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そんなにも俺は、孤独だったのか――
Don't look back
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
記憶喪失もの。窃盗事件の犯人として、何も分からないまま追い詰められていく主人公に、ハラハラしながら読みました。
周りの視線を全部悪いものに感じている様が可哀想だった。
警察、もっと早く何とか出来ただろうと思ってしまいました。
友人の女の子達が良い人かつ可愛かった。
記憶喪失になっても心配してくれる友人がいて良かった。
記憶喪失になる前から情緒不安定だったであろう主人公。そんな人に寄り添おうとしてくれたって事実がもうめっちゃいい人。
主人公もコールさえ関わらなければ良い人だったんだろうなと思いました。
主人公は物凄く悲観していますが(仕方ないが)、相手役の刑事から時折漏れる愛情が良かったです。
事件に巻き込まれなくても遅かれ早かれ主人公の気持ちはコールから完全に離れていたかもしれないな、と思いました。
そして友人のコールが気になって仕方なかった(笑)
その激重感情に至るまでに何があったんだお前……と思いました。
自分の性的嗜好を受け入れられずにそうなったのか?
真犯人ついてはまあ、想像通りでしたが、主人公とコールの関係については想定外でした。
どんな酷い扱いをしても、絶対に自分から離れていかないと思っていたんだろうな……。
メインの恋愛よりこちらの方が興味深かったです(笑)
記憶喪失もの。定番(ゆえにダレる)の、ここはどこ私は誰?ってのを刑事に尋問されるシーンで知らしめてくれる構成が良かった。もしかしたら主人公が犯罪に関わっているかも?という引きも面白い。
そして刑事グリフィンの存在感が圧倒的。出番としては小男コールの方が多そうなのに、ずっと心に引っかかる。
窃盗の罪に問われたピーターは、記憶を取り戻せないまま真相を探っていく。徐々に見えてくるピーターの過去は、萎え要素が満載だった。
クズ男に盲目的に現を抜かす愚かさは、ピーター本人の記憶が無く気持ちの入った描写が無いため、共感のしようがない。それでも過去と同じように流されてしまうため、どうしようもないな、と。
解決は派手な展開でスカっと。グリフィンもピーターに未練を残しており、上手く納まった。
大胆で頼りがいがあり、全力でピーターを救うグリフィンがとにかく魅力的。なんでまたピーターのような男をずっと想っていたのかは不明だが。
ピーターはグリフィンと出会えて、ただただラッキーだったと思う。それだけで冤罪にも十分おつりがきそう。
さらっと読める、綺麗にまとまった中編だった。
ジョシュ・ラニヨン先生の長いシリーズを読んだ後なので、薄めの一冊で寂しい。もっと甘い続きを…!と飢餓感を煽られます。
グリフィン視点があると嬉しかったなと思う。彼の相当かき乱されてる心を想像するだけで面白いのだけど、本編ジョシュ・ラニヨン先生の攻めの御多分に洩れず、タフさと甘さばかり見せつけてくるものだから…惚れてしまう。
一方この作品でピーターの魅力が伝わりにくいのは残念。もっとグリフィンから見たピーターの魅力があるとよかったな。"可愛げのない感じで可愛い"ってのは分かる気もする。
コールは笑っちゃうほど小物で酷いもんでした。あまりにお粗末なラストなんですけど、まぁピーターはグリフィンのおかげで気づいたけど、コールは最後まで気づかなかったってことなんだろうね。
凝ったミステリーを求めると拍子抜けかもしれませんが、シンプルで私はとても読みやすかったです。
今回は記憶喪失という要素がありまして、その失われた部分が徐々に分かってくるところも楽しめました。
「フェア・ゲーム」と同じ作者さんだったんですね。
読み終わってから気付きました。
劣勢な受けがお好きなのかな…?
彼の作品は相手のこれこれこういうところが好き~、魅力はここ~と連ねるのではなく、攻め受け二人の心と体がとにかく強く惹き合っていると感じさせてくれる気がします。
多くの言葉で飾らず語らずとも、そうであると納得させてくれるような…
胸毛好きな方ではないのに、海外の作品だと男の体の十二分な魅力ポイントと思えてくるこの不思議。
外国小説(翻訳版)を久しぶりに読んだので、「そういえばこんな感じだった」と思い出しました。言い回しとかちょっと癖があるように思えるんですよね。
昔読んだ本は、登場人物の愛称やミドルネームが出てきて何人いるの?状態でしたが、こちらはピーター(主人公)、グリフィン(刑事)、コール(上司兼大学のルームメイト)と友人くらいなので読みやすかったです。
ピーターの視点で進んでいくのですが、最後まで読んでからもう一度読み直すと、グリフィンの態度がよりニヤけてしまいました。可愛げのない感じで可愛い、という表現も面白かったです。
1冊でさっくりとまとまった記憶喪失モノのミステリー風味ゲイロマンスもの。
やはり日本のBL小説とは毛色が違いますが(金髪だし…というような意味でなく!)、本格ミステリーかと言うとそういうわけではなく、やはりミステリーのエッセンスを散りばめたロマンス小説です。
正直なところ、途中で展開は読めるし犯人も見当がつきます。
しかし、美術館のキュレーターである主人公と、彼をとりまく2人の男との間の心の動きや出来事には切なさや萌えを感じます。
記憶を失う前のあなたは、なんでそんな人生を歩んだの?って言ってあげたかったり、途中で出て来る女友だちはちょっと都合が良すぎ!とか言いたいことは多々ありますけど。
話題になってるジョシュ・ラニヨン作品を読んでみたいけど、いきなりシリーズ物はハードルが高いなぁ…と思っている人が試しに読んでみるのに良いのではないでしょうか?
基本、海外物は翻訳次第だと考えています。
日本の小説とはかなり文章の作り方も違いますし。
ただ、他の作品も読んで冬斗さんの翻訳は嫌いじゃないなあと感じました。
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受けのピーターは美術館のキュレーター(学芸員)、35歳。
とある事件をきっかけに、自分と周辺の記憶を無くしていますが、自分がゲイだとか部屋の位置だとかは覚えているようです。
攻めはロス市警強盗殺人課の刑事、グリフィン。
ネタバレになりますが、半年前までピーターとは恋人同士でした。
年齢ははっきりとは書かれていなかったと思います。
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ピーターが美術館の盗難事件に巻き込まれ病院で意識を取り戻した辺りからのスタートで、ピーター視点のためこちらにも事件のあらましのような細かいことは語られません。
記憶を無くしていますし。
先を察することはできますが、それでもピーターと一緒に自分探しのような気分を、味わうことはできます。
萌え要素はグリフィンのちょっとした、ピーターへの愛情に裏打ちされた行動。
まだ記憶を失っていたピーターがショックを受けた時に、自分の胸へ引き寄せたり。
ただ、どうしても事件メインなので甘さは少なめです。
考え方によっては、少ないから萌えるとも言えますが(笑
最後の方でピーターの病気(例えですが)が再発してイライラするところもありますが、終わらせ方もなるほど国産とは本当に違うなという感じ。(でも、バッドエンドではありませんのでご安心を)
海外物にしては、本当にスイスイ読める気軽な物かと思います。
当たり前ですが、BLで良く見られるラノベのような文章ではありません。
ただ、BL以外の小説も読む方には受け入れることができるのではないかと。
訳者買いしました。
小説Dear+で読んでいいなと思っていた冬斗亜紀さんの翻訳。
記憶喪失ものということで過去にさかのぼっていくのかと思って
いたら、記憶を失う原因になった事件にからめて少しずつ記憶を
取り戻していくものでした。
登場前からうさんくささを匂わせる受の親友兼雇い主と
目が覚めたときから冷たい視線を投げかけてくる警察官。
自分自身が定かではない受は逆に冷静な目でふたりを見ながら
なにが起きたのか記憶を取り戻そうとするけどなにも糸口は
見つからないまま。
事件はどんどん悪いほうに転がりほぼ有罪確定の状況にまで
追い込まれていきます。
最終的には無事に濡れ衣も晴れハッピーエンドですが
いきなり登場してきた友人女性との関係性がよくわからないまま
だし、そもそも美術館敷地内にあるコテージに住んでいるという
状況が理解できないですね。
細かいことはすべて「外国小説だから文化の違いが理解できない」
という呪文で流すしかないのがモヤモヤ。
外国小説特有の、もったいぶった話し方となんでもかんでも
例えてみるあたりも最後まで好きになれなかったけど
余韻を感じさせる終わり方だったので読後感はよかったです。
外国小説読みは初心者レベルなので言い回しや外国の習慣に
無知な自分が外国MM小説と日本BL小説を同じように読んでは
いけないかもしれないですが、好きな相手と寄り添えるかも
しれないと期待してしまう受の控えめな喜びは好みでした。
ジョシュ・ラニヨン氏の既刊の味わいが
とても良かったものだから今作も美味しく
味わえるだろう、などと手に取った時は
気楽に考えておりました。
が、どうも勝手が違った様です。
ミステリの合間にはさまれるロマンスのこなれが、
どうも今一つぎこちない感じがして傍観者として
滑り込めなかったですね。
ロマンスの分量は、恐らく申し分無い筈です。
むしろ心もち増量加減な感じがします。
ただ、そのロマンスを支えるべきミステリの割合が、
どうも今作では薄い感じがします。
ただし今作はカバー袖の著者紹介から読み取る限り
シリーズ作の第一作である模様なので、これからの
展開に期待すべきかも知れません。
かなり個人的な好みでなんですが、やはり記憶喪失ものは好きじゃないな…と再認識。
甘い夢から醒めるとなぜか怪我して病院で寝ていたピーター…というところから始まるミステリーですが、はっきり言ってしまうとミステリー部分はそう目新しいこともなく、
怪しい人は最初から最後まで怪しいので、これはピーターが記憶を取り戻しながら、愛しい人も取り戻していくといったお話です。
なぜ記憶喪失ものが好きじゃないのかと考えると、どうしてもわざとらしさが鼻についちゃうんですよね…
あっちは覚えているのに、こっちは覚えていない。
少しずつ思い出していくにしても、そのときの事件の進み具合にあわせて少しずつ。
おそらく今までの積み重ねであるだろう直感。
それらが事件や恋愛と絡んでしまうと、都合のよい部分は覚えていて(ときには都合の悪い部分だけ思い出して)、事件が記憶に振り回される印象がぬぐえないからかな、と。
実際の記憶障害がどういったもので、どういったパターンが考えられるかということを私は知らないので、こういう感想になるのかもしれないですね。
とはいえ、主人公ふたりの関係は萌えなので、評価は萌えなのです。
ふたりともとにかく不器用!
まあ、グリフィンまで不器用にならざるをえなかったのはどう考えてもピーターにあるわけですが。
ピーターがかつて恋人よりも友人を選んだのは、洗脳の類だったのか、実は押さえ込んだ恋心だったのか(こっちの可能性は低そうだけど)、そういったことがどこにも書かれていなかったのが少し不満…
ここらへんは読者の想像にお任せ部分だったのかなー?