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no more bet
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
NO MORE BED? NO MORE PET? イヤイヤ、NO MORE BETだ。
タイトルから知れるように、カジノを舞台にした本作品は、
どうなるんだろう!え?こうきたか!といった面白さだった。
叙情的と言われる一穂作品だが、今までも実はあちこちに
このようなちょっとトリッキーで洒脱なモチーフが散りばめられていたが、
それがここに来て全開という感じ、面白かった〜!
時は現在、東京に設立された半官半民のカジノが舞台、
そこに勤めるディーラーの一哉と、都から出向している逸(いつる)は、
10歳から兄弟として育った同い年の従兄弟同士だ。
竹芝からフェリーで20分、埋め立て地の人工島に造られた
カジノを含むありとあらゆる遊興施設が揃ったリゾートアイランド。
読みながら、一瞬自分がニュースを見落としていただけで
いつの間にか本当にこんな施設がオープンしていたかのような気分になる
絶妙の「うそ」のつき方……
今までの一穂作品は、まるで本当に隣りで起こっているかのような日常の中の
一歩内側で起こるドラマを描いていたと思う。
でも、今回は仕掛けからして派手で大掛かり!
合コンで職業は公務員と名乗っているところから始まる話に
最初は今ひとつ乗れなかったが、
華やかなカジノリゾート島で物語が動き出した途中から、
目が離せない感じで一気に読んでしまった。
逸の父は、その世界では知られたギャンブラーで
世界を股にかけて……と言えば格好いいが、家族を放って世界中を回っている男。
そんな彼に傾倒し、高校卒業後一緒に世界を巡っていた一哉と、
そんな父に残され、その上一哉をも連れていった父に反発する逸。
少年の面影が残る、でも大人の二人。
正反対の性格のようでいて、いざという時の胸のすくような思い切りの良さは
さすが同じ血と思わせる、主人公二人の造形がいい。
この二人、LOVE的には義兄弟という美味しい設定ではあるものの
離れていた時間に素直になれなくなっちゃっているだけで
話の最初からお互いが好きだった(自覚の程度は二人に差があれど)前提で
これと言って心揺さぶるような展開ではない。
本作はテンポのいい会話や、個性的な脇役(藤堂さんやあっさん!)も面白いが、
何と言っても、ポーカーの勝負を通じて彼らの気持ちが表現されている様が
スリリングで秀逸。
最後のオチの付け方も、ニヤッとする楽しさ♪
書き下ろしの『LET IT RIDE 』は、半年後の一哉と逸。
香住さん(母親)とともに、丁度父親が滞在中のマカオへ見学&観光に向かう。
ここで起きる一波乱もまたハラハラドキドキ、盛り上がっています。
すっかりまとまった二人の旅先Hもまた、なかなかエロく盛り上がっておりますw
そして、うーん、この両親がまたいいキャラ!
繊細な心理描写、味のある会話や蘊蓄のある表現は、いつもの一穂節が健在だが
切なさというのはあまりない、エンターテイメント性の高い本作。
そういう意味では私の「萌え」ツボとは少々違うのだけれど、
あんまりに面白く、後味爽快だったので、やっぱり「神」つけちゃいます!
ああ、マカオかラスベガスに行きたくなっちゃった♪
気分は一穂さんにstraight-bet!
※出版社特製書き下ろしペーパーが、本編の最後から直後の話なのだが、
ちょっと切なく、ほっこりキュンとしてとてもいい。
もしこれから入手される方は、是非ペーパーつきを!
カジノというお話し上、どうしてもちゅうちょしてしまう方がいるのはわかります!自分もそうでした。
正直一回目に読んだ時にはそのカジノという世界観に、へぇ、そーなんだぁ〜とのりきれなかった感は否めません。
が、しかし!
周りの設定がどーであれ、これは一穂さんの幼馴染もの?義兄弟もの?ですよ!
そんなベタな⁉︎王道な‼︎
なエピソードもあったりしてにやにやものです!
二宮さんの絵もたまりません!!ちょっと口の端をあげて笑う感じなんて、もうどうしてくれようかと思います!(笑)
カジノだしちょっとした近未来だしギャンブラーってなんなのって感じかもしれないけど、逆にそんな設定でも読ませてくれるのが一穂作品。
もしかしたら一回目読んで乗り切れなくても、徐々にボディブローのように効いてきます!
個人的に私は賭け事が大嫌いなのですがw
いやー、なんかダメ人間ってイメージしかないんですよ、
正直なところ!!
しかし、こちらを読んで、儲けたいだけのバクチじゃない、
勝負を楽しむものなんだ…とちょっと見直す気持ちになれました。
(って偉そうだな!!;)
真面目で地に足がついた仕事と生活を望んでいた逸と真逆の一哉。
二人は従兄弟にして戸籍上は兄弟。
逸の、ギャンブラーである父の妹の息子が一哉なのです。
諸事情により引き取られたそのシーンから
父が一般的な常識では考えられない大胆な言動で
「…うっわ…自分の父親だったら……」と思いましたが
型にはまらない鷹揚さと懐の深さで
一哉が救われた事も逸の唯一無二の存在になった所以も
父ならではだったんだなぁとしみじみ思いました。
ギャンブラーの父に懐いて、一緒に飛び回った事もある一哉に
羨ましさもある逸の複雑な想いがとてもわかりました。
実の息子より一哉を愛しているんじゃないのか?
自分の大事な一哉を日本外に連れて行ってしまった父への憎しみと共に
母の、文句も言わずあっけらかんとしている姿が健気で…。
母の香住さんはいい女でした…が、私では絶対無理だなって思いましたw
“亭主元気で留守がいい”っていうのは、
いつも側にいるから言える事であって、
文句も言えない、ケンカも出来ない距離だったら
信じていても愛していても寂しいんじゃないかって思うんです。
でも後半若干、素直な胸のうちを息子二人に明かしてましたが…可愛いな。
女として尊敬します!!w
さてさて、肝心なBL部分ですけれど、
私は真面目受けが好きなので、大層楽しませていただきました!!
逸を口説き落そうとする藤堂(後にその正体が明らかに…w)との
会話の応酬に「…ふふっ」となり、
二人でいたところを目撃し、逸に嘘をつかれ激昂する一哉とかカッコ良かった!!!
頭の回転が速くないとディーラーもデキる広報もやれないでしょうけれど
やっぱりミチさんのセンスってすごいなぁ…と思わされました!
言葉遊び的なところとか、職人!?みたいなw
一哉の、プライベートでは汚部屋風(?w)だったり
適当そう?って部分があるのに
ディーラーとしてはピカイチなギャップ、たまりませんでした!
(作中に出て来た架空のDVD、
先輩の芦原が言った[痴漢車トーマス]に思わずふきましたよww)
そうそう、芦原が一哉と逸、両人のかなりいいアシストをしてくれて
こういうポジションも手堅いなぁ…とぞくぞくでした。
交わりでは、これでもかとエロい逸を読ませていただいて、もう…!!
普段乱れなさそうなタイプが…って、これはもう御馳走ですよ!!
更にそれを二宮悦巳さんの挿絵で拝める幸せときたら!!!!!
一哉にのって、逸が背中を弓なりに反らせて感じるシーンは…
穴があくほど見つめてしまいましたw
一哉のたまらなそうな表情もまた……くぁー!!
あとがきでミチさんも二宮さんの魅力について語っていらっしゃいましたが
「口の端をきゅっと上げて、
ちょっと悪い感じに笑う時の表情が特に好きで好きで、」
わかります────!!!
眼福でした!ありがとうございます!!
大勝負のクライマックスシーンでは
私は頭が悪いのでピンとこられなかったのですが
ここを楽しめたら相当面白いはずです!!
“絶対負けたくない勝負に勝ちたい時は、全部を賭けること”
逸の父の言葉が沁みます。
でも、勝ち負けじゃない時も人生にはあります。
そもそも、勝負がつかない事柄も多いです。
それでも私たちは生きている限り選び続ける。
勝つ事を信じて。自分を信じて。愛する人を信じて。
人生の勝敗を決めるのはきっと自分自身だと思います。
一哉と逸は、お互いを好きになって想いを告げあって大勝ですね!!w
これからも小さいケンカなんかしながらもお幸せに…♪
初めてのちるちるでのレビューがこの作品、だってかなりの高評価、
これが気にならない訳がないじゃないですか。
BL作品でも東京カジノを題材にした架空の作品を多く見かけるが、
この作品もそんな一つで、実際オリンピックに向けて再度考察されている懸案、
実際に出来たらこうなるかもと想像を膨らましてくれる作品で面白い。
そんなカジノで起こるひとつの恋、それもいとこ同士で片方は都の公務員で
もう一人は都で運営するカジノのディーラー。
時代を先読みしたような題材で心惹かれますしギャンブル未経験でもドキドキハラハラ、
一世一代の恋をモノにするための大勝負に胸躍る展開、高評価を納得。
普通におもしろかったです。
日本初の公営カジノが舞台というこで、ポーカーのゲームのルールとか延々説明されて、その辺はふうんって読み飛ばしたりはしましたが、
広義の義兄弟物としては、それなりにおもしろかったと思います。
ただし、これって、一穂さんの本なんですよねぇ、、、
なんというか、、
そんなこと、すっかり忘れて読んじゃいましたけど、
作品の舞台といい、登場キャラといい、文体というか語り口も、挿絵が二宮先生なのも、まあ、とりあえず、全体の雰囲気が「一穂ミチ」の作品のイメージからは予想外な感じといいますか、、
あまりイメージが固定化しすぎるのはよくないとか、作風の幅を広げようとか、色々あるんだろうなとは思うのですが、
せっかく魅力的な脇キャラが出てきた割には、逸と一哉のまとまり方が結構ザックリだし
ともあれ、ちょっとパラレル入った娯楽作品としては、カジノ勝負ののドキドキハラハラや、お色気シーンもしっかりサービスされているし、充分おもしろい。
けれど、「一穂ミチ」の新刊としては予想外な物に出くわした感じで戸惑う、って感じでしょうか。
二宮さん、お忙しいんでしょうか・・・もっ、もっっとイラスト欲しかったー!これはあんまりじゃないですか?せめてもう2カットぐらいあってもいいと思う。 さて、感想ですが、まだこれから日本にできるかもしれないカジノという、近いようで遠い設定に、いまいちピンとこないままでした。幼馴染のような兄弟のような、というのも私には鬼門なんだけど、一哉のキャラが立っていたのがよかったです。しかしほんとにこの産業、日本で受け入れられる日が来るのかなあという懸念でいっぱいになったのも、読んでよかったところかな。
なんといっても色使いと表紙がひたすらに可愛い。
ディアプラスさんの表紙はどれも好きですが二宮さんの挿絵が最近すごく好き。
作品と合わせてオイシイ1冊でございますヽ(*´∀`*)ノ
お話し。
血のつながらない兄弟。
ギャンブラーで海外からほとんど帰ってこない父が突然連れてきた少年。
家族になり年月が経ち、弟は父と同じように海外に行くことが多くなり
心の距離が離れてしまった。
そんな弟が日本で定職につき、同じ職場で働くことになった
ところから~のお話し。
素直になれずすれ違ってた。
好きな気持をなんとかするために現実的に距離をとってみた。
なんだかんだ長かったんだなと読み終えると思う。
その分思い通じての初めてが即物的で萌えた。
正直ハジメテが風呂場ってどーなのよw
そう思っていたのだけれど”ようやく”という部分があるのであれば
そういったガツンガツンも悪くないのかもと読みおえて思った。
普段はどっちかっていうとそっけない風な兄が
もっと求めても良い。
毎日でもいい。
そんな風に甘えたセリフがツボでした。
ポーカーのルールを丁寧に映画いていただいているなというのも印象。
サラッと飛ばし読みしてしまったのをお詫びしたい(苦笑
同じ年の一哉と逸は従兄弟同士、一哉の両親が亡くなり、逸の親元に引き取られた場面は、泣けた。
逸の父親のチョーのんきな性格には笑わせてもらいました。
子供みたいで可愛らしいお父さん。
周りの登場人物も一癖あるけど悪い人は居なくて、安心安心。
ポーカーの説明はゲーム自体知らないとこんがらがってしまいますが、理解しなくても楽しく読めます。
でも、知っていればもっと、熱く読めたかな?
いや、知らなくても十分手に汗握りましたが。
一哉と逸、初恋なんだろうなぁ。
性格は真逆のようでも、一緒に居て違和感無くて、微笑ましかった。
ポーカー、やってみたくなるなぁ。
【一穂作品】×【カジノ】って意外な組み合わせだけど
きっと持ち前の、理知的でウィットに富んだ作風が
いかんなく発揮されているんだろうな~~と期待して手に取りました。
結果……うーーーーん
カジノの楽しさは伝わってきたけど、観光客目線というか…。
心情描写もアッサリめで、どこまでもポップな印象。
悪くはないけど、ちょっと物足りなかったです。
まずBLとしては、
「昔から一緒にいるうちに自然と両思い」パターンなのですが
本書はその「昔から~」のエピが少ない上、
ラブより家族の絆を描いたものが多くて・・・
「両想い?なんで?どこらへんから?」って感じで
ちょーーーっと脳内補完が難しかったです;
ホームドラマとしては、良かったと思います。
ギャンブラーとして世界を飛び回る父と、母との絆。
(このお母さんの、意外とぶっ飛んだキャラが非常に良かったマカオ編☆)
逸(受)の、父と一哉(攻・義弟)への、反発心と憧れ。
真剣勝負に挑んだことで、
自分の中にある賭博師の血を受け入れ、家族と和解――
BL展開がなくても(実際にはありますが)成立しそうな、良い話です。
もっとも、BLとして多少薄くても、
読み物として(ギャンブル物として)面白ければ、
もっと評価を上げていたと思います。
しかし、肝心の「大勝負」シーンの迫力が…。
読者への配慮か、ルールや手札の説明が丁寧すぎて、リズムが宜しくないです;
面白いギャンブル物って、たとえルールをよく知らなくても
高度な心理戦のスリルや緊迫感、描写の迫力などで
グイグイ読ませるものが多い(と思う)のですが、
本書は、誠実な作風故か、そのへん今一つだったかなーと。
また、何度か出てくる「大勝負」ですが
蓋を開けてみればどれも身内同士の戯れで、世間が狭い。
せっかく面白い舞台設定なのだから、
もっと外部の人間との交流や、公営カジノの問題点など
話を膨らませてほしかったかな~~と。
一穂先生が、ポーカーのシーンなど
非常に楽しんで書かれたであろうことは伝わってきますが、
着地点が「義兄弟同士の恋愛」とか「家族愛」とか
内輪なテーマなこともあり、
別にこの設定でなくても…と感じてしまいました。
色々とネガなことを書きましたが、評価は「萌」です。
ちょっと散漫な印象も受けましたが、
楽しいカード勝負あり、一穂作品らしい軽妙な会話あり、
心温まるホームドラマもあり…でサラッと読むには良い作品だと思います。
ギャンブル、カジノを背景に描いた作品でラブ要素に家族愛とギャンブルの
興奮と緊張が感じられるストーリーになっていたと思います。
個人的にはカジノやギャンブル全般に興味も理解も無い保守的な私ですが
ゲームのルールを知らなくても以外に楽しめる内容になっていました。
しかしながらこの作品に萌を感じるかと言われると少々難しく感じますね。
日本の架空のカジノを背景にしているので、イマイチピンとこないのもありますし、
ギャンブルが好きじゃないと言うのもあるので作品にのめり込むことが
やっぱり出来ない、子供心を忘れていない男達が出てきますが、
この自由な感じのポーカーをこよなく愛する男たちの気持ちがわからないと
共感はなかなか持てないかも知れません。