高遠琉加が贈る大人気ミステリーシリーズ、待望の完結巻! !

ラブレター 神様も知らない(3)

love letter kamisama mo shiranai

ラブレター 神様も知らない(3)
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神69
  • 萌×210
  • 萌5
  • 中立3
  • しゅみじゃない7

--

レビュー数
23
得点
403
評価数
94
平均
4.4 / 5
神率
73.4%
著者
高遠琉加 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
高階佑 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
シリーズ
神様も知らない
発売日
価格
¥630(税抜)  
ISBN
9784199007316

あらすじ

美貌の青年社長・佐季(さき)の周囲で起きた数々の不審死──。13年前から幼い佐季が重ねた犯罪が、徐々に明るみになり始める。そんな佐季と強い絆で結ばれつつ、人目を忍び隠れた共犯者として生きてきた司(つかさ)。けれど刑事の慧介(けいすけ)と共に青空の下を歩きたいと願う今、もう協力はできない…。永い執着と新しい愛の狭間で司の取った選択とは!? 罪を犯した青年と愛ゆえに追い詰める刑事との恋の終着点!!

闇夜に生きる男か、陽の似合う男の手を取るか…シリーズ完結‼︎

表題作ラブレター 神様も知らない(3)

加納慧介,28歳,刑事部捜査第一課刑事
音澤司,26歳,花屋(ガーデナー)

同時収録作品ラブレター 神様も知らない(3)

時永佐季,26歳,モデル事務所社長
音澤司,26歳,花屋(ガーデナー)

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数23

神様も知らない彼らの

13年。まだ幼さが残っていた彼らが大人になるまで。
それはあまりにも長い月日だったことでしょう。
夢中になって読んだ神様も知らないシリーズの完結巻。
読み始めて数日経ちますが、読み始める前まではこんなにも惹き込まれ、感情を乱され、胸が締め付けられる想いでいっぱいになる作品だとは思いもしませんでした。
胸がざわつき、ぽっかりと気が抜けてしまいました。
全てを読み終えて初めて分かるタイトルの深さにもため息が出ます。
読後の余韻がすごく、まだ物語から抜け出せないままこのレビューを書いています。
本当に素晴らしい作品でした。読めて良かったです。

どうか、どうか暴かないでほしい。
そんな気持ちになりながら読み進めるも、当たり前に登場人物たちへは声が届くはずもなく、1,2巻で張り巡らされていた点と点が無情にも繋がっていく。
正直なことを言うと、物語の展開の面白さには夢中になりながらも、なぜか登場人物たちの誰の幸せも願わないまま読んでいたのです。
幸福という言葉を使うには少々難しい、複雑な関係と過去を描いた作品だと感じたからなのかもしれません。
けれど、作中のとある1シーンには光や幸せ、救いに似たものを感じて安堵した自分がいました。
おそらく少数派だと思います。どこがどうとは内容に触れてしまうので書けませんが、非常に印象的なシーンのひとつでした。

この結末が良かったと思う方も、もっと違うものがあっても良かったのではと思う方もきっといることでしょう。
ただ、私にはこの作品がとても美しいものだと思えて仕方がないのです。
静かな月夜と共に何度も読み返したくなる素晴らしい作品でした。
これから読まれる方は3冊一気にぜひ。

0

なんだか空しい

刑事は犬のように犯人を追い詰める。
でも流が仕掛けた煽りは、麻薬中毒者を最悪な暴走に追い立ててしまう。
追い詰められて、ついに糸が切れるように壊れて、みんな血を流す。

「早く捕まえてやれば、救えたんだろうか?」
それより、最初の罪を犯す前に、佐希を施設に保護していたら、
犯罪に手を染めずに、済んだんじゃないかと思う。

喫茶店の叔母さんが、ネグレクトに気付いていたなら、佐希を保護してやれば良かったのに。
小説を面白くするためとは言え、ネジくれている。

佐希の最期のメッセージは、佐希の精一杯の本心だったんだと思う。
あれを、遺された司が、ジューンベリーを見る都度に思いだすだろうと思うと切ない。
生涯独りで、胸に抱えていくのかと思うと、
生き残るっていうのは、想いを抱えながら死を待つ残酷な罰のようだと思った。

0

切ないけどこれしかないか

三巻通してですが、最後はこうなるしかない、こうなるのがせめてもの救い、なんでしょうね。
攻めと受けのストーリーと思えばこれが一番良い形だったんだろうな。

司の選択というか生き方は、実際その立場だとそうなる人もいるよねって思う。流の無念さは計り知れないけど、あの時…という気持ちをそれぞれが持っていて、一つでも変わっていたら、違う選択をしていたらもっと違う未来があったのかも知れない。
でも、もう後は慧介と司が離れず、お互いを深く知ってまるごと受け止め合って幸せになって欲しい。


事件や話の流れは白夜行に似ているってのは同じように思いました。が、それに目をつぶれば、最後は慧介によって救われる話でもある(と、私は思った)ので、こちらの方が良かったかな。
ドラマ化とか出来んじゃないかと思いました。
咲希役が難しそうだけど。

0

ラスト部分は平日に読まない方が賢明です

巻を進めるごとに惹きこまれていった「神様も知らない」シリーズの最終巻。長編シリーズのフィナーレを飾るのにふさわしく、非常に読み応えがありました。事件の背景や真相に深い人間ドラマがあり、胸がえぐられました。登場人物を通して、魔が刺したり、迷ったり、人間の脆さや業の深さを存分に感じさせられる作品でした。
タイトルも反則ですよ!くれぐれも平日は読まないで下さい。翌日目がひどい事にww



 長く続いたシリーズを読み終わり、BL版「砂の器」と思っていると、BL版「○夜行」という意見も多いようですね…。そちらの方は一時ブームになっていましたが、奇をてらう展開が次々と出てくるのが苦手で途中で挫折しました。オリジナリティに欠ける側面はあるかもしれませんが、「神様も知らない」は無理のない展開だったので入りやすかったですし、心理描写もじっくりと描かれていて、完成度は高い作品です。

司と佐季の特殊な○○関係の描かれ方が通常の恋愛関係に比べて効果的で、退廃的な美しさもあり印象に残りました。司の変わらずひたむきな愛に心が打たれます。心のボタンが掛け違えていく過程も哀しかった。
 司が自分の事を佐季を唆した蛇と言いますが、きっかけはそうであり、確かに司でなければ、二人の関係はこんなに長く続く事もなく、とっくに破綻していただろうし、ここまで二人が罪を重ねる事になってたのか…という部分もあります。二人の出会いが悪く作用していた面もあるのが辛い。世知辛い世の中を生きていくためには陰と陽、対極のタイプの人が一緒になるのが望ましいんだろうな。
 それでも陰のある人って魅力的だなー。関わる事によって破滅を導くとしても…。最後まで司のように佐季に肩入れしてしまう読者も多いでしょう。まさしく私だww

  読み終わってからも流警部の捜査のやり方や、もう少し早く佐季を解放して欲しかったと悶々としました。結末での佐季は反則だよ…。司の心の半分は一生持っていかれるよね。側で司を支える慧介は生い立ちといい、過酷な使命を負わされてるなー。おくびにも出さずに生きれる強さを彼は持っているだろうけれど。
 来世で司の木に佐季が寄ってきたとしても、違う選択をして、楽園を追放されずにすむといいな。。

 子供は親を選べず、生まれた場所や育った環境でその後の人生まで左右される現実があります。佐季が犯した罪は決して許される事でないですが、人が人を裁く難しさを感じます。あのままあの父といて、佐季の人生はどうなっていたか…。綺麗事で済まされない現実があるなーと考えさせられました。事件の捜査以外で佐季に関わらなかった流警部に問いたかった。陪審院裁判が行われば、佐季は人々の心を惑わせていたかも…。

1

約束は佐季とだけ。さよならは聞かない

「神様も知らない」完結巻。
つまり、佐季と司2人の秘密が暴かれ、追い詰められる巻。

前作で現れた中根は司にまとわりつき、店のガラスや植木鉢などを壊す。
それを見て心配した慧介が中根を調べ、中根の母親が佐季の父親に殺された(事になっている)ことを知る。
遂に慧介が司と佐季の接点を見つけてしまう。
だが慧介はそれを流に話すことができない…
一方、佐季も中根が司にしている嫌がらせを知り、いつもの通り「排除」を考える。そして実行する。前のように。
だが中根は死なず、事件になるわけです。そして流がそれを知る。そして…
13才の少年2人が何をしたのか、その後どうやって生きてきたのか、その全てを悟る流。
この流が事件の糸口に気付いていくシーンは非常にスリリングです。
流は若き日のように佐季を狩ろうとはしていません。
なぜ気付かなかったのか。
なぜ救ってやれなかったのか。
そんな後悔と、今こそ暗い森の道から手を引いて日の光の中に連れて行ってやる、そんな心境で佐季と司を追っていきます。
さて、結末はもちろん破滅なのですが。
美しいクリスマスのゴージャスなイルミネーション、その中で起きる惨劇の視覚イメージは魅力的ですが、飯田は簡単に死に、佐季もまた、という展開はちょっと簡単すぎたかな…と感じてしまった。
佐季の最期は司ではなく流と共にあったことも意外でした。
事件の経緯としては、司が佐季に利用され洗脳され振り回された、と解釈されています。でも悲しくて神を求めた幼いあの日、佐季の燃える目に魅入られたのは確かに司の中に佐季に呼応する何かがあったからだと思うし、胸に同じ傷をつけ血を混ぜ合わせたその時、確かに2人は同じ血を持つ存在になったのだと思う。
事件が終わり佐季がいなくなった世界。佐季の書いたただ一通のラブレターの「さよなら」を読んだ時司の中の一部も砕け散り、それは慧介が何をしても元には戻らないのだと思う。
おそらく慧介は司を支え続け、司も慧介に応え、2人は長い時間を共にするのでしょう。それでも司は約束を拒み続けるだろうし夜はどこか遠い目をするのでしょう。


佐季と司の人生。追い詰めていくスリル感。慧介の純愛。全て非常に面白い。
ただ、やはりドラマチックの過剰を感じてしまう。
それは慧介の出生や、流が司法試験に受かっていることなど。
あと、あとがきはすぐに読まないほうがいいと思う。余韻が壊れます。

1

完結

これしかないよねって結末でした。ただバッドエンドではないと言えるのかは分かりません。









佐季は…助かって欲しかったけど、最終巻で明かされた義母の殺人に司を巻き込んだ事、また、司を使って新たな犯罪を企てた時点でもうダメだなって…。
司を手にかけるのを思いとどまってからの流との最期も、「もう時既に遅いよ」という感じで冷静に受け止めました。それでも最後の手紙には涙を禁じ得ませんでしたが。


ひとつ残念だったのが慧介の真っ直ぐなキャラクターが最終盤でブレた点。
司が共犯者と分かっていて佐季に会いに行かせる(逃がす)なんて、、ちょっとショックでした。何が起こりうるか想像力無いんだろうか?
しかもここに来て「自分の中の犯罪者の血がそうさせる」的な事言い出すとは思わなかったもんで、、慧介に幻滅しました。ここから私この本のメインは流だと考える事にしました^_^流は最後まで真っ当な良い刑事さんでした、キャラも良いし。


司は…生きて罪を償う事が出来て良かった。出所してもまだ三十路前!人生これからが長いんだから、精一杯生きていってほしいな!

0

神作すぎます。

何年か前の作品ですが、今初めて読みました。

私、なんで今までこんな神作を読んでいなかったのか。めっちゃくちゃ久しぶりにBL本でボロ泣きしてしまいました。

とにかく、ほんとに司と佐季幸せになれお願いとひたすら願いながら読んでいたのですが、この事件この2人絡んでるんじゃ...と思うシーンが多々ありすぎて。読者側の心臓がえぐられるのではと思うほどのドキドキハラハラ。緊迫感尋常じゃないです。濡れ場ですら私はハラハラしていました。

3巻の最後のシーンの、佐季の司への想いと、司へのあのあれ(ネタバレを今更避けようとしてます)....。最期に佐季が流のおかげで少し救わて、良かったです。泣かない人、多分いない....。この本のタイトル、そういう意味なのか、と知って号泣しました。読み終わった後に、他の本なんて読めない、この本の余韻に浸りたい...ってなります。余韻に浸りながら、また号泣です。
レビュー打ってる最中でも、登場人物の想いをいろいろ考えてたら、ガシャーンなって泣けます。

1

業深き彼らを救うため、修羅となる

全3巻。
シリーズタイトルである
「神様も知らない」は本当に深いタイトルだと思います。

こうならざるを得なかった。
ひとつの終末へ収束していく
遣る瀬なさ、悲しみ、切なさ、
そして相反する安堵。

止められない歯車のように意図せぬまま
奈落へ落ちていき、暗い道を歩き続ける
彼らの道が行き止まる時、
必然的に見える結末は涙を禁じ得なかったです。

そして、その運命に玩弄され
業を背負い続ける青年たちの悲劇を終わらせるため
愛故に追い詰める男たちの執念に
胸が詰まりました。

こんなに遠くまで来てしまった。
でも本当はどこへも行けていないのかもしれない。
青年たちは未だ幼子のまま、互いを唯一の標にして
真夜中の教会で震えている。

佐季と慧介は鏡映しの存在だったのかな。
自らの存在(血)に二方とも影が差していたけれど、
その根本を決定的に分けたのは
「はやく良くなりますように」と言ってくれるような
代償を求めない、無償の愛をくれる存在が最初からいたか...
だったのかもしれない。

ただ愛される子どもになりたかった。
佐季はその母性を司に求めたのが、
運命の悪戯により司はその存在にすがったのが
この複雑な愛の根源なのかなと思いました。

さまざまなメタファーも数多散りばめられており、
その意味に気付いた時、物語が匂いたつように哀しみを帯び
胸が掻き毟しられるようでした。
(楽園の蛇の喩え、
遺物を隠した上に咲くのはなぜ梔子なのか、
司はなぜ切り花を売らないのか、
伝言にバイブルポケットを用いていたのは...等)


願わくばふたりが生まれ変わったら、
次はどうか光の道を笑顔で当然のように歩く
子どもでありますように。

この作品に出会えて良かった。
何度も読み返したいです。

4

まだ読後の余韻が・・・

タイトルが秀逸。
ラブレター・・・まさにこれで号泣です。
久々に声をあげて泣きました。
家族がいたリビングで読んでたのでかなり我慢したのですが、勝手に喉から音が出るくらいw

全3巻、むしろBL要素よりもサスペンス要素の部分で先が気になって一気に読んだのですが、
最後の最後・・・ただ一人の人を思う切ない気持ちに全部もってかれました。
そして3冊かけてじっくり、それぞれの人物の人生を見てきたから余計に胸打たれるのでしょう。

シリーズものは面白そうでも読むのに時間がかかるから尻込みしちゃうんですよね。
でもやっぱりシリーズになっているということは、人気があるから続いている、もしくはじっくり話が練られている読み応えがあるもの、ということですよね。
尻込みしてまだ手を付けてない他のシリーズものにもトライしてみようと思いました。

2

終わりが来るなら 、せめて最後に一度だけ ― ―

圧巻のラスト。
途中から予想はしていましたが、この悲しすぎる結末になんとも遣る瀬無い思いです。
2巻で佐季の魔性に私自身取り込まれ、肩入れしすぎてしまっていたため、タイトル「ラブレター」の意味がわかるシーンでは歯を食いしばりながら読みました。本当に悲しかった。
けれど、これ以上の結末はないと思います。

佐季と司の関係は、慧介の言うように端から見ればただの「執着」や「利用されているだけ」だったかもしれない。でも、佐季にとって司は「すべての心の支え」だったことも間違いなかったと思うんですよね…
佐季にとって、司のそばだけが心から安心できる場所で、言葉にはできなかったけど、ただ「そばにいてくれ」と願った唯一の相手。
そのたった一つの望みを、自分を食らう大人に阻まれ続けたために、罪を重ねる事しかできなかった佐季の悲しすぎる生き様が、言葉に言い表せないほど見ていて辛かった。悲しかった。

そして、正直2巻までは流の存在を疎ましく思っていたのですが、流もまた佐季を追い続ける中で「もっと早く捕まえてやれていれば」と常に苦しんでいて…その感情は執念や執着というよりも、一種の「愛情」でもあったのかな…
流が最期にこういう形で絡んできて、佐季が「悪くはない」と笑って思うことができたことがせめてもの救いです。
本当に、誰一人として無意味な登場人物がいなかった。
それぞれの視点で描かれているだけに、どの人物にも肩入れしてしまって、それに合わせて感情がジェットコースターのように振り回されて堪らなかったです…

この先も佐季は司の一部であり続けて、そこは誰にも触れる事のできない場所で、それを知りながら慧介はそばで支え続けるのかな。慧介にとっては苦しいかもしれないけど、慧介は太陽のような存在として、司の歩む先を照らし続けてあげてほしいと願います。

5

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