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本当に特別なのは征司だけだ
blue world
「しょうもない専門学校」を舞台に、そんな中でただ一人、突出した才能を持つ三浦と、三浦の絵に憧れ、かなわないと思いつつも、周りの怠惰な雰囲気に流されることなく自分を保ち続けている金田、そして目的もなくただそこにいる谷口など、庇護されている子ども時代をから抜け出しかけの曖昧で不安定な青春時代の、嫉妬や不安や自立を描いたお話。
全体に、絵がライトでかわいいので、ふわっと読めてしまうが、なかなかどうして、ストーリーの根幹は、結構ずっしりシリアス。
エチシーンもお顔が女の子っぽくて体つきも肉感的じゃないからさらっと見えるけど、これもなかなか、結構ガツガツいってる。
この、絵のふわっと感が、重苦しいストーリーといい感じにバランスとっているようでいいかも。
『秘密は夜に生まれてる』が印象的だった作家さん。
実は絵柄は受けが女子っぽいのとか、少しデッサン的にバランスがおかしいとか動きがないとか、少し癖があるのだが、ちょっと痛い感じの話しがはまる作家さん。
読者的には好みが分かれる作品と作家さんかもしれません。
前作は短編集でしたが、今回は上下巻の上巻としてシリアスな物語が展開されました。
絵を描くことが好き、絵が描きたい、そうやって頑張っているのに勝てない相手がいるスグルの嫉妬と憧憬の相手は、作品が賞をとった同級の三浦。
嫉妬を感じながらも気にせずにはいられない彼の存在に、先生の送別会の夜、三浦を良く思わないクラスメイトに責められる三浦の姿にゾクっとするものを感じるのでした。
そして、三浦は自分がゲイであること、スグルをずっと見ていたことを告白してスグルを襲うのですが、絵では敵わないと思っていた相手が自分を好きだということを知り、自分が何を三浦に求めているかよくわからないままに三浦を求め、上辺の恋人の付き合いが始まる。
この1巻はスグルが三浦を本当に好きという特別な存在が恋人としての特別な存在になりうる、一つ彼が脱皮する話となっている。
だけど、後半いつも無表情に他と慣れ合わない三浦の事情が三浦に精神的に障害を与えることになってしまうのです。
彼の母親の存在。
何でも完璧を求める母親にとってゲイであることは完璧でなく、それが彼に暗い影を落としている。
スグルという恋人ができたことで明るくなるかと思いきや・・・の展開なのです。
絵がかけなくなってしまった三浦。
スグルは自分のせいだと罪悪感を覚える。
そしてラスト、三浦の母親を訪ねてきた幼馴染の登場。
下巻はどうなっていくんだろう?
もっともっとドロドロしたものがまちうけているには違いない。
キャラに萌えとか、恋愛に萌えとか、この話も萌えとはちょっとはずれた部分で展開しているような、気がします。
でも「自分に苦しみ悩む青春期」をとてもよく表現していると思うのです。
下巻に期待します!