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kyuai zenya
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
やっぱり男。
前作「恋愛前夜」での、ナツメへの手打ちで大人で男前の片鱗を見せていたヤコ先生。
ヤコ先生にもちゃんとした幸せが訪れますようにとの願いが叶ってのこの作品。
ヤコ先生の男の本気が、バリバリ全開。
代理できたヤクザ顔の編集の、ふとしたギャップに萌え萌えしていたら、
実は彼はふとしたギャップどころじゃない、重大な秘密を抱えていて、、、。
ヤコ先生の男前ッぷりにはほれぼれする。
売れっ子マンガ家の地位をずっとキープし続けているのも、芯に強い物を持っているからこそ。
貢藤も安心して身も心もゆだねて甘えちゃえばいいんだよ。
時系列的には「恋愛前夜」と「おやすみなさい、また明日」の間の話。
ヤコ先生が「いとうつぐみとコラボしたい」といいだして、一応企画が通った段階。
「おやすみ~」の舞台の荒野荘がちょっとだけ登場。
たまたま、2015年に手元にあった小説Chara vol.31をパラパラと流し読み、何気なく読んだ番外短編「まだまだ結婚前夜」(これが凪良ゆうさんの初読みでした)に大爆笑。財布ひっつかんで書店に猛ダッシュし、本編を購入。貪るように笑いながら読んだのが、本書「求愛前夜」です。
この当時は、「求愛前夜」が、「恋愛前夜」のスピンオフで、かつ「おやすみなさい、また明日」にリンクする作品だとは知りませんでした。「恋愛前夜」もすぐ読もうと思ったのですが、「恋愛前夜」のレビューを拝読するに、ヤコ先生の評判があまりよろしくありません。頭の中が「ヤコ先生大好きー」になってしまっていた私は、悲しい思いをするのはイヤだなあと、つい最近まで「恋愛前夜」を読んでいませんでした。(読んでも、ヤコ先生像は変わりませんでした。安堵安堵。)
<ここからネタバレも含みます>
少女漫画界のレジェンド・小嶺ヤコ(本名・山田貞行)は、かわいいものと胸キュンで生きている、オネェである。デビュー以来17年間ヒット作を発表し続け、7回生まれ変わっても遊んで暮らせる資産もある。キュンのためならば生活全般こよなく我がままだが、創作に妥協はしない。
ある日、突然の担当編集者交代に知らせがきた。打ち合わせのオッシャレーなカフェに現れた新担当・貢藤利里は、ヤクザの若頭と見紛う強面で、背後にカケアミを背負わんばかりの凄みのきいた凶悪なオーラを放ってやって来た。
思わず言った、「やだ、怖い」…………
全体的に大変おもしろいコメディだと思います。
なによりおもしろいのは、作品中にこれでもかと散りばめられている、王道少女漫画のセオリーです。2014年当時に流行りまくった「壁ドン」はもちろんのこと、「顎クイ」(当時はまだそういう名前が付いていなかったけれど。凪良さん、さすが、ツボを抑えてますね。)も出て参りました。
さて、うっかりそういうシチュになってしまうと、少女漫画界のレジェンドと、実は血液に少女漫画と乙女が流れている編集者の二人は、「ここの王道展開は外してはいけない」と少女漫画的脊髄反射が起こすのです。はてさて、少女漫画のセオリーを現実世界に持ち込もうとすると……、外してしまったり、意外やジャストミートだったり……
喜劇悲劇をくり返し、「おい、おい、やっとまとまったぞ!」感のあるヤコ先生と貢藤の恋。
その一方で、横糸に描かれるのは、ヤコ先生の少女漫画家の、貢藤の編集者の、プロの姿勢です。どっちが上か下かはさておき、二人とも「お仕事するプロとして、オットコ前だなあ!」と思います。
ここで、望みは、二つ。
ヤコ先生と、いとうつぐみ(リンクしている作品「おやすみなさい、また明日」)のコラボが、どのような結実を迎えたのか、ものすごーく知りたいですねえ。
それから、私が凪良ゆう作品を読むきっかけとなった番外編「まだまだ結婚前夜」が、どこかに収録されないかしら? これ、本当におもしろいのです。
普段はダメダメで変人ぽいのに何かやらせたら高スペックという設定に弱い私。
今回のヤコ先生は、まさしくその路線でした。
前作の「恋愛前夜」では幼馴染二人の間に入って引っかき回す、残念なオネエのアテ馬だったヤコ先生。最後の引き際で大人な面を一瞬見せたけど、ウザさ100%で好きにはなれなかったので、今作もあのテンションで乙女なヤコ先生にカッコいい包容力のある王子様が現れる感じの話だったら、ちょっとな~と思いつつ、手に取ってみたのです、が!
そこには予想を完全に超えた「男」なヤコ先生がいました!
表向きは相変わらずの残念オネエなのですが、実は仕事には妥協せず、落ち込んだ時も人に頼らず自分でリセットする方法を知っていて、甘えるヤツにははっきり物を言い、何だかんだ言いながら面倒見がよくて、情に厚い。包容力があるのはヤコ先生だった!!という感じです。
相手の貢藤も、見た目はヤクザの若頭コース一直線なのに、中身は純真で真面目。恋愛にオクテでウブな反応をするので、ヤコ先生の隠れた男心とドS心を刺激して、ヤコ先生、どんどん男全開になっていきます。
と言っても柔らかい雰囲気はそのまま。そこが凪良先生のうまいところ。
前作でナツメが「トキオが付き合った理由が分かる」と言っていたのが納得できるのです。
貢藤にひどい事を言う初恋の男をスマートにやりこめ、その後のフォローも思いやりがあり、ホントにヤコ先生、男前!
会話もテンポよく進み、懐かしい小ネタも挟みつつ(若い人には分からないかも…)、ライトな感じに読み進められます。
貢藤がヤコ先生を「オネエの皮をかぶったセクハラ親爺」と思っているのに大爆笑です。
トキオに恋愛相談したり、つぐみとのコラボの話が出てきたりと、既刊ファンに嬉しいエピソードもあります。
そして最後の最後のHシーンの微Sなヤコ先生の攻めっぷりときたら!!
前作と今回の表紙からは想像できないヤコ先生がいて、楽しめました。
「恋愛前夜」では私的に本当に目障りだったヤコ先生。
「おやすみなさい、また明日」では、男前の片鱗を見せていたヤコ先生。
そしてこの作品。
ヤコ先生の想像を超える男前っぷりに、度胆を抜かれるやら感動するやら!!
目障りなんて言って申し訳ございませんでした>_<
まさにヤコ王子でしたね!
こりゃ貢藤じゃなくてもキュンキュンしますわ(笑)
貢藤のピンチをいとも簡単にスマートに解決する様は、王子というよりもデキる男そのもので、ヤコ先生スペック高すぎでしょ!
いやぁ、私もこんな男が目の前にいたら惚れちまうよ(笑)
でも私、貢藤のキャラもすごく気に入っております☆
強面ヤクザ顔なのに恋愛漫画が大好きなオトメンなんて、その存在がとにかく可愛い!
読み進めている間にも、なんて可愛い生き物なんだ!と何度もキュンとしました☆
見た目とのギャップに悩んで、恋愛にも消極的な貢藤。
誰よりも可愛く愛らしくありたいのに、陰でヤクザとあだ名をつけられるような風貌を悩み、いろんなことを諦めてきた貢藤。
ヤコ先生への気持ちに気づきながらも一歩踏み出せない貢藤が切ないやらいじらしいやら、早く素直になりなさいよーと地団太を踏む思いでした。
でもそんな貢藤の頑なな心を、ヤコ先生は少しずつ解していきます。
貢藤のコンプレックスも全て受け入れた上で、貢藤の乙女心をキュンキュンさせる演出の数々は、まさに恋愛漫画のカリスマ:ヤコ先生の本領発揮ですよ!!
完全に男!貞行が呼び起されてしまった感じでしたね(笑)
いやぁ、ここまでキュンキュンさせられるとは読み始めた時は思ってなかったです☆
笑えて、泣けて、すごく楽しんで読めました♪
凪良さんがノリノリで書かれている様子が目に浮かぶようでした(笑)
「恋愛前夜」では正直好きになれなかったオネエキャラの当て馬、ヤコ先生。
「恋愛前夜」を読む前からそのスピンオフがあることは分かっていたものの、正直「恋愛前夜」を読んでいる最中は全く興味が湧きませんでした・・・
だって、このヤコ先生のスピンオフなんて・・・。オネエキャラのBLはちょっとなぁ・・・という感じで敬遠していました。
ところが、「恋愛前夜」を読み終えた後に、ヤコ先生に興味、というよりも恋愛前夜カップルが登場するのが見てみたい・・・という気持ちになり、ちるちるでレビューをちら見したところ、なんだかとても評判良さげなうえに、まさかのヤコ先生攻め!?・・・という事態に気が付き、これは是非とも読みたい!!!となったわけです。
結果的に読んで本当に良かったです!!!!
食わず嫌いしなくて本当に良かったぁ~!!!!
ヤコ先生、素敵すぎる!!!惚れました!!!格好良い!!!
これはかなり嬉しい誤算でした。
それに、ヤコ先生が描いている漫画ってこんな感じなのだろうな~っていうぐらい超王道のラブストーリーになっていて、しかも王道胸キュンラブストーリーのエッセンスが、強面(見た目)男前、でも心は超乙女な受け様と、オネエ(心は男前!!!でも可愛いものは好き)な攻め様との関係にうまく活かされていて、とってもとっても面白かったし、ひたすら胸キュンな物語になっていました。
さすが乙女心を掴み続けているヤコ先生なだけあって、トキメキ胸キュンポイントの押さえ方が完璧!!
乙女心がしっかり分かっているけれども、男前にガンガン攻めくれるという!!女心も分かって、しかも仕事もできて、お金もあって、最高に素敵で乙女的には理想的な人。
理想的だけど、どこかすごくリアリティーが感じられて、読んでいておとぎ話すぎなくて、そういう点も良かったです。
口絵2ページ目の、キス絵のヤコ先生の表情がドキドキするぐらい格好良かったです。
ひたすらヤコ先生の格好良さにキュンキュン!!!!!!な一冊でした。
そして、何度も読み返したいと思う一冊でもありました。
最初から最後まで愉しく読ませていただきました。
前作よりも、こちらの方が私は好みです。テンションあがりっぱなしで睡眠時間を削って読みふけってしまいました。
重苦しい場面は一つもなく、暗くなりそうな所もちょいちょい入るネタで笑いに変わり、気持ち良く読み終わることができました。
胸きゅん率の高いこと!高いこと!!
少女マンガの王道は腐女子な私にも有効だったということでしょう。
あぁ、王道あっぱれ!!
もうね、前作恋愛前夜を読んだ時は、ヤコ先生どっかいけーーー!と思ってたわけです。
すれ違いの中、現れる第三者は見ていてつらいので。
それでも憎めない、良い人、ヤコ先生…くらいの印象だったのですが。
このスピンオフはやばい!
登場人物のイメージ真逆にひっくり返された!
ヤコ先生めちゃくちゃかっこいいじゃないか!!
王道ラブストーリーと絡めながら展開していくんだけど、おもしろおかしく、ちょっとせつなく、ヤコ先生の男メーターが振り切れちゃって、もう色々ビックリ!
この巻だけでも面白いけど、ぜひ前作からのギャップをお楽しみください!!
まさかの貞行攻めだった…!展開がコミカルで面白かったなぁ。前作は切なさに振り切ってたので楽しくて良かった。貢藤が少女漫画好きで顔のせいで嫌な目にあったこともぜーんぶひっくるめて救われてて好きだったな。おやすみなさい、また明日と繋がってる物語なのね。
「恋愛前夜」のスピンオフ作品。
男運の悪いヤコ先生にとって貴重なまとも彼氏だったトキオとの別れは、どうしようもないとは思いつつ胸に刺さるものがありました。
だからこそ、ヤコ先生が幸せになってくれるスピンオフ作品の発表は嬉しかったです。
売れっ子作家で居続けることの苦労と覚悟、そのためのおやつのような恋愛。
男運が悪いのは面白い漫画を描き続けるためのネタ集めとしてだったのは意外でした!
そんなヤコ先生の臨時編集担当としてやってくるのが見た目はやくざ並みの強面、貢藤。
可愛いもの好きのヤコ先生はその見た目や雰囲気を完全に嫌がって担当を変えて!と貢藤から逃げ出してしまいます。
しかし、貢藤は見た目とは正反対に少女漫画大好きの中身が超!乙女男子だったのです。
そんな貢藤の可愛い一面を知っていけばいくほどヤコ先生は貢藤の事が好きになり、積極的に口説いていきます。
ヤコ先生のカッコイイセリフや中身にまるで少女漫画みたいな展開・・・!とドキドキする貢藤に何度も胸キュンさせてもらいました。
そんな2人だから恋もスムーズに進んでいくのかなと思っていたら、夢見る貢藤のタイプはなんとスーツの似合う爽やかスポーツマンタイプ。そっか、夢見る乙女はまずそういう男子に夢を見るよね・・・!と意外などんでん返しに吹きだしてしまいました。
本気のヤコ先生は、そんな乙女貢藤にもめげることなくヤコ先生らしくぶつかっていくところが男らしかったです。普段は子供っぽく甘えたりわがままを言ったりするけど、ヤコ先生が自分らしく生きていくため色々なことを乗り越えてきた強さや大人な部分ももっていること、その両面が素敵でした。
これまで自分の抱えるギャップに悩み、恋愛を諦めてきた貢藤のうぶさや恋愛に後ろ向きな気持ちも大切にしながら貢藤を喜ばせる演出を頑張るヤコ先生とそんなヤコ先生にキュンキュンしている貢藤の2人は見ていて微笑ましかったです。
王道少女漫画家としてトップを走り続けるヤコ先生が持つ、恋愛テクニックを一番発揮できる相手が夢見る乙女の貢藤なんじゃないかと思うとほんとうにベストカップルだなぁと思います。
コミカルだけど、ちょっと切ない、そんな2人の恋愛模様が楽しめる作品でした。
トキオやナツメも一緒に、その後の話も読んでみたいです~!
前作は、ヤコ先生の恋のライバル・ツグミが主人公で、ヤコ先生と攻めが出逢う前からカプが固く出来上がっていたから、ヤコ先生は最初からフラレ役でした。
主を喰う強いキャラの良い人がフラレ役なので、ヤコ先生に割いた分、主カプの感情説明が一部不足気味に思えて、自分の中の凪良作品ランクはそう高くなかったです。
本作は、そのヤコ先生がしっかり主人公です。
合わせた貢藤もしっかり強い個性で、ホッと安心。
なんたって貢藤、ヤクザの外見に心も体も蕾と、ステキなギャップ持ちなのですよ。
(これが年季入ったトラウマだから、その蕾は堅いのです)
ヤコ先生の貞行は前作に続き、駄々っ子で生活不全なオネエです。
でも、仕事や恋人や仲間に真摯に向き合っています。
そんな貞行も、大人気マンガ家ながら仕事や人生に悩む事も多々あるから、
「怖いから嫌」な面構えの貢藤の、生真面目さや初心さ、ヤコ作品への想い等々を知る度に、あばたもエクボが加速していくと。
少女マンガの愛されテクニックを駆使して、女子がされると喜ぶアレやコレを、する貞行とされる貢藤♪
これを、三十路超えがやってるから、ニマニマしてしまうのですw
「にやけたキテ○ちゃんにバックを取られたデビ○マン(頬染め)」が思い浮かんきましたw
コメディタッチで大人可愛い本作、思った通りに楽しめたものの、思ったこと1つ。
凪良先生の作品に、いつもいくつも見つけては感激する表現、この話にはそれが薄かった感があります。
気持ちも行動も忙しいヤコ先生だから、止めてモノローグとか必要ないのかも知れないですね。