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akatsuki ni ochiru hoshi
和貴の養子で長男、貴郁のお話。
前作では明かされていなかった彼の内面に迫れます。
義父、義兄との3P、二輪挿し、他者に情事を撮影させるといった特殊な濃厚要素てんこ盛りなので、刺さる人とそうでない人に分かれそうな作品ですね。
かく言う私も苦手設定ではありましたが、和泉さんの重厚なお話の前では好みも重要ではなくなるのが凄いです。
それよりも何よりも、貴郁の初恋の相手が和貴だったことが衝撃で色々考えてしまいました。
おまけに深沢によりそんな父の痴態まで見せつけられて……さすが深沢……じゃなくて!
凄く私好みだったので、そこばかり思い出してしまい駄目ですね。
あんなにも理想的な父親であろうとしても貴郁にとってはそうでもなく…守ってあげたくなるような父親と称された和貴がほんまそれなすぎて…宗晃に惹かれてしまう貴郁には少し複雑な気持ちになりました。
最終的に結婚を喜んでいましたが、貴郁の行き着いた先を知らない和貴のことを思うと…この真実は頼むから墓まで持っていってくれよなって思います。
愛を求める貴郁にはとても心を打たれました。
注いでくれる相手が二人もいるなんて…本当に羨ましい限りですね。
どんな重荷を背負ったとしても、そんな相手が見つかるなら清澗寺家の一員になってみたいぞと思うくらいに(笑)今回もたっぷりとした愛のお話を見せてくれます。
『抑圧されて育つことがどれだけ不幸を生むか』について深く考えさせられた物語でした。
それもねぇ、今作の主人公である貴郁は、養子に入った和貴に捨てられまいとするあまり自分で自分を縛ってしまっているから、他者からの力によって抑圧されているよりもたちが悪い。
そんなことを思っていて、ハタと気づいたのは、このシリーズは清澗寺家の淫蕩な血を巡って展開していますけれど、実は『家』というものに抑圧され続ける一族のお話なんじゃないのかしら?ということ。
時代の変遷からそう感じたんですよ。
貴郁は冬貴の血を最も色濃く継いだ人物とされていますが、冬貴は「これぞ清澗寺家」として書かれた人ですよね。そして、彼にはその血に対する葛藤がない。自由に淫蕩に生きているんです。
これ、大正デモクラシーの影響なんじゃないでしょうか?
家の血を色濃く残しながら、家制度の崩壊を暗喩させる冬貴。
家からの呪縛を呪いながらも、家の崩壊をくい止めるために、家が受け継いできた『血』を利用し、そうすることで更に傷ついていく和貴。
『家』と言うより『親(和貴)』との関係(子どもである自分の居場所)を確保する為に色々面倒臭いことになってしまう貴郁や泰貴。
これって、所謂『家制度』がそれぞれの時代にどう捉えられていたかということを如実に表している様に思えたんです。……考えすぎかな?
清澗寺家の為の政略結婚だと思って黒田家の令嬢と結婚した貴郁ですが、実は義父(宗晃)と義兄(篤行)が貴郁を手に入れるための策略だったというお話で、貴郁は2人に共有され3Pのエロエロシーンがてんこ盛りなんですね、このお話。
これ、読者サービスじゃないんです。
貴郁が自分の淫蕩さを受け入れるために絶対必要なものとして書かれているんです。
この2人の攻めによる3Pシーンによって、貴郁が「自分が自分のままでいてもいい」「取り繕わなくても自分は愛される存在だ」と気づくシーンのなんと美しいこと!
抑圧された子どもが解放される名シーンだと深く感銘いたしました。
お話の完成度から言えば『神』なんですけれど、私、実はエロエロがそんなに得意じゃないのね。ちょっとお腹いっぱいになっちゃって(笑)。
耽美好きの元気な姐さまであれば、とてもとてもご満足いただける1冊だと思います。
本誌で読んでいたので流れ的には知ってる話と言えたんですが。
いやー、やはり改めてこうして読んでみると濃いですよね。
貴郁という人は誰よりも清澗寺らしいというか、誰よりも濃く冬貴の血を受け継いでいるような。
和貴とかよりある意味、たちが悪い感じですよね(笑)
和貴の場合だと普段からどれだけ律していてもダダ漏れ感があるというか、本人もその色香の部分をわかっていて武器としているような部分もあるけれど、貴郁はそうじゃない。
あくまでも、本人としては清澗寺らしくない、自分だけが異質のように思い込んでいる部分があって。
その生真面目な部分と色欲の部分ギャップがまたふり幅が大きくて印象としてより濃く映る。
相手が2人だということも濃く映る部分の1つですよね。
これまでの人物たちはどれだけ回り道をしても最終的には「唯一」に出会って、それ以外は考えられないような状態で。
なのに、貴郁には「唯一」が2つある。
心と身体がそれぞれに求めるものが別々に存在したがゆえに2つになってしまったともいえるし、人一倍欲しがりだから1つでは足りず2つになってしまったとも言えるでしょう。
個人的には宗晃との方が好きなんですが、貴郁には絞れないんですよねー。
貴郁がきっと愛に飢えた人だから惜しみなく言葉にして注いでくれる篤行もまた必要な存在なんでしょう。
清澗寺家ではキリッとした印象の貴郁が2人との閨の中では甘えているような感じなのも印象的でした。
そして、印象的といえば深沢(笑)
もう、この人はホント、世界全部が敵!くらいの勢いで和貴の周りの人間を排除していきますね。
それも和貴が靡くことが不安だからではなく、きっとただ自分以外の人を見てほしくないというような独占欲のような感じですね。
あと、藤城。
前作から考えるとかなり変わった印象ですね。
ようやく自分の中で「愛」の価値を見つけられたことで周りにも思いやりのようなものを持てるようになったってことででしょうか。
さて。
次回は世代を戻して、また国貴たちの話に戻ってクライマックスということで楽しみv
はたして、そこに浅野は出てくるんでしょうか?(笑)←浅野大好きなんです!
やはり無理かなぁ…。
とにかく楽しみに待ちたいと思います。
藤城たちのその後も見てみたいなぁ。
発売されてから評判を見てから購入を決めよう。と思っていまして必死にレビューを探している自分に「そんなに気になるんなら買うしかない」と思い直し新書plus2段組みという高いハードルの本ですが手に入れました。
深沢と和貴には隙間がないほどのきずながあり、伏見ともかつて関係があった和貴ですが、この3人が3pというのはありえないので、それに似て非なるというか、進化したような、叶わないものがかなったような、うまく表現できないですけど、この黒田親子と貴郁の関係はそのような感じに思えました。
この世界観で3pが書きたかった、ということですが、せいかんじというだけでも相当濃いのにさらに3pということで、かなりお腹一杯になります。
せいかんじシリーズも3pも好きだという方はかなり満足のいく内容だと思います。
ガッツリとしたものが食べたい時におすすめという感じです。
今回の主人公は貴郁でした。
個人的に「暁に濡れる月」から気になっていたキャラなので
とても楽しみでした。読み終わったあとは、こう来るのか(笑)と思わされましたが。
この話の関係性は端的に言うと3Pなので好みが分かれると思います。
私は3Pあまり好きな方ではなかったのですが、このお話に関しては
「これもまた1つの幸せなのだろう…(この人達の中では)」
と思わされました(和泉先生の耽美な作風に酔わされましたw)
貴郁という人は和貴の影響をとても受けて抑圧されて育った子なんですね。
貴郁の義父であり実兄である和貴は、自分のようになって欲しくないという思い、
もしやり直せるならという思いから、貴郁に「清澗寺に似つかわしくない人間」
になるよう言い聞かせ育ててきました。
けれどそれは貴郁の本質とは違う育て方で貴郁こそ清澗寺の血を色濃く引き継いで
いたのです。
貴郁が我慢して生きてきたのは、和貴への愛情や複雑な出自など色々な
要素が加わっていると思いますが、その長い間植えつけられた抑圧を
解いたのが黒田親子です。
自分たちの手の内に入れるため秋穂と結婚させる黒田親子(しかし秋穂は
気にしていない)清澗寺もアレな一族ですが黒田家もアレです…w
じわじわと貴郁を懐柔していく過程は読み応えがありました。
秋穂の兄・篤行にとって貴郁は初恋の相手であり、
秋穂の父・宗晃にとって貴郁は片思いした女性の忘れ形見。
貴郁の「お義父さん」「お義兄さん」呼びは背徳感をすごく漂わせています。
濡れ場もすごく濃厚な感じです。
ただ疑問は、篤行が「秋穂なら貴郁との子を残せる」発言をしているのですが、
そこまで子供が必要だろうか…と思ってしまいました。
秋穂は父兄、貴郁の関係性も分かっていて貴郁とは利害の一致で結婚したような夫婦
関係で、なにより宗晃+篤行×貴郁ですごいイチャイチャしてるのに(笑)
子供作れるの…?みたいな疑問が。
シリーズ最新巻、とても耽美で背徳で濃密な作風で満足でした!
次巻からはクライマックスにとうとう入るようなので最終巻まで見届けたいなと
思います。
清澗寺シリーズ第二部戦後編、その2。
その1は鞠子の双子の息子が主人公だったが、本作は和貴の養子貴郁の話。
第一部の冬貴の四人の子どものうち、結局只一人清澗寺家に残った和貴。
貴郁は実は冬貴が外で作った子だが、跡継ぎを残せない和貴に養子に迎えられ
清澗寺家で育った。
長じて帝大の学生となった貴郁の元に、召集令状が届けられた。
生きている実感を持てぬまま果てるのか……
雨の中酔い潰れた彼は、20代と40代の二人の身なりのいい男達に助けられ
夢か現かの一時を過ごす。
そして終戦。
知覧の基地からて戻った貴郁は、帝大に戻るが彼の愁は続く。
仲間は死に自分は生き残った罪責感、GHQをもてなす愛する父和貴の姿の姿、
美しい双子の弟達を見るたびに感じる、自分の容姿へのコンプレックス。
ある日米兵に絡まれていた美しいヴァイオリニストの女性を助ける。
彼女は黒田商事の令嬢・秋穂で、望まれて彼女と結婚し黒田家で暮す事になるが
奔放な秋穂との結婚生活は早々に形骸化していく。
しかし、義兄・篤行はなにくれとなく気にかけてくれ嬉しいし、
何より「理想の父」である義父・宗晃と過ごす時間は楽しい。
やがて貴郁は宗晃に、父親に対するのとは異なる感情を抱き始め、
それを知った篤行に口止めとして抱かれる事になり……
やがてどちらとも関係を持ち、そしてどちらをも選べずに
3人の関係の中で生きていくことに……
3P、二輪挿し、
とエロは非常に盛りだくさん!
一番平凡で、和貴からも「自分に似ず真面目でいい子」と評されていた貴郁は
実は最も濃厚な清澗寺の血を引くものであった。
冬貴と似ていることに苦しんでいた和貴は、似てないと言い続けることで
貴郁を清澗寺の血から自由にしようと、
否、自らが清澗寺の呪いを断ち切る夢を果たそうとしていたのだろうが、
皮肉なことに彼こそまさしく清澗寺だった。
双子の弟のどこかスコーンと明るい(清澗寺にしてはということだが)恋は
新時代を感じさせるものだったが、この貴郁の持つ淫靡さは清澗寺らしくて悪くない。
でも、「ただ一人の運命の相手との交わりこそが生きる全て」というメロドラマこそが
清澗寺シリーズの真骨頂だと思っているので、この関係はちょっと不満ではある。
運命を相手が二人(しかも親子!)ということなのだろうけれど……
(清澗寺もどうかした血筋だが、こちらの黒田家もまたどうかしている……?)
次は再び国貴編ということで、クライマックスを迎えるとのこと。
この巻は番外編の様相だったが、途中に貴郁の結婚を祝って
国貴以外の一家が勢揃いするシーンがある。
これが☆一つ稼いで評価は「萌×2」で。
シリーズ第2部で番外編の趣がある今回のストーリー。
戦後の動乱の中、清澗寺家は他家の華族とは違い進駐軍相手にも社交的な感じで
栄華を極めている中での話です。
今回の主役の要は清澗寺貴郁、あの華やかで清澗寺家らしい和貴の養子の長男ですね。
義父だけど、実は血の繋がった兄でもあり、貴郁の禁忌的な初恋の相手でもあります。
それだけでも流石清澗寺家の者だと思えるのですが、一見真面目でストイック、
しかし、心の中に虚無を抱えているように感じる貴郁。
戦後に1度だけ見た二人の男に抱かれる淫夢があるのですが、本人はそれを夢だと
かなり長い間思い続けていたのですが、実はと言うお話です。
相手は手広く事業を起こしている黒田家の父親とその息子、そしてその娘と
政略的な流れで結婚することになります。
黒田家の娘にも望まれた結婚だったのに二人の結婚生活は新婚だと言うのに
既に数日で破たんしている。
でも、莫大な金銭的援助が清澗寺家にされていることから、貴郁からの離縁は不可能。
しかし、妻と不仲なのにその父親である宗晃や兄の篤行とは親密になっていく。
まず初めに義父を好きになり、それを脅され義兄と関係を持つようになる。
次に初めから理想の父親像だと思い懐き甘えられる存在だと思っていた義父とも
関係を結びます。
頑なまでに清澗寺家で自分は平凡で違う異質だと思い続けてきた貴郁ですが、
実は誰よりもその身体に淫猥な清澗寺家の血筋を濃く受けついでいるのです。
黒田家が仕掛けた罠、それは貴郁を手に入れる為なのですが、
ミイラ取りがミイラになったようにも感じます。
義父と義兄それぞれと関係を持ちながら次第に罪悪感を感じ始める。
そして自ら離れようと決断した時に知らされる二人の策略。
でもそれは貴郁が深層心理で望んでいた事でもあるのです。
身体と心が別々の相手を欲する業、清澗寺家ならではですが、二人の翻弄されて
乱され快感に溺れさせられているようで、実は無意識で貴郁が二人を絡め取るような
そんな風に感じられる作品です。
清澗寺家シリーズ10!
もう10作目なんて!目をひん剥いてしまいました。
まず、円陣蘭丸先生の美麗な表紙のイラストにドキドキしてしまいました。発売日に購入するなんて、久方ぶりのことです。なんて端麗な表紙!と、目を奪われました。
以下はネタバレです。ご注意下さい。
清澗寺家和貴の養子、貴郁。生の実感がないまま成人し、政略結婚の末に、愛情の通わない妻との形ばかりの夫婦生活を送っている。
そんな彼と生活を共にする、二人の男性。
一人は黒田篤行。貴郁の妻秋穂の兄であり、彼が「お義兄さん」と慕う人物。和貴の養子たちの中では最年長であった貴郁にとって、初めて兄と呼べる、頼り甲斐のある、穏やかな青年。
そして、もう一人は黒田宗晃。早くに妻を亡くし、以後は男手一つで篤行、秋穂兄妹を育て上げた、ロシア人との混血。氷の皇帝と呼ばれる、政財界の支配者。
和貴と年齢はさほど変わらず四十代後半の彼は、貴郁にとって理想の父親であり、最愛の義父となった。
義父+義兄×コンプレックスを抱える受け…のお話。
率直に申し上げると、初読の感想はあまりの展開の早さに驚いてしまいました。
今迄のシリーズもこんなものでしたね?
表題作である「暁に堕ちる星」だけでは、ちょっと物足りない印象…。
別に 清澗寺家シリーズで描かなくてもいい内容だったような。表紙に期待を寄せた分、何だか残念。
特に貴郁がとても好みだっただけに、三人の関係をもっと丁寧に描いて欲しかったです。篤行との初めての行為も二段組みとはいえものの数ページで終わってしまい、物足りなさを覚えました。
あと、宗晃・篤行父子は仲が良すぎるような。
父子で二輪刺しとか、3Pとか、私の許容範囲を越えていました。さらに第三者に性行為を撮影させ、その人物を貴郁に奉仕させるところでは食傷気味に陥りました。最初で最後、とは言ったものの、恋人以外を行為に参加させることには、やはり抵抗があります。さらに撮影した卑猥な写真を見せることによって、「俺たちに愛されているだろう?」と、父子の愛を実感させるところにもいまいち感情移入できませんでした。どちらかといえば、支配的なお父様、宗晃が好みでした。愛に貪欲で、二人分の愛情を欲している受という設定はよかったのですが、やはり一人の受には、彼だけを愛する一人の攻が相当なのかもしれません。やはりこの人だけ!という方が一途だし、私は素敵だと思います。そう考えると、深沢と和貴が相思相愛の似合いの夫婦に思えました^^;
けれど、やはり 清澗寺家シリーズらしく、退廃的でエロティックで、癖になる作風です。そのため評価は★★★☆☆とさせていただきます。