__モコ__
kurakunaru made himitsu ni shitete
こういう暗くて救いようのない話、大好きです。
何とも言えない気持ちだけを残して締めくくられるラスト。
気持ちのやり場が分からないというのは、きっとこういうこと。
黒子を好きすぎるあまり、彼の夢を見る火神。
泣かせたい訳じゃない、ただ自分は黒子に好きになって貰いたいだけ。
それなのに、彼の思考はどんどん――と進んでいきます。
この、『好きすぎる』という部分が上手に火神を狂わせていきます。
笑顔でいて欲しくて、自分を好きでいて欲しくて、触れ合っていたくて。
それだけの願望が積もり積もって歪んでいく。
これに出てくる火神、…本当に病んでます。
読み進めていくと、どれが現実でどれが夢なのか、
だんだん分からなくなっていくのがとても面白い!
どれが本当の黒子なの?
どれが本当の火神の想いなの?
閉じ込めてしまいたいの?抱いて壊してしまいたいの?
と、自分の想像も大きく膨らんでいく。
最後、まさかなぁ、という気持ちになった自分がいます。
本当の火神は、どれなのでしょうか。