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ツァーリが変わるキッカケが出来たのではないかと思います

評価低いレビューが多くてびっくりしたので、久々にレビューします。
(めっちゃネタバレなので、未読の方は要注意です!)






話の流れ上、どう転んでもスッキリ大団円とはいかないですし、落としどころとしては最善だったと思います。

あのまま、ミロくんが一緒に日本で暮らしても、結局、いつまたツァーリがすべてを手に入れようとしてくるか、可畏も潤も気が気じゃない生活になると思うんです。
だからといって、ツァーリを殺してしまうのは、ミロくんの心を傷つけるので論外ですし。

ミロくんがツァーリの元に残ったからといって、可畏や潤の不安は無くならないと思いますが、私たち読者には分かることがあるのではないでしょうか。
それは、ミロくんを怪我させてしまったことで、ツァーリに起きたであろう心の変化です。

ツァーリは、愛する我が子を手に入れて歓喜したのも束の間、自分の目的のために平気でミロくんを利用するような、人の心が分からない人です。潤を苦しめることになってしまったミロくんの気持ちなんて、ちっとも顧みてません。
潤にも、愛してると言いつつ、潤の意思や感情を完全に無視して行動し、それを何とも思わない傲慢な男でした。

でも、ミロくんに大怪我をさせてしまったことで、1巻で可畏が潤を殺した(と思った)時と同じことが、ツァーリに起きたのではないでしょうか。

親に生き埋めにされ、愛に飢え、弱味を見せられず、暴力で周りを支配していた可畏。
千年の孤独を生き、恐怖で恐竜人世界を支配しているツァーリ。

ツァーリの気持ちも分かると、可畏も心中で語っていますが、ある意味、似た者同士の二人なんだと思います。

シリーズを通して、潤と出会ってからの可畏の変化が楽しみな作品でした。
潤を大事にするために自分の欲求を押し留めたり(2巻で、潤の母親の渉子さんを殺さずに、頭を下げた時は感動した~涙)、潤の気持ちを理解しようと努力したり、それでも衝動を抑えきれずに行動してしまい、後で深く落ち込んだり…。

楽観的かもしれませんが、ミロくんを怪我させてしまったツァーリの様子からすると、ミロくんが側にいることで、可畏が辿った道を、ツァーリもまた辿って行くように思います。
ミロくんは潤譲りの深い愛情を持っているようですし…。

電子版のSSで、ツァーリの元に残った理由をリュシアンに聞かれて、ミロくんがうまく言葉にできなかったシーンがありましたが、あれがまさにミロくんを象徴しているように思いました。
幼さ故に自分の心境を説明できないでいましたが、潤が可畏の孤独に寄り添ったように、ツァーリの孤独を感じ、ツァーリを癒したいと思ったのではないでしょうか。

こんな事態になった分岐点はどこだったのか、と可畏が自問自答し、過去は変えられないと自分に言い聞かせる場面がありますが、本当にそのとおりで、過去を変えられない以上、いまの時点での最善を手に入れたと思います。

潤に出会って可畏が変わっていったように、ツァーリもミロくんとの生活を通して変化し、この少し歪な家族のかたちも、幸せになるための通過点だったと思える日が来ると思っています。

第二部もぜひ書籍化していただきたいです!

良くある異世界トリップもの。
良くある執着溺愛もの。

な ん で す が!!
声を大にして言いたい!
それだけではないんです!
物語としても面白いですし、萌えもたくさん詰まってます。

孤独で冷酷なイケメン王様アルセリア(攻め)が、異世界トリップしてきた明るく前向きな祐也(受け)に癒され、愛し、執着していく…。
ってだけだと、本当にありがちですが、ちょっと違うのが、祐也がアルセリアだけではなく、過去の戦により不浄となった大地や、怨念と化した魂を救済していくところです。

それも、良くある「君はこの世界を救うために召喚されたのだ!」的なことではなく、アルセリアの妹リリア(芯の強い魅力的な女性)が、兄王と国の将来を案じ、藁にもすがる思いで召喚術を行ったのが始まりです。
祐也を召喚したリリア自身も、この子が兄をどうやって救ってくれるのだろうか?と疑問に思いながら、兄王と祐也を見守ります。

召喚された祐也は、まず孤独な王アルセリアを癒し、汚染された川の水を浄化し、死の大地となっていた戦場跡を浄化していきます。
祐也自身も周囲の人も、祐也に浄化の力があることに気づいておらず、ただ王の癒しとなれば…と思っていただけなのに、自分に浄化の力があることに気づいた祐也は、祐也を独占したい(外に出したくない)アルセリアを説得し、積極的に浄化に取り組みます。

そう、受け身じゃないんです。
召喚されたから、とかじゃなくて、あれ?できた!?なんか、みんな喜んでる!嬉しい!もっとやりたい!、みたいな素直な積極性。

アルセリアからの嫉妬の嵐やら、誘拐事件やら、ハラハラドキドキな展開を乗り越えて、アルセリアを愛し、愛されながら、国を浄化していきます。
次の展開が気になって、どんどん読み進めてしまいました。

おそらく書籍には第一部しか収録されていないと思うので、ぜひ第二部も書籍化していただきたいです。
第一部では国内の浄化に留まりますが、第二部では他国の浄化にも乗り出し、世界が汚染される争いの元となった国の誇りを取り戻すことに奔走します。
祐也が他国のために奔走している間、お留守番になったアルセリア王が、元の孤独で冷酷な王に戻りかけてしまうところも萌えどころ…。
そんなアルセリアも二部後半では大活躍です♪

ぜひぜひ第二部も書籍化を~。

ちなみに第一部でのお気に入りは、
・お風呂大好きな祐也が、兵舎の大浴場に入ってヒャッハーしてたらアルセリア大嫉妬!(日本人なら大浴場でヒャッハーしますよね(笑))
・虫(特に黒いあいつ)が死ぬほど怖い祐也が、巨大Gにパニックになって池ポチャ(どころじゃない大騒ぎになるんですが…)
・(書籍に収録されているかわかりませんが)閑話で、祐也が周囲にGの恐怖をこれでもか!と語るのに、誰も理解してくれない(祐也の世界のGは人を殺すのか?と冷静に聞かれて、え!?ってなる(笑))
です。

天然&気丈&明るくへこたれないのに、黒いあいつとお風呂にはめっちゃ弱い祐也と、祐也にはめっちゃ弱いイケメン嫉妬大魔王なアルセリアの物語を、せひ楽しんでいただきたいです~。

最愛の人と悔いなき人生を送る物語

「小説家になろう」サイトで全部読めるとのことで、こちらの本に収録されている「三日月」まで読みました。

正直、BL要素いらないのでは?というくらい物語として完成されています。
でも、孤独なエルンスト(受け)があれだけがんばれるのは、溺愛してくれるガンチェ(攻め)がいてくれるからこそだとも思うので、やっぱりラブは必要ですね(笑)
ガンチェがいなくてもエルンストはがんばったと思いますが、孤独な一生になったことでしょう。うん、やっぱりラブは大事。

王族として育てられ、とても賢いけれどもまったく人間味がなかったエルンスト(受け)が、とある病に侵され、皇太子の座を追われるところから物語が始まります。
王宮から出て暮らすうちに徐々に人間らしくなっていくエルンスト。さらに辺境の領地メイセンの領主となったことで、気候も厳しく貧しい土地で、その日暮らしを余儀なくされている領民の暮らしを豊かにしたいと思うようになります。
教育を受けていないため、文字も読めない、計算もできない、目先のことしか考えられない、そんな領民たちを豊かにするのは、簡単なことではありません。しかし、エルンストは100年、200年単位でものごとを考え、領地を豊かにしていこうとします。
エルンストの種族は長命で、200年の寿命がありますが、それでも自分が死んだ先の未来まで、メイセンの将来を語ります。
読んでいると、エルンストが豊かにするメイセンの姿を一緒に見たくなってくるんです。

そして、メイセンで異常に高い、病の罹患率。
前のレビュアーの方が書かれていますが、この先、病の謎も解けるようなので、最後まで読み進めたいと思います。

本を買わずに読んで、作者の方には申し訳ないのですが、面白いので最後まで読ませてください!

あと、この本に収録されているかは分かりませんが、番外編の前王(エルンストの祖父)とタージェス(メイセン領兵隊隊長)のエピソードが泣けました。
亡き前王の望みを叶えるためにあちこちを旅するタージェスさん。前王の孫のエルンストに出会うことで、遂に旅の終着点を見つけます。泣ける…。
あ、色っぽい話じゃないですよ(笑) おじいさんとおじさんの主従愛です。

最後に、1つ難があるとすれば、エルンストとガンチェが伴侶になるまでの流れがちょっと説得力ないかなー?と思いました。なんか説得力ないなー、と思っていたら、急に体液適合者という設定が出てきて、あ、説得しようとしてる!みたいな感じがしました。
でも、この物語のキモは正直、恋愛ではないと思うので、そのへんの説得力の無さはスルーしても良いと思います。彼らが恋に落ちる過程よりも、伴侶として支え会う二人がとても好ましいので。
ぶっちゃけ、イチャイチャしてくれれば、エロシーンもいらないくらい(笑) 物語の続きが気になって、エロシーンは読み飛ばしてます(笑) でも、イチャイチャはして欲しいの~(笑)

――――――――――――――――
webで最後まで読み終わったので、追記です。

二人の長い長い物語が終わりました。
寿命が違う二人が、やがて来る別離に怯えながらも、彼らの人生を全力で全うする物語でした。
彼ら二人だけではなく、脇役たちも全力で生きたことが分かります。

正直、途中、エロが多過ぎて食傷気味になりましたが、最後まで読んで良かったです。
(それも、生々しくてあんまり好みのエロじゃなかった…。攻めが獣臭い(笑)というのもちょっと…。体液適合者同士なので、お互いは良い匂いと感じてるんですけどね…。)

最後の章の「満月」は2話しかありません。
でも、たったそれだけでも、彼らが精一杯生きて、悔いのない人生を送ったことが分かります。
課せられた役割を全うし、寿命を迎えるその時まで、しっかり生きています。
彼らの愛に満ちた長い人生を思うと、涙なくしては読めませんでした。

彼らが愛したメイセン領が、どうなったのか、最後まで読んで欲しいです。

二人のラブラブ&イチャイチャや、とっても頭が良いのにちょっと天然なエルンスト(受け)のエピソードも楽しみつつ、貧しい領地を豊かにしていくため知恵を絞ったり、政治的な駆け引きなど、ラブラブ&イチャイチャに終わらない満足度の高いBLでした。

おすすめです。

ほっこり癒し系マンガ

ちるちるアワードを見て読みました。皆様の言うとおり、ほっこりしますね。

ハリウッド映画とか海外ドラマを観てると、こどもがいても、妻を大事にしてる夫が結構出てきますよね。妻にもこどもにもキスしたり、ハグしたり、危機的状況ではこどもも妻もしっかり守る!みたいな。(このマンガとは関係ないですが、妻やこどものつむじ?頭?にキスするシーンにめっちゃ萌えます。笑)

日本のドラマや家庭だと、子どもができると「パパ」「ママ」「子ども」という家族形態になりますが、ハリウッドだと、「夫」「妻」「こども」という家族形態。

このマンガの攻め様は、そんなハリウッド的旦那様です。受けもこどもも超愛しちゃってる。
わたしにはそこが一番のツボでした。

ところで、オメガバースものは、どうも設定がみんな同じだなぁ?と思っていたのですが、オメガバースプロジェクトというものがあるのですね…。ぶっちゃけ、決められた設定にとらわれず、作家様の自由な発想でオメガバースを生み出して欲しいな~と思いました。

私が初めてアルファ、ベータ、オメガの概念に触れたのは、J.L.ラングレーの狼シリーズでした。アルファは群れのリーダー、ベータは副官、オメガは稀少で、狼としては弱いけれども、群れに調和をもたらす存在として重宝されています。さらにヒーリング能力もあったりして、オメガバースプロジェクトみたいに差別されたりする存在ではないのです。あと、こどもは産めません。

統一された世界観よりも、様々なオメガバース設定があった方が楽しめるのになぁ~と思いました。

このマンガのレビューとは、ちょっと話がそれましたが、いろんな作家さんのオリジナル設定を期待します!

国会中継に萌えるようになりました(笑)

これを読んで、国会中継に出てくる官僚に萌えるようになりました(笑) たまに答弁したり、大臣にささやいたりしてる官僚さん。あれ見て、萌えます(笑)

メインカプの針生(攻め)と眞御(受け)は、外務省の情報部(インテリジェンス)部門に勤めています。(CIA(Central Intelligence Agency)のインテリジェンスですね)
さらに二人は、情報を入手するための色仕掛け任務担当として選抜されています。(主に容姿で決められるらしい)
なので、色仕掛け研修(笑)があるんですね~。
コンビに指命された二人はバディとなり、最初の研修の後は、訓練という名目でいくらでもセックスできる関係になるのです!(笑)

ところが最初の研修で、受けの眞御ちゃんは感じすぎてメロメロになり(そして、そんな眞御ちゃんにメロメロの攻め針生)、色仕掛け任務から外されてしまいます。訓練もしなくなり(眞御ちゃん的には訓練に誘ってるつもりだった。笑)、両片想いなのに、お互いに嫌われてると思い込んで10年間。(よく我慢できたな…笑)

しかし、眞御ちゃんが初めての色仕掛け任務を受けることになり、焦った針生は色仕掛け任務をやめるよう、眞御ちゃんを(エロ仕掛けで)説得。それをきっかけにお互いの気持ちを知るのでした。

針生にメロメロにされる眞御ちゃんはひたすら可愛いし、はあはあ言いながら鼻血をたらす針生はマジカッコいいし。(笑)
あと、書き下ろしで、眞御ちゃんが針生の家にお泊まりに行くエピソード。眞御ちゃんが来るのは夜からなのに、ムラムラしすぎて朝から微動だにせず待っている針生(笑)
あんなに!イケメン!!なのに!!!(笑)

メインカプ以外に、財務省官僚のカップルも出てきます。

外務省、財務省、2巻には厚労省カップル(攻めは麻取り!)、3巻には法務省カップルも登場し、まさに官僚BL!国会中継に萌えるようになったのは私だけじゃないですよね?(笑)

アホエロ コミック

重い実 

アホエロという言葉を初めて知りました

かな~り長~い腐歴にも関わらず、ちるちるさんの存在を知ったのが最近。アホエロという言葉も、ちるちるさんで紹介されていたこの本のタイトルで知りました。
「アホエロ」ってなんじゃい?と興味を持ち、皆様のレビューがとてもおもしろそうだったので電子で立ち読み。肌色シーンの途中で、唐突にムキムキの違和感さんが出てきた瞬間、迷わずポチりました(笑)

受けの坂口がとにかくエロかわいいです。天然です。セックスしながら「言っとくけど俺たちはともだちだ」とか「俺らはただセックスしてるだけでキスとかはしてないんだぜ」とか、モノローグで読者に?自分に?一生懸命いいわけし、時折顔を出す(ホントに顔を出す)マッチョの違和感さんに、「うるせぇぞ、違和感」とか突っ込んだりしてます。
バカです。かわいいです。

攻めの高東の方は、完全に坂口に恋しちゃってますよね。「俺たちはともだちなんだぜ」とかモノローグで言っちゃってる坂口を、じわじわとからめとっていきます。ホントにじわじわ進めるので、いつの間にやら俺たち付き合ってるのか?みたいになっていて、坂口は???状態になってるんですよね。ムッツリ独占欲野郎なところも好き。

途中のエピソードで、高東が高校生のころから、坂口のことが気になっていたことが判明するのも良いです。そのころは恋だとは思ってなかったのかもですね。ただ、話をしたこともないのに、坂口のことが気になってしょうがない存在だったことがわかります。

坂口はかわいいし、高東はカッコいいし、最後まで告白めいたことはなく、二人してわちゃわちゃしてるのも甘酸っぱくてイイ。何度読んでも面白いし、めっちゃおすすめです。

ただ、いまだにアホエロが何なのかはよくわかってません(笑) 受けがアホでエロいってこと???

ハラハラドキドキが止まりません!

既刊5巻まで一気読み。
これ、まだまだ続くんですね~。すっかり5巻で解決するものと思っていて、え~!?これからどうなるの~!続きがすぐに読めないなんて辛すぎる~!!となりました。

特殊な教団の学園=閉鎖空間もの
降龍の儀(エッチ)を行わないと死ぬ=タイムリミットもの
が、合わさって、それはそれはハラハラドキドキの連続です。

主人公の薔(受け)は、少年らしくまっすぐ、かつ、かなり直情型の性格。何かあるとすぐに飛び出して走ります。(笑) 性格にあまり遊びがなくて(まっすぐ過ぎる)、グルグル考え込んだりもしますが、出した結論にはまっすぐ一直線!常盤(攻め)を好きでいることにも迷いがありません。

一方の常盤(攻め)は、薔よりも12才も歳上なうえに、外の世界で育っているので、薔だけを大切にしているわけにもいきません。もちろん、薔が一番大切なんですが…。自分が常盤よりもさらに歳上なせいか、彼があちこち惑うのも分かる気がします。薔を守るために、常盤には考えなくてはならないことがたくさんあるし、いろいろな出会いもあるからです。

そして、一番分かりにくい性格の椿さん。高すぎるプライドが邪魔をして、外からは行動も言動も理解しにくい人になっちゃってます。たぶん、根は優しいし、本当は清廉潔白に生きたいんだろうなぁ…。

この3人の愛憎劇や、神子候補の少年たちの葛藤、彼らを取り巻く様々な思惑、教団内のドロドロなど、濃密に絡み合った人間関係も読みどころ。

個人的には、常盤(攻め)が教祖になり、教団をぶっ潰してくれると信じてます。常盤と薔だけが幸せになってハッピーエンドではなく、紫苑のような存在を今後作らないためにも、教団を解体して欲しい!常盤ならできる!

欲にまみれた人以外、みんなが幸せになれる結末を楽しみにしています。