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ani towa koinaka nandesuga
表題作は刑事になると言って大学入学と同時に家を出た義兄がアパートが火事だと戻って来た所から話が始まります。
見た目がヤクザ風になって大学も辞めた深一郎に、驚く弟のスイは自分だけが大学を辞めた事を知らなかった事にショックを受けます。
あまり感情を表に出さないスイが自分に懐くのが可愛くてしょうがなかったのが、ある時から違う感情に変化してしまい離れようとしていた深一郎ですが、スイも昔から好きだったと告白して2人は恋人同士になります。なかなか進展はないのですが、深一郎が腹をくくってからは遠慮が無くなります。あまりHは無いですが、スイが可愛いのと深一郎が溺愛してます。途中、ゲイの同級生が絡んで来ますが彼にも幸せになって欲しいです。
もう一つは、小説家と事故で留年してまだ大学生の親友のお話です。小説家は昔から親友が好きなんですが、親友はいつも彼女が居て報われないと知りつつも好物を冷蔵庫に入れたりしてて健気です。
ある時旅行を約束して駅で待ってると、単位が危ないからとドタキャンされます。恋愛にうつつを抜かしてるからと責めると、本気で恋愛した事無い奴には分からないと言われて、どうせ報われ無いからとずっとお前が好きだったと告白します。
親友はずっと考えていて、帰宅した小説家に付き合おうと言います。
この親友はちょっとデリカシーが無いです。付き合った後もゲイは誰とでも寝るのかとか、何人と付き合ったとか聞いてくるので、小説家は不安になったり嫌な気持ちになります。ただ、それは友人の不器用な嫉妬と後に分かるのですが、それからはお互いにキュンとしたりするようになって良かったです。
ただ、小説家の片想いが長かったので、もっと甘い話もあったら良かったです。
表題作は警察官になる夢を諦めた義兄×義兄に想いを寄せる高校生、同時収録作は中学からの腐れ縁の大学生×小説家です。
全体を通して、登場人物の顔がほぼ同じに見えて、髪型や髪色ぐらいでしか判別できなかったのが気になりました。特に表題作の攻と同時収録作の受が本当に似ていて、一瞬「ん?」となりました。ただ絵柄そのものはすっきりしていて見やすいです。
まず表題作は、ゲイであること、義兄弟が好きなこと、年の差があることなど、世の中に対して二人が抱えている問題を丁寧に描いていて良かったです。おとなしくて健気で、でもやるときはやる受がかわいかった。
同時収録作は、攻が受との約束をドタキャンしたり、金貸してと言ったり(ちゃんと返すけど)、さすがにデリカシーなさすぎない?受の優しさに甘えすぎてない?と思いましたが、全てわかっててなお攻に片思いし続けた受にとっては問題ないのでしょう。読み手としては「そんな奴やめとけよ」と当て馬みたいなこと言いたくなりましたが(笑)。ツンデレな受はすごくかわいかったです。特に二人で旅行に行くと決まって、旅雑誌に付箋をつけまくるところとか、最高にいじらしかった。
いずれのお話も、当て馬的な存在にわかりやすいストーリー上の役割があって、無駄な登場になっていないところも良かったです。
どうしても一点、引っかかった点があります。
表題作の攻は「色弱で色の区別がつかないから」という理由で警察官になる夢を諦め、知人が店長をやっている雑貨屋で働いているのですが、そこでアクセサリーの仕入れも行っており、店長が「あいつ意外とセンスあるんだよ 色選びも上手いしな」と言うシーンがあるんです。
色覚異常のキャラクターの色選びが上手いというところが気になり、ごく簡単に色覚異常について調べました。もちろん色覚異常といっても人によって程度の差はあるようですが、区別がつきにくい色が存在することは間違いなく、全ての色を判別できる人とは見えている色が異なるはず。攻が自分の区別できない色をしっかり把握していて、区別できる色味だけで構成されたアクセサリーの仕入れのみを行っているということなのでしょうか、それとも色覚に異常のない人にどう見えているか的確に想像できるから、色選びに問題がないということなのでしょうか。そこについては作中で一切触れられておらず、若干もやっとしました。