年経っても好きで好きでたまらない、穂木。
そんな穂木が、大好きな相手の将来のことを考え一度は別れを決意する…その過程と想いの強さ。。気付いたらボロボロ泣きながら読んでいました。

無愛想で不器用な志方が正直に自分の気持ちを吐露するシーンも感動的でしたし、普段言わないからこそ「好き」の表現が尊く、穂木と一緒にうっとりしたりしました。

仕事第一、ではなく、いつでも志方第一、志方に認められたり褒められたり好きでいてもらうために料理も仕事もしている穂木。

一歩間違えば痛い男…になってしまいそうなのに、痛いどころか「うんうん、そういうのも素敵だよね」と自然に思え、安西リカ先生のすごさを感じました。

調べてみたら、二人の同棲編という続編もあるのですね。続けてぜひぜひ!読んでみようと思います。

0

1ミリの隙もない甘々

ほんの1/3程度読んだだけなのに、なぜか、もう何巻も長いこと見守ってきた二人の話を読んでいるような気になるくらい、びっくりするくらい‘好き’が強く伝わって来る作品。
わりと恋愛はくっつくまでの紆余曲折が楽しいじゃん、と思いがちだったのを反省。長く付き合っているからこそのすれ違いや、改めてお互いの思いを確認する紆余曲折も、めっちゃ切なくて萌える…
穂木の志方好きすぎて辛い感じに胸苦しくなりつつ、クールな志方もめちゃめちゃ穂木大事な感じに盛大にときめきつつ、、胸やけしそうなくらい全く隙のない甘さに、これでもかというくらいの幸せを感じられます。

1

変わっていくもの、変わらないもの

初めての作家様です。

付き合って10年経っている恋人同士のお話です。
高校生の頃から付き合いだした二人の10年って
学生から社会人へと変化していくのはもちろん、28歳という結婚適齢期で
将来についてより深く考える年齢だなぁと思いました。

穂木の恋人である志方は将来有望なエリート銀行員で
元々志方はストレートだから自分とは別れて
結婚した方が良いと考える穂木の心が辛かったです。
だって、穂木は志方のことが好きで好きで仕方ないんですよ。
そんな穂木が志方に別れを告げるんです。
すごく切なくて胸がぎゅっとしました。
結局別れなくて本当によかったです…。

志方に穂木が「おれ、志方を木下みたいに幸せにできるかな」とポツリと言うと
「おまえがずっと一緒にいてくれたらな」と言い
更に「俺は、おまえに惚れてる」と言うんですよ。
志方は愛情表現をするタイプじゃないのにです。
それがすごく良かったです。
離れていきそうだった二人の心がまたくっついた気がしました。

その後の志方も甘くてたまりませんでした。
色々なことがあるけど穂木には志方が必要で、
志方にも穂木が必要で、素敵な関係性だなぁって思いました。


安西先生の作品を初めて読んだのですが
温かくて切なくてきゅんとする素晴らしいお話でした。
読めて良かったです♪

0

理想の日常系BL

以前、honto×ちるちるの特集(https://honto.jp/cp/bl/recent/fukyuu-meisaku/sweet.html)で「スイートな恋」と紹介されていたことがきっかけで読んだのですが、評判通り、程よく甘く切なく、理想の日常系BLでした。
とにかく穂木と志方がラブラブで安心できますし、高校の同級生で社会人の今まで10年付き合ってるという熟年ぶりで、なんといっても安定感が抜群です。ただ、日常は日々変わっていて、周りの環境は二人が付き合い始めた頃と比べて多くの選択肢に満ち溢れています。住む場所から職種から将来の展望までこれからどうしていくのか、どうしたいのか・・・その葛藤に共感しましたし、お互いへの愛情で乗り越えていく展開に納得できました。また、どうしても作品の都合上、穂木に気持ちがいってしまうのですが、志方の気持ちになって考えるとこれまたすごく泣ける。志方は言葉がすごく少ないけれども、それ故にちょっと話す言葉が感動的で、彼の選んだ言葉に共感してまた泣けてくるんですよね。日常系だけどもゆるっとしてるわけではない、ちょうどいいスパイスのある作品になっていたと思います。大変満足したので「神」としています。

印象的な世界観とか、強大な敵とか、シリアスな展開とか・・・そういうのは望んでない!今日は疲れたから日常系が読みたい!そんな時に気軽に幸せになれる、オススメの作品です。

1

好きで好きで加減が胸キュンでした(#^^#)

恋愛小説において、好きになって恋人になるまでが一大胸キュンストーリーなのかと思ってたのですが、こちらはすでに付き合って10年のカップルのお話。

受け様は、編集者の穂木。
攻め様は、銀行マンの志方。
高校時代、穂木は同級生の志方へ玉砕覚悟で告白し、なんと付き合うことに。
以来、喧嘩もしてきたけど、順調に過ごしてきて、ますます志方の事が好きで好きで仕方ない。
好きな男の胃袋を掴もう、と料理の腕を磨き、志方にうまい飯を食べさせるのが生きがいに(≧▽≦)
志方の好みを心の中でふむふむとメモを取る穂木に、ホントかわいいなぁ、愛があふれとるねぇ、とにやにやでした。

穂木視点で進むので、穂木の好きで好きでぶりが一途でかわいくていいなぁ(⌒▽⌒)
あまり言葉にはしないけど、それでも穂木の事を大事に思ってくれているのが透けて見える志方もいい。
まぁ、私は分かりやすい溺愛攻め様が好きではあるので、描き下ろしでの独占欲丸出しの志方とか、めっちゃにまにまでした(人*´∀`)。*゚+

最後の高校卒業してすぐの頃の短いお話も好きでした。
初えっちに挑もうとしている2人の様子。
「痛いとかわいそうだ」と言う志方のストレートな優しさや気遣いがいいわ~(≧∇≦)


イラストは木下けい子先生。
口絵の高校生の2人がらしくて、かわいくて大好きです(^.^)

1

男前やなぁ〜(にこにこ)

安西先生は初読みでしたが、ちるちる掲示板でオススメされていた印象通り、日常で疲れた時の小休止にピッタリな甘さ加減と切なさ加減、そして読みやすい文体で読んで大正解な1冊でした。

寡黙攻めであり、きっと世に言う亭主関白気味の志方が本当にもう男前!
口をなかなか開かないくせにいちいちズッキューンなことを言ってくれるんですよねぇ。
そして態度。甘いんだよなぁ〜〜〜
決してわかりやすいわけではないんです。
でも穂木のことを本当に本当に大切に思ってるんだなぁって文章から伝わってきてとっても癒されます。

そして受けの穂木ですが、仕事は二の次、食うため食わせるためのもの、と考えているところが穂木らしくてしっくりきて、堅物で真面目な志方にピッタリだなぁと思いました。
お姉様方によっては、その態度や考え方にう〜んて方も居るかもしれませんが、私的にはより人間らしくてとっても好感が持てたし、志方が寡黙で真面目で固いので、この位柔らかい印象の穂木がやっぱりお似合いなんじゃないかなぁと思います。

そしてレビューせねば!と思ったこの部分。
「一緒に、暮らそう。ずっと」

この一言に全部持ってかれた〜〜〜!
なんて、なんて志方らしい一言なんでしょう。

最後に書き下ろし。
2人のやり取りがとてつもなくかわいい。
可愛くて愛おしい。
「痛いと、おまえが可哀そうだ」
そんなふうに、言える志方。

「春も夏も秋も冬も、繰り返す季節を十回も一緒に過ごしてくれた」
そんなふうに、思える穂木。

こんな2人、ずっと見ていたい。

いや〜〜〜素敵なお話でした。

3

ありそうで無いお話

高校の同級生スタートで現在は二人ともサラリーマンになっています。
ハラハラドキドキの展開がある訳じゃなく、ストレートな彼氏に対して負い目を感じたり、同性であることの罪悪感から別れを切りだしちゃいますが、攻めの志方によってちゃんと元鞘に戻ります。
割とあっさり。普段は寡黙な志方がガッツリ思い入れてるんで。

よくありそうな普通の日常をかいてるので入り込みやすいです。
何より穂木がイケてない!!
その分志方がとても素敵に見えます。

お似合いの二人なんだなぁと読後感は良いです。

1

心理攻め好きなら きっとこれは楽しめる

冒頭のキャラ説明の部分が凄く面白い。
どうして恋人になれたのかホントに不思議な二人。

志方:銀行マン 強面・運動神経抜群・現実主義。
年中怒り顔で威圧感高。表情はほぼ3つ。
顔に出さないが、穂木のことはいつも気にかけている。

穂木:編集者 志方に片思いだった、今も好きで好きでたまらない。
外観華やかで目立つ人、でも中身は単純で、一途で可愛い。モテる。

二人が交際して10年。志方の未来を慮り、身を引こうか迷う穂木。
志方に想いを寄せているらしい同僚の女性が出現。
穂木にも、誘いをかける仕事相手が出現。
志方は好きと言えず「馬鹿」という人だから、会話が成立しない。志方は行動で意思表示する人。
お互いに仕事が忙しくなり、会う時間が取れなくなる。
同級生の結婚式の日、独りで色々悩む穂木は別れようと切り出す。志方は希望を受け入れる。
会場で、高校時代に流行っていた曲「好きで好きで・・」の曲が流れている。
帰り道の駅で志方と遭遇。穂木が欲しかった言葉「惚れている」と志方に言われて大喜び。
何度喧嘩したり、すれ違いがあっても、穂木の想定以上に志方は色々考えていた♥。
志方は、武骨で不器用だけど、情に厚い人。穂木は何度も惚れ直す。

・・粗筋を要約すると、穂木の独り相撲みたいで、志方が大人すぎる。
すれ違う心理描写による細かい焦れも、ほとんど穂木の空回り。
片思いで悩む人が思い当たる部分多いなどで、高評価を博しているのかな? 
私は、読み進むことにかなりの忍耐を要しました。

0

幸せな気持ちになれました♡

うん、これはすごく幸せなお話ですね。
高校生から付き合って10年の志方と穂木。
仕事で悩んで、相手の気持ちが分からなくて悩んで……ありがちな日常BL。

だけど、お互いに初めて付き合った人で、初めてHした人で、初めて同棲を決めた人で。
しかも、志方はノンケって。これ奇跡でしょ。
その奇跡を日常に溶け込ませていて、でも、その事に甘えてるわけでもない。
二人が絶妙なバランスで関係を保っているところが、とっても面白いなと思いました。

志方が人生の中心で、全てで、大好きで、っていう穂木が、厚かましくも重くもなくて、本当に可愛いなって^^
志方は寡黙で言葉少ないけど、ここぞという時に伝える言葉を惜しまないのが素敵でした。
こういう硬派で寡黙なタイプが言う「好き」の破壊力たるや(笑)
程良い独占欲も相まって、何度もキュンとさせてもらいました。

あっという間に読み終えてしまい、続編も読んでみたいなと思っています。
幸せのお裾分け、ありがとうございました♡

3

早々にクライマックス

2巻ある作品と知って読んだので、最初からピークがきたことにびっくりしました。え?もうその展開やっちゃうの?っていう。結果1冊楽しめましたが(でもやっぱり感情の高まりはそのシーン)、2巻はまだ読んでいないので、これ以上があるのだろうか。

◾︎志方(銀行マン)×穂木(編集)
"そのシーン"はもちろん別れを切り出してから、再会して、すれ違いがあったと気づくところです!別れを切り出すなんて、大河作品でもハイライトもハイライトですよ。それを一冊の本の終盤でもなしにやったことに驚いてしまった。でもそこまでの2人の人間性の描写が足りないようなことはなく、だーだー泣いてしまいましたが。
舌の根も乾かぬうちに「絶対別れたりしないけどね」とか言ってる穂木には、ちょいちょい待ちたまえよ…と思ったりして。お騒がせちゃんめ。

穂木が変にここから仕事をバリバリするような展開ではなく、志方に料理をする人生が、他ならぬ志方に受け入れられる展開がとても好きです。女性にラベル貼りをすることも勿論あれど、男性だって固定観念にさらされてるんですよね。

0

可愛いお話

安西先生らしい、日常を丁寧に描いたBL小説です。
気になる点は一つだけ。

受けのキャラクターや思考が完全に女の子です。
オスの部分が一つもない。
だから、受けが女の子の普通のお話でいいんじゃないかと思えてしまう。
お話は日常ですが、人間としての存在感がファンタジー(童話的)なのが少し残念でした。
イラストとイメージが合っていて素敵な表紙だと思います。

0

受けの惚気と愚痴に付き合わされた気分…

すみません。辛口です。
この受けに共感できませんでした……。

【好きで、好きで】
一人で不安になって、一人で攻めは同僚女子と結婚したほうがいいと勝手に結論付け(彼女からの告白をきちんと断ったという事を受けは知ってる癖に)、一人で別れを決める。
攻めのことを思って身を引くとか好きな展開なはずなのに、10年間積み重ねてきたものが感じられないというか、あまりにも受けの一人相撲感が半端なくて……。

【ずっと好きで】
受けの仕事描写がかなり多くて、生き生き働いてくれていればこっちも楽しく読めるのだけど、攻めに頑張る!と約束したからという理由で本当は働きたくないけど……と思いながら渋々働いている人の仕事ぶりって読んでて楽しくないというか、疲れます。

でもなんだかんだ言いつつも仕事を頑張って、周囲からも認められ始め、本を出したりテレビ出演したりするけど、最終的に「攻めにご飯を作るために仕事をセーブしたい」という結論に落ち着き、開き直って攻めに宣言した受けに脱力するしかないというか、まるまる一冊かけて壮大な受けの惚気と愚痴に付き合わされた気分しかなかったです。

そもそも仕事を攻めのために頑張るって何なんだろう?って。
押し付けがましいわ……。

仕事に対しての野心はゼロ。
大事なのはお前だけ。
人生でそれより大事に思えることなんかない。(原文ママ)
とにかく好きで、好きでたまらない。

もしそんなことを相手から言われたら、うわ……ヤバ……とドン引きして、別れを決意します。
「人生で大事なのはお前だけ」という生きてる世界が狭いところが嫌だし、この受けとは絶対的に相容れないんだなと思いました。

これがコミカルに攻め様命♡みたいな吹っ切れたキャラなら、やばいでしょー!!と言いながらも楽しく読めたと思うんだけど、真面目につらつらと書かれているので、こわいわ……としか思えませんでした。

1

好きなんだもん、他はいらないよね

こちらも今頃すいません。
ほかのお姉さま方からのご推薦をいただきまして読ませていただきました。
木下先生も大大大好きですが、あまりに数が多すぎて、いまだ全作制覇にいたらず・・・・

そんな中、けいこ先生ので高評価のこちらの作品に到達。
安西先生は読んだことがなくて、この本で一気にファンになりました。
何が好きって、受け様が「10年一緒にいてくれた」と攻め様とのこれまでを振り返るところ。
何気ない、さりげない文章なんだけど、心に染み入って染み入って
涙ぼろぼろ。
ほかの作品まだあまり読んでないですが、こういう文章を書かれると
手を出さずにはおれません・・・・
優しい、繊細に紡がれる、ふんわり柔らかストールのような
肌触りのいい言葉たち と感じます。
たまにこういう出会いがあるから、本読みってやめられないー
コミックでは味わえない、小説ならではの醍醐味です!
そうですね、波乱万丈とかエッチシーン濃厚 とかでは絶対ないので、
そういうのを求める気分のときはおやめいただいた方がよいです。

私は受け様の「仕事より攻め様にご飯作る方が大事」ってな感じだったと思いますがその感覚、なんとなくわかります。
それぐらい好きになれた人がいるのってすごく羨ましい!
仕事してますが、仕事より子供に決まった時間にご飯食べさせたいもん・・・
ちょっと違うか?
いやそういう感じの愛情ではないかと思うのだが・・・

えー男子たるもの という方もいらっしゃるでしょうから、そういう方もこの受けには「イラっ」とするかも(笑)
(すいません、一部受け攻め間違えてました・・・・謹んで訂正させていただきました・・・)

11

題名ぴったり

相手を思いすぎる気持ちがぐいぐい伝わってきて、切なかったぁ~。この二人好きです。

2

表紙買い。

この本なんだか薄い・・・と思って買うか買わないかずっと迷っていたのですが(笑)木下さんの絵が大好きなのと、表紙絵のMLな2人が切なそうな雰囲気にやっぱり買おうと思って購入しました。
予備知識は全く入れずに読みました。
個人的にお付き合いするまでのお話が好きなので、すでに出来上がってるカップルの話だーてんてんてんと。
でも出来上がってるカップルだからこそ、相手のために別れなければと思う「物語の運び」があるのかと新しい何かを発見しました。

表題作の好きで、好きでが一番好きです。でもそのお話自体が短くて、え!もう終わり???と思ってしまいました。
「好きなのに別れる」というシチュエーションが大好物なもので、別れた2人が思い出の改札でばったり。泣けました。
直前まで泣いていたのに、何でもないふりをして普通に話をする受け、一緒に過去の思い出を辿るところなんかは特に感情移入しました(泣)
そこからどうなるんだと思っていたらあれよあれよと元サヤに!!!
思ったより寄りが戻るのが早くて私の感情的にも最後はダッシュでゴールテープをくぐった感じがあります。

雑誌に掲載された作品、しかも投稿作品だと、初めから決められた少ない原稿数の中での起承転結を作ろうとすると短い(短編の)お話&かけ足になるのかなと読み終わった後、勝手に推測してみたりしました(笑)

4

働く男である意味は?

安西さんの作品を読むのは二作目なのですが、やはり一作目に感じていたモヤモヤが今作もあってあまり合わない作家さんなのかなあと、人気の方なのに残念な気持ちです。

**********************
受けは編集者の穂木、28歳。
仕事をするのは食べていくためであって生き甲斐というものではなく、ただただ志方へ尽くしたいという気持ちだけを持つゲイの青年。

攻めの志方は穂木の同級生で、高校三年の終わりから現在までの10年間穂木と付き合う、表情筋のかたいエリート銀行員。
**********************

ページ数がとにかく少ない(背表紙の薄さにギョッとしました)ので、スタートから両思いで付き合っているという関係は納得なのですが、穂木が志方の将来を考え別れを告げるというのは何やら今更感とそして唐突感が否めず…
スタートの時に感じた穂木の雰囲気と、読み進めていく中で表される穂木が個人的にはかなりの違和感があり、キャラクターが定まっていないような、読んでいてひじょうに座りが悪かったです。
最初にストーリーやシーンありきで、そこにキャラを乗せたという感じがしてしまうというか。
とにかく志方に尽くすということと仕事をはかりにかけたならば、ダントツ振り切れで志方が重い穂木。
仕事は二の次に三の次で良いというキャラ設定ならば、あんなに穂木のお仕事描写を入れないでも良かったのではないかと思いますし…

好きだなあと思ったのは、穂木が志方へ想いを告げたシーン。
そこは終盤にも活かされていてじーんときましたね。
ただ穂木自身にわたしは共感出来なかったですし、どうにも掴みづらく、これは男性でなくても良いのでは…と思ってしまったのですよね。
初めから女子でも良いのではというキャラ(若年だとか)ならばともかく、20代も後半の働く男でしたからよけいに。
高評価も多くファンの方も多いと思いますが、これもまた一つの感想なのだと流してくださるとありがたいです。

9

好きで好きで

とても読みやすかったです。

安西リカ先生の作品は初読みでした。

好きで好きで仕方ないのは伝わるんですが、好きで好きで好きすぎるみたいなその先を感じられません…。

こんなに好きなのにって言う描写があるけど、なにか足りないというか…本当に大好き、心で繋がってる感が薄いというか。
10年もいて別れを言い出すきっかけもあっさりしすぎてるなと…10年もいたんだからもっと悩んでも良かったと思いました。

この二人の関係は好きです。
10年て長い。
好きなシーンは志方の留学の件で穂木が怒り寝ている志方を起こすが、志方は怒ってる穂木を放置して寝ちゃうシーン。
穂木の怒り方も可愛いし、何も言わない志方も穂木に愛されてると自覚してるから?と思ってました。

木下けい子先生のイラストがまた良いです。この柔らかい色使いとかね。

穂木が志方に抱き付いたのも可愛いかった。

一緒にいるうちに好きになっていたのかな。
でも、好きになった決定的な瞬間を知りたかったな。

4

仕事ができる銀行マンにやられました

木下けい子さんの描くネクタイ族が大大大好きで購入。
安西さんの小説は初めて読んだのですが、キャラがすごく好みでした。木下さんのイラストにぴったり。かっこいい男の人を描くのが上手な作家さんなのかな〜。読んでてドキドキしましたよ。

攻の志方は、真面目で仕事熱心、もとノンケで恋愛より仕事優先。そんな彼を大好きな受 穂木は、自分が彼の足をひっぱってる(家庭とか出世とか)と思い、別れを告げます。好きだからこそ相手の幸せをってやつですね。男同士の場合って、本当にこういうことあるんだろうな〜。せつない。
でも、仕事第一に見える志方も、ちゃんと穂木とのことを考えてるんです。『・・・仕事は俺のアイデンティティだが、おまえがいないんなら意味がない』
くーーーーっ!かっこいいよ!!こんな台詞言われてみたい!仕事ができるいい男にっ。うちの旦那もネクタイ族だけど・・・って小説の中のいい男と比べてもしょうがいなですな。

最後の『桜散るころ』は二人がカップルになって間もない頃、エッチに至ろうとするお話ですが、もう!とっても初初しくて可愛らしくて萌えました。
全体的に甘甘で、幸せ気分になれます。他の作品ももっと読みたいって思いました。

5

安西先生…!!BLがよみたいです。

志方がとにかく理想の男性でした。仕事人間で寡黙で硬派、だけど恋人のことは何より大切にしているんですよ。
穂木は裕福なお坊ちゃんであることが伺え、仕事にガツガツしているタイプではなく、ややのんびりしたところがありますね。
穂木が、好きで好きでしょうがない志方に別れを告げるシーンは涙出ました。穂木はもともとノンケの志方が、ちゃんと女性と結婚して子供をもうけて幸せになれるなら、と考えた上でした。
でも、別れずに済んで安心しました。
ケーキバイキングに行った後の様な読後感です。
甘いお話も大好物ですが、私としてはもっとスパイスを加えても良かったのでは?と思ったりもしました。志方が留学するとか、我孫子や三沢がもっとグイグイくるとか、周りに反対されるとか?
安西さんの他の作品も読みたくなりました。

3

武骨で不器用な男が理想のパートナーになるまで

こんな男は苦手
言葉少なで優しくないし甘くもない、たまに地味に嫉妬しても不機嫌で無愛想なので分かりにくい。
転勤や海外留学の話があっても恋人にすら確定するまで教えてくれない、「決まってもいないことを話すのは不毛」と言います。

啓が忙しくてすれ違ってしまったときに、自分のことを忘れてないと確認したいからメールが欲しいという気持ちがよくわかった。内容なんてなんでのいい、食事のメニューでもと言ったらほんとに夕飯の献立を送っていたよこの無骨モンが。

仕事は飯のタネ。それよりも好きな人のそばで好物を作ってるほうがいい
と働く主婦の鏡です。
それでも、好きな人に褒められて嬉しくなって、頑張ると言っちゃえる啓くんエライ健気です。
仕事なんてどうでもいいと思いつつ走り続けるんです。
褒めて欲しくて。
向上心も体力も野心もないのに。

多忙な仕事人間の彼氏に美味しいご飯や居心地のいい部屋で癒してあげたいというのが鉄板だと思ってたけど、仕事命の男をこっちを向かせるのは料理より仕事を頑張っている方が有効だということもあるんだなというのが参考になりました。

仕事でやらかしちゃった後の対応しだいでかえって信用が得られるんだという志方の包み込むような愛を感じた。
男×男の恋愛らしくて萌えました。
性別に関係なくお互いを高め合う関係っていいですね。

はじめは無愛想でちっとも優しくなくてわかり難い志方は好きになれないって思ってたのに、こんな旦那さんだったらフリーでバリバリ仕事してても総合職で家事がまともにできないときでも、嫌味を言ったり機嫌悪くなったりしないだろうなと思うようになりました。
休めるときには休んでいい仕事しろって背中押してくれるんだろうな、理想のパートナーだな。
恋は盲目だと自覚してちっとも甘くない恋人にベタ惚れな啓に、ありえないと思ったのに最後にはすっかり理想の彼氏・旦那に見えてしまったのは我ながら驚きです。

5

各キャラの良いところがあまり伝わってこず。

安西さんの『好きって言いたい』に萌えさせてもらったので、評価が高かった『好きで、好きで』も期待して読み始めたんですが……うーん、個人的には全然ハマりきれず。

穂木(受け)と志方(攻め)は高校時代の同級生で、卒業から十年間お付き合いが続いているカップル。志方は「仕事は俺のアイデンティティ」と言い切っちゃうエリート銀行マンに成長。性格はぶっきらぼうな不言実行男です。穂木は経済系の雑誌編集にたずさわっていて、こちらもけっこう仕事ができるんだけど、「志方においしいご飯を作ってやることの方がずっと大切」と言い切っちゃう家庭的な男に成長しました。

--個人的にハマりきらなかった理由は2つ--
(神評価が多い作品ですし、先入観を持ちたくない方は飛ばしてください〜)

ひとつめは「十年カップル感」があんまり伝わってこなかったこと。十年カップル、と銘打っているからには、付き合いたてのカップルとか二〜三年カップルとは一味違う円熟感みたいのがあるのかな〜と期待していたけど、そういうのは特に感じられず。

穂木が志方のことが「好きで、好きで」っていう話なんだけど、それもエピソードで伝わってくるというよりは、穂木がモノローグで言ってるから伝わってくる感じで。他作家さんの作品で、国語教師なのに肝心なところでは「好き」とか「超あいしてる」みたいな言葉でしか愛を伝えられない、っていうのには萌えを感じたのに、穂木が連呼する「好き」には途中から「お前、ボキャ貧やな……」と思ってしまった……

ふたつめは、勝手なお願いだけど、志方目線の話も読みたかったです。そしたら、「ぶっきらぼうで言葉が少ない志方が、本当は穂木をどう感じているのか」に加えて「穂木の魅力」も、もっと分かった気がする。志方は穂木のおおらかさに「救われた」とまで言っているのに、そういう穂木の魅力が本人目線の話だけでは十分に出てなかった気がして、ちょっと残念でした。

総じて、萌えツボが違ったかな〜。ドラマCDで自分の印象とか感想が変わると嬉しいんですけどね〜。自分の読み方が浅かったと気付かせてくれたら感動するだろうな!

8

攻めがとにかく魅力的☆

いやぁ、攻めの志方に惚れそうになりましたよ。
なんだ、この良い男は!
出来る男の理想形がそこにいました。

受けの穂木視点でお話が進むので、穂木から見た志方の姿を追う形になるのですが、こりゃ惚れてまうやろと本気で思ってしまいました(笑)

普段は寡黙でぶっきらぼう、仕事のことは何も言ってくれないので頭にくることもしばしば。
でも、誰よりも穂木のことを大切に想い、穂木の気持ちを何よりも優先しようとする。
ちょっとした気持ちの変化や体調の変化にも敏感で、時折見せる優しさがほんとたまらない。

志方はただの寡黙なエリートじゃないところが本当に魅力的です。
穂木が一方的に腹を立てて喧嘩になることもあるけど、肝心な時にはちゃんと気持ちを伝えてくれます。
その言葉は本当に誠実で、彼の気持ちに嘘が無いことがストレートに伝わってくるんです。

滅多に感情を表に出さない志方が見せた穂木への執着、もう心が震えるっつうの!!
こんなイイ男に惚れられて、穂木のことが本気で羨ましくなってしまいましたよ(笑)

長く付き合っているからこそ生まれてくる将来への不安、その不安でギクシャクしてしまうという王道の展開。
でも、そんな王道もなんのそのなラブラブ展開がこのお話の大きな魅力ですね!

仕事より恋人が最優先っていう穂木の乙女思考が、私的には若干?な部分もありましたが、仕事人間の志方にはちょうど合ってるのかも。
志方が良ければそれでイイんです(笑)

とにかく、甘々ラブラブなお話が好きな方には超お勧めです☆
もう、2人で好きにやってくれ(笑)

3

寡黙攻めたまらん(*>_<*)

めちゃくちゃツボでした。
寡黙攻め、ぶっきらぼう攻め好きにはたまらないです。
寡黙でぶっきらぼうな中でも受けへの気配りが見えるし、一言の重みがとてもある人です。
そんな志方に10年寄り添う尽くし受けの穂木ですが、恋に生きる乙女のようでした。w
でも個人的にそこはコミカルに映りました。
はじめは、タイトルと表紙の雰囲気から切ないお話なのかなと思ったのですが、穂木の性格のおかげでずいぶん明るい雰囲気だったと思います。
彼のような、男性で仕事よりも恋人が大事という価値観がとても新鮮でした。
そんな穂木をまるごと受け入れる志方は懐が広いですね。
自分の価値観をしっかりと持ちながら、真逆の価値観も認めることができるのは凄くカッコイイと思います。
そういうのって親しい人であればあるほど難しいですよね。

あて馬さんも出てきますが、志方の引き立て役にも見えてしまって少し不憫に思いました。
引き際を心得た人だしお話の潤滑油として大活躍でしたが、彼本来が持っている魅力をもう少し知りたかったです。

恋人に対して、結婚して家庭を持つべきなんじゃないかという”普通の幸福”問題はいつも胸が締め付けられます。
誰もが考えることだと思いますが、同性同士だとより切実な恐れなのだなと思いました。
でも、相手のことを誰よりも大切に思うのならなおさら、話しあうべき所はきっちり話しあわないといけないですよね。
相手に気を使って言いたいことを飲み込んで溜めるのは、自爆ルートしかないと思います。
コミュニケーションの大切さに改めて気づかされました。
そして穂木には恋バナ友達が必要な気がします。個人的にはこのまま突き進んでほしい(笑)

8

読んでるだけで幸せ

初読み作家さんなんですが、大当たりでした。
久しぶりに新規開拓で当たりを引き当てた気がします。
砂を吐きそうなほどに甘い話なんですが、これがもう癖になるような甘さで、一途で健気で一生懸命な受がツボに嵌りました。
そして不器用で無口で無表情な攻なのに、本当は凄く優しい攻という王道なんですが、なんてことない日常でこの王道って以外と難しいと思うんですよ。
ドラマチックな展開も特にないのに、もうぐいぐい読まされてしまう。

初っぱなから10年来の恋人という、老夫婦ばりの設定であるのに最後まで新鮮な読み口……あぁ、幸せ。
痛くてせつなくてキリキリな話も大好きですが、春のぽやんとした気候の中で、ひたすら甘い話も大好きです。
タイトル通り、受は攻のことを好きで好きでたまらない、という話ではあるんですが、その実、

攻→→→→→→→→→→>><<←←←←←←←←←←受

みたいに、お互いが好き好き、好き好き、好きなんだよゴルァ!
になってて、もう最後まで好き好きモード全開です。
当て馬の我孫子さんが気の毒になるくらい、勝手にやってよもう……なバカップルで、悪い奴もいなくて幸せな後口。

作家買い検討中。

6

受けがおバカな彼女のようで

ごめんなさい、私には合わなかったです。
受けが女々しくて仕事への向上心も少ししか感じられなくて男性としてあんまり魅力を感じませんでした。

攻めの為のように振る舞っているときも、結局は攻めのことよりも自分の気持ち第一で考えてるような気がしました。そんなにちゃんと攻めの将来のこと考えて出した結果だとは思えない。

1冊読んでおバカな彼女ののろけ話を聞かされたような気になってしまいました。皆さんの評価が高いので、そういう恋愛に必死なかわいい感じの受けが好きな方には良いかと思います。好みの問題で私にはちょっと無理でした。

17

ずっと心の中に残る大切な一冊

今年に入っていろんなBL小説を読むようになったですが、それまでは全然でした。こんな私の、最初に手に取った一冊は、安西リカ先生の『好きで、好きで』でした。
当時は何も考えずに、ただ表紙が綺麗だなとか、タイトルが好ましいなと思いながら購入したんですが、今思え返せば、最初のBL小説が安西先生でよかったです。あれからずっといろんな素敵な小説に出会ったけど、この最初の一冊は今でも私の中の一番です。
今は手元にないので細かいところまでは覚えてないかもしれませんが、レビューさせていただきます。

*******以下ネタバレあります********
高校卒業の時から付き合い始めた穂木(受け)と志方(攻め)がそれから十年を経ち、志方の東京転勤で遠距離が終わったところからストーリーが始まる。
今でも最初のワンシーンが覚えています。
志方が仕事帰りで穂木の好きな鯛焼きを買って穂木の家に来た。常に仏頂面で怖く見えるけど、実際は恋人想いで情の深い人だなとよくわかります。スーツ姿で鯛焼きを食べるのを想像して微笑ましかったです。
安西先生はすごく直球なイメージで、もったいぶることもなくいつもストレートでストーリーに入り込めるのが好きです。
二人が自然にセックスを始める雰囲気も、お互いのことよく知っている言動も、十年付き合ってきた愛情がこもっている。
物語は基本受けの視点から進めるので、受けの不安とか焦りとかとても丁寧に書いている。他のレビューでも言っているが、安西先生のキャラクターは恋だけではなく、仕事や家族もちゃんと生きてるっていうところがすごく好きです。
穂木が仕事でミスをして落ち込んでいるとき、志方がすぐにその異様に気付き、勇気を持って自分の過ちに向かうべきだというところが妙に胸キュンしました。恋人ってただただあまあまほのぼのではなく、大事な時に背中の押してくる存在なんだなと思いました。
その後に二人はすれ違って穂木は志方を思って別れを切り出すんですけど、カッコ付けてあっさりとしたフリで新しい恋人ができたとか嘘をつきながら、心の中では「やっぱり好きだ」を連呼する。その時志方も絶対にびっくりして辛かったのに、穂木がそういうなら仕方がないと身を引く。
今考えてもちょっと「そんな~」と思ったりするけどね。
普通の男なら絶対こういうリアクションして欲しくないのに、志方なら許せる気がします。なんか、志方特有の愛情表現みたいなことがあるんでしょうね。
別れたあとの次のシーンが私の中の「神シーン」です!!
そこは本当に何年経ってもハッキリと覚えている気がします。
不本意で恋人と別れた穂木はその日元々恋人と一緒に出席すべきの高校時代の友人の結婚式に欠席し、昔の高校の門の前で一人でずっと泣いていた。こんなに好きで好きなのに…と体の一部が切られたように辛かった。
ようやく涙も止み、帰りに駅を通った時、昔よく志方と乗っているのを思い出し、タクシーではなく電車で帰ろうと思って改札を抜けると、なんと後ろから志方が付いてきた。
なんと志方も結婚式のあと高校時代にバイトしていた店に寄ったせいで帰りが遅くなった。さすが十年の付き合いで心が通っているように共通の思い出で同じ行動に出たというか、別れたばかりの二人は駅で複雑な気持ちで改札を抜ける。
高校の時はこのように改札で、穂木は玉砕の思いで志方に告白した。そして十年を経って今、目の前の男は昔よりもずっといい男になって、自分は昔よりもずっと彼が好きになっている。
込上がった気持ちと思い出が混ざり合って、根は素直なので穂木もようやく耐えられず本当の気持ちを吐露した。
実は別れたくないと聞いて、ホットしたように志方も初めて自分の思いを口にした。
「俺は、お前が思っているよりお前に惚れている」
この一文で撃沈されたのをよく覚えています。
そういうのを絶対に口にしないような人なはずなのに、それだけ穂木を大事にしているってことですね。
志方は本当に、ちょっと不器用ながら穂木をすごく大事にしているです。
当て馬の我孫子さんに本気でヤキモチして、「ニヤケ野郎」呼ばわりしているところもなんか可愛らしくて萌えます。
本編もそうなんですけど、後編の『桜散るころ』は高校卒業後、二人が付き合い出して間もない頃のことで、初々しくてお互いに自分の気持ちを伝えるだけでいっぱいいっぱいな二人の姿が愛おしいです。
色々好きなだけ書いたんですが、安西先生の文字には本当に独特な魅力があって、私なんかの言葉では表現しきれないです。
3月にはドラマCDが発売することになるそうですごく楽しみにしています!私にとって特別な作品が、安西先生の初めてCD化される作品になるのがうれしいです!

5

好きの共通項って大切

長く付き合っているからなのか、攻めの志方と受けの穂木の会話には素朴さを感じます。志方の無口なキャラクターも相まって、お互いの感情は雰囲気で分かるようになったのかもしれません。
その以心伝心な部分も恋人関係としては魅力的ではありますが、やはり好きな気持ちは相手に伝えてこそ盛り上がるもの。もどかしくなるほど言葉に出せなかった分だけ、分かってほしかった気持ちを受け入れてもらえた分だけ、穂木がふにゃふにゃに可愛く志方にしなだれかかっていく姿にきゅんとしました。

キャラクターから著者の愛を感じる面も読みごたえの一つです。デビューから二冊目の作品だそうですが、ハマる人にはどこまでも共通項を与えてくださる作家さん、という印象を受けました。甘ったれなくせに意地っ張りな受けを許容してくれる攻めって素敵ですよね!と伝えたくなるほど、著者の好きを詰め込んだ作品になっていると感じました。
表紙を見て「あ、好きかもしれない」と思ったらそのまま購入してみてほしいです。二人だけの特別な時間に訪れる甘さが、読み手にも幸せを分けてくれる一作です。

3

一途愛

付き合って10年、今でもいつまでも好きで好きでたまらない穂木。
一途愛、大好きです。
前半は、穂木が好きすぎて、お相手の志方の為を考え、自分がそばにいる事で出世の妨げになると思い勝手に別れを切り出すという、結構良くある思考パターンのお話でした。
後半は、ずっと好きだからこそ相手からも尊敬されたいが為に仕事を頑張り過ぎて身体は壊しそうになるし…と言うお話です。
とにかく穂木の一途な愛の詰まったお話で、よくある話しなのですが、読み易く全体を通しての穂木の愛が可愛くて一気に読む事ができ、読後もホンワカ気分でいられるお話でした。
木下けいこさんのイラストもお話しと良く合っていて、本の世界をより鮮やかに想像できるイラストで大変良かったです。

4

シンプルな物語だからこその魅力

シンプルな物語だからこそのリアリティや表現の豊かさ、読みやすい文章から生まれる楽しさと心地よさは、心の奥にストレートに響いてきて最後までキュンキュンしっぱなしでした。
何年経過したカップルでもときめきを忘れない心ってのは素敵ですね。
誇張も虚飾もない等身大の穂木の気持ち、自分にもこんな時期あったよね~なんて懐かしくも親近感が湧いてしまいましたね。
志方も口数こそは少なくてぶっきらぼうだけれど、穂木のことをしっかりとわかってくれているようですし、穂木もまた志方のことをよくわかってらしゃる。
それは長年付き合っていなければわからないことですよね。
それとは逆に長年付き合ってるからこその不安というものは当然生まれるわけで…甘さの中にある見つめなければならない葛藤や不安、その辺りの描写もとても優れているなと思いました。
本作品で伝えたかったであろう魅力や特徴が非常によく伝わってきて、タイトルも雰囲気を裏切らないものになってました。

4

萌えれない自分は…

長いことランキングに載っていて、皆様からの評価も高いし、そして木下さんの表紙も素敵、ということで手に取ってみました。

う~ん、ごめんなさい、全然萌えませんでした…。

こういう、淡々としたCPって別に嫌いじゃないんですよ。燃え上がる恋というのも良いけれど、くっついたあとはこうしたほのぼのとした、というかまったりした雰囲気になるっていうのも分かるし。

たぶん、受けの穂木の事が好きになれなかったんだと思います。
一途って言えば一途だけれど、なんだか自分の気持ちばかりを押し付けている気がして。お堅い仕事についている志方の事を考えたら身を引いた方が良いのでは?と思う彼の気持ちは分かる。自分の事よりも志方を大事にしてるっていうことなのかなとも思う。
でもそれって志方の事を信頼してないし、彼の気持ちも無視してない?って思ってしまって。自分の勝手な判断でそういうことしちゃうのもなぁ…。これがまだ付き合って1~2年くらいのCPなら分かるけど、10年付き合ってるんだよね。そこがしっくりこなかった。

攻めの志方はとても好き。寡黙でどっしりしてて、それでいてしっかり恋人の事を大事にしていて。

つまるところ、穂木くんの可愛さが分からない私が擦れてるってことなんだろうな、と。

甘々な話は大好きですし、読みやすい文章でもあったのですが、どうにもこうにも萌えれませんでした。評価下げてごめんなさい。

16

好きなままここまできて。

十年愛。

恋人である志方のことが好きでたまらない穂木
そんな穂木を愛おしく想いながらも寡黙で多くを語らない志方

一方通行にみえて、しっかり繋がってるふたり。



淡々とした日常の中にある、お互いの存在。

ふと、過去を振り返る瞬間。
懐かしさ。
今の悩み。
会えないときの寂しさ。
会えたときを喜び。
不安。
愛しさ。
不安。

年輪を重ねたふたりだからこそ感じる壁や葛藤。

それでもやっぱり、お互いにしか感じ得ない愛があり情がある。



 穂木、一緒になろう



これからふたりで、新しい十年へ





挿絵の志方の手が素敵です。

5

読みやすい文章

BLを読まなくなってしばらくBLが遠い世界なことになってた私でした。
が、が、が。
祝、復活、第一号BL小説でございます。
殺伐としたこの現実社会から妄想だけでも逃避行したいとの私の燃える闘魂ファイアーの欲求欲望に、見事にこの小説は応えてくださいました。
甘さ加減が丁度良い塩梅でございまして
「あ~これだわ~BLが人生に足りてなかったんだわ~私~」
食べ物から糖分を取ることも人間必要ですが、BLからの糖分接種はまた格別とこの小説を読み終えたのでした。
小説の詳しい内容については他の方のレビューでご確認をお願いします。
私の文はもはやレビューとはかけ離れた遠いものにとなっております。
この小説が多くの方に読まれて頂けたらまこと嬉しいです。

9

恋は人を変える

高校からの同級生リーマンものですね。
リーマン、もと親友、付き合いの長いカップル。
どれもが好きなパターンなので、読んでみました。
いやぁ、これは癒される。
ホンワカさらりと読めて良かった、ありがとう~。

まず、リーマンの日常話ってだけでもかなり癒されますが。
あまりのバカップルぶりに、思わず笑ってしまいます。
嫉妬するのはともかく。
好きすぎて身を引いちゃうとか。
好きだから頑張りすぎちゃうとか。
あ~恋愛の醍醐味だなぁ、と思います。


ゲイの穂木はとにかく、元々ノンケの志方が好きで好きで好きすぎて。
付き合って十年、よそ見する暇もないくらい、穂木は志方が好き。
高校時代はずっと片想いで。
卒業間近でフラレる覚悟で告白して、まさか受け入れられるなんて…。

社会人になって、編集の仕事をそれなりにこなしているだけの穂木と。
エリート銀行員で、男は仕事に向上心があって当たり前、というタイプの志方。
穂木は志方が大好きだから、離れたくない。
でも、自分が志方の出世の足を引っ張っているのだとしたら…。
志方がノンケという負い目もあって、悩む穂木が出した答えは…?


このお話は、前半後半二つのお話にわかれています。
前半は、お互いの遠慮や言葉足らずで起きる出来事で。
後半は、お互いの考え方の違いで起きる出来事。

正直に言うと、前半は私には少し物足りなかったかな?
こう、じれった~い話が好きなので。
展開のはやさに、あれ?となりました。
これはもう、好みの問題で。
好きな人にはたまらない展開かも?
私はこのはやさに乗りきれず、置いてきぼりな感じになりました。

好きだったのは後半。
はっきり言って、すっかりバカップル満開な話ではあるのですが。
仕事への考え方というのは人それぞれなんだなぁと思いました。
穂木はいわゆる、家庭が一番大事なパパさんタイプで。
志方は出世欲の強い仕事人間タイプ。
二人の中間くらいが一番理想的なんだろうなぁ。

つまる所、二人でバランスがとれている訳ですね。
なるほど。
穂木は家庭第一な割に、仕事人間な志方をよく理解しているし。
志方は仕事人間な割に、穂木の事になると人が変わっちゃうし。
この恋で、二人はお互いの考え方とか大事な事が、すごく変わったのだなぁと思いました。

とにかく一生やってろ…という帯の文字通りなお話でした♪
欲を言えば、高校時代の志方の悩み事の話が読みたかったなぁ~。

6

泣けました

久しぶりに泣けました。
ストーリーとしては、わりとよくある高校時代の同級生。
志方(攻)と穂木(受)
10年越しの付き合い、適齢期、1人はゲイで1人はもともとノンケで。
仕事の忙しさから会えない日が続く。
そこに同僚らしき女の影が・・・

本来なら幸せな結婚をして、子どもがいて、出世コースを歩んでいて・・・
そんな風に相手の幸せを自分が壊しているんでは?と思い込んでしまう穂木。
穂木にもいろいろあったけど、志方に自分から別れを切り出してしまう。
その心の葛藤やそこに結論を出すまでの締め付けられるような思い。
そして、別れを告げた後1人になった時の穂木の気持ちに完全に感情移入し
自然に涙がぽろぽろ出ていました。
相手のことを本当に愛していて、それこそ「好きで好きで」
だからこそ自分から身を引く・・・なんて
お話の中にはよくありがちですが、実際本当にそんな風に簡単に
自分の気持ちをあっさり捨ててしまうことができるのか・・・
10年も付き合って、もう何百回も体を重ねて来た相手を
相手のことを想えばこそ・・・なんて綺麗ごとのように別れるなんて
私にはきっとできないだろうな・・と思いつつ
それを決断して、ただただ志方の幸せだけを願う穂木を
可愛いとさえ感じてしまい、なんとかこの二人の将来を明るいものにできないものかと、真剣に考えている自分がいました。

同性同士というのは、必ずこういう壁にぶち当たって
世間の目だとか風当りだとか、家族のことだとか
会社でのこととこか・・・
とにかくまだまだ、どこか「普通と違う」というイメージは強いものだと
男女ではないというだけで、こんなにも窮屈で辛い思いがついてくるのか
改めて考えさせられるストーリーでした。

志方のことを好きすぎる穂木に対し、
あまり言葉や表情に出したりしない志方だけど
本当は穂木のことを誰よりも理解していて、誰よりも愛していて
多くは語らないけど、ちゃんと先のことまで考えている男だって
話を読み進めていくと、だんだんわかってきます。
遠距離も乗り越え10年以上も恋人として付き合えるのだから
案外、口に出さないだけで志方の方が穂木のことを
「好きで好きで」なのかも・・・と思いました。







18

受の精神年齢が・・・

銀行員と編集者。
高校の卒業式で受が攻に告白、
その後付き合って10年になる二人。

タイトルと帯の推薦文から
さぞデロ甘だろうと思って読み始めたら
たしかにラブラブだけど
仕事で会えない日が続いたり
いまだに同居していなかったり
二人とも甘いセリフは苦手だったり・・・
と意外とそこまで甘くない
地に足の着いた社会人モノでした。

攻に留学の話が持ち上がったり
受が仕事と恋愛の間で悩んだりと
エピソード自体はありがちなんだけど
すれ違っても最終的にはきちんと話し合って問題解決に至り、その度互いへの愛を再確認する二人が良い。

背中で語るタイプの攻と
明るくてちょっと思い込みの激しい受
という組み合わせも良いバランス。

急いで家に帰る途中で
ゴム買ってあるか確認する会話や
攻が受によく言う「馬鹿」など
長年連れ添ってる感が端々に出ているのも
萌えポイントでした。

ただ、後半にいくにつれ
受の言動が子どもっぽくなっていったような?
仕事より家で攻にご飯作ってる方が楽しい
という考えはまぁ良いとして
28にもなって親に光熱費を出してもらっていたり
「いいだろ?いいよな?いいって言って!」
「やっっったあ!」
など、ちょっとうるさいw
無口な夫と口数の多い嫁、みたいなバランスの良さは感じるものの、個人的にはもう少し大人であってほしかったです。

そこがちょっと自分の好みでなかったものの
文章の読みやすさやキュンキュンさせる描写などは上手く、次回作も楽しみな作家さんです。

13

好きだ〜♡

ストーリー自体はは手垢のついたような話。
高校の同級生、卒業前に告白、それから10年の付き合いを経て
すれ違いがおこり、相手への想い故に別れを切り出す……

ひっかかりなく素直に気持ちよく読める文章がいい。
好きで、好きで、というタイトルだし、甘い、甘い、と聞いていたので、
どれほど甘いんだろう……と期待半分戦き半分で読んだが、
確かに甘いんだけれど、コテコテの生クリームのような甘さじゃなく
疲れた心を溶かすような、気持ちのいい甘さだった。


愛想のよくない銀行員の志方と、
出会いからこのかた彼が好きで好きで堪らない穂木。
高校卒業間際に玉砕覚悟で告白して、受け入れて貰って
お互い社会人になって、遠距離恋愛も乗り越えて
でも三十近くなって、ちらつく結婚や仕事の忙しさから
悩みが膨らんでいく……

実はこの穂木くんは華やかなイケメン。
雑誌編集者なんだけれど、彼の身の上にも
冗談か本気か言いよる男あり、仕事の新たな展開あり
変化がある。

男は黙って……みたいな志方くん。
彼の視点の話はないのだけれど、言葉は足りないながら
彼は彼で穂木をとても大事にしているのが読者には見えて
これまた甘くて、「馬鹿」とか言っちゃう彼が愛おしい。


木下先生の絵が、こういう関係の二人にはまたピッタリ。
気持ちよくキュンキュン読めた事に、挿絵+初読みサービスも加点して、
評価は神にします。

帯の一穂先生の「一生やってろ、と心から言えます」のコメント。
はい、まさしく。
呆れ果てた……というより、こちらも幸せな気分で
私も同じように言いたいと思います!

7

志方の「馬鹿」が心地いい!!

久々に激甘なストーリーでした。
読んでるこっちが恥ずかしいよ!!

付き合って10年、今だに相手の事が好きで好きでたまらない!!

片やエリート銀行マン(志方)
絵にかいたような堅物男だけど
ちゃんと相手のこと大事に思ってる超真面目な男。
片や雑誌編集者(穂木)
志方の事がメロメロに大好きで、
彼のために家事をするのが生きがいの超乙女(心がね)

そんな2人の日常的なお話、喧嘩、仲直り、イチャイチャのお話かなぁ。
10年一緒にいても、やはり言葉が足りないところもあったのか
仕事人間の志方に軽蔑されたくないからと頑張って仕事もしてきて
でもそのせいで、なかなか会えなくて、勘違いして、別れ話して、より戻って
最後の最後にやっと自分の気持ちを素直に言えた穂木。
仕事よりも志方のために飯を作りたい!!

うん、ようやく肩の荷が下りたような感じで
これからもっともっと志方の為に大好きな家事をするんだろうな。
でもってそれを普通に受け入れてくれる志方なんだろう。

60代になった2人も読んでみたいよ。
今と変わらない状態が続いてそうだけど!!

4

作家買い決定…しそう

うわあ、いい…!

読了後、思わず呟いてました。

好きで好きで。ただ好きで好きすぎて。このままずっとと祈るように思う。
せつない気持ちが溢れて伝わってきます。
こんなに好きな人に出会えて、好きな人に愛されて、こんな幸福無いんじゃないかな。

あまりに好きで、好かれている自信が持てない穂木。
ぶっきらぼうで必要以外言葉を惜しむ、恐い顔なのに実は情の厚い志方。
この志方がまあイイ男で。
「これは惚れるわ~」と納得させてくれるので、穂木のぐるぐるも感情移入できちゃう。
志方の同僚の女性に嫉妬する自分が醜くて嫌になったりする穂木の気持ちがありがちだけど自然に描かれています。

穂木は自分のことを、男としてどうよ、と思いつつも一番は志方、というのがどうしても動かせない。こんな自分じゃダメなような気がしてぐるぐる。
でも実は志方も穂木の事を考えているのも分かっている。志方なりの価値観で穂木にも幸せになって欲しいと思っているのが分かるから困る。志方は仕事人間だから、仕事にやりがいを持って向かうことが幸せだと思っているので、穂木にも幸せになって欲しい。それは志方の思い込みなんだけれど、穂木の仕事の為に志方も精一杯の助力をします。
望んでいない状況に潰れそうになりながら、それでも志方が望んでいると思うから頑張る。そうじゃなきゃ頑張れない。
だって本当は、志方の為に料理を作り、風呂を用意し、そんな時間が一番幸せだから。
仕事での成功とかやりがいとか、それは穂木の幸せじゃない。
それが志方にはなかなか伝わりません。
言ってしまえば穂木は女みたいな思考の流れなんですが、こういうものに男も女もないのかな、なんて自然に納得させてくれました。

仕事が好きな志方が好きだし(というか嫌いな志方が無い(笑))志方が求めているものが分かるので、穂木は自分も釣り合うようになるべきか、なんて迷ったりするけれど、やっぱり一番は志方。そこに戻ってすとんと落ち着く感じが良かった。

そして志方。
価値観がぶれないし、迷いを見せない。だけど情が厚いというのがそこかしこでさりげなく描かれるんですが、そのエピソードの選び方がすごく上手いので、志方という男が立体感を持って迫ってきます。正直穂木のイメージってふわふわした感じだったんですが、志方はがっちりとイメージが組み上がりました。基本的に穂木視点だからしょうがないのかもしれないけど、こんな男に出会えて好かれたら幸せだろうな、と思わせる、本当にイイ男。
古いタイプかも知れないけれど、いいんです。私好きなんです、こういう男!
そして言葉の少ない男が、滅多に言わない愛の言葉を口にする瞬間が悶え死にそうに良かったです。

丁寧な筆致で、心情を一つ一つ紐解くように描いてくれています。
この作家さん、ちょっと注目することにしました。(←偉そう…;)

7

他人の痴話ケンカみたいな…

一読して「?なんだか…」と思ってたけど、評価が高いようすで
あれ?っと再読したのですが、やっぱりすいません、ピンときません。

前に1冊あって、結ばれるまでのごたごたがあってのその上での後日談か、
二次創作のようだと思いました。

受け(ゲイ)が攻め(バイよりのヘテロか)と10年、ながいこと付き合ってて、でも受け(ゲイ)は攻めは女と結婚したほうが攻めは幸せになるーーと考えて身をひくが特にエピソードもないまんま(攻めが気持ちをうけとめて)よりを戻す、という話です。
話しっていうか…話しは動いてなような…(すいません)

甘ーい雰囲気楽しむのだろうと思います。。。

疲れてるので、甘い話は大歓迎なのですが、残念ながらわたしにはピンとこなくて。
「なんで他人の痴話げんかをわざわざ読まねばならないの」くらいに思ってしまったー;

これ、投稿作品だそうです。
編集者にはなにかが見えた!実際支持されている!でもわたしにはみえなかったーということなのだろうと思います。相性の問題かなあ…。

 読みやすかったので、中立で。

15

これは良いカップルだわ…!!!

安西リカさん、前作も素敵だったので
今回フェア対象作品という事もあり(正直過ぎてすみません;)
すすっとレジに向かわせていただきましたw

一穂ミチさんの推薦帯でどんだけバカップルなんだろうか…?と思ったんですが
二人ともしっかり大人で自立していてカッコいいのに可愛い!!
まず受けの穂木はゲイで、高校の時に志方に片想い後告白して
思いがけず付き合える事となって
10年経った今でもめっちゃ好きな気持ちが衰えない一途っぷり!
見た目は結構華やかであとくされ無いように遊んでそうに見えるのに
中身は全く逆!!
志方の好みのご飯を作るのが幸せで
休みのぼけーっとした志方がコーヒーを飲む姿を
飽くことなく眺めているだなんて…どんだけ出来た嫁…。
でも、全然乙女な感じではないんです!!
片想いが長くて志方に素直に甘えられない部分があったり
仕事上で会う機会が多い経済ジャーナリストでバイの安孫子に
挨拶代わりに口説かれても動じないし
志方と円満なのをしっかりアピったりね。ナイスな男なんです。

志方はかなり仕事が出来る銀行員ですが
無愛想だし口もうまくないし、
何かあっちゃ穂木を「おまえは馬鹿だ」と言ってしまうヤツw
でも、長年の付き合いで穂木には志方の癖がわかってるし
Hでは普段からは想像つかないような欲情にまみれた表情をするとか
こういうとこかなりツボ…!!
相手が恋人限定ってところがすごくいいじゃありませんか!!特別感あって!!
しかもね、お互いが初めての恋人なんですもん…純愛だわ…。

志方が福岡の転勤からやっと戻ったというのに、
穂木は海外留学の書類を見てしまい、
なんで相談してくれないんだと詰め寄りますが
まだ決まっていないことだからと突っぱねられます。
そんな時に、志方と同期の三沢さんという女性の存在を知り…。

銀行員ってホント、出世云々だけじゃなくて
結婚していないと変人とかホモとか言われちゃうらしいです…。
サラリーマンでもそうかもしれませんが、
なんといっても信頼が命ですもんねぇ…。
志方の足をひっぱっているだけなんじゃないかと
別れを告げる穂木にずっと心臓痛くて
ハピエンだってわかってても涙ぶわぁーでしたよ!!
あえて二人きりの場所じゃなく
あっさり言ってのけたのが泣ける泣ける……その後もネ。

んでちゃんと想いを再び通わせてからのHが!!
もう目に涙溜まりすぎてて「待て待て待て」と言わんばかりに
ティッシュで鼻かんで涙もふいてから改めて本と向き合わせてもらいましたw
そしたらもう愛しかないわよねっていうさぁ…。でろ甘!!!
だけどまた普段どおりに甘い言葉を言い合わない二人にまた萌えました。

『ずっと好きで』
穂木が書いた本の為もあって、安孫子とTV出演したところ
一気に仕事が忙しくなってなかなか会えない二人でも
ちゃんと気持ちが繋がってて素敵でした。
仕事を頑張るとあまり褒めてくれない志方が褒めてくれて嬉しいって
穂木可愛い!!
軽蔑されたくないしと一生懸命な姿が健気でしたよ。
本当は仕事より、志方にご飯食べさせてあげたいのを我慢して…。
で、安孫子と偶然会ったところ、志方も鉢合わせしちゃって
会話を誤解されたけど志方の本音の言動がこれまた…!!!!
後で、いつも言ってた「馬鹿だ」を穂木に言われ
ムッとしたのも可愛かったです♪
からの久々H!!!!!!興奮しないでいられるかッ!!!

『桜散るころ』
大学に受かって、別々の大学の入学式の後
穂木のマンションで、初めての…。
この初々しさ!!もーやめてー!!(勿論嘘です)
すっげ可愛くて微笑ましくてこれをニヤニヤしないで読めるわけない。

当て馬の安孫子がちょうどいい軽さで、
やっぱり穂木をちゃんと好きなんだけど無茶出来ないのが
とても好ましかったです!
志方と色々真逆だしw

はぁぁぁあああああ、萌×2ですが神寄りです!!

12

とにかく、ずっと、好き

なんだか、こんなに最初から、ラブ浴びせ倒し!!みたいな、
付き合って10年、すっかり出来上がっちゃってるカップルのお話って、
何かの続編かと思っちゃったけど、そうでもないのね。
こんな設定もありなのかと、意外って言うか、なんだか意表をつかれた感じ。
でも、長い付き合いで、昔も、今も、ずっと、ずっと好きで、だからこそ、いろいろ迷って、
そして、最終的には、ちゃんとお互いの想いを言葉にして確認して、
これから先も、ずっと一緒に暮らしていこうってきめるの。
ほんとに「一生やってろ」って心から言える。
安心してキュンキュンできるお話でした。

8

またキュンキュンしました!

2冊目の本ということで、帯にも惹かれ迷わず購入。
もう次からは作家買いしようと思うぐらい、好きになりました。
志方が好きでたまらない穂木は、読んでいると「バカだな」と思う瞬間もあるのですが、微笑ましい馬鹿です(笑)

読んで、重い話や考えさせられる、深みのあるBL作品が増えてますが、やっぱり自分はこんな風に甘くてキュン萌できる作品が好きだなと再認識しました。

14

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