ただ一人の男

ただ一人の男
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神9
  • 萌×27
  • 萌3
  • 中立1
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
3
得点
83
評価数
21
平均
4 / 5
神率
42.9%
著者
火崎勇 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
亜樹良のりかず 
媒体
小説
出版社
心交社
レーベル
ショコラ文庫
シリーズ
ただ一人の男
発売日
価格
¥638(税抜)  
ISBN
9784778111793

あらすじ

幼い頃のトラウマで、人間を『もの』としか見ることができない如月巳波。同居する元極道で今は不動産会社社長の尾崎一雅は男女構わずベッドに連れ込むような男だが如月にセックスを求めることはなく、如月も同居人以上の関係になるつもりはなかった。だが尾崎が敵対する組織に命を狙われながらも死の淵から蘇ったことから、如月の中で尾崎が『もの』から唯一の『ひと』へと変化し…。
(出版社より)

表題作ただ一人の男

尾崎一雅・強面な元ヤクザの組長で現不動産会社社長
如月巳波・ある事件で感情の起伏がないバーテンダー

その他の収録作品

  • 今はまだ・・・

レビュー投稿数3

やっぱり傑作ですね

やっぱり素直に良い作品だと思いますね。
個人的にはもう、「神」評価以外ないと思っている作品です。
今からちょうど6年前の作品ですが色あせる事のない
設定とストーリーになっていると思います。
幼い時のトラウマによって人間らしい感情の一部が壊れ
生きている全ての者を人形でも見ているような
ただの個体認識としてしか思えないと言う心の病を持つ如月。
そんな如月を労わるように傍にいる元ヤクザの組長尾崎。
初めは、顔と雰囲気で好みだった如月を抱こうとして
酔ったふりで自宅に連れ込んだものの如月がうたた寝をしながら
酷くうなされているのを見て、踏み込んで訳を聞く尾崎。
(うなされた後は、まるで死人のように体温が低下する症状が)
如月は尾崎に抱えられ、いつもより早く己の体温が戻るのを
感じながらトラウマになった経緯を話してしまう。
それから、強引ながら心配してくれた尾崎とセクシャル抜きの
単なる同居人として暮らすようになります。
うなされた時、尾崎に抱きしめられると体温が戻るので
ただの道具認識のように、うなされた時に尾崎を呼ぶ如月。
そんな中、尾崎が事件に巻き込まれ刺されてしまう、
刺されて、地面を血の海にしている尾崎を見て如月は幼い時の
悪夢を思い出し、尾崎がモノになってしまったと思った時、
尾崎が刺されながらも大丈夫だと言いながら立ち上がり如月を
抱きしめ、何度も俺はここにいると如月に語り掛け、
その時に初めて如月は慟哭を抜け出したような叫びを上げ
意識を失い、尾崎と共に病院へと・・・・
目覚めてから如月は尾崎だけを生身の人間だと認識する。
尾崎を意識してそこから如月の人間らしい感情の修復と
人を愛する事を~~
如月の感情の変化と戸惑いを本人の目線で進んで行くお話ですが
読み進めるほど、どんどん引き込まれていきます。
後半、感情を表せるようになった如月はとても可愛らしい
様子になるのも良いです。
まだ読んだことの無い方に是非騙されたと思って読んで欲しいです。
そして、このお話はシリーズになってますので
次回の作品も今から待ち遠しいです。

9

比べるべくも無く唯一の

本シリーズは強面な元ヤクザの組長で現不動産会社社長と
ある事件で感情の起伏がないバーテンダーのお話です。

受様視点で二人の出会いからまとまるまでの本編と
攻様視点での回想を絡めた番外編を収録。

受様は幼い頃に
押し込強盗に両親を殺された事から
人としての感情が欠けてしまいます。

受様は高校を卒業後に
手に職を付ける為にと専門学校を経て
バーテンダーとなります。

両親の為に生きる事を捨てませんが
どんな人でも生きた『人間』として捕らえられず
動く『人形』程度にしか思えない受様は

たまに体温を奪われる発作に襲われつつも
淡々と生きる事を続けていたのです。

そんな受様が攻様と出会うのは
受様が務める事になったバーでの事。

攻様は
地元でも有名な昔堅気の任侠一家の
組長の一人息子でしたが

父親が死んだ三年前に
組員の未来の為とさっさと組をたたみ
不動産会社を立ち上げたのです。

受様は社長でも元組長でも
媚びたり、怯えたりせず接していましたが
攻様にはそんな態度こそが新鮮で
気に入られるようになりますが
客とバーテンの域を超えませんでした。

しかし
酔った攻様を自宅に送り届けた際に
受様が発作に襲われた事から

発作を配した攻様に半ば無理やりに
攻様宅に同居させられることになります。

俺の知らないところで死なれたら
後味が悪い。

受様的には家賃も食費もタダという
申し出はありがたい位の気持ちで
彼が本気の相手を見つけるまでだろうと
新たな関係を作る事に同意します。

そして攻様も
受様の発作を止める手助けはしても
誘われれば多くの浮き名を流し
受様とは清い関係を保っていましたが

町外れの土地を巡って
攻様と敵対していた組織の男に
攻様が刺された時に

血溜まりの中から攻様が
立ちあがった光景を見た受様は
攻様が『人間』に見えだして?!

果たして攻様の事件は
受様を変えることになるのか?!

本作はショコラノベルズで本編4巻、
スピンオフ2巻のシリーズもので
書き下ろしをプラスして文庫化です。

私は旧版はフルコンプですが
書き下ろし2本の為に発売日GETです(笑)

雑誌付録とか個人同人誌とかで
沢山の番外編を読んでいるのですが
どんな内容でも萌えられる
大好きなシリーズです♪

受様は両親の死後、
何「者」であってもいつかは
動かなくなる「物」としか認識できず
何にも動く「情」が有りませんでした。

今は堅気とは言え極道の匂いプンプンの攻様は
自分を怖がらない受様を気に入り
ちっょとした策を弄して自宅に連れ込みますが

受様の動じなさが感情がない為と知り
戯れに手を出そうとした受様に
一気に本気になるのです。

愛しいからこそ、かわいそうだと思うんじゃないか。

組員のた為に組をたたむほどの
攻様の情の深さを感じますね♪

過去に有った強盗殺人事件のトラウマで
人の情を解せない受様と
解散したとはいえ生粋の極道の攻様との
恋の進展は決して穏やかでは有りません。

攻様がさされたり
受様が拉致られて強姦されたりと
結構痛い場面があるので
好き嫌いが別れるかな(苦笑)

内容的には『萌×2』でも十分なのですが
発刊時からの年月経過と
その分の私の思い入れをプラスして
『神』評価ですのでご了解ください♪

今回の書き下ろしは
攻様視点でのある日の出来事です。

受様に心配されたいけど
素直に言えない攻様のジレンマが
楽しいですね。

初版鋏み込みのペーパーは
受様視点でその後編になります。

今後の続刊も含めて新作短編はあと6本、
どこまでラブくなるのかワクワクです!!

今回は火崎作品から俺様な攻様で1本、
『最悪にして最高の抱擁』はいかがでしょう?
二人は結構似た者同士みたいです(笑)

3

トラウマ持ち受けの魅力

幼い頃両親を目の前で殺されたトラウマで、人が人形にしか見えなくなってしまったバーテンダー・如月(受け・本書の語り手)。

そのことを知った常連の元ヤクザ・尾崎(攻め)は、トラウマに悩まされる如月を抱きしめ、自分は死なないと安心させてくれる。

トラウマ持ちの如月と
ヤクザ時代の名残で今も生傷の絶えない尾崎が
危ない目に遭ったり、すれ違ったりしつつ
愛を深めていくシリーズです。


口達者で逞しい、如月のキャラが魅力的。
人と積極的に関わることはしませんが
客あしらいは上手く、
ヤクザに凄まれても動じません。

「人が人形に見える」ってどんな感覚なのかイメージし辛いですが、
緊張したときの裏技「人をジャガイモと思う」に近いものがあるかもしれません。
人を人とも思わなければいつも平常心でいられるし
何を言われても、されても傷つかない。

そんな超然とした態度がカッコいいのですが、その背景には、大切な人を失ったショックで周りをシャットアウトしてしまったという悲しい過去が。
ヤクザに輪姦まがいのことをされても
何とも思わない如月の姿はやはり痛ましいです。

そんな如月に惚れる尾崎。
如月を優しく、ときに乱暴なやり方で愛する彼には
カウンセラーのような辛抱強さはありませんが
達観しすぎた如月には
尾崎のような強引な人物が必要なのだと思います。


この1巻で恋人になる二人ですが、まだまだ問題は山積み。

ちょっと壊れている如月が、尾崎と恋愛することで「普通」の人間に変わっていくのか(それを強制するのは良いことなのか)。
如月が尾崎を好きになったのは、ただの「刷り込み」に過ぎないのではないか(これは2巻のテーマ)。

まだシリーズ途中までしか読んでおりませんが
色々とぶつかりつつ絆を深めていく二人を
見るのが大変楽しみです。

2

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