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kou3 gentei
読んで半年ぐらい…。やっとレビューをします。とってもとっても辛かった。理解をするのにとても時間がかかりました。このレビューを読む人はいないと思うけど、生半可な気持ちで読むことは絶対にお勧めできません。それぐらいとても辛かった。
辛いばっかり言っているんですが2人の愛は怖いほどに大きく深いものだと思います。よく「死んでも君を離さない」とか言うけど、それ以上に辛いことを成し遂げたオノには、なんかもう本当に……。オノが選んだことなのですごいねや可哀想は絶対違くて…自分の語彙力の無さに嘆きます。
梶本先生の言葉選び、文章力は本当にすごいと思います。繰り返して読むと一回読みでは見つけられなかった表現や繰り返している部分など、本当にすごくて。ここまで言葉の重みが違うと思ったのは初めてです。
一巻でかまぼこを殺した時の「オレはちゃんと解っていたんだーーお前のせいで…」のところ、花篝りの「何が欲しい?ーー今すぐ俺が叶えに行くから…」(個人的にこの話が一番好き。唯一癒される) 3巻の「俺ほど心優しく、ーーお前がとても大好きだ」などなど
特に、2巻の「今、もし、『ツチヤ』になってーー俺は喜んでその栄光に縋るだろう」とかは「自分が幸せに、自分を縋って頼ってほしい」とオノは思っているのにすごい辛いことだと思います。けど、これを認めるとユリちゃんが辛いわけで…(何のために頑張った?とかで)どうすればよかったかとずっと考えますが、2人にとってはこの結末しかなかったんだなといつもそこで落ち着きます。
色々感想とか見てみると絵のことで色々意見があったのですが、私はとっても好きです。まだ慣れないところはあるけど、この、腕とか線がなんかスアっと伸びてるところとかまつ毛とか、、(言葉のセンスの無さ)
絵柄とは関係ないけど、2巻からのイケダちゃんがとにかく健気で可愛い。けど、垣間見える痛々しいほどの体の細さ、傷に胸が痛みます。
萌えと言われると正直ないけど、個人的にやんちゃ?だったオノがユリちゃんと関わっていくうちに、あなたのためならなんだって…と闇に染まっていくところが好きです。最初は「ぶん殴ってやる」だったオノが3巻では「ブッ殺してやる」とモップを振り回している時などが特に。この場面ではイケダちゃんの心配そうな悲しそうな表情に心を打たれました。
ここまで言葉の選びが巧みなのに最終話でオノの背中を映して何も文字がなかったのは逆に印象づけられました。
読んでだいぶ経ちましたが、本当に2人のことが忘れられません。いつも日常の片隅に2人がいます。いつまでも、ずっと、2人が愛を伝え合えていればいいなと願うばかりです。
友人から教えてもらい購入しました。
1.2巻を読んだ前提でのレビューとなります。
まず、BL漫画という枠ではない作品だと思いました。
どちらかと言うと、ミステリーやサスペンスの様な位置付けの作品かと思います。+ロマンス。
読む機会があるなら、あとがきまで全て読んで欲しい。
ただグロテスクな表現が多い為、苦手な方にはオススメ出来ません。
普通は外に出す事は無い、言葉にする事すら憚られるような、グチャグチャとした人間の感情を具現化した作品だと感じました。
それは残酷なニュースを見た時に感じるような、人と共有する事は普通の人生においてあまり無い感情です。
作者の梶本さんは学生時代、ある悲惨なニュースを目にして
それを心の中から吐き出す事が出来ず、また消すことも出来ず、葛藤しながらこの作品を作られたのだろう。と私は解釈しています。
痛みや悲鳴、苦痛、欲望、残虐の限りをつくされた被害者に救いが無いなんて悲しすぎる。
だからこの物語では、被害者にあたるイケダには望むものを叶えられる力が宿る。
この作品は梶本さんが実際の事件の被害者の方に送ったレクイエムなのだと思います。
また、学生時代に目にした悲惨なニュースを
時間が経っても忘れること無く、それを最後まで形にされた梶本さんは本当に優しくて強い方だと感じました。
最後は輪廻転生のように、廻り回って因果を感じる展開でした。
この因果は"良縁"とも"悪縁"とも言いがたく、ただやはりこの2人の"縁"は一般的に言う"運命"と言う物なのかな…と思います。
パラレルワールドの様な世界で、そこでもお互いに惹かれ合う2人。
ただ、これはBLと言うよりも主人公が偶然男性同士だっただけで本質的な物はソコではなく
作者さんの葛藤、被害者の方への鎮魂、そういった部分が根幹にある物語だと思いました。
2人の魂がいつまでも愛に溢れて幸せでありますように。
これほどまでに評価に迷った作品はいまだかつてありませんでした。私にとって良い結末ではなかったから中立評価、ということではありません。ただ、あまりにも解釈するのに手間取ってしまって…。この結末の解釈は読者によって様々にできるものだと思うので、けっして正解は1つだけ、ということではないんでしょうけれど、正直もう少しヒントとなるものが欲しかったとは思ってしまったので、この評価に落ち着きました。でも、今まで中立評価にしてきた作品とは私の中で確実に一線を画している、これだけは言っておかなければなりません。
あとがきで仰られていますが、先生がこの作品を描く発端になったのは、某コンクリ事件のようです。私の生前の事件ではありますが、私もメディアで事件の概要を知る機会があり、ショックという言葉ではとても言い表せないほどの衝撃を受けたことを覚えています。イケダの受けた仕打ちとはまた別物ですが、なるほど、理不尽に蹂躙された魂の救済のために描くという試み、これは評価せざるを得ないと思いました。もはやBLという範疇を超越して、この世界のあまりにも残忍な部分に焦点を当て、先生なりの考えでかつて受けた衝撃をなんとか昇華させるための作品。その苦しい過程に読者は付き合わされてきたわけです。しかし、私はこの作品に出会えたことを感謝しています。
ただ、それが惨い現実への先生の答えなのだと納得できても、一方でこの作品自体の創作的部分が辿り着くゴールが私にはまだ不明瞭に思えて、どうにもすっきりしないままでした。すべてはイケダの力が生み出した虚構の世界だったのか、どこまでが現実でどこからが嘘なのか、私の貧相な頭ではとてもすべてを理解しきれませんでした。何度も読み返せば、散りばめられたヒントをちょっとずつ拾い集めて、パズルを完成させることができるのでしょうか。それとも先生自身、あえてぼかして描いた部分もあるのでしょうか。いずれにしろ、私がこの作品を真に理解するにはまだまだ時間がかかりそうです。でも、こんなストーリーを描き上げようと思った梶本先生の勇気と強靭な精神力には敬意を払いたいと思います。
発売当時エグいと評判だったので避けていましたが作者さんが
活動休止されて話題が再熱していたので心臓たたいて読んでみました。
ミ・ディアブロを読んで海外ドラマ好きリアル志向作家さんかなと勝手に
思ってたのですが臓器売買のプロットがファンタジックで視覚衝撃度も
犬木加奈子を水で10倍薄めた感じで評判よりかなり読みやすかったです。
序盤オノが美しいと認識し偏愛するイケダは実際は醜いんだよ復活編。
摂取されても頑張ってお願いごと具現化異世界創造サイレントヒル。
中盤で土屋やカイドの存在はなにかの状線なのかと思いきや特別なにもなし
思わせぶりなだけで読者が深読みしたら儲けぐらいな感じっだったのかな?
終盤結局イケダとオノは現実世界では一緒に幸せでい続けられず絶命後に
異世界で幸せにパンズ・ラビリンス。そして延々ループして異形編と。
あとがきに設定の思いつきは例のあの事件だと書かれていましたが
私は過去の因習がイケダの苦しみの入り口となった場面で月ヶ瀬村事件を
思い出しました。BLとしての魅力はこれといって感じられませんでしたが
問題提起としては良い作品だと思います。
多分高3限定1.2巻を既読済みでこちらを購入されてると思うので、それを踏まえてレビューしますと、
結末を知らない方がいいと思いました。orz...
1巻を読んで鬱になりましたが、
3巻はもっと酷いです。どう酷いって、どこを読んでも救いようがなさすぎて、こんなの、とにかく酷い。
一息つかせて欲しいのにそんなとこない。
こんなのありえない、結末を変えて欲しい。
そして”イケダ先生”が可哀想すぎてもうどうしようもない。
トーンのところを見て分かるように、
1.2巻の時はあまあまがありましたが、
ありません。終始暗い話でした。
1巻のレビューでも書きましたけど、
ただの暴力愛好きにはオススメしません!しません!
大事なことなので2回言いました!
ここまでくるともう非BLにしてもいいんじゃないかなと思うくらいでした。いい意味で。スケールが大きい。
1巻を読むと結末を知りたくなってしまわれてると思います。
ですが、知らない方がいいこともあると、思いました。
感じ方は人それぞれだろうと思いますが、
私は読まなきゃよかったと思いました。
この作品が面白くなかったからという意味でなく、
あんまりにも怖くて悲しくて、のめり込んじゃいました。
オススメしたいけど、こんな悲しい気持ちになったのでしにくい。ので、神ではなく萌2で。
大好きだけど何とも感想の書き辛い完結巻。
巻末の「アトガキ」には色んな意味で大変なショックと感銘を受けたものの、そのメッセージを伝えるためにあそこまでホラー/スプラッタ的な描写をする必要はあったのか。
あとがきが本編を補完する形になってはいないか。
等々考え込んで長らくレビューできずにいました。
しかし、忘れ得ぬ作品であることは間違いありません。
イケダが、自分の「お願い事」が既に叶っていたことに気付き、あの決定的な一言を発するシーン。
あまりに晴れやかな笑顔に何度読んでも涙が止まらなくなります。
そして最後のヒトコマ。
イケダが本当に搾取の限りを尽くされ、
本来のイケダの体には
あんなちっぽけな臓器しか残されていなかったのかと思うと、やり場のない怒りと悲しみが込み上げてきてどうしようもありません。
そんなイケダを命を懸けて愛するオノ。
搾取に意味などない。
奪われた命は、踏みにじられた尊厳は
何をしても取り戻せない。
そんな残酷な現実を認め、
それでも愛する人に生きる喜びを
与えたくて仕方なかったからこその
オノの究極の決断にも泣けてしまいます。
幸せな虚構の世界で、イケダがオノにかける
「君が君自身であることかな」
という言葉がとても好きです。
何気ない台詞だけど、
何者にも搾取されずありのままの自分でいられることはかけがえのない幸せだと思うので。
ですがしかし。
ミステリにも社会派ドラマにもなりえそうな
様々な伏線をはらんた1巻と比較すると
ストーリー自体の「面白さ」は
後半にいくにつれ失速したように思えます。
結末にはこの上なく感動したものの
それまでにあった様々な謎めいた伏線が
全て「お願い事」というファンタジー設定に
集約され、最後には文字通り崩壊してしまうのが個人的に少しだけ消化不良でした。
それでも、作中の様々な言葉、出来事は
全てが非常に衝撃的でした。
実際の事件をきっかけに書かれた作品とのことですが、痛みに耐えることを美徳としたり、そこに神聖な意味を見出だしたりする風潮は、本書で書かれたような凄惨なシチュエーション以外にも、ごく普通の日常でも散見されると思います。
痛みの次元や論点は全く違いますが、
たとえば無痛分娩や安楽死についての議論などを
目にするたび、本書のことを思い出します。
賛成か反対かという話ではなく
痛みを受ける当事者でない自分は
どんな立場に立て、どんな意見が言えるのかと。
このような感想は
作家さんの訴えたかった趣旨からは
外れているかもしれませんが、
極端な事例を描いているようで、
ごく身近にある社会の問題、固定観念にも
斬り込んだ意欲作。
私の中ではそんな位置付けで、
作中のストーリーとは別なところでも
色々と考えさせられる作品です。
沢山の、痛みと辛さを乗り越えて
またイケダに巡り合ったオノ。
完全にハッピーエンドだとは
言い切れないのだろうけれど、
あのラストシーンに、
こみ上げるものを抑え切れませんでした。
物語の終わりにある、溢れるような光。
何度読み返しても喉元をぐーっと
締め付けられるような感覚がします。
苦しさと幸福感が同時に訪れたような…。
オノがイケダとして生きて、
イケダがオノとして生きて。
ふたりのこの二度目の出逢いに
ふたりはもう一つのものなんじゃないかなと
何度目かの再読の後、ふと感じました。
セックスで繋がるだけよりも
もっともっと交わったというか…
ふたりは一体であり、同じ魂を持つ者で、
この愛はあるべくしてあるものなんだろうと。
どんなに考えても、この感覚を
うまく言い表すことは出来ないように思います。
レビューも読んですぐはできませんでした。
だから読もうかどうか迷っている方がいらしたら、
直接読むことでしか感じることのできない、
この何とも言えない想いを
実感してほしいなと思います。
グロテスクな描写は沢山あるし、
オノの歪んだ内面を感じる
モノローグはとても息苦しい。
でも、私は読後に
浄化されたような感覚がしたのです。
読む決意をするまでにかなり時間をかけましたが、
読後の今、読んだことに後悔などは一切無く、
これからも何度も読み返しては
また毎回何かを感じるんだと思います。
正直、まだ真実がはっきり分からない部分は
いくつもあります。
でも、
「伝えたかったテーマひとつのみ、
答えは漫画の中に全て描いた」
という梶本先生のBlogでの言葉を見て、
それを感じることはきっと私も
出来たように思ったのです。
どの巻も、アトガキまで大切に読みました。
作品と向き合う辛さを吐露しながらも、
この物語をあのように完結させてくださったこと、
本当に心から「ありがとう」という
気持ちでいっぱいです。
この作品に出逢えて、
読む決心が出来て、
本当によかった。
やっと完結しました!
ずっとずっと見守ってきて、この話の始まった第1巻から考えると、まさかよもやこんな結末になるとは誰が予想したでしょうか。
”生きて二人が結ばれる”ことが真のハッピーエンドとするなら、この話はアンハッピーエンドに類するものなのでしょうが、
1~3巻へと進展して明らかになって行ったこの世界の中では、これがハッピーエンドだったのだと断言できます。
掲載中もずっとずっと考えていました。
「頑張ればお願いごとが叶う」
ユリちゃんのお願いと小野の願い。
二人のお願いは同じはずだったのに、小野は「高3限定(コイサンゲンテイ)」を信じていなくてユリちゃんはそれを信じていた。
自分の願い事が叶っていた事にユリちゃんが気が付いた時、ユリちゃんのコウサンゲンテイは終了する。
そして小野のお願い事が残る。
何度も読みかえしました。作者さんはブログで”答えが置いてあります”と書かれてはいますが、その解釈はきっと読む人それぞれにきっと違うモノを感じて考えるのではないかと思います。
イケダ町はユリちゃんの願いがこもった、彼が作り上げた場所。
そこに本当に必要だった欲しかったモノが彼の本当のお願い。
土屋は一体誰だったのか?カイドさんだったのかと思いこんでいましたが、最後にふと思ったのです。
小野が高3の3学期に突然失踪して30年前から富岡の前に現れるが(富岡は大学入学式だった)、校舎から発見された小野の遺体は50年前・・・そうなんだ!!!土屋って本当は・・・
この描き下ろし【親友トミーの告白】は全ての謎のつじつまが合うための最後のキーワードだったと思います。
ホラー・ミステリー・オカルト?BLじゃないんじゃない?
それらを取っ払って大きな意味で「愛」
人を真摯に思って、その人の為に何ができるか。その行動は究極の愛情の表現の一つでもあったと思います。
自分の解釈をここで色々と説明するのは要らないかもと思いました。
読んだ人が感じたままに自分なりの納得で決着をつけていい話なのかもしれません。
ひょっとしたら読みかえす度に、その都度また新しい解釈が生まれてくるかもしれません。
明らかなのは、ユリちゃんの願いと小野の願いを叶える為の始まりの終わりがこのエンドだったと思ったということです。
実のところ、1読目は頭の中がクエスチョンマークでひょっとして評価がつけにくいかもと危惧したのですが、読めば読むほどに自分の解釈がわいてきて、そう思うとこの本とてつもなくスゴイ、怪物のような作品なんじゃないだろうか?って思ったのです。
3巻も今までにもまして衝撃的なグロな表現が沢山あります。
耐性のない方は注意してください。
最後に、この巻は1巻と同じケロイドのアップ(?)がエンボスで加工されています。
このケロイドは小野のケロイド?それとも?
きっとこの背中のアイロンのケロイドはコウサンゲンテイの印、象徴なのかもしれないと思ったのでした。
はじめまして茶鬼さま。だらむしと申します。
レビュー内で書かれている「始まりの終わり」、私も読了後からそのワードが頭をすごくすごく巡っていたのです! とても共感できる!! と勢いのまま思わずコメントをしてしまいました・笑
ふたりの終わりではあったけれども、でもここからが更に幸せになるための世界だと、終わりではあるけれど始まりでもある、オノとユリの世界…。愛ってこうなんだよ、好きってこうなんだよ、そんな世界。
「高3限定」怪物作品ですね。
唐突に申し訳ありませんでした…!
この結末がすべてであり、答えはここに置いてあるのだと、梶本先生は仰っていました。
一読者として、このお話を完結させてくだすったことに感謝いたします。幾分足りない頭ながらも読み取ろうと必死に考えました。
評価をどうすべきか非常に迷いました。
ストーリー内の惨い一面や血の気が引くほどの不気味さはとても怖く、事実でないとしても恐ろしかったです。
また、幸せそうなオノとイケダの様子からの結末があそこか…と虚無感に捕らわれました。そういった点では決して「萌え」には結びつきません。むしろ真逆でした。
しかし、なにより私は「高3限定」というストーリー、そしてイケダとオノの終わりを見ることができた、ということが大変おおきなモノとして胸に残っています。ホラー・サスペンス・ミステリー、そこに入り混じる純愛と偏愛。
言葉だけを並べれば、どろどろとしている世界のように想像できますが、決してそれだけではありません。イケダがどこか諦めているような、拒みたがっているような、けれども抗えないような、そういう反応であるからこそ侘しい世界にみえました。
終わりを迎えてもなお、漂う寂しさが拭えません。
これが終わり? と一度目は思いました。
いまだにどれが正しい記憶でどれが「コイサン・請ウ人」の習わしに因るものかの判断をつけられません。
たとえば、カイドが ツチヤ だったのかそれともただあの廃校で仕事に従事していた極道者だったのかも悩みます。イクミのためにツチヤと名乗ったのか、ほんとうにツチヤであったのか。それともツチヤの記憶も共有しているのか…。
2巻でツチヤ(と思われる、3巻後半カイドの回想から)が土屋の家に頑張ったイケダこと松原くんを案内した時、カイドを寄こすと言っているからこそ…別の人なんでしょうか。
しかしツチヤの骨は掘り起こしたとあります。そしてツチヤはそれでも蘇らなかったと。カイドがもう既に「ツチヤだ」と言ってしまっていたから? ツチヤに蘇ってもらうことが願いではないとカイドは言っていましたが、でもイケダはツチヤのことを求めていました。オノがツチヤかもしれない、ツチヤがついに、と思っていたのだから。
でも、先生のお願いごとは根本的なことだったんですね。
誰かに愛されて欲されて、会いたい会いたい、と思われたいこと。幸せにするよと告げられること。誰かに選ばれ、求められること。
叶っていることを理解して、認められたときが終わるときだったのかなと思いました。
すると今度は、じゃあオノのお願いごとはなんだったのか、と悩みます。
単純に先生を蘇らせたかったわけではないと思うんです。先生と人並みに幸せになりたかったのかな、愛とはこうだよ生きるってこうだよ、と。だから先生に報い、先生を求め、先生を救済したかったんだろうかと。
トミー曰く、小野の姿はトミー以外の誰にも見えていなかったとありますが1巻で幼い女の子が見ていますよね。こーへー君はお仕事に来ていると。親も見えているようですし。死神になってしまっていたのか、それとも【お願いごと】をしている人には見える存在になっているのか。
同様に妹のコンサートについてもです。
電話をすることができていた、通話中になっていた。やはりこれも【お願いごと】が絡むからでしょうか。
トミーの話もどこまでが本当でどこからが虚言かもわかりません。
ただルポライターとの間で言われた「死後50年経過している小野の死体」は事実なのでしょう。
妹もいる母もいる、もちろんトミーも小野と関わっている。
小野はどこまで小野だったのか、小野は本当にこの世に存在していたのか。
となると、オノはツチヤだったんでしょうか。
でもオノはオノだし、オノのままユリを愛していました。
あそこまで偏愛していたのは、トミーも語っていましたが小野の元々持っている性癖ゆえだというのは本当でしょう。また本編内でも小野の歪んだ一面から先生への愛が育った理由も描かれています。
ユリがユリと成ったのはおそらく母親への愛からと思われました。
「彼について」の回はどう捉えるべきか、こういった話に対しある程度の慣れがなければ直視することが難しいと感じました。
だって小野も言っていました、「アンタの名前も正しく呼べない」と。そう読者の誰も、イケダイクミ・松原百合、ではない本当の彼の名が分からないんですもの。
もしかすると戸籍さえなかったかもしれない。母親である百合先生と祖母以外、彼のことを覚えていない、知っていない。
だからこそお願いは、求められ認められ愛されることだったのかもしれません。
口から大きな声で言わずとも心で願っていたからこそ。
そうして色々と考え、1巻から読み返してゆくとこの結末でなければいけないんだと納得しました。あとがきで「強大な力を得たのだろう」と仰っていることにも頷けます。
トミーが作り上げたカルテからの、思い込みによる衝撃でも、先生に返した命で先生とまた年を違えても出会い、巡り合い、ふたりだけの世界に居られること、ふたりが求めあえることはある意味で幸せな終点だと思えます。
昇華できなかっただろうトミーの思いには虚しさを覚えますが、でもトミーは何度もやってくる小野に光を見出していたんですね。小野の願いに悔みを感じながらも、誰より理解していたのでしょう。
ふたりだけの世界で、小野は先生の傷をひとつひとつ星に変えているでしょうか。
それとも先生が小野の傷を変えているかもしれません。願いを叶えられたからこそ。
言うなれば高3限定は、サスペンスホラー・ファンタジーかな。
私はあの世界で、小野と先生が愛を育み時を越え永遠に幸せであることを強く願います。
だらむしさま、はじめましてこんにちは☆
コメントありがとうございました。
思いもかけず壮大な物語になったと思いました。
「始まりの終わり」「終わりの始まり」そのどちらでもあるのかもしれないですね。
きっと小野は小野とユリちゃんの世界でユリちゃんの願いを叶えて、そして今度こそ二人の本懐が遂げられる未来への希望がこのエンドだったのだと思っています。
この作品レビューするのに困ってしまって、上手くまとめてらっしゃるだらむしさま、スゴイ!って思いました。
自分の解釈書き始めたら字数が足りなくなって思いきって削っちゃいました(^_^;)
ありがとうございました☆
web連載の時からずっと好きで、やっと最終話を読むことが出来ました。
ダークファンタジーですよね。
最終巻に直接的な性的描写はないですが、ユリちゃんが耽美過ぎると思います。
この作品はあのコンクリ事件を題材にしてるんですね。
色々、考えながら読み終えましたが…重くずっしりとは残らずにすきっりとした気分です。
badendかもしれないと思っていましたから…
梶本レイカさんのメッセージを読みとれてたらと思います。
この作品に出会えて良かったです。
webで連載中の作品やCALL ME,CALL,の続きも楽しみです。
梶本レイカさん、お疲れさまでした。
ユリちゃん、小野といつまでも幸せに…。