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すべてが澱んだ景色の中、アンタだけがクリアだった
kanasan
レビュータイトルは一番好きなシーン。
居酒屋バイトのヒロセくんがカナさんと出会って、あっという間にカナさんはいなくなってしまう。それからのお話。
カナさんの置いていったテレキャスを弾きたくてカナさんのバンドメンバーに教えてもらう。
バンドマンになってヒロセが変わっていくわけでもなく、淡々とした日々で、そんなお話の最後の落書き。
こういうのってトジツキさんにしか描けない気がする。
同時収録も一言感想を
「たべものではありません」
たしかに美味しそうw
「月翳」
レベル高い。文豪の翻案作品と言われても納得しそう。
「外道」
これもレベル高いw
贅沢を言えばカラーで見たかった。
総評はトジツキワールド全開な1冊。
中古で購入。お布施したいので電子化待ってます!
表題作の「カナさん」シリーズ。
バンドマンのカナさんと居酒屋のアルバイト・ヒロセが出逢い、運命が一瞬くっついたようにほんの短期間での(おそらく恋愛未満の)関係が切ない。
ヒロセはカナさんを「大事な人」とちゃんと認識しているけれど、カナさんはヒロセへの想いを表出する前にスルッと消えるように亡くなってしまう。
ヒロセに愛用のギターを遺してカナさんはこの世を去り、そのギターを持ってバンドメンバーに教えを乞うヒロセ。
カナさんはそこかしこで生きている側の人間に影響を与え続けています。
カナさんの存在が意識に上る度に喪失感もあるけれど、月日を経てその痛みを抱えながらも一歩ずつ前へと進んでいく生きている側の姿がフラットな目線で描かれていて読了後は温かな気持ちになりました。
過剰に演出されていない哀しみや、前を向く確かな力強さがこの作品を安易な「泣ける作品」から遠ざけているように思います。
表題作はバンドの持つ魅力やメンバー内の人間関係がシリアスではなくコミカルにも描かれているので、その辺りも読んでいて楽しい!
「たべものではありません」
「月翳」
「外道」
と他3編も各々持ち味が違って堪能しました。
そのなかでも「月翳」
月翳を読むうちに体に馴染んだものをそっと呼び起こされる感覚に陥り、懐しさといった類いの感情を揺さぶられたので、作品の時代背景がそう感じさせるのかな?と。
けれど、レビューで書いていらした方のお陰で気付きました。
私はJUNEの血脈を感じたから懐しさを覚えたのだと。
私がローティーンの頃に血肉となった物語の数々を呼び起こされました。本当に久々にこうした味わいの漫画を読んだ気がします。
読了後の余韻は静かに広がる波紋のように長く続き、胸に響き続けます。
短編集だと丸ごと「神!」と思えることがあまりないのですが、こちらは一冊通して神評価。
素敵な作品に出会えてとても幸せです。
トジツキさん作品の中でもだいっっすきな本です。
BL、死別、バンドものだけどパンクもしくはメロコア(多分)、プロレスだけど新日本プロレスじゃなくて大日本プロレス(多分)、文学、刺青…最高か!!!awesome !!!
物語が違えどセリフ、ナレがどれも秀逸です。小説のような詩のような。
求心力ある言葉の紡ぎ方。
トジツキさんの描く人物からは60kg、70kg?その体型なりの体重がキチンと感じられて好きです。
そしてその重みがおりなす絡みは…クソ萌える!
「ギシッ」に重力がつまってるんだ!
私の心のち◯こ完勃、精神の前立腺が震える。
表題作シリーズもっと読みたかった。
いやいや、もっと伸ばせるし掘り下げられるし広げられるしここからだし!
巻末の「外道」がホントにねぇ、ホント大好き要素満載。
ラブラブゲイカップル最高。
宇陀児くん可愛すぎ格好良すぎでしょうに。
絡み中の刺青エピソードが…鼻血ものです。
ここまで熱く語りましたが、ニッチすぎて萌えながらもいろいろ心配になります。
いや、いいと思います、こんな素敵な作品になって、ひと1人アホほど魅了してるんだから。
トジツキさんにはBL云々抜きで好きなものを好きなだけ詰め込んだモノを描いていって欲しい。
でももうそろそろBLも振り返って欲しい…待ってます!!!
表題作と短編が三作収録されています。まずカバーから目を惹きつけられずにはいられません。あまり見掛けない鮮やかなブルーグリーン。描かれている男性は、表題作のカナさんです。
「カナさん」は居酒屋でバイトしていたヒロセが、バンドの打ち上げで御用達の常連、カナさんとトイレで出会うところからお話が始まります。カナさんはアマチュアバンドのギターボーカル。彼の存在がバンドそのものの在り方と、ヒロセの人生に静かに影響を及ぼしていく。
バンドもののコミックスは何作か読みましたが、トジツキハジメさんの描くこの作品の雰囲気が自分には一番しっくりきました。(SHOOWAさんの作品もツボだったけど。)アーティスト特有のピリピリ感もなく、破天荒さもなく、バンドを取り巻く環境もなんだか穏やか。だけれど、メンバー内の関係性がやりすぎ感なくきちんと描かれています。サポートで入って来たキヨがカワイイ。ゆーしくんとのやりとりでキヨがネコにデフォルメされちゃうシーンが可愛すぎです。
落ち着いたテンションなのにコミカルな部分もありつつ、テーマは切なくてしっとりと表現されている。で、読者をおいてけぼりにもしない。こういった作風はどストライク。同時収録されている「たべものではありません」はプロレスラーをモチーフにした『注文の多い料理店』のようなシュールなお話で、「月翳」は戦後直後の死者と生者の境界線に佇む男の幻想的なお話。ツボすぎです。あとがきによると、作家さまは最初、小説を書いていらっしゃったということで、どんだけ才能に恵まれてるんだと思いました。
最後に収録されている「外道」は見習い彫り師と歴代師匠が彫った墨を入れた恋人の、エッチシーンのひとコマ。わたしは完全に攻め視点で楽しませていただきました。コワモテの刺青男性が受けって最高です!「カナさん」を読もうか迷っていたところに、このお話関連でオススメいただき、背中を押していただきました。作家さまの萌えの集大成、しかも自分の萌えと全被りということで、出会えて本当に良かった一冊でした。
わたし、トジツキさんの作品を読むのは初めてだったのですが、読み終えての感想は「素敵だ…」の一言に尽きます。
今までトジツキさんの作品を読んでなかったというのも、大した理由はなかったので、どうして今まで読まなかったんだろう!!となんとなく悔しいという気持ちでいます。
アマチュアバンドメンバーを中心とした一連のお話………他の方もおっしゃっていましたが、表題とされている「カナさん」は特別に派手なことをしているわけではないけれど、やりたいことを思いっきりやって、すごく自由で、駆け抜けるように生きてて、「永遠じゃない人生」を謳歌しているのでした。キラキラしてました。巻頭作で亡くなってしまったのですが、存在感はずっと残りました。読み終わっても、です。
正直もっとカナさんがどんな人なのか知りたかった。だけどカナさんの周りにいた人達にとってカナさんはどのような存在だったのか、これは掴むことができるので、これはこれで深みがあるのかな、と…。カナさんという人間がどんなものだったのかということを想像することにおいての、深み…
キヨくんと、ゆーしくん、結局どうなったのかなあ??あのふたりはみててほっこりしました。
レスラー君のはなし………正直初見で「ビジュアル……」と思ったんですけど、読んでいくうちにぜんぜんアリになりました。
デスマッチプロレス?の世界は詳しくわからないですけど、ストーリーを読む上では特に嫌悪感はなかったです。主人公レスラー君はなんだか血生臭ーい世界に住んでるようでしたが、「胃袋掴まれてるから離れられない」だなんて感情に素直でかわいらしいなあと思いました。(笑)餌付けしてるカフェのオーナー君はさらりと、グロテスクな発言を飛び交わせていました。自分の作った食べ物が、他人の血となり肉となることに興奮する…なんだかわからなくもないです。(あれ、変態…?w)自分の仕業で人の体を作りかえているって考えると感覚的には確かに快感なのかも…(笑)
大戦直後を舞台としたお話………これ、わたし好きなタイプのお話ですね……。ふたりの間で恋愛がはじまっていたのかどうかもわからないといったストーリーです。でも、美しかった。若いふたりの間には他者には理解できないような世界があったのだと思います。
主人公が冒頭で「恋心に似た錯覚」と言ったそれは、若さ故の、大人になってからは持ち得ない、なにか特別な感情だったのではないかと思います。主人公はふたりでみた景色の記憶や、自分の中でキラキラとした高槻との「思い出」というものに、大人になってからも恋焦がれていたのではないかと、わたしはそう解釈しました。だから、大人になって訪れた思い出の場所は少し違って見えた……大人になってからも高槻に対しては特別な感情を抱いているのは間違いないと思います、けれど、主人公はきっと終盤に海辺を歩いたとき、高槻自身というより自分は今まで「思い出」に「恋」をしていたのだということを自覚したのではないでしょうか…。わたしの解釈です。人に依ると思います。
そんな、青年たちの間に秘められた、言葉にすることはなかったきらきらしていた感情を、うつくしいと思いました。
刺青のお話………これは、キャラクターに萌えさせていただきました…トジツキさんは、萌えるか萌えないかの絶妙なラインにあるフェティシズム(私調べ)を描くのが得意でいらっしゃるんですね(笑)でも、やっぱり嫌悪感はないのです。設定はずいぶんアブノーマルなはずなのに……ね(笑)。それから、画面がキレイです。わたしが細かい書き込みのある絵柄がすきなのもあるのですが、刺青がテーマであるこの作品ではトジツキさんの絵柄のパワーが最大限に発揮できていると思います。
とりあえず、一読してみて、すっかりトジツキさんの魅力にはまってしまったみたいです。絵柄も好きだし、言葉の選択もわたしにはまっているので、これから既刊のものをどんどん読んでいきたいと思いました(^ω^)
彼は優しくも残酷な形で人生の楽しさを教えてくれた。
大学卒業後、やりたいことも特にない平凡なヒロセがバイト先の居酒屋のトイレで出逢ったギタリストのカナさんは「人生は永遠じゃないんだぜ」と楽しそうに生きていた。
その眩しさに惹かれるヒロセの想いに引きずられるように私も目が離せなくなりました。
語り手であるヒロセはカナさんと共有した短い時間とその後、カナさんのバンドでギターを弾くようになってからの暮らしを詩でも読むかのように淡々と語ります。
さりげなく交わされる仲間同士の会話から零れるカナさんの記憶。
ヒロセもカナさんの表情や言葉を味わい尽くすように反芻します。
残された彼らが新しいバンドを楽しみ日々を過ごす、それだけの話がとても愛しく思える。
時間には限りがあること、人どんな状況でも楽しむことができるということを彼らに教えてくれたのはカナさん。
カナさんへの愛しさの名残の積み重ねで綴られる日々が静かに描かれています。
死ネタにつきものの激情や涙とは無縁に話は進みますが、それ故に切なさと優しさが力強く響くのです。
サポートメンバーのキヨの存在がとても良いスパイス。
ベースのゆーしのことが大好きな彼だけは他の3人とベクトルが違うので考えがニュートラル。
絶対的な存在であるカナさんに対する少々の抵抗が可愛い。
騒々しさも「生」を意識させます。
楽しさを見つけたヒロセに逢いにきたカナさん。
ヒロセといる時の彼は少し儚げで、それでいて楽しさへ導く姿に涙が出ました。
同時収録のレスラーと料理人の話、彫り師×アパレル青年イチャラブを描いた2編はコメディタッチ。
ガチムチのしっとり柔らかい体の線に昔の藤原カムイの絵柄を思い出しました。
もう一作【月翳】は体が弱く徴兵を逃れた高槻とその友人:内藤の始まりそうで始まらなかった話。
高槻は昔、2人で遊んだ海の近くに出征できなかった自責の念と共にずっと息をひそめて生きていた。
内藤を想い内藤と眺めた月、海、夜光虫の光をその瞳に留める為にとった彼の行動。
高槻は光を失ったのではなく失わないように瞼に閉じ込めた…内藤への想いと一緒に。
結局、どうにもならなかったこの話、月が照らす冷えた余韻が染みます。
表紙のカナさんと視線がぶつかって即決で手に取った一冊。
方向性は違うのに一冊まるっと独特な世界観で面白かったです。
絵柄を含め好き嫌いは分かれそうですが私にはドストライク!
代表作「カナさん」を含めた短編集です。
ここで評判だったので絵は好みじゃなんですが購入。
そして「あーハズレだー」と嘆き一回読んで放置しておりました。
そしてしばらくして2、3度読み返しての感想ですーー。
ん~じわじわくる。
カナさんの印象は想ったほど強烈ではなかったです。
自分の死を意識しつつもみんなとバンドして飲んで暴れてバンドして飲んで暴れて
いつもトイレで出くわす店員のヒロセ。
読み返すうちにヒロセにはまってゆきました(笑)
好きなんです・・無表情無感情なようでカナさんにハマってゆくヒロセがぁぁぁ。
トイレでよく吐いてるカナをどかで意識しながら気付かないふりをするヒロセ
カナがトイレで吐血しているのを見てよけいにカナさんを意識する。
カナさんはちょっとずるい人かな・・・・。バンド仲間には知られたくないけど
自分のことほとんど知らないヒロセならなんとなく甘えられる気がしたのかな?
誘われるままカンさんの体に溺れるヒロセ。その時も無表情なようで欲情するヒロセが
なんとなく怖いです。好きですけどね。
カナさんがでてくるのは最初だけであとはカナさん亡きあと残された人たちのその後が描かれています。
カナさんのいたバンド仲間に加わることになったヒロセ。カナと体系がそっくりなキヨ。
年下で小さくて甘ったれなキヨだけどヒロセにはやけに辛辣。
カナの存在がどれだけ大きかったか・・・・。どれだけかけがえい人だったかをヒロセは歩んでゆくなかで少しづつ消化していきます。
甘ったれなキヨはちょっと憎らしいけど可愛い。
「たべものではありません」
レスラーもの。まさかガチムチといえばあの人ーでは同じみな感じのレスラーものなのですが
ここで読めると思いませんでした。
料理上手な攻め(想いこみ)にうまぁく家畜されてゆくレスラー。
ちょいと怖いですが好きです。その猟奇的な攻め(想いこみ)
「月翳」
戦後。戦前の甘酸っぱい想い出を胸に一人は兵士に一人は胸囲が2センチたりないとお国のために役に立てないと嘆く男。
砂浜で二人でみた景色、やわらかい唇。すべては美しい景色とともに彼の瞳の中へ閉じ込めたまま。やっぱり明治大正昭和の男同志ってどことなくストイックというか好きですね。
「外道」
これが一番好きです。刺青を両肩にいれている強面坊主と彫師の弟子
ひたすらセックス事情の真っ最中、彫師の弟子の思考を覗き見れます。
強面坊主の刺青を眺めつつ刺青に欲情し彼にも欲情する。
ちゃらい顔して頭の中は坊主と刺青のことばっかですごく好きな作品です。
強面がネコで怖いそぶりを見せつつなんて可愛いんだ・・・。
トジツキさんって絵はお上手なんだけど、ここ何年かは、現代のお話だとファッションの好みが合わなくて、この本も買おうかどうしようか随分と迷ってました。
でも、この表紙の彼がカナさんなら、いけるんじゃないかとようやく手に入れたわけですが、、
表題作は、表紙の彼のイメージ通りの、普通にロック系のバンドのお話で、趣味以上、プロ未満のバンド青年たちのお話は、普遍的で読みやすかった。
なかでもキヨ君の声が下野紘さんで脳内再生されて、これ、ドラマCDで聞きたい、でも、音にする以上は音楽が難しいか、とか考えながら読むのも楽しかった。
「たべもの~」
主人公の流血プロレスラー君は全然タイプじゃないけど、彼を肥育している一二三四君が不気味で素敵。
そして、アタリだったのが「月翳」
こういう絵で、こういうお話を読みたかったの。
最後に「外道」
まあ、これはこれで、服着ていないから、多分ファッション的には二人ともお好みじゃないタイプの子だろうけど、目をつぶっておこう。
表題のカナさんが一体どんな人物かというと、夢のような信仰のようなそんな存在。
死んでも皆の心の中根深く残っていて、重要なキーパーソンになっている…と。
凄く面白いなあと思ったのがそんなカナさんに序盤で惹き込ませておいて、後半は切なさの余韻が残るところ。
カナさんの死をきっかけにストーリーが展開していく、それがとてもリアルで、好きだ!!!!とかいう原動力で動いていくのがファンタジーならこれは廣瀬の生きる力が源のリアリティあるお話です。
表題作の「カナさん」だけでなく他の短編もとっても好きだなあって思えました。
「食べ物ではありません」はなんだか可愛くってほのぼのしてしまったし(トジツキさんの描く坊主の受けってふくふくしててほっこりするのです*´`)、「月翳」は年月の積み重ねで出来てしまった業の深さのようなものを強く感じました。
「外道」が地味に興奮したのは私だけでしょうか……刺青ってなんだか皮膚の上に生きているみたいでエロいですなあ。
そんなこんなで、色んなテイストの詰まった一冊。
目を引くミントグリーンの表紙で微笑んでいるカナさんの存在も相まって、とても印象に残る一冊です。
キラキラとした、青春みたいな話ではないし甘さもないけれどリアルな日々の結晶みたいなBLです。
ビターでわたしは何回も読み返してしまいました。
なんだかんだで作品いつも買っている。
すごく好きなポイントがはまる時がある作家さんですが
色々な方面へ思考が向いているのか作風が結構変化する。
カナさんはとても魅力的です。
カナさんあっけなく亡くなりますが、亡くなったあとも
カナさんあっての作品となっている見せ方がグッときました。
バンドやる人に興味持った事もないですし音楽は殆ど聞かないので
設定としてはピンとこないです
それでも、空気感を感じることが
できるので素晴らしい。
感涙していたら、なんとカナさんをこえる作品がまだあった。
月翳
BLじゃないのかもしれないし
バットエンドと言われるかもしれない。
これが現代設定だったら
心動かなかった。
時代設定ありきでの
作品。小説で読みたかったな。
さらに深く感じられた気がする。