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この熱を知ってしまったら最後――
entenka drop
炎天夏心中
エロ無し胸キュン系の、ボーイズラブでやって欲しい少女マンガなシチュエーションってこれだよな!ってかんじの短編集。
もうちょっと詳しくいうと、
1.制服姿の十代の男の子たちがいっぱい出てきて、
2.初めての恋で、ジタバタしたり、モダモダしたり、キリキリしたり、ヒリヒリしたり、
3.そして相手は同性限定。
1について
やっぱり見た目に楽しいのは華奢さの残る10代の男の子だよね。
エロい大人や、ガチムチやおじさんもいいけど、かわいくてきれいは基本でしょ。
2について
ラブが生まれたり育ったりする過程が楽しいので、エロはあってもなくてもいいし、そこは問題じゃない。
3について
で、一番の肝は、「どっちも」カワイイ男の子だって事だ。
ストーリーの内容的には、短編だし、物足りない物もあるけど、とりあえずみんなカワイイからOK.
表紙に惹かれて購入。
初コミックスの短編集ということで、5つの短編集が収録されています。
可愛らしい絵で背景等も良く描き込まれているのですが、ページ数が少ないのか少し消化不良で終わっている(続きが読みたい)ものが多いです。
その中でも、唯一前編後編となっている「うそつきと花」が一番好みでした。
主人公が間違えて下駄箱にラブレターを入れた相手は美形だけど人を寄せ付けないことで有名な男の先輩で…というところから始まるこのお話は、非常に可愛らしくて少女漫画にありそうなストーリーでした。
なぜか先輩にOKを貰ってしまった主人公がどうにかして真実を告げようと頑張る様が可愛らしくもありおかしくもあり(笑)
可愛らしい絵柄なので、今度は是非明るいコメディで1冊(続き物)読んでみたいです。
色んな物語を集めた短編集です。
表題作は、遊び人な攻めと他人の熱を知らない受けの雰囲気が暗いお話です。
光に向かって歩き出すのも良いですが、
こういうダークサイドへ飲み込まれるのもたまりません。
攻めの受けへと向けられている感情が、恋情なのか依存なのか、
はたまた全く違うものなのか分かりませんが、
これからは二人で分け合って生きればと思います。
弱い攻めなので、二人で転んで立ち上がれなくなりそうで
怖いところではありますけれども。
二番目のお話は、受けがラブレターを間違えて攻めの靴箱に入れてしまうという
少女漫画色の強い物語です。
攻めはずっと受けのことが好きだったようで、嬉しそうにしていますが、
受けは間違って入れたんだと言えずにずうっともやもやを抱えたまま
日々が過ぎていきます。友達とそのことについて、そろそろどうにかしないとと
話し合っている時に攻めが偶然立ち会わせてしまい……という展開なんですが、
蓋を開けてみると、攻めが意外と策士で酷い男でした。
受けもへたれでおっちょこちょいなので、
自業自得と言えなくともないですが、
いくらなんでもそれを逆手に取りすぎていて。
書き下ろしが攻め視点なため、その利己的な性格がわかるんですが、
一言で受けを黙らせてしまうところは本当にずるいと思います。
掴み所のない攻めなんですが、受けにべたべたとして、
言葉を惜しまないところが萌えました。
あとは、不良と優等生の葛藤する話、
幼馴染みから脱却したい受けの話、
双子の共依存の話があります。
どの話もカラーが違っていて、飽きることなく読めますが、
特に双子の救いようがないループし続けそうな流れが
とても魅力的だと思います。
二卵性も美味しいですが、一卵性がいちゃいちゃしている
様子も可愛らしくて大好きなので、楽しめました。
絵柄も可愛らしいので、BL初心者の方にも
安心しておすすめすることができる一冊です。
いたしているシーンがありますがw
「短編集です、お気に召す物があれば」
と作者さまの仰せのとおり、見事にタイプがそれぞれ違う短編集です。ふつう人物の設定や表情が似通ったりするものなのですが、丁寧に描き分けられています。描写力という点ではかなり高いと思いました。
全然関係ないですが、裏帯に出版社の宣伝文句でしょうか・・・
「よいこのためのBL」
の文字を見た瞬間、良い子はBL読むわけねーじゃん!とか僕的に思ったり。そういや「よい子の住む街」というコミックを読み終わって、一人もいねーじゃん!って言ったのを思い出しました。
~ 炎天下心中 ~
多くは語りません。短い物語でも起承転結があり、二人のこれからを連想させてくれます。セリフ中にヒントが記されていますが、「身体の奥にかすかに感じる熱」、ラストのセリフ「…行くなよ」の意味が分かるか否かがポイントです。
~ うそつきと花 ~
エロなしですが、とーにかくカワイイこと可愛いこと。「キレイな顔が近いです!」と二人がじゃれ合う所に、通りすがりの二人の女子(一人は初恋の乙女)が、仲いいね! カツアゲじゃないの? と見方が真二つ。そんなところから交際スタートです。こういう先輩後輩の関係っていいなぁー。
~ 近距離フラストレーション ~
ここは一旦、801フィルター及び色メガネを外して純粋な気持ちになりましょう。受けだとか攻めだとかの煩悩は余計です。
お向かいの幼馴染の大学生に憧れている(おそらく)中学生のお話です。英語で水曜日の単語を習うから中二かな。とか想像しながら読みました。ちっちゃい子が懐いてくれるだけでカワイイじゃないですか!!
けど、このお兄さんは天然で甘えたがりな一面もあり、「欲求不満でどうにかなりそー。それともお前がなんとかしてくれるの?」とか言っちゃう。そんな大人なお兄さんに頑張って背伸びする子ってかわいいじゃないですか!
エロはもちろんありません。
そのほかの作品はメガネ萎(読む気力が無になる生理現象)が邪魔して読めていません。それでも僕には十分堪能できる一冊です。
ギムナジウムと旧制高校だけは、読まねば!読まねばなるまい!と購入。※暑苦しい。
絵柄が今風(?)で軽い感じの話かなあと思いきや、結構重めな話が多いんですね。
私は「うそつきと花」が一番好みでした。こっちの作風のが合ってる気がするんですけれど、どうなんでしょうねえ。
生まれたての子鹿が可愛い。
重い話は何というか、設定が若い子好きそうだなあという感じで、設定は重いけれど話はちょい薄い感じです。
ギムナジウムものも、ちょっと中学2年生な感じでこういう感性についていけなくなった時点で、私も大人になったのですなあ。※充分大人です。
二人の視線にやられて表紙買いしてしまいました。
学生ものの5つの短編(内1編は前後編もの)から構成されています。
表題作「炎天夏心中」と「幽閉の水面鏡」がシリアス・ダーク気味で面白かったので、紹介と感想を少し。
【炎天下心中】
他人の熱を求める高校生の鮎川×他人の熱を知らない高校生の湊。湊はひょんなことから鮎川にキスをされ、そこから体の関係をもってしまう。鮎川が常に誰かの熱を求めている理由を知った湊は、それと同時に、本当は自分も誰かの熱を求めていたのだと鮎川への恋心に気付く。
展開が少し駆け足気味な気もしましたが、なかなか読み応えがありました。
【幽閉の水面鏡】
ギムナジウムを舞台に美しい双子の歪んだ兄弟愛を描いた短編。自分にそっくりな美しい兄を独占したくて、その顔を誰にも見せないよう眼鏡をかけさせる弟。兄はそれを甘んじて受け入れていたが、ある日、同級生に素顔を見られてしまい、告白されてしまう。その同級生が弟とキスをしているのを見てしまった兄がとった行動は・・・
水面に映る自分に恋をして心囚われ死んでしまったナルキッソスを彷彿とさせる作品です。
作中の「己の半身」という言葉が印象的でしたが、この兄弟はお互いがいないと自分という存在が成立しないと言わんばかりに、互いに強い執着を抱いています。この執着愛がどう展開するのか、とても気になるところで終わってしまいました。
他の3編は続きがあればきっと甘い展開になっていくのだと思いますが、この2編は何とも言えないのでもっと続きが読みたいような、ここで終わっておいた方がよいような?
作家さんの初コミックは、五つの話が入った短編集。
10代同士の、切なくてちょっと暗い青春を描いた話が
多めです。エロはごく薄。
一つ一つの題材は面白いものの、登場人物の性格や行動の背景がぼんやりしている部分も多く、話に入りづらいのがちょっと勿体なく感じました。
唯一の二話構成である【うそつきと花】は面白かったので
他の話ももっと頁数があれば印象も違ったかもしれません。
■【炎天下心中】
人の熱を知らない高校生。
女好きのクラスメートにからかうようにキスをされ
身体を弄ばれ…。
■【うそつきと花】前後編
美形すぎてぼっちの先輩×ヘタレ後輩
女子へのラブレターを間違って男の先輩に渡してしまい
なりゆきで付き合うことに。
日に日に先輩のことを好きになるけど…。
双方のキャラが可愛いコミカル系の話でした。
■【レッテル・アンド・ディストラクション】
優等生とヤンキー。
見た目で誤解されることにジレンマを抱える二人の友情と、ささやかな反抗。ちょっとダウナーな青春モノです。
■【近距離フラストレーション】
年の差ご近所幼馴染みモノ。
大学生が攻…と思ったらアレ?乗っかられてる?
10年後が気になる二人。
■【幽閉の水面鏡】
ギムナジウムの双子モノ。
美しい兄の顔を誰にも見せたくなくて
人前では眼鏡をかけさせ束縛する弟。
しかし兄の素顔を見た同級生が、兄に恋心を抱き…。
歪んだ愛が意外な結末を招くダークな短編。