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natsu no owari no sarry
いつ出てくんのサリーって思いながら読んでた「あなたにあげる」
なるほどラーメン屋のゴローと社長の若い頃なんだこの表紙。
全寮制の田舎の高校って「デリケートにキスして」などのあそこじゃ?
サリーの胸に書かれた龍って・・・龍くんっていなかったっけ。うーん私のメモリーがフロッピーなみの容量で思い出せなかったのですが、孫くんだった。全然違った。
社長の高校生時代、ジョシュに似てないか?まさか当時ゴローとなにかあったんじゃ?と勘ぐったけどなにもなし。
亭主シリーズも「パパがあいしてる」あたりに繋がるかと思ったけどそれもなし。
でもいいの面白かったから。
もしかしたら、これも続きは同人誌でってやつかな・・・。
あほエロ? や、ま、その通りなんですが。
ただコマを追いかけるだけでも、ニヤニヤできて、ちくっとエロくて、大満足。
しかしそれだけで終わってるようで、どっこい終わってないところが、さすが吉池さん。
オトナが(夏の終わりから)遠い目で恋を眺める時の、甘酸っぱくて、切なくて、少し諦観を帯びた気持ちを、あほエロの彼方にそっと描き込んだような。それが最後の最後になってずしんと押し寄せて来るような・・・
そして、ざぁーっと切なさが通り過ぎた後は、心が晴れて、ちっちゃい虹。
そんな感じの作品集でした。
◆「あなたにあげる」「夏の終わりのサリー」「夏の俺たち」◆
一見別の話のように見える「あなたにあげる」と「夏の終わりのサリー」。
ただ、両作品に共通して、芸人の吾郎が登場します。
「あなたにあげる」では、中華料理屋の店主のかたわら、売れない芸人を続ける吾郎。
かつては人気お笑いコンビの片割れだったらしいのですが、相方と痴情のもつれで喧嘩別れしたとか・・・その吾郎が、俳優のジョシュア(一時は不倫してた事務所社長(実は吾郎の元相方)に冷たくされて傷心まっただ中)と恋に落ちるというお話。
「夏の終わりのサリー」は、時を遡り、吾郎の高校時代。吾郎と、吾郎の幼馴染みで何から何まで吾郎と好みがかぶってしまう宏が、2人してサリー先輩を好きになってしまう、片思いストーリーです。
あれ?「あなたに~」の吾郎の元相方でジョシュアの事務所社長って、もしかして・・・という疑問の答えは、「夏の俺たち」にあります。
宏が好きになった相手を、必ず吾郎も好きになる。しかもいつも選ばれるのは吾郎。
ということは、社長はジョシュアを・・・
ここで、「あなたにあげる」という、まるで気に留めていなかったタイトルの意味が、突如何十倍にも質量を増して、ズキズキと胸を圧迫し始める――
うわ、これは反則ワザだぁ。こんな変化球。。。
これはどうも、吾郎の物語でもサリーの物語でもなく、吾郎と宏の(そして二人が愛した男たちの)物語だったようです。
そして、ここで描かれている愛は、恋愛と言うよりももっとゆるやかで大きくて、その真ん中にあるのは吾郎と宏の絆。そんな気がします。
恋ではいつも吾郎が勝ちで、いがみ合っているようで、認め合っている二人。
宏が一番信頼しているのは、吾郎。
全く表立って描かれていない宏の想いが、高校時代のエピソードを迂回することで、無言の重さを得て跳ね返ってくる感じ。
これは、大人の話だな、と思います。
もっと他に分かりやすい見せ方もあるのかもしれませんが、個人的にはこの、控えめで、言葉足らずにも思える見せ方が好き。言葉にしないからこそ、一筋縄ではいかない想いの重みが伝わる気がします。
ギャグで笑って、最後に甘酸っぱい切なさに包まれる・・・まさに一粒で二度おいしい作品でした。
人気ネタ「赤ちゃんプロレス」を演じる吾郎と宏を描いたあとがきは必見!!
吾郎がオムツにはさんだガラガラが(ry
◆「髪結い亭主」「ふわふわ亭主」◆
ヤクザの公次郎の前に、高校時代付き合ってた晶彦が双子の子連れで現れて――
双子が可愛い子連れもの。
◆「珍奇男」◆
陰間って年くったらどーなるの??と前々から疑問に思われてる皆さま必読。
主人に捨てられた陰間が座頭に拾われる、ほのぼのショートストーリー。
初読みでしたが、全体のピントをあまりはっきりさせない雰囲気が好き。
かわいい絵柄の軽いコメディかと思いきや、それだけでは終わらない。
短編が7編、話は3つ。
最初の一編を読みながら、サリーって誰?と……w
そして二編目……、ああ、そうかこれ過去編なのね?
そして主役はイケメンモデルのジョシュアじゃなくって
おじさん達の方なのね〜と分かる。
ふむふむ……あれ……、うーんとそれで?
と思いながら、違う話に突入。
双子が可愛い子連れBL『亭主〜』二編、
薹が立って捨てられた陰間の話『珍奇男』、
そして、最後にサリーがやってきます。
サリーを通して繋がる、過去と今。
最後に切なくジーンときてしまいました。
「夏の終わりの〜」というタイトルが秀逸。
あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!!
久々に吉池マスコ氏らしいといいますかアホエロっぷりがたまんない作品の仕上がりに
自身は大満足であります!!!
マスコ氏の何を知っているのかと聞かれると何とも答えづらいところなのですが
それでも全体を通して勢いのある話とほとばしるエロとたまにほろ苦テイストが入るあたりツボを外してないなぁと感じます。
表題作の他に5作入っていてどれを読んでも読み応えアリの素敵なまとめ方をされていて
吉池マスコ氏、やっぱり好きだなーと再確認させられる仕上がりでした。
初見の方は、かわいい絵柄につられて買ったら割と汁多めだった!ガーン!!!
ってならないようにご注意くださいwwww
吉池先生にすっかりやられてる。
この甘さとほろ苦さ、切なさとギャグと、そしてエロと。
読み終わってまず出るのが、感嘆のため息なんだ。
「あなたにあげる」「夏の終わりのサリー」
冒頭に来る話はモデル出身の美形俳優ジョシュアが、既婚者の事務所社長とデキていて、でも上手くいってない、というところからはじまる。
そんな時出会ったのが、ラーメン屋さんと芸人さんを並行してやっているゴローさんだった…
ゴローさんと想いが通じるジョシュアだが、社長に関係がばれていざ修羅場かと思いきや!
いや、修羅場は修羅場なんだけど、まさかのオチがくる。
そして社長とゴローの過去の話に移り、高校時代、社長が全寮制の男子校で先輩に淡い恋をしていた話になるのだが、これがまたなかなか切ない。
社長は吾郎にいつもいつも負けていて、すごく複雑なんだと思う訳。でも自分が劣ってて負けてる訳じゃなく、吾郎がまさってるから勝つ訳でもなく、そういう所は本能的にわかってる訳よね。だから信頼感のようなもの、離れがたさのようなものを持ち続けてるんだと思う。色んな矛盾みたいなものを抱えながらも、自分の大切なものは吾郎だって大事にしてくれる、そこがいつだってブレない2人の絆なのかな。
「髪結い亭主」「ふわふわ亭主」
ヤクザの組員・公次郎は、組長の娘が事故死したことでその娘の夫・晶彦に会うが、実は晶彦と昔付き合っていた…という冒頭。
晶彦は小さな双子を育てていて、彼らの人間関係が色々入り組んでいる訳です。はっきりした正解は最後まで仄めかしのままなんだけど、極道の公次郎のヘタレ振りと、ゆるい感じの晶彦が実に腹を括ってるさまが描かれてます。晶彦、いい!一途で、正直で、健気で、何より強さを持ってる。
「珍奇男」
タイトルからのイメージと違う、囲われて、捨てられた陰間妾のお話。マスコさんには珍しく?ギャグっぽい展開はない。切ない系でした。
「夏の俺たち」
なんの因果か、再びコンビを組んだら超ブレイクしている社長と吾郎。サリー先輩も前とおんなじ笑顔で笑ってくれてるんだよ。
こういうオチを持ってくる所が、吉池マスコ様の凄さだと思う。
美形俳優ジョシュアがきれいでかわいい。
ゴローへの好きビームが積極的でかわいい。
ゴローもすぐにジョシュアを受け入れて話が早い。
社長が芸人を毛嫌いするのは自分も元芸人でゴローと元コンビだったのがおもしろい。
コンビ解散の理由が女だそうだけど、社長の奥さん関係?かは謎ですね。
ジョシュアが社長のコンビ時代のネタをいじったり、その映像を見てバカウケしてるのおもろいです。
ゴローとヒロシが幼なじみの腐れ縁で、同じ相手を好きになったらその相手はたいていゴローを好きになるというのが意外でしたがわかるような気がしました。
ゴローはまっすぐでブレないし売れないなりに芸人を続けていて人望もありそう。人間的に魅力があるんだろうなと。ジョシュアにも惚れられたし。てことはヒロシもジョシュアを本気で好きだったということですかね。
ヒロシは状況が見えて分析はできるけどゴローのように本能的になれない。だから芸人をやめてビジネスマンになっている。
そんな2人が青春時代に好きになったサリー先輩が腐れ縁の象徴的な存在なんでしょうね。
公次郎と晶彦の話が好きでした。ヤクザBL大好き。
晶彦がヘラヘラしているけど父親としてがんばっているし公次郎をずっと思い続けていたのがいい。
篠田が晶彦を誘っている時、土下座する公次郎がかっこよかった。晶彦も。
マスコさんのギャグが似合う絵柄で最高に切ない気持ちにさせてくれる話が大好きなのですが、今回は甘々路線だなぁ~切ない要素がもっと欲しかったなぁ~なんて油断していたらガッツンやられました。最高に切なかったです。
自分の期待通りにはいかなかった展開になかなか気持ちの整理がつかず読直後の評価は「中立」でしたが、レビューを書いているうちに気持ちも落ち着き「萌」評価に。10年後には全て美しい思い出になっている気がする、そんな物語でした。
◆『あなたにあげる』【ゴロー×ジョシュ】
寂しがり屋で世間知らずな俳優のジョシュくんが、事務所の社長(既婚者)との不毛な関係を断ち切り、中華料理屋のゴローさんに癒されるほっこりラブ。ほっこりしていました、ラストの話を読むまでは。
◆『夏の終わりのサリー』【(ゴロー+ヒロシ)×サリー先輩】
好みが似ていてケンカしながらも仲の良い幼馴染みのゴローとヒロシ。高校生になった2人が好きになったのは「サリー先輩」。3人で行った海。それは思い出となり、2人が同時に失恋するところで話は終わります。
これはアレですよね。ライバルだった2人が恋に落ちる萌え展開ですよね! と、その後の2人を妄想してウキウキしていました。ラストの話を読むまでは。
◆『髪結い亭主』『ふわふわ亭主』【公次郎×晶彦】
ヘタレなヤクザ×健気美人な美容師の再会ラブ。
ヤクザ街道を歩むことになった公次郎の前に、元彼の晶彦が幼い双子を連れて現れます。
女の子の種が晶彦で男の子の種が公次郎というアンビリーバボーな真相だったらいいな! と思ってます。
自分の子が現れたかもしれないのに煮え切らない態度で、Hだけはしっかりする公次郎には萌えませんでしたが、晶彦の健気さと意志の強さに惚れました。公次郎の父性が育つ続編があったら読みたいです。
◆『珍奇男』
捨てる神あれば拾う神あり。坊さんの天然ぽい雰囲気がよかったです。
↓以下、もう少し突っ込んだネタバレありです。
◆『夏の俺たち』
ヒロシとゴローとジョシュくんとサリー先輩と鉄次先輩の現在。
あれっ、あれっ、あれーー? という気持ちで読みました。
出番が少なかった鉄次×サリー先輩に一番萌えました。くっついて欲しいです。
ゴローとジョシュくんも、今後安定のカップルになるのだろうと思います。
一番気がかりなのはヒロシさん…。奥さんがいながら男遊びをしていますが、ちゃんと奥さんともラブラブで幸せであって欲しいです。ゴローとの絆は純粋な幼馴染みであり友人でありコンビとしての絆であって、切ない想いを秘めたりしていませんように(祈)。
1度ゴロー×ヒロシの未来を思い描いていたので、この現実を受け入れるのに時間がかかりました。
どうしても自分の読解力だけじゃ汲み取れない吉池作品。
こちらもyoshiakiさんのレビューでだいぶん補完させてもらって「なるほどそういう話だったんだ」とようやく消化出来ました。
淡々としてるんだけど、くすぶっている熱のようなものが潜んでいることは伝わってきて、その熱の正体が分かればストンとくるのに分からないから結果消化不良になっちゃうような。
でも分かると急速に胸が熱くなるような。
分からないなりにも、吉池作品に共通しているその空気感は好きだな好みだなと思う。
評価迷ったけど「萌」にしておこう。
こちらの作品、別の吉池作品のレビューで同じようなことを嘆いていた時によくレビューを参考にさせてもらっているレビュアーさんからオススメいただいたものでした。
ここにこっそりありがとうと残しておきたい。
「夏」がついたタイトル本を再読したりと読み漁っていまして、その一環です。
【あなたにあげる】
モデル出身の俳優ジョシュアと事務所の社長・宏(既婚)の不倫話かと思いきや。
宏との不倫に疲れたジョシュアはゴローというラーメン屋で働く芸人と出会い恋に落ちていく。そして宏とゴローはもともとお笑いコンビを組んでいた、という事が発覚。
【夏のおわりのサリー】
ゴローと宏の高校時代が宏視点で語られています。二人は幼馴染で趣味が似ており、いつも同じ人を好きになるのだが、相手が選ぶのは大抵ゴロー。
またしてもサリーという男の先輩を二人は好きになってしまい…。いつも選ばれない宏の気持ちが切ない。
【髪結い亭主/ふわふわ亭主】
高校生時代の恋人同士の再会もの。片方は下っ端ヤクザ、もう片方は双子を抱える男やもめ。お互いに抱えるものが大きすぎて、ただ純粋に好きというだけでいられた高校時代とは違うというところに尻込みするヘタレヤクザが良かった。
表題作シリーズよりもこっちが好きだなぁ。
【珍奇男】
主人に捨てられた陰間のお話。
【夏の俺たち】
「あなたにあげる」や「夏のおわりのサリー」の登場人物が勢揃いします。
夏が来るとサリー先輩がいたあの夏のことを思い出す、という二人。二人にとってほろ苦い青春の一コマなんだろうなぁ。そして好きだった人には今でも幸せに笑っていてほしいなぁという気持ちが良かった。
短編の割には登場人物が多くて、誰の話なんだか?みたいに一読では焦点がつかみにくい…。
そして宏とゴロー、この二人の間ではBがLになることはなさそうです。
宏とゴローの腐れ縁&友情話がベースですね。いつも同じ人を好きになってしまうほど趣味が似ているのだけど、好きになった相手に選ばれるゴローと選ばれない宏という事を描く為にジョシュアやサリーが登場した感じ。
個人的には宏がどういう経緯で結婚したのか、ちゃんと恋愛結婚だったのかが気になりました。その際にゴローとは取り合ったんだろうか?とかそこも気になる。
イサヲ
白桃さま
ここにお返事書いても大丈夫かな・・・
嬉しいご回答を、ありがとうございます!
もうとっくに手放していて、調べようがなかったので、とってもすっきりしました( ´∀`)
龍之巣学園!なんかそんな名前だったような記憶がぼんやり甦ってきましたよ~。
マスコさんはギャグもよし、甘酸っぱさもオヤジも青年もエロもよしで、素晴らしい作家さんですよね♥
白桃
またまた白桃です、すんません。補足というか、ツッコミ。
だとしたら彼らは同窓生なのかな。
白桃
イサヲさま、はじめまして。
「龍」って龍正のことなのかなと思ったら学校名の「龍之巣学園」みたいですね。デリケートにキスしての最初の方に書いてありました。
「永遠のボーイフレンド」のみちるさんから、マスコ先生のファンになりました。