__モコ__
ihr hertz
見て下さいこの表紙。
『囀る鳥は羽ばたかない』の記念すべき1巻目を思い出させるこの構図…!
ぐらぁっ…と1巻を読みたい衝動に駆られました。というより、1巻の表紙を愛でたい気持ちが沸き起こる瞬間でした。
巻頭カラーはヨネダコウさん『囀る鳥は羽ばたかない』。
殺伐としたヨネダさん作品の後に続くのが、木下けい子さんのやわらかほわわな絵柄&お話の『いつか王子様が』。
この緩急の付け方がスバラシイ♡
私的初となるツトムさん&山田ロックさんも新連載で登場です。
そんな中から、私のお気に入りを。
(ここからはネタバレをふんだんに含む場合があります。作品を読むのを楽しみにしている方はご注意下さい)
◆ヨネダコウさん『囀る鳥は羽ばたかない』
撃たれた矢代、オトシマエをつける百目鬼。
拳銃の型は流通しているものではなく、組では当たり前に使っているタイプ――すなわち、組内の人間が…?と続いていきます。
そして今回は、頭と矢代の出会った頃の回想シーンが殆どを占めています。
とある雀荘で出会った二人。
矢代は松原組の男らに犯されまくっている所に、頭がやってくるのですが、……いいですねぇこのヤミクモに暗い雰囲気…!
若かりし頃の矢代は、高校時代を思い出させる風貌なのでまだ本当に20歳前後の頃でしょうか。
そして、今はあまり見えない、矢代が本来持っていた馬鹿さが際立つ。(変態で「そうそれ!」ですからね)
本当に、本当に矢代の右腕は……?
◆山本小鉄子さん『マッドシンデレラ』
財閥の次男坊・サクと、幼馴染・良太のお話。
……いよいよ、ですよ♡キャー(*ノωノ)
やー、今回のこちらは思う存分悶えさせて頂きました♪しーっかり致しちゃうんですもん♪
しかもお互い好き過ぎてキュンキュンしてるし、特に良太のあの顔を隠しつつ指の隙間からチラリと見ちゃうってヤツ!あっれはサク殺しだ(笑)
煽ってるつもりはないんだけれど…無自覚って罪です♡
そして小鉄子さんと言えばの白目も健在ー、大好きですあの白目w
ようやくようやく体も繋ぐ事が出来て、見ているこちらも幸せーな気持ちになりました♪
◆河馬乃さかだちさん『トマトのてのひら』
トマト農家の跡を継ぐ為、来年地元へ帰る予定のトモ。
大学まで行かせてくれて、東京で冷たい風に吹かれながらも平凡に何事もなく過ごしていた彼。
嫁を連れて帰れと祖母に言われた言葉を心にとめていた筈が、今となってはあの日から、男に掘られる生活を送っていて――と進んでいきます。
最初の出会いは最低最悪でしたが、過去の回想シーンに行く前に、しっかり現在掘られて感じまくって喘いでいる所から入ったので、だからこそ回想シーンは衝撃的に。
寒々しい風が心に吹いていた東京で、トモは何が変わって今に至るのでしょうか。
◆羽生山へび子さん『晴れときどき、わかば荘』
長崎さんのお話、後編です!
相変わらず素敵なママさん…じゃないや、絵柄&ギャグの緩急っぷり。
(いや、ママさんもお綺麗です…お腹が黒くて…w)
お互い意識し合っていた筈なのに、それを無視して離れ離れになった二人。
ドコか出掛けようか、思い出話をしよう、一緒に笑って時間を共有しよう。
そんな思いがあった筈なのに、長崎さんがお客にまたもやクレームつけられて――と進んでいくのですが、いやぁ何ともキヨが男らしい!
キヨの格好良さも去る事ながら、長崎さんも相当男前なのですよー。
二人とも、遠くを遠くを歩いてようやく10年経って、それで自分の気持ちから逃げずに認められるようになる。
そんな回り道がようやく一本道になった時、ぶわーっと鳥肌が立ちました。
ヨカッタ、本当にヨカッタしっかりくっついてくれて。
おじいちゃんになっても、ゼットに乗って二人で過ごしてくれるといいな…♪
初読み作家さんが多かった上に、青井秋さん『ゆうづつは藍にとける』がいよいよ最終回でしたー!
この独特な綺麗な世界の雰囲気に、毎回読むのを楽しみにしていた1作でした。
大本命だけではなく、初作家さんや面白作品に出会えた1冊でした!