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megane to hakobiya
火崎さんは2冊目です。
随分と簡素な文章です。飾りっけナシ、ティスイズアペン並の文章でガシガシ進んでいきます。
心情を綴るというよりも、実際の行動を端的に描いている感じです。ここまで簡素を貫くのもすごいなと思いますが、情感や余韻みたいなものはあまり感じられず、少し物足りない気分にもなります。情緒や叙情的な文章が好みの人には、対極に近いものではないでしょうか。
文章の性質上、展開も速く、テンポがいいというよりは、ちょっと早すぎる気も。気持ちの流れなども随分アッサリ表現で、付いて行けない程ではありませんが…好みもあるかもしれないですね。自分は「もうちょっと何か」があったら良かったな、と思ってしまいました。
このところ火崎さんブーム。
キャラと設定がいいですね。
この作品は本当にタイトル通り。下町を舞台に、小さな不動産屋に勤めるメガネの祠堂と、一匹狼の運び屋、赤目のお話。
普段は四角四面でまじめな祠堂が、夜はメガネを外して色気たっぷり美人になるとか、おいしすぎです。
一方、昔は族だった赤目は今もいろんな人とのつながりがあり、慕われる男気あふれるタイプ。
不動産屋がらみのトラブルで急接近な二人。ストーリーは分かりやすく、これという奇抜さもないけど読みやすい。読後感もよいです。
繁華街で働くカッコイイ男達の仕事ぶりと恋愛模様が読みたい方にお勧めです。ヤクザは登場しますが、主役二人の仕事は不動産屋と運び屋です。
「メガネと運び屋」は、赤目(攻め)が主人公。
「メガネごしの恋人」は、祠堂(受け)視点の後日談的ショートです。
赤目はなかなかパーフェクトなカッコイイ男でした!
表紙イラストで分かるように軽い雰囲気ながら、人望があって年上にも年下にも好かれており、引き際も分もわきまえています。率直なのに駆け引きもできるうえ、怒りにかられつつも冷静さは保っています。
それで有言実行で二度も助けてくれるのですから、攻め側だった祠堂が惚れてしまうのも納得でした。
ただそのためか、赤目が主人公でなく相手役としたらできすぎな男だったかもしれません。先生の配役の見事さに拍手です!
一方、祠堂もそんな赤目が興味をもつのが分かる魅力的な男です。ゲイバーでの前髪を下したイラストは特に色っぽくて素敵でした。
赤目の性格のせいで軽いノリで楽しめました。
攻め視点の本はあんまり読んだことないと思うのですが、さっきも書きましたが、赤目の性格からか、祠堂の過去のことにしても鬱々とした感じもなく読めました。
赤目が祠堂の気持ちを考えてあげていることとかもよくわかってよかったし。
で、その祠堂の気持も祠堂視点からの短編でわかるし。
祠堂のピンチの時に助けに来る赤目はカッコ良かった。
まだまだいろんなエピソードを読んでみたいと思う本でした(*´ω`*)
攻めの一人称「俺」で進行する物語。
表紙のメガネの方が受けです。
東京の繁華街で運び屋をやっている赤目(攻め)は
近所の不動産屋・祠堂(しどう・受け)が気になる。
ある日、ゲイバーで偶然祠堂と出会い
彼がゲイ(ただしタチで初物食い)だと判明。
メガネを外すと意外と美人で
幽霊が怖いという可愛い一面も持つ祠堂を
熱心に口説き始めるが…。
男前×男前で、二人とも大人なので
赤目が祠堂を口説いていると言っても
無理強いや激しい言い争いはなく落ち着いた雰囲気。
いざコトに及ぶかというときも
まぁ落ち着いて、
まずは日本茶と餅菓子でもいただくとしよう、
みたいな非常にのんびりした二人ですw
祠堂はタチ専ですが
前の会社で上司に一度だけ抱かれた
(薬を盛られ強姦された)ことがあり
それを別の同僚に盗撮された挙げ句
会社も辞める羽目になったという過去の持ち主。
そんな祠堂のトラウマを知った赤目が
最初のベッドシーンでは後ろを一切使わず
前だけにとどめるのが良かったです。
赤目の祠堂への優しさ、真剣さが感じられるし
タチ同士らしい対等感ある絡みが男臭くていい感じ。
祠堂が、過去にクヨクヨせず
今ある仕事を真剣にこなす
芯の強い人物である点も良かったです。
元同僚に襲われかけたり
ヤクザに拉致されたりするたび
赤目に助けられるあたりはヒロイン的ですが
簡単にほだされるのではなく
自分の頭で考えた上で赤目に抱かれることを決める
意志の強さが格好良い。
【メガネごしの恋人】は
祠堂の一人称「私 」で語られる後日談。
恋人同士になったものの、元々タチ志向の祠堂は
まだ赤目に全てを委ねることに抵抗がある。
旅行先の旅館で、赤目に攻守交代を持ちかけるが…。
赤目、意外と男らしくないw
先に俺がやって、
お前が満足できなかったら交代しよう、
なんて明らかに祠堂に不利でしょう!
そこは(ポーズでも)快諾してほしかったですw
まぁでもそれくらいの強引さと狡さがないと
運び屋なんて商売はやってられませんよね。
落ち着いた大人の恋愛物としての面白さと、
事件のスリルとがほどよくブレンドされた
読みやすい一冊でした。